友野雅志の『TomoPoetry』

友野雅志の『TomoPoetry』

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晦日

樽の蓋をあける
胡瓜をとりだす
次に人間をほり出す
ぼろぼろと憎しみや
かなしみがこぼれる
指でこすり
一粒ひとつぶ擦り落とすと
心がでてくる
水で洗い
人参と蕪とならべる
どうして心はじっとしていないのか
透きとおった泡になって
天へと昇っていく
爆撃機をとおりぬけ
煙をゆらしながら
最後に
樽の底から
ちいさなものをとりだす
そのまま新聞紙にくるみ
ビニール袋に入れ
香りが漏れないように
丁寧に包む
鞄の底に丁寧に置き
その上から
樽から取り出した言葉を
さらさらとふりかける
誰にも見せない
言わない
わたしの鞄の底の
見ることができないもの
のぞみのようなもの
それを肩から下げて
あたらしい一日を
むかえるのだ

TomoPoetry 星の音

かなしみとくるしみは
小さな星に重ねられる
黒い涙
赤い空間
白い輪郭
キャタピラと馬蹄が砕く
つぎのかなしみと
死を重ねるために

ひとはこの無限に続くむなしさを
毎年かさねる
そのむなしさは誰がわかるだろうか
まだ見えない命や
土にかえる肉体
その上を吹いていく風の音に
聞こえるのは
いつの声

コーヒーのスプーンをくるりと回すと
声がひびいてくる

歩道の列が
耳を押さえている
わたしも耳を押さえて
椅子からおりる

汚れた白いかけらの上に
カランと星の音がする






あなたをのみこんで

おおきい波、そして崩壊がきた

折れる骨

こなごなになる空

言葉は消えた


しばらくすると

しずかに星は震えた

過去を思いだすのではない

来るあたらしい時間を

おそれるのではない

全身をおおう

線が

震えている


もう 生命体ではない

時と

影がゆれる

みじかい時間


時がこまかく

砕けながら

あなたの前へ前へと

ながれていく


ある夜明け あるいは

午後のあかるさ

紺色の夜

あなたはこの世界にはいない

はるかかなたの

闇からわたしに目配せする


あとすこし

あとすこし 待っていて

次の波の

泡になるから






あおいまるいボール

ガラスは冷たいまま

ひびく足音

もがく手のひら

ガラスのかけらが

ながれる 槍のように

ときには あたたかい外套のように


あの声が聞こえるだろうか

眠りつつあるあなたには

触れていく風を感じるだろうか

氷の透明さのあなたには

もうおろしてしまおう

白い麻の空を

あなたの

呼吸のあたたかさが

あおい星をくもらせる


だれの手のなかで回っているのだろう

あなたの夢と

わたしの

目覚めたばかりのかなしみは


ながれるような

あなたの四肢から

青葉あるいは水草 それとも

そのしたの褐色の記憶


わたしはふたたび丸くなる

あなたのように

手のまるみにそって

空は

あかるく暗く

ときに死布の銀色に

あるいは命のようにかがやく


まだ聞こえるあなたの呼吸

波のようにひろがりゆく

星たちのひかりのように



TomoPoetry、過去へむかう鳥。


鳥がないた

別れの知らせ

巣からはばたく

過去へむかって

かれが知らないはずの

わたしたちには見ることができないはずの

ひらく扉がない方向へ

鳴き声と羽ばたきもきこえない方向へ


空がない

方向へ

鳥に

一本の光が見える

ほかに見えるものも

聞こえるものもない

かれが生まれる前の

世界へ


空はとじられている

鳥は眼をとじている

あおい波も

みどりに揺れる星も

あかくながれる涙も

すべてをうけいれる闇も

空もない

かれが飛ぶはずの


鳥は去った

記憶を

ふたたびたどるために

生まれる前の


わたしは泣く

出発を知らされて

海と地がゆれる

オーロラ

きみの脚をかくすように

光になったきみに

触れることはできない


ひかりにキス

ゆれてきえつつあるきみに

キス

記憶からきえさる

きみに

さよなら

わたしも出発するときだ


世界はふるえている

かなしみに

孤独に

手繰り寄せることができない

過去に


そんな気はなかった

きみから過去を奪うとは

そんな気はなかった

きみから

空を奪うとは

わたしたちが

闇をみとおす眼をうしなうとは


今夜も

わたしの空は鳥の羽音で満ちる

その中を

きみは飛んでいる

全身を凍らせ

かたちをくずしながら

一滴いってき

記憶を

ながしながら

深夜 カーテンを湿らし


凍りついた夢が割れ

きみの声が

あふれる

カーテンのはるかむこうで

風も光も

とどかない


きみの

生まれるまえの

位置

指先にふれるあたり

聞こえてくる

きみの呼吸が








語らなかった

子どもたちのうえに降る

花のような焔

木の棒になった

自立を望んだ子どもたち

だれも語らなかった

背をかじる

あかい海老


まるいテーブルで

まわる皿

フォークで刺されるのは

オマール あるいは

アメリカ

あたらしい皿には

しあわせを詰めたという

まるい赤


ならんでいる

あなたが捨てたものが

風がはこんでくる

あなたの記憶からきえたものを

レッドベリーと

ソーダ水で

口をあらう


だれも見なっかった でも

ときに

胸をきざんでいく

かおり


そう そこは歩いたことがある

石をひきづりながら


きみは刻んだのだ

その石の裏に

古いいいつたえを

きみの爪で


まもなく風はおさまるだろう

きみはふかく

ふかく吸いこむだろう

いのちを

きみは夜があけるまで

遠くに聴きつづけるだろう

古い声を


ふるいかなしみと呻き

あたらしい風に

かおる

その終わりのように

だれのものでもない声で

風がはこんでいく






きみを何と呼ぼう
なまえのないきみを
きみを何と表そう
色も形もないきみを
きみを
どのように抱きしめよう
わからないきみを
存在しているのか
わたしに
触れることなしに
あたたかさを与えるきみを

何と呼ぼう
焔のあとに
かおりだけを残していく影
踏もうにも
そこがない そら
すべてが
それぞれの位置に帰っていく
もう 正座して
世界は
足先から崩れていく
ひとつひとつの
なまえのない口
声が発せられるはずの
しずかに
ひろい闇に
戻っていく
それぞれの位置へ

もどるところのない
都市は
はっきりしない
黄色の
きみの尾とおもわれる
裾を
ビルとビルのあいだに
おもい浮かべる
ながれる血の
記憶のあとに


















きみの親指が

この星の経線を

はしっていく

ながれるのは血と涙

かなしみとよろこひ

33分の

叫び

悦びの そしてさみしさの

わたしは投げられる

心地よい肌のうえ

裂かれた肉体のなか

どこまでもひろがるのは

きみのたましい

わたしは凍った空間になり

さまよう


コーヒー味のアイスクリーム

かれの血が溶けている

アジアの

水が

けがれていく音

靴音と

歓声と

悲鳴

わたしたちは

わたしたちの歓喜を

なにと交換しようか

ぶーん ばーん ぱらぱらぼーん

きみの指が

複雑なリズムで

空間を

引き伸ばし

わたしたちは顔をゆがめか

声をほそく

送る

靴音と銃声が

爪のように

ひびく


きみの爪のせいだ

この星の弦を

ひっかくきみの

指の

絶望の


ミントクリームを舐めながら

わたしは

朝の青山から

しずみゆく渋谷までくだる


耳を爪がひっかく

古い音が

聞こえる




















さあ 言うがいい

きみを槍で刺し

笑う男に

呟くがいい

きみの血がながれるのを

喜びおどった男に

死の扉のむこう

どこまでも落ちていく闇について

一言

語るがいい


おおくの耳が

きみの声を待って

何千年だろう


目が覚めると

星が洗われるような

耳鳴りがする

それは

聞こえないきみの声が

世界から欠けている

せいだ


朝の道に

無意味な耳鳴りが

反響している

バス停で

横断歩道の白を跨ぐとき

自動扉がひらくとき

わたしは聞く

生きよ

生き血よ


きみの声か

わからないわたしは

飛行機の音を追って

見上げる

音もなく

鳥が青に消えていく








あなたが人であるなら

わたしは人でない


かれは口を閉じた

人から発するものを

吐き出した

すべてからになるまで

言葉

のぞみ

糞尿

そして血


乾いた葦になり

数分からからと燃えた


あなたが牛のステーキを切るとき

かれは骨だけになった自分を

削っている


あなたが

頰に風を受けて歩くとき

かれは

風のなかを

かるい種と一緒に

ながれていく


あなたが人であるなら

かれは人ではない

きらきら光る

いのちだ

一度死んだ命


かれが降りそそぐ朝

わたしは

どこにも行きつかない大地を

歩いている

かれの声と

おびただしい声が

雲のうえに

鳴りひびく

星を踏みながら