60.海棠尊:ブレイズメス1990
海棠ワールドで
最も華麗なキャラクター
天才外科医天城雪彦が
日本医学界にもたらす大波乱とは?
勧善懲悪の王道ストーリーの下で
来るべき医療の夢がほとばしる痛快作!
- ブレイズメス1990/海堂 尊
- ¥1,680
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現役医師でもある作家、海棠尊の世界は、リアルタイムの日付をもって、様々な時代の様々な人物を再登場させながら描く医療の一大テーマパークでもあると言えるでしょう。
「ジェネラルルージュの凱旋」で登場する速水晃一も華のある人気キャラクターですが、それにもまして華麗なのが、「ブレイズメス1990」の主人公である天才外科医天城雪彦です。
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ニースで開かれた国際学会でパネリストとして選ばれた東城大学医学部講師の垣谷に同行した外科医世良には、佐伯外科部長から託された極秘ミッションがあった。
それは、モナコを拠点とする天才外科医天城雪彦を、日本へと呼び戻すことであった。
予定された学会での発表もすっぽかす天城の奔放さに振り回されながら、天城はモナコのホテルを拠点とする未知の世界へと、垣谷、さらに現地で出会った新人研修医の駒田ともども入り込む。
そこで、見た天城の姿は医師とはかけ離れた華麗なギャンブラーであった。
ホテル数十年分の宿泊費を前払いし、カジノからもVIP扱いされる天城。
そして、天城は自分の手術の希望者に対して、全財産の半分を賭けることを要求し、勝ったもののみが彼の手術を受けることができるという独自の金銭哲学を世良の前で語る。
あまりに鮮やかな手術に魅了されながらも、患者の生命を金銭とはかりにかける天城に対して憤りを隠せない世良。しかし、天城を連れることなしに、日本に帰ることはできない。
万策尽きた世良は、天城相手に、カジノでいちかばちかの賭けを行うのであった。
評価:☆☆☆☆★ 90点
著者:海棠尊 書名:ブレイズメス1990 出版社:講談社 2010年7月刊
世良の熱意にほだされる形で日本へ帰った天城は、当然の如く、東城大学医学部に大きな波乱をもたらします。佐伯外科の後継者争いで、様々な権謀術数が渦巻く中、天城は反対意見を押して、公開での心臓手術を行おうとします。そして、その背後に隠された壮大なビジョンとは?
患者の生命は金銭よりも重い、しかし金銭なくして患者を救うことはできない。
天城こそは、海棠ワールドにおけるブラックジャックであり、「ブレイズメス1990」は守旧勢力を木っ端みじんに打ち砕く痛快ストーリーですが、一方で医学界のリアルに踏み込む形で、医師海棠尊の来るべき医療の夢・メッセージが凝集された傑作と言えるでしょう。
59.ヤマザキマリ:テルマエ・ロマエⅠ
古代ローマの建築技師が
タイムスリップで日本の浴場へ迷い込む
コミックによる
抱腹絶倒の比較文化論
- テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)/ヤマザキマリ
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「テルマエ・ロマエ」の主人公、ルシウス・モデストゥスは、ローマの建築技師。
昔のローマの浴場の復権をはかろうとして、失業同然の目に。より斬新なアイディアを求められます。
公衆浴場で、憂さを晴らそうとして、湯の中に潜り込むうちに、現代の日本の銭湯へとタイムスリップしてしまいます。最初は、「平たい顔」の奴隷の浴場とあなどっていたものの、やがて壁画や洗面器・脱衣籠やポスターの精妙な造りに圧倒され、フルーツ牛乳の味に感動を覚えたところで、古代ローマへと逆戻り。
当時の技術で何とか見聞したものを、実現し、人気を博します。
さらに、露天風呂へと、個人の浴室へとタイムスリップを繰り返すうちに、彼の評判はかの有名なハドリアヌス帝まで聞き及ぶことになります。
日増しに高まる自らの独創性への評価とは裏腹に、ルシウスの心は晴れず、異文化のパクリの後ろめたさにさいなまれるのでした。
著者名:ヤマザキマリ 書名:テルマエ・ロマエⅠ 出版社:エンターブレイン 2009年12月刊
評価:☆☆☆☆
話題のコミックで、様々な賞を受賞するとともに、本場ローマまでも巻き込んだコラボ企画も行われ、今日までに50万部売れたと言われる「テルマエ・ロマエ」第一巻。
古代ローマ人の目を借りることで、世界に誇る日本の銭湯文化を斬新な目で見ることができますが、1巻で主だったネタを使ったために、今後どれだけこのインパクトを持って続けることができるか、興味深いところです。そういう時の助けとなる、主人公周りの人物像も一巻では最低限にとどまっているため、今後の成り行きを注目したいと思います。









