樽の蓋をあける
胡瓜をとりだす
次に人間をほり出す
ぼろぼろと憎しみや
かなしみがこぼれる
指でこすり
一粒ひとつぶ擦り落とすと
心がでてくる
水で洗い
人参と蕪とならべる
どうして心はじっとしていないのか
透きとおった泡になって
天へと昇っていく
爆撃機をとおりぬけ
煙をゆらしながら
最後に
樽の底から
ちいさなものをとりだす
そのまま新聞紙にくるみ
ビニール袋に入れ
香りが漏れないように
丁寧に包む
鞄の底に丁寧に置き
その上から
樽から取り出した言葉を
さらさらとふりかける
誰にも見せない
言わない
わたしの鞄の底の
見ることができないもの
のぞみのようなもの
それを肩から下げて
あたらしい一日を
むかえるのだ










