NO BOOKS NO LIFE -読書の時間―  -12ページ目

アメノベル第4集(033~050)

<冷たい手>


アメノベル033:肝試しの夜、菜穂子と墓地で落ち合う約束をした。菜穂子は試す側、僕は試される側。昔ながらの白い着物を着てるからすぐわかるわ。果たして白い着物の女性が現れたので、手を握った。冷たかった。その時、携帯が鳴った。ごめん、お腹痛くてゆけなくなっちゃったと菜穂子の声がした。




<ドラキュラの孫>


アメノベル034:ドラキュラの孫は、若い女性の血に飢えていた。向こうから、長い髪のスカートをはいた姿が近づくのを見ると、いてもたってもいられず、襲いかかり、首筋に噛みついた。すると彼の身体の中で異変が生じた。あら、わたし、どうしちゃったのかしら。キャー、向こうからいい男が来たわ。




<花より団子>


アメノベル035:十年間ずっとファンだったのに・・・朝のワイドショーで、あるグループのボーカルの婚約発表があった。おめでた婚だった。世界がひび割れ、太陽が泣いていた。持っていたCDやDVDを全てブックオフに売った。そのお金でお好み焼きとパフェをドカ食いした。太陽が再び笑い始めた。




<図書館の君 1>


アメノベル036:市の図書館に気になる人がいた。精悍なマスク、短い髪、Tシャツとジーンズの君だった。私が取ろうとした本をその人が先に取った。そんなことが何度かあった。急に姿が見えなくなった。私がお手洗いに入ろうとすると、その人がドアの向こうに現れた。ここは女子トイレよと言われた。




<チロとタケシと美里さん1>


アメノベル037:大学の帰りに、白い子犬に出会った。しっぽをふり、ちょこちょことついて来る。あまりのかわいさに抱き上げた。うちのマンション、ペット持ち込み禁止なのよね。つぶらな瞳を見ると置き去りにできなかった。イケメン男子が通りかかったので、押し付けた。ありがとう、これうちの犬。




<チロとタケシと美里さん2>


アメノベル038:でも、どうしてわかったの。連れてるとこ見たことがあってと嘘をついた。心配してたんだ。車にひかれたらどうしようかって。子犬を見つめる優しいまなざしに、心臓がはりさけそうになった。その時、向こうから髪の長いきれいな女性が現れた。あら、見つかってよかったわね、タケシ。


  

  

<チロとタケシと美里さん3>


アメノベル039:私の心は奈落の底へ落とされた。するとその人は言った。ふーん、タケシの好みってこういう子だったの。違うよ、ねえさん。今、会ったばかり。でも、チロを届けてくれたからいい人だよ。それはそれは。せっかくだから、あなた家に寄ってかない。これが私たちの出会いの始まりだった。

  

  


<チロとタケシと美里さん4>


アメノベル040:今思うと、タケシに恋していたのか、美里さんに恋していたのか、よくわからない。一人っ子の私にとって、美里さんは実の姉以上の存在だった。離れて暮らしているので、実の家族よりも美化されたのかもしれない。頼もしく、それでいて繊細な気配りの女性、その美里さんが亡くなった。



<チロとタケシと美里さん5>


アメノベル041:美里さんのお葬式の日、うなだれた私の肩にそっと手をのせ、タケシは言った。これ、ねえさんから。白い封筒に入った私宛の手紙だった。由紀子ちゃん、あなたに会えて本当によかった。自分が不治の病だということを知って、タケシとチロを任せられるひとを探していたの。ありがとう。




<チロとタケシと美里さん6>


アメノベル042:けれども、私とタケシはいつか会わなくなった。タケシといると、美里さんのことを思い出してしまうからだった。タケシも同じ気持ちだったのだろう。やがてチロは子どもを生み、その一匹を私はもらい受けた。そのために私は引越し、子犬をミサトと名づけた。忘れたくはなかったのだ。


  

<チロとタケシと美里さん7>


アメノベル043:ある日、散歩に出かけると、ミサトは凄い勢いで走り出した。小さな体に似あわぬ強さだった。どこへゆくの?やがてたどりついたのは、私がチロと会った場所。そして、向こうからも白い子犬がかけてきた。ユキコと声がして、チロとタケシが現れた。私は美里さんとの約束を受け入れた。


<図書館の君 2>


アメノベル044:それってあんまり。私たちは顔を見合わせて笑い転げた。私もかわいい男の子がいるって目をつけてたの。カオルは言った。智っていう名前も男か女かよくわからないわねえ。それはお互い様でしょ、カオル君。あ、一番言ってほしくない台詞を。こうして私たち通称宝塚コンビは誕生した。

 



<夏の海、白い渚>


アメノベル045:また訪れた夏の海、白い渚。去年いたあなたはもういない。交通事故で一人で死んでしまうなんて、あんまりな仕打ち。不幸が訪れるなら、二人同時に起こってほしかった。涙にくれた私の目を小さな手が覆う。だーれだ、当ててごらん。私の小さな王子様。君がいるからママは生きている。




<X-Woman 1>


アメノベル046:次郎が一人歩いていると、不良グループが現れた。回り道をしたのにどうして出くわすんだ。すれ違いざま、ツナギの男がからんできた。坊ちゃん、おうちお金持ちだよね。俺ら、貧乏だからお金恵んでくんない。通り過ぎようとすると、囲まれ膝蹴りをくらった。お待ち。女性の声がした。



<X-Woman 2>


アメノベル047:その子から手を離しなさい。見るとそこには黒い皮ジャンに黒い仮面をした女性が立っていた。なんだ、このアマ、コスプレか。だが、三人の男たちはあっという間に、その女性に蹴り倒された。私はXウーマン、かよわき草食男子の味方よ。文句があるなら、いつでもお相手してあげるわ。




<X-Woman 3>


アメノベル048:大丈夫、次郎君。どうしてボクの名前知ってるの、おばさん。おばさんじゃないわ、お姉さんと言いなさい。お姉さんはね、何でも知っているのよ。その声はどこか、聞き覚えがあった。ひょっとして佐久間先生?佐久間百合子先生でしょ。私は決して、そのような者ではない。また会おう。




<X-Woman 4>


アメノベル049:百合子は道場で正座していた。また、喧嘩をしおったか。殺気が消えておらん。背後で声がした。おじいさま、お許しを。お前が何をやっているかくらい、わしには手に取るように分かる。わしも若いころ、同じことをしておったからな。だが、今と昔では、時代が違う。早いとこ手を洗え。



<X-Woman 5>


アメノベル050:私の弱点は目がよすぎること。教室の生徒の傷が瞬時に見えてしまい、傷がどうしてできたのかわかってしまう。でも、次郎君何で私だとわかったのだろう。ひょっとしてこの香水?女であることの最後の意地でつけていたけれど、変身前いちいちシャワーを浴びてられないし、どうしよう。

Timeline 13 [7月10日 浅草ほおずき市]

2010年7月10日


7月9日、10日は浅草・浅草寺ほおずき市



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この日にお参りすると、四万六千日分お参りしただけの功徳があるということで、大勢の人でにぎわいます。


いわば、お寺のポイントサービスデー。


でも、四万六千倍のポイントサービスデーなど、他のどこでも見たことがありません。


コストパフォーマンス、めちゃくちゃ高し。観音様、太っ腹です。


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それでも例年よりは人出は少なめの気がしました。


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というのも現在観音堂は、修復工事中で、周囲も店が立てられない状態だったからです。



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私が撮ろうとしたのは、観音堂?


それとも・・・


和服の女性の後姿は風情がありますね。


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ずらりと並ぶほおずきや食べ物屋。ここをまっすぐ行くと左手が浅草神社です。



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こんな風に鮮やかなほおずきが店頭に並ぶ店は意外に少ないもの。


毎年同じ店を撮っています。



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浅草寺境内からも、こんな風に東京スカイツリーが視界に入ってきます。


日暮里、上野、浅草、亀戸どこからでも見えるスカイツリーは、実は下町の塔なんですね。

アメノベル第3集(021~032)

<雨の七夕>


アメノベル021:せっかく短冊書いたのに、無情の雨。傘もささず織田姫子は飛び出した。コンビニでスイーツを買い込み、出ようとしたが外は土砂降り。傘買うのやだなと空を見上げると、星一彦の傘があった。「携帯は電源切れ。家に電話したら傘もささずに出たって言うから」嬉し涙が止まらなかった。





<朝顔市にて>


アメノベル022:すっと真一の前を浴衣の女性が通り過ぎた。どこかで見た顔。数秒して、いつも彼がコメントしているブログの女性だと分かった。人ごみの中を追おうとしたが、見失った。「あなた、またナンパしようとしてたでしょ」妻の声が聞こえた。「重いからこれ持って」と朝顔の鉢を差し出した。





<観音様の功徳>


アメノベル023:結婚して五十年目の日に大橋吾郎は仏壇に手を合わせていた。買ったばかりのほおずきが傍らに供えられていた。去年も、その前の年もいっしょに出かけたのに。観音様も罪作りじゃ。その時、携帯電話が鳴った。茶飲み友達のシゲばあさんからだった。老人は直立し、再び浅草へ向かった。





<河童>


アメノベル024:今田香織は川の上を漂っていた。私はここにいるのに、誰も気づいてくれない。みんなこっちへおいでよ。彼女は渾身の力で洋子ちゃんの足をつかんだ。やがて深みに足をとられ、洋子ちゃんは溺れだした。誰か、助けて。河童よ。自らの姿が河童になったことに気づき、香織は手を離した。





<最後の星空>


アメノベル025:もう少ししたら星が見えるはずと太郎と花子は空を見つめた。すると夜空に、星が瞬き始めた。手をつなぎ、天の川も見えるといいねとつぶやくと天の川が現れた。織姫と彦星も現れたように見えた。丸天井が明るくなった。お兄ちゃん。もう来られないの、ここ。うん、今日で最後なんだ。





<鴨川カップル>


アメノベル026:独女にとって、鴨川カップルほど腹の立つものはない。夜に鼠花火を投げ込んだこともあったが、一層くっつき逆効果。昼はどうしようと悩んでいると、「佐藤じゃないか」と声をかけられた。高校時代の恩師。今は退職していいおじいちゃんだったが、私も鴨川カップルの仲間入りをした。





<おはよう 1>



アメノベル027:荒川の土手に出ると、外朗売が聞こえた。ういろううりは滑舌の基本メニュー。その声にはどこか聞き覚えがあった。以前同じ事務所にいた景子さんだった。ジュンジ君じゃない。今度、ドラマで教師役やることになったの。学校のこと、いろいろ教えてね。僕は教師の道に舞い戻っていた。





<サブマリンダンク 1>


アメノベル028:一日百回、僕はジャンプしボードにタッチする。次にはリングにタッチ。でも、ダンクシュートまで後一歩届かない。悟君、今日誕生日でしょ。マネージャーの幸子が差し出したのは、新品のバッシュだった。エアジョーダンの履き心地は最高。生まれて初めてのダンクシュートが決まった。





<おはよう 2>


アメノベル029:まだあの事務所にいるの?ううん、別の事務所に変わったの。全然いいわ、遊び半分じゃないし。遊び半分で悪かったね。ジュンジ君は、そうじゃなかったよ。でも、本気半分。二足のわらじは難しいわね。二足どころじゃなかったけど。女の子もそうなの。急に真顔になって彼女は言った。





<サブマリンダンク 2>


アメノベル030:これ、高かっただろ。ダンクシュートの歓喜もつかのま、僕は現実に引き戻された。まあね、でも私だけが払ったんじゃないから。ドアの後ろから、バスケ部のメンバーが続々現れた。うまくゆかなったら、お前に払わせるつもりだったが、次の県大会の秘密兵器誕生祝いだ。主将が言った。





<おはよう 3 >


アメノベル031:立ち話もなんだからと、僕は喫茶店に景子さんを誘おうとした。ふーん、そうやってデートに横滑りさせるつもり?何で、そういう言い方しかできないの?だって、私この場所好きだから。この青い空と白い雲も好きだから。一面の緑も気持ちいいし。その言葉に、僕はくらくらした。青春!





<おはよう 4>


アメノベル032:僕たちは草の上に横になり、青空を見上げていた。ねえ、ジュンジ君。景子さんの顔が視界に入る。一段と心臓の鼓動が高まる。うちの事務所に来ない。一瞬僕はがっかりした。だが、彼女は真顔だった。みんな先輩ばかりで辛いのよね。一緒に頑張ってきた人が誰かいないと。やろうよ。:

猫時間 16 [寝子]

16:08



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ここは下町のとある稲荷神社。



賽銭箱のそばでごろごろしている猫がいました。



近づいても立ち上がるわけでもなく、ごろごろしながらこちらを見ています。



猫の語源が寝子であるという説は、やはり説得力がありますね。

Timeline 12 [7月6日 入谷朝顔まつり]

2010年7月6日


毎年出かけている入谷の朝顔まつりに行ってきました。


朝顔ですから、当然朝咲きます。ですから、朝出かけるのが理想ですが、仕事の都合で当然出かけるのは夕方になってしまいます。


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去年と今年の大きな違いは、言問通りの先に見える東京スカイツリーでしょうか。


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こちらが入谷の鬼子母神です。境内でも朝顔が売られ、大勢の人でにぎわっていました。



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店頭の朝顔。他の朝顔はしぼんでいるので、人工的に開花時間を調節したものでしょう。


ちなみにこの日は、朝顔2000円、夕顔2500円が相場でした。


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交差点にかかる歩道橋上から、朝顔市のにぎわいを写してみました。


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こちらは鶯谷駅に近い根岸界隈の朝顔市。


朝顔は重いので、行きに予約しておき、帰りに受け取るというパターンも多いようです。


入谷朝顔まつりは7月8日まで開催されます。