誰かが、こういう新書を書くと思っていた。
誰かが書くのを待っていた。
「中学受験がおかしい。」と。
正確に言うと、
中学受験がおかしいというより、
中学受験を取り巻く、
塾や塾コンサルタントの言説がおかしい、のである。
そして、そのおかしさは保護者からも感じられ、
保護者がおかしくなっていく。
<まず保護者の話>
無事、受験を終えて
本校に入学してきた生徒の保護者は、
その憑き物が日々とれていくが、
いつまでも取り憑かれている保護者が、
年々増えているようなきがする。
何かに取り憑かれているのである。
(また憑き物がとれた人も、
大学受験のとき、その憑き物に
再び取り憑かれるかもしれない。)
また、この筆者と同様に、
わたしも雑誌「プレファミ」には違和感を感じる。
いや、言葉が過ぎるかも知れないが
「悪意」さえ感じるのである。
この筆者は、この「プレファミ型価値観を内面化した保護者」を、
「セレブ系ツカレ親」とバッサリ。
下流社会に脅える、自称セレブ系の保護者が、
その子ども達が下流社会に落ちることの恐怖に取り憑かれ、
受験業界の常識に取り憑かれ、
そしてそのあげくに子どもとともに疲れ果ててしまう保護者。
日頃から教育系のネット掲示板を常時チェックし、
在籍校の評判や偏差値の上下を気にする親。
います、います。
そして電話や面談で不当な要求。
そんなことより、自分の子どもの表情を見てごらん。
学校生活が楽しいか、楽しくないか、
授業がわかり充実しているのか、していないのか、
そんなことは我が子を見ればわかるだろう。
<2つめ。雑誌の話>
「悪意」が潜在しているプレファミ誌だが
それでも私は何回か購入している。
少し気持ち悪くなりながらも、読んでいる。
今回も特集が、
「本当に強い大学」だったので購入した。
やはり、いつものように書かれていた。
「不安を煽ること」
「結論ありきで、分析・批評を展開していること」
「わざとらしく『教育的』であろうとしていること。」
「わざとらしく『教育的』」というのは、
私の言葉であるが、表現が難しい。
「いかにも善意で、また、
あなたの子どもの将来を考えて私たちは提案しています。」
という感じのことである。
そしてそうしないと、
「あなたの子どもは損をしますよ。」
というような気持ちになる。
人の良さそうな表現ながら、心がザラザラしてくる。
「なんとなく不安」になるからである。
その不安になることは、現実の、
例えば公立学校への不信から始まる。
「ある公立学校でこんな事件がありましたよね?
これは特別な事ではなくて、
どこにでも起こることですよ。」
とでも言うように。
今回は、「旧帝大・早慶大だけが大学ではないですよ。」
とスタートする。
今回の「本当に強い大学」というのも、
端から、「旧帝大・早慶などの難関校」は除いておいて、
それよりも「偏差値の低い大学」でも実力のある大学を探す、
という特集だが、なんか読んでいて、
「おかしい、おかしい」
と思う。
はじめから読む読者層や
この手の雑誌を購入する大人の精神性をリサーチ済みなのか、
文章に特徴がある。
それは、「根拠が曖昧」なことから始まる。
次に「よくわからない比較」が行われ、
結論が導かれる。
評価する基準は、
金融業などの一流企業に何人就職できたか、
ということであるが、
「内定王座談会」では、
そういった人が1人もでてこない。
というより、
これは今回列挙した大学の広告なのか、
と思うような内容である。
「これだけ就職活動に力を入れていますよ。」
と。
また、そのうち読んでいると、
「勉強ができてもねぇ、・・・。」
とでも言いたいような。
でも、基準は偏差値なんですよね?大学受験の偏差値。
それは高校までに習ったこと、勉強の学力を表す示数。
まったく理解できない。
だったら、
「これは広告です」と書いてほしい。
だから批判する軸をぼやかしているのですと。
<塾・学校の話>
悪意と思っていることは根幹の一つは、これらの方々は
「保護者の不安を煽っている。」
ということである。
この新書によると、
この契機は1998に告示された、現指導要領だという。
指導要領が告示され、
今後少子化で萎む市場を睨んで、
塾・予備校と私立学校が手を組んで、
ネガティブキャンペーンとも言えそうな、
「脱ゆとり教育路線」
を張ったことにあると。
この「3割削減」というシンボライズされた言葉のように、
現行カリキュラムは、
それ以前から始まっていた「ゆとり教育の究極形」とも
後にいえるようなものであった。
確かに、私自身も不安に思ったし、
また
「これからは土日が休みというライフサイクルに変えて行かねば」
と思ったものである。
(結局、本校は「学校週五日制」には移行しなかった。
また多くの私立が、移行した学校も元に戻し、
現在は「学校週6日制」になっていると聞く。)
そう、その頃からである。
我々、私立中高一貫校を取り巻く状況が変わってきたな、と。
「教育の商品化がよりいっそう強まってきたな。」
と。
そして多くの記事を目にするようになる。
新聞記事ような広告記事、
○○教育研究所が主催する、校長先生などの座談会である。
結局、これは広告記事である。
校長が一同に集まっている写真はあるが、
対談なんてしていない。
それぞれが学校を紹介しているだけである。
そして、そのインタビューの下にはその学校の広告が。
もちろん○○教育研究所の広告も。
これは何?
また、○○教育研究所は塾のコンサルタントも、
私立学校のコンサルタントも行っているらしい。
これは利害を一致させることなのか?
ちょっと待て。
学校は利益を上げる会社ではない。
なんの利害を一致させるのか?
私立学校の損とは何か?
それは定員割れである。
定員オーバーもまずい。
申告した以上の定員を獲ると、補助金が削減される。
補助金の占める割合はかなりの額である。
一時期、私学バッシングなどもあり、私学も苦しい。
だから今のような補助金でやっていけるように、
少なくとも定員割れは避けたい。
でも世間は少子化である。
不思議なもので、
(我が家も子どもは2人だが、
それは子どもの成長の中で、教育費の負担が大きいからである。)
少子化の原因になっているのは
将来的な教育費への不安が大きいと思うが、
その結果、被害を被っているのは
学費の高い私学である。
その私学を守るために、
コンサルタントがいるのか?
そしてネガティブキャンペーンを張るのか?
「公立の中学・高校で、良い大学へ入れますか?」
あれ、いい大学はいらなくても良い就職はできるだよね?
よくわからなくなってきた。
ただ、この本、一度読むといいと思います。
自分が感じていた違和感が、
自分だけではないんだな、と思えてホッとしました。
そういえば、
「プレファミ読んでんの?狂ったか?」
と言ってくれた先輩がいます。
そうだよね、おかしいよね、あの雑誌。
また、スッキリしたら書きます、この話題。
保護者・雑誌、塾&コンサルタント。
みんなグルになって、
国を滅ぼそう、子どもを食いつぶそうとしている。
誰かが書くのを待っていた。
「中学受験がおかしい。」と。
正確に言うと、
中学受験がおかしいというより、
中学受験を取り巻く、
塾や塾コンサルタントの言説がおかしい、のである。
そして、そのおかしさは保護者からも感じられ、
保護者がおかしくなっていく。
<まず保護者の話>
無事、受験を終えて
本校に入学してきた生徒の保護者は、
その憑き物が日々とれていくが、
いつまでも取り憑かれている保護者が、
年々増えているようなきがする。
何かに取り憑かれているのである。
(また憑き物がとれた人も、
大学受験のとき、その憑き物に
再び取り憑かれるかもしれない。)
また、この筆者と同様に、
わたしも雑誌「プレファミ」には違和感を感じる。
いや、言葉が過ぎるかも知れないが
「悪意」さえ感じるのである。
この筆者は、この「プレファミ型価値観を内面化した保護者」を、
「セレブ系ツカレ親」とバッサリ。
下流社会に脅える、自称セレブ系の保護者が、
その子ども達が下流社会に落ちることの恐怖に取り憑かれ、
受験業界の常識に取り憑かれ、
そしてそのあげくに子どもとともに疲れ果ててしまう保護者。
日頃から教育系のネット掲示板を常時チェックし、
在籍校の評判や偏差値の上下を気にする親。
います、います。
そして電話や面談で不当な要求。
そんなことより、自分の子どもの表情を見てごらん。
学校生活が楽しいか、楽しくないか、
授業がわかり充実しているのか、していないのか、
そんなことは我が子を見ればわかるだろう。
<2つめ。雑誌の話>
「悪意」が潜在しているプレファミ誌だが
それでも私は何回か購入している。
少し気持ち悪くなりながらも、読んでいる。
今回も特集が、
「本当に強い大学」だったので購入した。
やはり、いつものように書かれていた。
「不安を煽ること」
「結論ありきで、分析・批評を展開していること」
「わざとらしく『教育的』であろうとしていること。」
「わざとらしく『教育的』」というのは、
私の言葉であるが、表現が難しい。
「いかにも善意で、また、
あなたの子どもの将来を考えて私たちは提案しています。」
という感じのことである。
そしてそうしないと、
「あなたの子どもは損をしますよ。」
というような気持ちになる。
人の良さそうな表現ながら、心がザラザラしてくる。
「なんとなく不安」になるからである。
その不安になることは、現実の、
例えば公立学校への不信から始まる。
「ある公立学校でこんな事件がありましたよね?
これは特別な事ではなくて、
どこにでも起こることですよ。」
とでも言うように。
今回は、「旧帝大・早慶大だけが大学ではないですよ。」
とスタートする。
今回の「本当に強い大学」というのも、
端から、「旧帝大・早慶などの難関校」は除いておいて、
それよりも「偏差値の低い大学」でも実力のある大学を探す、
という特集だが、なんか読んでいて、
「おかしい、おかしい」
と思う。
はじめから読む読者層や
この手の雑誌を購入する大人の精神性をリサーチ済みなのか、
文章に特徴がある。
それは、「根拠が曖昧」なことから始まる。
次に「よくわからない比較」が行われ、
結論が導かれる。
評価する基準は、
金融業などの一流企業に何人就職できたか、
ということであるが、
「内定王座談会」では、
そういった人が1人もでてこない。
というより、
これは今回列挙した大学の広告なのか、
と思うような内容である。
「これだけ就職活動に力を入れていますよ。」
と。
また、そのうち読んでいると、
「勉強ができてもねぇ、・・・。」
とでも言いたいような。
でも、基準は偏差値なんですよね?大学受験の偏差値。
それは高校までに習ったこと、勉強の学力を表す示数。
まったく理解できない。
だったら、
「これは広告です」と書いてほしい。
だから批判する軸をぼやかしているのですと。
<塾・学校の話>
悪意と思っていることは根幹の一つは、これらの方々は
「保護者の不安を煽っている。」
ということである。
この新書によると、
この契機は1998に告示された、現指導要領だという。
指導要領が告示され、
今後少子化で萎む市場を睨んで、
塾・予備校と私立学校が手を組んで、
ネガティブキャンペーンとも言えそうな、
「脱ゆとり教育路線」
を張ったことにあると。
この「3割削減」というシンボライズされた言葉のように、
現行カリキュラムは、
それ以前から始まっていた「ゆとり教育の究極形」とも
後にいえるようなものであった。
確かに、私自身も不安に思ったし、
また
「これからは土日が休みというライフサイクルに変えて行かねば」
と思ったものである。
(結局、本校は「学校週五日制」には移行しなかった。
また多くの私立が、移行した学校も元に戻し、
現在は「学校週6日制」になっていると聞く。)
そう、その頃からである。
我々、私立中高一貫校を取り巻く状況が変わってきたな、と。
「教育の商品化がよりいっそう強まってきたな。」
と。
そして多くの記事を目にするようになる。
新聞記事ような広告記事、
○○教育研究所が主催する、校長先生などの座談会である。
結局、これは広告記事である。
校長が一同に集まっている写真はあるが、
対談なんてしていない。
それぞれが学校を紹介しているだけである。
そして、そのインタビューの下にはその学校の広告が。
もちろん○○教育研究所の広告も。
これは何?
また、○○教育研究所は塾のコンサルタントも、
私立学校のコンサルタントも行っているらしい。
これは利害を一致させることなのか?
ちょっと待て。
学校は利益を上げる会社ではない。
なんの利害を一致させるのか?
私立学校の損とは何か?
それは定員割れである。
定員オーバーもまずい。
申告した以上の定員を獲ると、補助金が削減される。
補助金の占める割合はかなりの額である。
一時期、私学バッシングなどもあり、私学も苦しい。
だから今のような補助金でやっていけるように、
少なくとも定員割れは避けたい。
でも世間は少子化である。
不思議なもので、
(我が家も子どもは2人だが、
それは子どもの成長の中で、教育費の負担が大きいからである。)
少子化の原因になっているのは
将来的な教育費への不安が大きいと思うが、
その結果、被害を被っているのは
学費の高い私学である。
その私学を守るために、
コンサルタントがいるのか?
そしてネガティブキャンペーンを張るのか?
「公立の中学・高校で、良い大学へ入れますか?」
あれ、いい大学はいらなくても良い就職はできるだよね?
よくわからなくなってきた。
ただ、この本、一度読むといいと思います。
自分が感じていた違和感が、
自分だけではないんだな、と思えてホッとしました。
そういえば、
「プレファミ読んでんの?狂ったか?」
と言ってくれた先輩がいます。
そうだよね、おかしいよね、あの雑誌。
また、スッキリしたら書きます、この話題。
保護者・雑誌、塾&コンサルタント。
みんなグルになって、
国を滅ぼそう、子どもを食いつぶそうとしている。