【キラホシ】七夕の願い事 | 浮浪人間への道 = Road to Groningen!

7月になり、今年も猛暑が戻ってきた。

 

35℃以上の日々が連日続いている。

一部の暑さに弱い動物たちにとっては受難の日々となる。

 

大宮公園のブチハイエナ二頭「キラホシ」には今も毎週末会いに行っている。

だが、7月に入って先週までの二頭と様子が違っていた。

暑さのせいでつらそうなのだ。

息が上がっていて、見ていて辛かった。

 

ハイエナはサバンナを代表する生き物だから、暑さに強そうに思えるのだが…

実はサバンナって思っている以上に温暖で涼しいところだと分かった。

ンゴロンゴロやセレンゲティといった代表的なサバンナの気温データを日々チェックして分かったことだ。

日本の夏と冬はサバンナの生き物にはつらいはず。

 

暑すぎて、つらそうなキラさん。

 

「飼育員よ、なんとかならないものか」と不安に思う。

 

夏と冬、対策は飼育員の配慮によってなされるもの。

大宮では対策が他園のように配慮されることがない。

「酷いものだ」といつも思っている。

とはいえ、客である自分がどうのこうの出来るものではない。

 

だが、放っておくと死んでしまう危険性すら感じている。

これまでは良かったが、年々老いて行く個体にとっては毎度危機である。

 

キラさんも同じだ。

 

とはいえ、暑さに関してキラさんについては、あまり心配していない。

暑ければプールに入ればいい。

あの「金魚がいる」プールはキラさんのものだ。

 

というのは、ホシくんはキラさんのプールに入ることは決してしない。

キラさんに譲歩しているからだ。

ハイエナ社会では厳格な個体の序列がある。

致し方ない。

 

キラさんはこの後、水浴びをした。

水面に泡が浮いてきた、水質衛生面で難ありか。

 

大宮公園ではホシくんキラさんが1つの放飼場をシェアして生活している。

圧倒的に二頭の立場は違ってホシくんが下位にある。

だから、ホシくんはいろんなものをキラさんに譲歩している。

それはよくよく観察していればわかることだ。

 

夏は各個体ともにオーバーヒートしてしまう暑さ。

「水浴び」出来るかが生命線となる。

他園では当たり前なのかもしれないが、大宮のホシくんに限っては事情が違う。

ホシくんの水がめはプールの通路隣のエリアにある。

 

 

そこはホシくんがかつて一生懸命掘って作った天然の水たまり。

雨がたくさん降れば溜まるし、日照りが続けば干からびてしまう。

 

飼育員がそれをよく観察し、ホシくん専用の水がめを維持できるように配慮してあげないとダメだ。

だが、昨夏の飼育員たちはこの状況をわかっていなかった。

それをしてもらえなかった昨年はホシくんは干からびる寸前だった。

 

数年前にいた飼育員たちはミストをやってくれた。

だが、公務員的な飼育員は異動によって他所に行ってしまった。

今いる飼育員たちがそのような配慮ができるのか、疑わしい。

 

ホシくんだけの対策をしてくれればいい。

 

簡単なことだ。

【ホシくんの天然の水たまりである水がめが枯渇しないように注水をして維持してほしい】

 

だが、この簡単なことがなされていない。

ならば、「雨乞い」するしかないと思っている。

 

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【ホシくん】

 

この日6日のホシくん、相変わらずガラスの角地に寝ていた。

春先から初夏にかけてホシくんの寝場所だが、この猛暑下では不向きの場所だ。

なのに寝ていたのだから、暑すぎて息が上がってしまうのは当然。

 

 

ホシくん、歩く姿はもうヘロヘロだった。

健脚であるが、段差でよろめくことが多々あった。

目つきも朦朧としているように見える。

年始に感じた「ホシくんもうダメかもしれない」が再び頭によぎった。

 

 

かろうじて残っている天然の水がめはわずかでしかなかった。

だが、その泥水を精一杯腹ばいで浴びるホシくん。

水がめを維持するためにそこで自ら放尿もした。

 

ああ、雨降らないかな。

 

 

こんな気の毒なホシくんを見ているのはつらい。

ヘロヘロのまま、時間になったため部屋に戻っていった。

 

【キラさん】

 

交代で出てきたキラさんも、既に出てくる時に口が開いていた。

室内にいた時からヒートアップしてしまっているようだ。

「キラさんのガリガリタイム」を安心して見守った。

ホシくんとは違って、食べっぷりは安定しており、食べ終わるまでが速い。

 

 

食べ終わって寝るまでを見届けて一旦帰宅した。

再び閉園1時間前に戻ってきたが、雨が降り始めた。

 

閉園してキラさんが部屋に戻るまでは雨の程度は軽かった。

雲行きが怪しくなってきたため慌ててバイクで家路を急いだ。

帰宅するなり激しい雷雨に見舞われた。

隣接するマンションの避雷針に落雷がすぐきて、怖かった。

 

1時間の降雨量が30ミリを超えた。

ニュースにもなったくらいたくさん降った。

 

ホシくんにとって恵みの雨となった。

しばらく猛暑下でも生きて行けるだろう。

 

雨乞いした甲斐があった。

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⭐︎七夕の願い事⭐︎

 

【ホシくんが干からびないよう以前のようなミストシャワーを設定してもらえますように】

【ホシくんの天然の水たまりである水がめが枯渇しないように注水してもらえますように】

【キラさんのプール、もっと衛生的で出入りしやすい仕様になりますように】

【放飼場に水飲み場が出来ますように】

【冬は寒いから外の寝床に稲藁を敷いてもらえますように】

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猛獣舎の屋上に、寒い頃に調査が来ていたのを思い出した。

7月から、改良工事が始まっているらしい。

 

合計三頭のことを大事に見据えることはいいことだ。

 

概要すら知らないが、「雨漏り対策」より優先してやることはあるかと思う。

動物たちにとってより効果的な、過ごしやすい環境を与えてあげてほしい。