トレミーの定理❹(複素数)数学的思考に目覚める会話7-4
数学的思考に目覚める会話7-4トレミーの定理❹(複素数)こんにちは。ヨッシーです。私は長年数学教師をしておりました。現在はフィリピンで日本語を教えております。中学校のとき、三平方の定理を習いました。この定理にはいろいろな証明があります。これに驚きました。結果は一つでも考え方は無数にある。自由に考えてよいのだ。数学的思考の魅力に触れた瞬間でした。今回扱うトレミーの定理は円に内接する四角形の定理です。辺の長さと対角線の長さの美しい関係式です。この定理にはどんな秘密が隠されているのか。トレミーの定理を複素数の観点から考察します。複素数とは不思議な数で、数直線上の関係が、一瞬にして円の関係に変わってしまいます。いろいろな観点から定理を捉える。そうすれば、定理の多様な背景が見えてきます。目には見えにくいが世界の背景にあるのが数学です。最先端の人工知能もその背景は数学なのです。数学の世界はとても美しくあります。美しいモノは、なぜか役にも立つようです。数学の魅力がわかれば世界が変わって見えるでしょう。あなたもそのような数学の魅力に触れてみませんか。数学的思考は公式を覚えるモノではありません。公式を導き出す思考です。数学的思考に目覚めた人々が未来の世界を創造していきます。【今回の課題】トレミーの定理❹(複素数)登場人物はヨッシー先生(Y先生)、努力家のM君、直観のするどいH君、冷静なSさん。この3人とヨッシー先生の会話で構成されています。ヨッシー先生「みなさん、こんにちは」M「今回も前回の続きですね」ヨッシー先生「そうです。トレミーの定理を 複素数の観点から考察します」H「複素数とは難しいですね」ヨッシー先生「数を広げて考えることで見え方が広がります」M「数学の不思議です。面白そうですね」トレミーの定理を復習します。【円に内接する四角形ABCDの性質】H「実数から数の範囲を広げたのが複素数ですね」ヨッシー先生「そうですね。複素数まで数を広げる。 そうすれば、例えば2次方程式は必ず解を持ちます」ヨッシー先生「平面上の点は複素数で表現できます。 この複素数を使ってトレミーの定理を考えましょう」H「トレミーの式を複素数で証明するわけですね」ヨッシー先生「次の式を見てください」 (w4-w1)(w3-w2)+(w2-w1)(w4-w3)=(w3-w1)(w4-w2)…①M「何ですか。この式は?」ヨッシー先生「考えてみましょう。①式は成立しますか」H「展開すれば等式として成立していることが分かります」 (確認してください)ヨッシー先生「いつでも成り立つ式ですね」H「この等式に意味がありますか」ヨッシー先生「次の図を見てください」H「数直線上にこの順で並んでいる4点A,B,C,Dですね」H「例えばAB=w2-w3(座標の差)。 4点の座標で①式が成立します」S「①式はAD・BC+AB・CD=AC・BDを表しています」M「確かに①式は成立しています」S「数直線上の点と点の距離の関係式です」H「この関係式が円周上の点で成り立つんですか」M「これは不思議だ」ヨッシー先生「ここが今回のポイントですね」ヨッシー先生「円に内接する四角形の性質を考えます」円周上の点をA(w1)、B(w2)、C(w3)、D(w4)とする。H「内接四角形の向かい合う角の和は180°です」S「A+B=180°、それが②式です」H「複素数の積の偏角は和となります。それが180°。だから積は負の実数となる。それが③式です」(偏角が180°の複素数は負の実数)ヨッシー先生「ここから複素数の式変形となります」 (w4-w1)(w2-w3)=-R(w2-w1)(w4-w3)H「(w4-w1)(w2-w3)と-(w2-w1)(w4-w3)は 同じ偏角(向き)になります」S「次の⑤式ですね」【偏角が同じ2つの複素数X1,X2について】H「それで絶対値の関係式⑥式が成立するわけだ」M「2つの複素数の偏角が同じということは べクトルの表現では同じ向きに平行ということ」S「向きが同じなので和の大きさはそれぞれの大きさの和になります」H「⑦式が成立するわけだ」H「数直線上の点の関係が円に拡張されるわけだ」S「面白いですね」 拡張する。 より広い世界が見えてくる。 これは大切な数学的思考です。 今回はここまでです。