Winter Illuminations <表参道から原宿へ.>
Winter Illuminations <表参道>より続く
表参道ヒルズのゴージャスなショーウィンドウ。
ガラスの中のイルミネーションが美しい。
が、目で見たとおりには写ってくれない。
道路向かいから見た、表参道ヒルズの入り口付近。
さあ、いよいよ後半戦!
と思ったところで
イルミネーションは消えてしまう。
消灯時間の午後10時だったのだ。
ハイライトの歩道橋が目の前だっただけに残念。
暗い通りを直進し、右に折れる。
ラフォーレ原宿のクリスマスツリー。
今話題のFOREVER 21は、こんなところにあった。
そこで左折すると竹下通り。
すっかり人通りが少なくなった時間。
ショップもほとんど開いていない。
でも、この猫に会えたから、よしとしよう。
原宿駅の向かいからは巨大なスヌーピーが消え、
いつのまにかGAPになっていた。
諸行無常ですね。
37.恩田陸:『恐怖の報酬』日記
外国へ行きたいのに行けなかった作家が
自らの恐怖に向かい合う混迷の旅行記
- 酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記/恩田 陸
- ¥1,470
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■蔵書の山を崩すには?
恩田陸は大変な多作家である。そして、一冊一冊が長く、本も分厚い。
「夜のピクニック」が映画化されたころ、一時はまって何冊か読んだのだが、その後いつの間にか読まなくなった。読まなくなっても、なぜか増え続けてしまうのがこの人の本である。まずタイトルが美しく、何かしら未知の物語世界との遭遇があることを予感させるものがある。そして、本の装丁も絵本のように美しく、つい引き込まれてしまいそうになる。しかし、踏み出せない。どこか現実と隔絶した世界へ入り込むのは、リアルな世界で生活に追われている時には苦痛をともなうものである。入り込む時の心地よさと同じだけ、現実に引き戻される時の苦痛があるのだ。
だから恩田陸の本は、古い作品から最近の作まで、まとめて数十冊段ボール箱の中に押し込まれている。似たような目にあっている女流作家としては、小川洋子と川上弘美がある。女性の作家では、なぜかこの三人だけが突出して多くのスペースを占めている。
8割か9割の著作はあるのではないかと思う。本というのは、一冊一冊読みながら買うのがペストで、読書もはかどるのであり、たとえ好きな作家でも一気にまとめ買いしてしまうと、小学生の夏休みの宿題のように、いつしか重荷になってしまうものなのだ。
そんな時は、どこから山を崩せばよいかと言うと、周辺からなのである。経験上、大作とか代表作ではなく、軽いエッセーや対談集からだと比較的スムーズに入り込むことができる。
■助けて、千秋さま、お願い
そんな風にして、私は「『恐怖の報酬』日記」にたどりついたのである。
「『恐怖の報酬』日記」は、イギリス・アイルランド旅行記である。
しかし、この著者にしては、このタイトルは美しくない。
一体、『恐怖の報酬』とは何か?
『恐怖の報酬』とは、アンリ・ジョルジュ・クルーゾーの映画のタイトルであり、著者もそれを念頭に置いている。
しかし、もちろんニトログリセリンを運ぶわけではない。
「恐怖の報酬」の恐怖とはあれなのである。
「だけど、本当にあの乗り物に乗らなければならないなんて。
もうじきあの中にはいらなければならないなんて。」
そうなのだ。著者は、「のだめカンタービレ」の千秋真一と同じ病気、飛行機恐怖症なのである。
年間数百冊を読む読書家の著者である。当然のように、「のだめカンタービレ」への、千秋真一への共感が出てこないわけがない。
「君の気持ちは非常によくわかるよ、千秋。つらいよな、千秋。子供の頃、ウイーンのコンクールで優勝までしている君が、語学にも堪能でドイツの作曲家に傾倒する君が、日本から出られないのはさぞ無念であろう。」
まず飛行機に乗るまでの悪あがきが長い。恐怖を忘れるために、飛行機の中で読む本の選定から始まる。そして、次には恐怖そのものへの考察が続く。スティーブン・キングやら、アーサー・クラークやら、レイ・ブラッドベリまで同病の作家たちの例をあげて正当化をはかろうとする。そして、本によって、アルコールによって、睡眠によって、この恐怖をどうやわらげるか知恵を絞り続けるのである。
■紀行という名の脳内旅行記
著者の中には、さまざまな書物の世界と、それに音楽の世界、映画の世界といったカルチャー・サブカルチャーの世界がひしめいている。何かに出会うたびに、それらが次々に連想の流れの中にあふれ出てくる。おおよそ語るべきものがないような、殺風景な風景を前にしても、著者が饒舌であり続けるのは、この無限の知識とイメージの連鎖があるからなのだ。
だから、この紀行は、実は著者の脳内の紀行でもある。
小説世界では、控えめにしか出てこないカルチャー/サブカルチャーの断片が、泉のようにあふれ出てくる。まさにめくるめく世界なのである。
そんな中で、著者が創作の秘密を語っている部分が特に興味をひかれた。
■物語のシャーマン
「アイデアやイメージというのは不思議なもので、いつも水面下でちらりちらりしているのだが、それが具体的なものに姿を変える瞬間というのは偶然でもあり、唐突でもある。
つかめそうでつかめない。もどかしい、そのくせ、いったんつかめるといっぺんに細かいところまで見通せる。だから、その瞬間からあとは嬉しいが、その時以外はほとんどどんよりと絶望感に苛まれている。」
埋まっている何かを掘り出す勘だけで書いているのだと恩田陸は言う。
細かい計算などないに等しいのだと。
そして、イギリスからアイルランドへと風景が移り変わる時、まさに物語が降臨する瞬間のことを語るのである。
「気に入った場所、雰囲気のある場所に立ち会った時に、そこを舞台にして何が起こるかを考える。いや、考えるというより、自分がその場所に聞いてみるというほうが正しいだろう。」
タラの丘を歩くうちに、著者の脳裏に浮かんできたのは、空を飛ぶ船のイメージだった。そのイメージはさらにその船を見上げる犬を連れた男の子へとつながる。
いったん途切れると、今度は手紙を書く少女のイメージが浮かぶ。そしてその相手の青年のイメージへとつながり、そこから物語のナレーションが、青年の声となって出てくるのである・・・
お勧め度:☆☆☆☆
著者:恩田陸 書名:『恐怖の報酬』日記 出版社:講談社 2005年刊
物語の中では、素顔をほとんど見せない著者が、あわてふためきパニックになり、その中でさまざまな芸術世界の作品を巻き込みながら、自分を何とか落ち着かせようとして、かえって一層混沌とした世界を広げてゆくさまが実に痛快です。同時に、豊穣さに満ちた著者の創作の秘密の一端をうかがい知ることもできます。さらに、ところどころに出てくる思わぬ世界への薀蓄・トリビアに、なぜか得した気になるのは私だけでしょうか。
「全盛期のピンクレディーは超睡眠不足で、ほとんど仕事をしていた場所の記憶がなかったそうである。なにしろ、あれだけ「ザ・ベストテン」に出まくっていたのに、久米宏に会った記憶がないというのだ。」
ハンディで、リーズナブルな価格の文庫版もあります。
- 「恐怖の報酬」日記―酩酊混乱紀行 (講談社文庫 お 83-6)/恩田 陸
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号外:二ノ宮知子:のだめカンタービレ アンコール オペラ編 AKT1
舞台はオペラへ
伝説はまだ終わらない
あの仲間たちが再び!!!
12月10日発売のKISS24号で二ノ宮知子「のだめカンタービレ アンコール オペラ編」がスタートしました。
パリの地で、原点の曲へと返ることで、元のさやに収まるようになったのだめと千秋でしたが、そんな千秋のもとに日本からライジングスターオーケストラで、オペラの指揮をしないかと誘いがきます。
曲目はモーツァルトの「魔笛」。4月、そのオーディションに立ち会うために単身帰国した千秋を待っていたのは、思わぬ顔ぶれとの再会!
プリマドンナを演じるのは一体誰?
波乱万丈の幕開けです。
6月、日本でのソロ・コンサートのために、千秋とともに帰国したのだめ。
凱旋帰国を夢見たのだめでしたが、その思いは無残にもあるライバルによって打ち砕かれてしまいます。
そのライバルとは一体?
さー、どーなる?アンコール オペラ編!!!
再びあのメンバーと合流したドタバタ喜劇の始まりです。
さて、このKISS24号には、ここでしか手に入らない『のだめカンタービレ』ポストカードカレンダー2010がついてきます(画面右)。
「アンコール オペラ編」の扉絵とカレンダーの裏側
ポストカードカレンダーは、カレンダーの日付の部分を切り離すと、そのままポストカードになる優れものです。
コミックでまとめ読みと決め込んでいると、せっかくのレアものを手に入れそこねるので、お近くの書店、またはコンビニまでお早めに。
KISS24号は税込み価格420円です。
















