浮浪人間への道 = Road to Groningen!

昨夜、雷雨があった。

短時間にざっと降って止むことが多いが、昨夜はその後も雨が長引いた。

これはホシくんにとって大事な雨。

 

【キラさん】

 

日曜の午前はキラさん。

この時期のキラさんは屋根付きの特等席でおやすみすることが多くなる。

 

 

最初に挨拶をしたがそれ以降はおやすみだった。

10時台後半30分だけ、落ち着かない時間があった。

ヒートアップして警戒する様子が見られたが、また落ち着いた。

水に入る様子はなかった。

 

キラさんは問題はない。

 

___________________

 

【ホシくん】

 

天の恵みの雨に感謝。

ホシくんは動物園にいながら、自然によっても生かされている。

今日のホシくんのための天然の水たまりはこの昨夜の雨のおかげで十分溜まっていた。

それはホシくんにとってどれだけ恵みの雨であるか、過去記事に書いた。

 

これくらいの水位があれば文句なく水浴びが楽しめるはず。

ボーフラが湧くような汚い水だが、大事なのは水があること。

 

 

食後直ぐの水浴び。

何度も水浴び。

 

水浴び後、直射日光が当たるこの場所で寝るホシくん。

 

夕方近くになると水位が減ってきたが、水浴び。

 

 

このホシくん専用の水たまりが暑い時期だけでも維持されることを願う。

できることならば、人の手で。

トーフ君の後に出てきた午後の個体は「イトゥバ」さんだった。

 

出て来てすぐは個体紹介がまだ変更されておらずエサンドワさんか迷った。

臀部が白いのがエサンドワさん、全体的に茶味が薄く流し目をしてくれるのがイトゥバさん。

 

流し目の瞬間に確定させることができた。

 

 

イトゥバさんは千葉に初めて導入された個体だと認識している。

とても愛嬌のある個体で好きだ。

 

まだ10歳にもなっていない。

千葉のスタメン中ではトーフ君が最年長ということになる。

姉御のイトゥバさん、さらに妹分のエサンドワさんと続く。

この日はエサンドワさんには会えずに終わった。

 

このたった1時間はなかなか充実した時間だった。

 

年間を通じて、ハイエナを見ていて一番面白いのは「水浴び」シーンだ。

若い子は特に無邪気に水と戯れる。

この日はそれが見られた。

 

 

ひたすら水で戯れる。

底に沈んだ骨を拾ってかじる。

陸から木棒を咥えて持ってきては、また水で再び戯れる。

 

 

次第に興奮してくる。

ついに興奮して、陸に上がって猛ダッシュを始めた。

ハイエナの全力猛ダッシュはなかなか動物園で見られるものではない。

稀有な光景を見た。

 

 

そういう意味でこの1時間はとても充実した時間となった。

水から出て、平静を取り戻しつつあったイトゥバさん。

もうこれ以上望むものはない。

 

15時で動物園を去った。

 

千葉にも素敵なハイエナが3頭もいる。

改めて、ハイエナはどの子も可愛いと思った。

 

大宮についで近いのに。

もう少し足繁く通えたらいいのに。

待ちくたびれてHPすらチェックしていなかったトーフ君のこと。

 

7月中旬の3連休、計画がぐずぐずの天気のせいで流れた。

本格山行を断念し、静岡遠征も断念した。

最終日くらい出かけたい、さてどうしようかと。

 

そこで、思い出したのが千葉。

チェックすれば、トーフ君の一般公開が6月下旬から始まったという。

最終日15日はトーフ君に会いに出かけてみた。

 

7時半に出発。

道中、雨が激しく降ったり止んだり。

10時に千葉市街に到着。

この頃には青空が出始めていた。

 

10時半にハイエナ舎到着。

トーフ君が既に外に出ていた。

久々の再会となった。

 

 

嬉しかった、これからは近くでトーフ君に会えるのだと。

だが、様子は違和感があった。

自分が知っているトーフ君と何か違う。

 

・小汚い(泥水まみれ)

・口が開いている

・太った

 

のいちで会っていた頃のトーフ君の印象は真逆だ。

・毛並みが綺麗

・顔立ちが端正

・スリムないでたち

 

この違和感を総括するのにさほど時間はかからなかった。

初めてトーフ君をみた一般客が「このハイエナ腹が出てる」と言った。

確かに。

やはり千葉に来て、太ったのだと確信した。

 

半年以上仕事をしていなかった。

一体何をしていたのだろうか、知る由もない。

屋内での生活が長引けば、運動量も減るだろう。

太ることは理解できる。

 

出てきていきなりウンチを結構な量を出した。

食事はしっかりもらっている様子だった。

 

トーフ君、明らかに「超えられない一線」があった。

 

初めのうちはまだ大丈夫だった。

実は、出会って最初のうちはトーフ君が至近距離まで来てくれていた。

千葉のハイエナ舎は放飼場エリアの客が集う場所から最も遠い奥まったところに屋内舎がある。

手前の客が集うエリアには自分か数人しかいない10時台に来ただけだった。

 

客が増えるようになって、屋内舎に近い奥の場所に留まるようになった。

ある一線から手前には出てこなくなった。

常に人間を意識しているのがよくわかった。

手前の客だけでなく、背後の西口ゲートへ通じる階段の人間の動向にも敏感だった。

 

これは徳島のガブ君と同じだ。

人慣れしていない個体がやる距離の取り方だった。

 

トーフ君は「のいち」では普通に生活しており、対人にも問題ないと思っていた。

知っている限り、エナ&ブッチーペアとは別で単独展示ではあったが。

臆病で慎重な個体であることはもちろん知っていた。

 

千葉では人見知り全開となってしまっていた。

適応障害というわけではないと思う。

人がいなければ出てこれると思う。

最初のうちがそうで、人がいなかったから手前に来ていたのだから。

 

以降は、奥の方で座ったり、人が来たら立ちあがりその場で旋回する。

同じ場所を旋回する様子、一般客から「常同行動」と感想が聞かれた。

一般客はよく「常同行動」というレッテルを貼る。

事情を知ってから言って欲しいと思うが、言われるのも頷けた。

 

 

トーフ君はそのうち疲れてしまったようだった。

大宮のキラさんもそうだが人間に対する「警戒疲れ」。

人がいない状況では伏せて座り、大勢がやってくると旋回する。

この2パターンの動作をやるばかりとなった。

 

 

トーフ君らしさがまるでみられなかった。

残念でしかなかった。

 

14時にトーフ君はイトゥバさんと交代して室内へ帰った。

__________________

 

トーフ君を見つめて30分経った、11時前に「事件」が起きた。

 

それは「自分が客に絡まれた」事件。

 

ハイエナ紹介文が眼前にあって、間違わないような状況なのに「チーターかな?」という女が隣にやって来た。

どうして間違うのか理解できず、無言で軽く首を傾げた。

そしたら、その女の男が自分の「首を傾げた」動作が癪に触ったらしく、つっかかってきた。

 

こちらは首を傾げただけで、何の危害も与えていない。

それなのに、「お前を中心に考えるな」と言われた。

罵声を浴び、挑発を受けた。

 

かなり好戦的で「かかってこいや」とか言い出した。

相手は30前後の男。

 

こちらはそのつもりはさらさらない。

だが「頭が悪すぎる」と言ったら、火に油を注ぐ形となった。

__________________

 

世の中にはいろんな人間がいると改めて認識した。

ハイエナや他の動物たちも同じではない。

だから、個体差を知れば知るほど面白いのだが。

 

そのことはトーフ君の後に出てきたイトゥバさんを見て実感した。

 

イトゥバさんのことは次の記事で書くことにする。

7月7日、宇都宮動物園へ遠征した。

 

久々、ブブちゃんに会うために。

 

 

9時の開園時間に到着したが、道路も園内も空いていた。

その後も全然客の入りが少なくて拍子抜けした。

人間という生き物は本当に暑さ寒さ、雨風とといった天候に左右される。

つまり、今日のような猛暑は多くの人間にとって悪天候だということになる。

 

思い返せば、宇都宮動物園には毎年8月のお盆休みにしか暑い時は来ていなかった。

休みであるからそこそこ人数がいたのは当然だったとも言える。

_______________

 

 

開園後すぐ、ブブちゃんは夜の部屋で寝ていた。

この日、夜の部屋と放飼場を隔てる「扉」は開放となっていた、正解だと思う。

結論から言って、ブブちゃんはこの日、屋内外で寝てばかりだった。

 

時折、担当氏がやってくるとブブちゃんは起き上がって手前に来る。

それくらいしか変化はなかった。

 

猛暑を見込んできたが、宇都宮はそれほどでもなかった。

大宮と宇都宮、こんなにも温度上昇が違うのかと驚いた。

午前は30℃に達しておらず、快適そのものだった。

しかも、心地よい風があって木陰を選べば、それなりに涼しい。

 

ブブちゃんの口が開いてしまうことは一度もなかった。

自分が「ヒートアップ」と形容する暑さで参っているかどうかの判断基準が「口が開いている」かどうか。

この日のブブちゃんは開口することは皆無。

「スヤスヤ」という形容が合うくらいの穏やかな寝相だった。

 

大宮では今頃キラさんやホシくんが口を開きっぱなしで暑がっているだろうに。

そんな想像をしながら、別世界ぶりを体感した。

 

1日を通して、ブブちゃんに倣って木陰に滞在した。

5Lの水分を持参したが、飲み干すまでに至らず。

決して暑くないわけではなかった。

 

というのも、この日今年初めて40℃に達した都市があった。

「静岡市」だった。

静岡か宇都宮か、この日迷って宇都宮にした経緯がある。

ちなみに静岡が40℃に達したのは統計史上初だという。

 

ちなみに、この日35℃以上に当地も達していた。

暑くないわけではない。

 

 

寝てばかりで変化がないから、離れて休憩所での滞在が多くなった。

 

静岡の日本平には「ツキセレン」がいる。

元気だろうか、心配だ。

とはいえ配慮ができる担当氏がいる。

水浴びさせたり、氷を提供したり、してくれているだろう。

 

次の連休に余力があれば今度は静岡を訪問する。

夏の静岡遠征は結構大変なのだ。

 

16時過ぎ、閉園時刻を前にして退園した。

これは大体いつも通り。

ここから新4号で幸手を経由して帰ったが帰路の道路は混んでいた。

 

 

 

7月になり、今年も猛暑が戻ってきた。

 

35℃以上の日々が連日続いている。

一部の暑さに弱い動物たちにとっては受難の日々となる。

 

大宮公園のブチハイエナ二頭「キラホシ」には今も毎週末会いに行っている。

だが、7月に入って先週までの二頭と様子が違っていた。

暑さのせいでつらそうなのだ。

息が上がっていて、見ていて辛かった。

 

ハイエナはサバンナを代表する生き物だから、暑さに強そうに思えるのだが…

実はサバンナって思っている以上に温暖で涼しいところだと分かった。

ンゴロンゴロやセレンゲティといった代表的なサバンナの気温データを日々チェックして分かったことだ。

日本の夏と冬はサバンナの生き物にはつらいはず。

 

暑すぎて、つらそうなキラさん。

 

「飼育員よ、なんとかならないものか」と不安に思う。

 

夏と冬、対策は飼育員の配慮によってなされるもの。

大宮では対策が他園のように配慮されることがない。

「酷いものだ」といつも思っている。

とはいえ、客である自分がどうのこうの出来るものではない。

 

だが、放っておくと死んでしまう危険性すら感じている。

これまでは良かったが、年々老いて行く個体にとっては毎度危機である。

 

キラさんも同じだ。

 

とはいえ、暑さに関してキラさんについては、あまり心配していない。

暑ければプールに入ればいい。

あの「金魚がいる」プールはキラさんのものだ。

 

というのは、ホシくんはキラさんのプールに入ることは決してしない。

キラさんに譲歩しているからだ。

ハイエナ社会では厳格な個体の序列がある。

致し方ない。

 

キラさんはこの後、水浴びをした。

水面に泡が浮いてきた、水質衛生面で難ありか。

 

大宮公園ではホシくんキラさんが1つの放飼場をシェアして生活している。

圧倒的に二頭の立場は違ってホシくんが下位にある。

だから、ホシくんはいろんなものをキラさんに譲歩している。

それはよくよく観察していればわかることだ。

 

夏は各個体ともにオーバーヒートしてしまう暑さ。

「水浴び」出来るかが生命線となる。

他園では当たり前なのかもしれないが、大宮のホシくんに限っては事情が違う。

ホシくんの水がめはプールの通路隣のエリアにある。

 

 

そこはホシくんがかつて一生懸命掘って作った天然の水たまり。

雨がたくさん降れば溜まるし、日照りが続けば干からびてしまう。

 

飼育員がそれをよく観察し、ホシくん専用の水がめを維持できるように配慮してあげないとダメだ。

だが、昨夏の飼育員たちはこの状況をわかっていなかった。

それをしてもらえなかった昨年はホシくんは干からびる寸前だった。

 

数年前にいた飼育員たちはミストをやってくれた。

だが、公務員的な飼育員は異動によって他所に行ってしまった。

今いる飼育員たちがそのような配慮ができるのか、疑わしい。

 

ホシくんだけの対策をしてくれればいい。

 

簡単なことだ。

【ホシくんの天然の水たまりである水がめが枯渇しないように注水をして維持してほしい】

 

だが、この簡単なことがなされていない。

ならば、「雨乞い」するしかないと思っている。

 

_______________

 

【ホシくん】

 

この日6日のホシくん、相変わらずガラスの角地に寝ていた。

春先から初夏にかけてホシくんの寝場所だが、この猛暑下では不向きの場所だ。

なのに寝ていたのだから、暑すぎて息が上がってしまうのは当然。

 

 

ホシくん、歩く姿はもうヘロヘロだった。

健脚であるが、段差でよろめくことが多々あった。

目つきも朦朧としているように見える。

年始に感じた「ホシくんもうダメかもしれない」が再び頭によぎった。

 

 

かろうじて残っている天然の水がめはわずかでしかなかった。

だが、その泥水を精一杯腹ばいで浴びるホシくん。

水がめを維持するためにそこで自ら放尿もした。

 

ああ、雨降らないかな。

 

 

こんな気の毒なホシくんを見ているのはつらい。

ヘロヘロのまま、時間になったため部屋に戻っていった。

 

【キラさん】

 

交代で出てきたキラさんも、既に出てくる時に口が開いていた。

室内にいた時からヒートアップしてしまっているようだ。

「キラさんのガリガリタイム」を安心して見守った。

ホシくんとは違って、食べっぷりは安定しており、食べ終わるまでが速い。

 

 

食べ終わって寝るまでを見届けて一旦帰宅した。

再び閉園1時間前に戻ってきたが、雨が降り始めた。

 

閉園してキラさんが部屋に戻るまでは雨の程度は軽かった。

雲行きが怪しくなってきたため慌ててバイクで家路を急いだ。

帰宅するなり激しい雷雨に見舞われた。

隣接するマンションの避雷針に落雷がすぐきて、怖かった。

 

1時間の降雨量が30ミリを超えた。

ニュースにもなったくらいたくさん降った。

 

ホシくんにとって恵みの雨となった。

しばらく猛暑下でも生きて行けるだろう。

 

雨乞いした甲斐があった。

_____________________

 

⭐︎七夕の願い事⭐︎

 

【ホシくんが干からびないよう以前のようなミストシャワーを設定してもらえますように】

【ホシくんの天然の水たまりである水がめが枯渇しないように注水してもらえますように】

【キラさんのプール、もっと衛生的で出入りしやすい仕様になりますように】

【放飼場に水飲み場が出来ますように】

【冬は寒いから外の寝床に稲藁を敷いてもらえますように】

_____________________

 

猛獣舎の屋上に、寒い頃に調査が来ていたのを思い出した。

7月から、改良工事が始まっているらしい。

 

合計三頭のことを大事に見据えることはいいことだ。

 

概要すら知らないが、「雨漏り対策」より優先してやることはあるかと思う。

動物たちにとってより効果的な、過ごしやすい環境を与えてあげてほしい。