鏡の国のアリスのお話で、
アリスはハンプティ・ダンプティと出会います。
ハンプティ・ダンプティはイギリスの古い民謡に出てくる卵の形のキャラクターです。
鏡の国でハンプティ・ダンプティは、白の王さまと女王さまから贈られた
ネックレス(チョーカー)をしていました。
ハンプティ・ダンプティは
「非誕生日プレゼントとして賜った」
と言います。
なんだか聞き慣れない言葉ですね、、、
非誕生日プレゼントって何でしょうか?
非誕生日?
誕生日じゃない日にいただくプレゼントっていう意味ですね。
なんだか面白い考え方だなぁ、と思いました。
あなたは、誕生日プレゼントと非誕生日プレゼントでは、
どちらがうれしいですか?
そりゃ、誕生日プレゼントの方がうれしいように思います。
でも、ちょっと冷静に考えて見ます。
誕生日は1年に1回ですが、
非誕生日は、誕生日以外の日ですから、
1年を365日とすると、
365-1=364
つまり、非誕生日は364日もあります!?
そう思おうと、1年に1回プレゼントをもらうより、
364回プレゼントをもらう方がいいようにも思いますね。
アリスとハンプティ・ダンプティは、なんだか算数的な話をしているなぁ、
と思います。
今回、1年を 「誕生日」 と 「誕生日以外の日」 に
分けて考えていますが、
このように、全体をいくつかに分ける(分割する)
という考え方は、とても算数的なんです。
たとえば、1年を「月曜日」と「月曜日でない日」と2つに分けてもいいし、
「月曜日」「火曜日」~「日曜日」と7つに分割してもいいのです。
ただし、全体がはっきりと規定されていないといけません。
たとえば、「美味しい果物」 という全体を考えて、
その中で、「りんご」 と 「りんごでないもの」 に分けようと思っても、
「美味しい果物」 自体が、はっきり定まりません。
人によって味覚が違うので、みかんを美味しいと思う人がいれば、
美味しくないと思う人もいたりして、明確に定まらないからです。
このようなことを考えていると、
鏡の国のアリスの作者のルイス・キャロルは、やはり数学者だなぁ、と感じます。
というわけで、アリスとハンプティ・ダンプティの算数的な会話を紹介しました。
最後に、ハンプティ・ダンプティの民謡を紹介します。
Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses and all the king's men
Couldn't put Humpty together again.
ハンプティ・ダンプティが塀に座った
ハンプティ・ダンプティが落っこちた
王様の馬と家来の全部がかかっても
ハンプティを元に戻せなかった
■ 不思議の国のアリスと算数・数学ファンタジー ~ まとめ記事 ~
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子どもの算数力を育てる接し方を、
アドラー心理学にもとづいて書かれています。
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(出版社:CLAP)
【コラムの執筆者】
松岡 学
高知工科大学 准教授、博士 (学術)
数学者、数学教育学者
大学で研究や教育に携わる傍ら、
一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、
数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
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