2020.9.28 一日一季語 豊年(ほうねん) 【秋―生活―三秋】
杉玉の青匂ふなり豊の秋 渡部節郎
何十年何百年と続く、歴史ある酒蔵や酒屋は外観だけでも風情のあるものです.。その軒下に吊り下がっている大きな玉。
酒蔵にあるあの大きな玉は「杉玉(すぎだま)」と呼ばれるもので、酒屋ならではの意味があって飾られています。
軒先に緑色の杉玉を吊すのは、新酒が完成したことを知らせるためです。「搾りを始めました」ということが、この杉玉の青からわかるのです。
実りの象徴である、豊の秋という季語と響きあいます。
【傍題季語】
出来秋(できあき) 豊の秋(とよのあき) 豊作(ほうさく)
【季語の説明】
秋はさまざまなものが実る季節です。果実や木の実、田んぼも畑も収穫の最盛期を迎えます。こうした実りをを象徴する季語が「豊の秋(とよのあき)」です。冷害、干ばつ、暴風雨などに遭わず、五穀、とくに米が豊作だった年を「豊年」といいます。
近年では、品種改良や農耕技術の発達によって、豊作凶作の差は少なくなっていますが、豊作は今でも農家の喜びです。
稲作は、縄文時代後期から栽培されており、日本人の主食である米をとるため、なくてはならない植物です。昔の人たちにとって、穀物の作況は命を左右する一大事でした。それゆえに、豊作の喜びは、今とは比べ物にならない大きなものであったのでしょう。
現在は、仮に凶作でも食料の輸入で生死にかかわる事態には陥らなくなったことから、一般国民の豊作を喜ぶ心、そして、百姓に感謝する心は薄らいできていると言われいます。
【例句】
真ん中に鎮守の森や豊の秋 金山千鳥
豊年を呑み込んでゆくコンバイン 原田達夫
出来秋の畦に男の仁王立ち 安原猶子
呆気なく逝きぬ出来秋見届けず 今井忍
國訛りで橡の實ことし豊作と 近藤紀子
【季語の語源など】
豊年
穀物、特に、稲の豊作の年。豊の秋とも言う。
出来秋
稲がよくみのった秋のころ。みのりの秋。
豊年
冷害、干ばつ、暴風雨などに遭わず、五穀、とくに米が豊作だった年を豊年という。
【2020年の稲の出来】
農林水産省北陸農政局は28日、今年のコメの出来を予測する作柄概況を公表しました。県内は4年連続で「平年並み」でした。
7月は長雨で日照時間が少なかったものの、全体としては気温が高く、日照時間も多かったため平年並みの作柄が見込めるということです。
毎日新聞2020年9月11日 13時41分
稲のウンカ被害広がる 梅雨長引き飛来増 農家「どうしようもない」
病害虫のトビイロウンカによる水稲の被害が福岡県全域で発生し、北九州市や京築、筑豊地区でも稲の枯死が広がっている。ウンカの飛来をもたらす梅雨が長引いたことが原因とみられ、福岡県病害虫防除所(筑紫野市)は8月7日に警報を発表、農薬の使用に加えて早めの収穫を呼びかけている。【伊藤和人】
2020/9/4 6:00
西日本新聞 筑後版 内田 完爾
豪雨による浸水被害を受けた福岡県筑後地区の一部で、稲へのジャンボタニシの食害が目立っている。地元の農家は豪雨の際に、用水路から多数流れ込んだためとみている。加えて県内全域に害虫トビイロウンカの大発生の警報も出ており、八女、筑後、小郡の各市でもすでに被害が出ているという。農家は秋の収穫への影響を懸念している。
県病害虫防除所の松本幸子所長によると、今年は例年よりも全国的にジャンボタニシの被害が多い傾向にある。暖冬で越冬できた個体が多かったことも一因とみられるという。加えて、雨で田の水位が高くなり、稲の先から食べるジャンボタニシにとっては稲を食べやすい環境もそろった。
今年はジャンボタニシの食害がこれ以上増えることはないが、トビイロウンカの被害はこれから増える恐れが高い。
九州では現在、福岡、佐賀、熊本、大分の4県で警報が出ている。県内46定点圃(ほ)場でのウンカの平均確認数は昨年同時期の3倍以上に上り、過去10年で最多という。松本所長は「稲の収穫を終える10月までにかけて被害はさらに増えていくと見込まれる。農家は早めの農薬散布などの対応を取ってほしい」と話している。 (内田完爾)
【今日は何の日】
パソコン記念日
1979(昭和54)年のこの日、日本電気(NEC)がパーソナルコンピュータPC-8000シリーズを発売し、パソコンブームの火附け役となった。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)