2019.01.18

一日一季語 水仙(すいせん)【冬―植物―三冬】

 

 

被災地の水仙胸に妃の帰る    園部早智子

 

2011年(平成23年)311日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波は、死者・行方不明者18,446人(震災関連死を除く)、建築物の全壊・半壊は合わせて401,885戸に上る未曾有の大災害をもたらしました。

 天皇、皇后両陛下は、被災者へのお見舞いを強く望まれて、427日、その嚆矢として宮城県内の避難所を訪問されました。

 この日、仙台市の宮城野体育館において、皇后陛下は被災者の佐藤美紀子さんから水仙の花束を贈られ、東京にお持ち帰りになりました。

 

 

 

【傍題季語】

水仙花、雪中花、野水仙

 

 

 

【季語の説明】

ヒガンバナ科の多年草、水仙の花。海岸近くに群生するが、多くは切花用に栽培される。白緑色を帯びた細い葉の間から花茎が伸び、その先に芳香のある白花を数個つける。福井県の越前岬や静岡県伊豆の爪木崎は群生地として有名。

 → 黄水仙(春)

 

 

 

【例句】

水仙や来る日来る日も海荒れて   鈴木真砂女

明るさは海よりのもの野水仙    稲畑汀子

水仙の一輪活ける駅舎かな     溝渕弘志

湖よりも水仙匂ふ岬なり     朝倉和江

水仙の風に耐へねばならぬ岬   稲畑廣太郎

 

 

 

【日本三大水仙群生地】

厳寒の時期になると日本各地に水仙が咲きます。

中国から海を渡って漂着したと推測されるニホンスイセンは、海岸の傾斜地に群生します。

日本三大水仙群生地は、一般的に淡路島、越前海岸、南房総・鋸南町の3ヶ所。関東、関西、北陸とバランス良く散らばっています。

 

 

淡路島/兵庫県

淡路島には、江戸時代後期の文政年間(1818年〜1831年)、紀州から漂着した球根を黒岩の漁師が山に植栽したと伝わる灘黒岩水仙郷、紀淡海峡を一望にする斜面に500万本の水仙が咲く私営の観光花園が立川水仙郷の2ヶ所が代表的な群生地となっています。

 

 

 

『越前岬水仙ランド』

日本海をバックに咲く水仙畑という絶景を目にできるのが梨子ヶ平園地。

大正10年、梨子ヶ平地域に自生していた水仙を生花市場に出荷したことから、農家の間で水仙の栽培が本格的に開始されたという梨子ヶ平台地。

「日本の棚田百選」にも選定の梨子ヶ平千枚田水仙園と福井市側の越前水仙の里公園で群生する水仙を鑑賞することができます。

 

 

南房総・鋸南町

鋸山(のこぎりやま)の南というのが鋸南町の町名の由来ですが、鋸山から南

は、上着をひとつ脱ぐことができるという避寒の地。

開花シーズンには『水仙まつり』も開催されています。

 

 

 

【 六島(むしま)】

岡山県笠岡市は、瀬戸内海沿岸にある港町と大小31の島々からなる笠岡諸島を含む県南西部に位置する市です。

岡山県で最初に設置された岬に立つ灯台があり、島のシンボルになっています。

横溝正史原作の『獄門島』の舞台になった島でもあります。

 

 

【水仙】

典型的な球根植物

(1) ニホンスイセン 日本で一般にスイセン(水仙)といえば本種を指す。花期は122月。鱗茎は卵球型。葉は帯状でやや厚く粉緑色で、円頭またははなはだ鈍頭となり、幅0.81.5cm、長さ2040cm、包は乾膜質、長さ35cm。花は数個ありやや不同長の小梗上につき、白色である。花冠筒部は淡緑色で長さ約2cm、花被裂片は平開し、卵円形または広楕円形で、微凸頭、長さ1.5cm。副花冠は黄色、杯状をなし、径約1cm

 

(2)ラッパスイセン 南西ヨーロッパ原産。葉は直立し長さ36cmまでで幅は0.6 1.3 cm 。花茎は葉とほぼ同長。

花期は3 4月で、花壇、切り花用として栽培される。ニホンスイセンに対して、大型の花をつける本種などを西洋スイセンと呼ぶこともある

 

 

【水仙の毒・自然毒のリスクプロファイル】

一般にヒガンバナ科植物にはヒガンバナアルカロイドが含まれており、それらが有毒成分となる。 Narcissus 属には有毒成分はリコリン (lycorine ) 、ガランタミン( galanthamin )、タゼチン( tazettine )とシュウ酸カルシウム ( calcium oxalate ) などである。全草が有毒だが、鱗茎に特に毒成分が多い。 食中毒症状と接触性皮膚炎症状を起こす。不溶性のシュウ酸カルシウムを含んでいて,接触性皮膚炎を起こす。

葉がニラ、ノビルに似ているため、花が咲いていないと間違える例が多い。鱗茎はタマネギに似ている。においで判断できる。

 

 

 

 

今日は何の日

都バスの日

東京都交通局が制定。

1924(大正13)年のこの日、東京市営乗合バスが東京駅への2系統で営業を開始した。

 

 

118番の日

海上保安庁が2011(平成23)年から実施。

海上保安庁への緊急通報用電話「118番」を広く知ってもらうための活動が行われる。

 

振袖火事の日

1657(明暦3)年のこの日、江戸城天守閣と市街のほとんどを焼失し、死者が10万人にもおよんだ明暦の大火が起きた。

この大火は「振袖火事」とも呼ばれる。

 

 

初観音

毎月18日は観音(観世音)菩薩の縁日で、一年最初の縁日は「初観音」と呼ばれている。

 

 

 

主な出来事

1778

クックが2度目の太平洋探検中にヨーロッパ人で初めて現在のハワイ諸島に到達。サンドイッチ諸島と命名。

1969

東大・安田講堂を占拠した学生を排除するため機動隊が出動。翌日封鎖を解除。

2006

前日のライブドア・ショックにより、株式市場全体に売り注文が殺到。東証の全銘柄が取引停止に。

 

 

 

誕生日

885

醍醐天皇(敦仁親王,維城親王) (天皇(60))

1689

シャルル・ド・モンテスキュー (:啓蒙思想家,法律家,歴史家『法の精神』)

1944

小椋佳 (シンガーソングライター)

1945

おすぎ (タレント,映画評論家)

ピーコ (タレント,服飾評論家)

1947

ビートたけし(北野武) (タレント,映画監督,俳優)

衣笠祥雄 (野球(内野手))

1948

森山良子 (フォーク歌手)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

 

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)