こんばんは、マサオです。

マインドフルネスアカデミー動画セミナー撮影中の

 

前回は、ポジティブでいることは大事だけど、
ネガティブな感情を味わうことも大切、ということを書きました。

前回の記事はこちらです
https://ameblo.jp/masaonoblog/entry-12323362804.html
※バックパッカー時代の私の写真も公開しましたが、
今とのギャップに驚かれるかもしれません(笑)


さらに本日は、
「モヤモヤや不快な感情を受容する能力」について書きます。

「モヤモヤや不快な感情を受容する能力」のことを
「ネガティブケイパビリティ」と言います。


「ネガティブケイパビリティ」とは、
詩人のジョン・キーツの言葉で、

「不確実なものや未解決のものを
そのまんまにしておける能力」
のこと。

別の表現をするなら、「自己受容力」や
「思い通りにならないことへの耐性」
と言い換えることもできます。


この力は、
何かが「できる能力」というより、
「できない状況を受け止める能力」のことです。

「え、できない状況を受け止めるって
どういう能力?何の役にたつの?」

と思われた方もいるかもしれませんね。

この力が高いと何がいいのか?

まず、モヤモヤや不快な感情に反応せずに、
そのまんまにしておくとができるようになります。

すぐには答えの出ない悩みや、
どうにも対処しようのない問題に直面した時、
混沌に流されずに耐えることができるようになります。

非常に地味な力ですよね。
でも、現代で生きる私たちにとって
この能力は非常に大切な力であると私は考えてます。


ビジネスの世界では、
現代社会は、VUCAワールドと言われているそうです。

VUCAとは、

Volatility   変動性
Uncertainty 不確実
Complexity  複雑
Ambiguity  曖昧


の略のこと。

現代は、変化の激しい時代。

グローバル化の影響で、
一時的に成功を収めても、状況はすぐに変わり、

成功までの道のりも複雑で、曖昧、
継続的にうまくいくかもわからず不確実です。

一寸先は闇。
まさに先の読めない時代。

そんな先行きが不透明でカオスな状況に出くわすと、
私たちは、つい焦って、急いで、答えをだそうと必死になります。


一生懸命頑張って問題を乗り越えようとします。


もちろん、それでうまくいくならいいのですが、
必死に頑張っても、どうにもならないことってありますよね。

先ほどもお伝えした通り、

現代社会は、VUCAワールドなので、
昔のように、努力や根性だけでどうにかなる時代ではありません。

必死に、歯を食いしばって
頑張ってきたのに全く結果が出ないこともあるでしょうし、

もがけばもがくほど、
現状に対して抵抗すればするほど、
どんどん苦しくなることもあるでしょう。


そのような状況ではむしろ、
外側に働きかけて「変える力」よりも
この変えられないことを「受け容れる力」のほうが重要になります。

自分の中の不安や恐れ、もやもやした感じに気づき、
それを変えようとせずに、受け止める心の器(自己受容力)があれば、

身体の中で生じている不安や恐れ、
もやもや等に過剰に反応せずにすみます。


脳科学的に言うと、
動物脳、扁桃体にハイジャックされ我を失うことなく、
心の平静さを保ちながら、理性の脳で冷静に対処することもできます。

不快な感情や感覚と適度に距離をとることで、
恐れや不安、モヤモヤともうまく付き合えるようになります。

大切なことなので繰り返しお伝えしますが、
人間の感情は、気づいて味わうと消化されていきます。

ネガティブな感情も味わいきると、
地に足がついてグラウンディングしていき、
そのあと心が安定していきます。

もちろん、感覚や感情と向き合うとき、
最初は、不快感を感じるかもしれませんが、
徐々に、その感情は緩んで、解放されていくのです。


だから、時折、味わえる範囲で、
ネガティブな感情を味わうことが大切です。

心地のいい感覚を楽しみながらも、
不快な感覚、感情に対しても嫌悪せず、
「それでいいんだよ」とオープンに微笑むイメージです。


ここまで読んで、お気づきの方もいるかもしれませんが、

実は、マインドフルネスは、
「ネガティブケイパビリティ」の練習であり、
「自己受容力」を高める練習でもあるのです。


今この瞬間に生じている不快な感覚や感情に対して、
無視するでもなく、戦うでもなく、抑圧するでもなく、
好奇心を持って、心をオープンに、開いたまま、受容する。

普段は一体化している自分の心とすこし距離をとって、
少しひいたところから、内側と外側が移ろい続けている様子を
あるがまま観察する。

マインドフルネスは、
そんな「あり方」のトレーニング
と言えます。


瞑想のなかには、万能感を刺激するような
ワクワクしながら願望を引き寄せる的な瞑想もありますが、
こっちだけだけだとちょっと危険です。

先日、お伝えした躁的防衛、
ネガティブに蓋をした偽ポジティブになる可能性もあります。

自分の中のネガティブを否定して、
表面的にポジティブや強い刺激でごまかす癖がある場合、
瞑想でじっと座ることが難しくなります。


ポジティブな状態であろうとすることも大切ですが、
自分が感じてる弱さ、悲しさ、違和感、傷つき、
癒されていない子供の自分にも、しっかりと目を向けてあげること。

自分自身に思いやり深い眼差し、優しい言葉をかけてあげることは、
心身を長期的に安定させる上では大切なプロセスです。


誰しも、心の傷、孤独、惨めさ、劣等感をもっています。
癒されていない子供の自分がいるのです。
(もちろん、私のなかにもまだまだあります)

先日もお伝えしましたが、
そんな自分を無視したり、否定すると、
無意識に、その感情に降り回れることがあります。


より具体的にいうと、
例えば、過去の体験によって、
「いまの自分ではダメだ」といった思い込みがある場合。

過去の自分を否定して、劣等感、不足や不満、
恐れのエネルギーでがんばり続けるとしんどくなります。

この前提にある思い込みと、
その前提から生まれる‘頑張るパターン’が強化されます。

ではどうしたらいいのか?

それは、その負のエネルギーで、頑張らない。何もしない。
味わえる範囲で、無意識に感じている不快感、感情を受容すること。

つまり、根っこにある感情のお世話をする必要があるのです。

先日、ご質問された方のように、
自己受容されていない感情に気づいて、
それがまだ残っているな、と感じた場合、
意識的に、その未消化な感情と向き合ってみるのもいいと思います。

無意識の心の緊張に気づき、
意識の光を当てていくことで、
心の奥底にあるコワバリが緩んでいきます。

もちろん、一時的に心は揺らぎますし、
その日一日、あるいは数日間、気分が重くなるかもしれません。

その間は、感情が溢れ出ててきて、
心もざわつき、瞑想的ではなくなるかもしれません。

でも、私たちの心も無常であり、
感情は味わうと消化されるという性質があるので、
それがずっと続くということはありえません。

すこししんどいですが、長期的にみたら、
地に足がついて楽になると思います。

自分が抱えて味わえる範囲で、
モヤモヤ、ネガティブな感情を味わい、
心の奥のほうのゴミやシコリを掃除してあげましょう。

一人で難しいと感じたたら、
誰か信頼できる人に素直な気持ちを打ち明けて、
他者受容してもらうのもいいですね。


というわけで、本日は、
「ネガティブケイパビリティ」

について書きました。

ヨガ、瞑想中に、または日常生活で生じている
不快な感覚、感情に気づき、受容していくことで、
「思い通りにならないことに対する耐性(=自己受容力)」が養われます。

このような考え方がベースにある
私のマインドフルネスヨガのクラスでは、
「不快な感覚との向き合い方」をとても大切にしています。

ではでは!!


マサオでした。


〜注意〜
ただし圧倒されるほどの感情は、
無理して味わう必要はありません。

感じようとする際に、
強い抵抗が生じる場合も、
無理に感じようとする必要はありません。
怖くなったらすぐに中止してください。


最後に、上級編を二つ紹介します。

私が、「ネガティブケイパビリティ」を高めるために
日常生活で、意識していることを2つ紹介します。

さらに、この力を高めたい方は、
以下の二つを意識されるといいかもしれません。


その1
怒り(二次感情)に気づいたら、
その前にある悲しみ、がっかり、無力感など、
根っこにある一次感情に気づいて自分で抱えて味わう。

その2
溢れ出てくる感情、ストレスから、
アクティングアウト(=暴飲暴食、性的逸脱、買い物やギャンブル依存、自傷行為など)
しそうになったら、その根っこにある感情に気づき、味わう。
(もしくは意識的に、自覚しながらアクティングアウトしてみる)

以上です。

いろいろ書きましたが、
上記のことは私も実践中で、完璧にはできていませんし、
私自身も自己受容を深めている最中です。

ただ、マインドフルネスに出会ってから、
自分の感情に気づき、受容する習慣をもったことで、
以前の自分に比べたら、感情の起伏が穏やかになり、
心が安定してきたので、このような実践に効果はあると感じています。

この記事があなたのお役にたてたら幸いです。

 


以下、近日開催の講座の紹介
==================


『マインドフルネス瞑想クリスマスリトーリート@湯河原』 
日時  2017年12月23日(土)24日(日)一泊二日
https://ameblo.jp/masaonoblog/entry-12322178578.html

==================
 

『瞑想と呼吸で細胞から健やかに~マインドフルネスに学ぶ~』
日時は、2017年11月26(日) 13:00~16:00
https://academy.sekaibunka.com/sebun/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=86942

==================

「吉田昌生と行く インド洋の真珠スリランカの旅」
2018年1月20日~28日
http://masaoy.com/tabi2018.pdf

==================

 

 

以下、

フェイスブックにアップした最近の写真

(ファイスブックの友達リクエストも随時募集中です)

 

家庭画報『ときめき 2017年 秋冬号』はマインドフルネス特集。
私は身体のマインドフルネスを担当。

 

日々の暮らしの中にプチヨガを取り入れて、
心身をリフレッシュしてもらえたら嬉しい。
11月1日(水)発売予定。

 

 

福岡市内にある瞑想ヨガスタジオオアシスにて

「日常生活に活かすマインドフルネス瞑想講座」を開催しました♫
おかげさまでマインドフル&ハーフトフルな癒しのひと時となりました^^

 

 

福岡で、兄と。

博多中洲にあるソムリエの兄のお店にて。

久しぶりのボルドーワイン美味しいぜ(ドヤ顔w)

 

マサオでした。

 

 

 

■吉田昌生公式HP

http://www.masao-mindfulness.com/

 

■吉田昌生の瞑想本

https://www.masao-mindfulness.com/book-introduction
マインドフルネスを始める、そして深めるための人気書籍紹介ページ

 

★ 初めての方は、こちらの記事もどうぞ
→ このブログの目次 / 人気記事ランキング


★★ 無料メール講座を運営しています。


現在5000人の方に読んでいただいています!

マインドフルネス瞑想について知りたい方はこちら。

→「マインドフルネス瞑想入門メール講座」