『ジゼル』『レッド・シューズ』『ラ・バヤデール』 | マサミのブログ Road to 42.195km

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調子が悪くて凹んでいる時でも、私には支えになるものがあって助けられました。音楽、映画、本を読むこと、サッカー観戦、そしてバレエ・・・好きなものがたくさんあるのって嬉しいですね。この1カ月の間にバレエ映画を2本と、舞台をひとつ観ましたのでご紹介しておきます。

 

 

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オリガ・スミルノワのジゼル@横浜シネマリン


オリガ・スミルノワは、ウクライナへの侵攻に抗議してボリショイ・バレエを離れたロシアのバレエダンサー。彼女が移籍したオランダ国立バレエでの舞台『ジゼル』を映画化したした作品。


バレエのあらすじ:中世ドイツ。‭貴族の息子アルブレヒトは身分を偽り、農家の娘ジゼルとつきあっていた。いっぽうジゼルに思いを寄せるものの冷たくされた村人のヒラリオンは、嫉妬にかられてアルブレヒトの正体をジゼルに明かす。アルブレヒトには貴族の娘の婚約者までいたことを知ったジゼルはショックで息絶えてしまう。

結婚する前に死んだ若い女性は「ウィリ」という妖精になり、墓場にやってきた若い男にとりついて死ぬまで踊らせる。ジゼルに謝るために墓場を訪れたアルブレヒトもウィリたちの呪いにかかったが、ウィリになったジゼルの願いによって命は救われる。しかしアルブレヒトの悲嘆は晴れることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

(画像は公式サイトより)

私はおととしの秋に新国立劇場バレエ団の『ジゼル』を観ましたが、記憶が薄れていたのでネットでもう一度「あらすじ」を勉強してからこの映画を観ました。オランダ国立歌劇場での実際の舞台を撮影したものなので、お客さんの拍手の音などもはっきり聴こえますし、カーテンコールの様子までちゃんと記録されているので、実際にその場で舞台を観ているような臨場感があって、そこがすごく良かったです。
さらに映画ならではの魅力は、ダンサーさんたちの顔の表情や手足の動きがアップになるので、ダンサーさんたちが精一杯「演技」しているところが強く伝わってきました。バレエはセリフがないから、動きと顔の表情をつかって、大げさなぐらいに感情や気持ちの動きを表現しないといけないんですよね。
特にジゼルが、恋人に婚約者がいることを知って幸せの絶頂から突き落とされ、気が狂って死んでしまう場面は実に壮絶。多くのバレエダンサーが「いちばん踊りたいのはジゼル」と言うそうですが、それだけ、やりがいのある役なのでしょう。
満足度☆☆☆☆


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レッド・シューズ@シネマ ジャック&ベティ


舞台は現代のオーストラリア。姉のアニーとふたりでバレエ学校に通い、将来を嘱望されていたサマンサ。しかしアニーは交通事故で突然この世を去る。ショックで踊れなくなったサマンサはバレエを辞め、悪い友だちとつきあって転落してしまう。そんなサマンサを心配した両親とバレエ学校の教師が協力し、サマンサは雑用係としてバレエ学校に雇われて働くようになるが、サマンサは「また踊りたい」という気持ちと「アニーのような才能は自分にはない」というトラウマに挟まれて苦悩する。だがサマンサに恋心を抱く男性ダンサーやバレエ仲間に支えられて、再び踊る決意をしたが…

 

 

 

 

(画像は公式サイトから)

バレエがテーマの映画だし、タイトルがバレエ映画の不朽の大傑作『レッド・シューズ=赤い靴』と同じなので観たくなりました。でも本家『赤い靴』ほどの気高さ、高貴さはないし、ずーっと通俗的で甘い内容です。TVドラマみたい。でもこういう脚本じゃないと、お金を出すスポンサーは見つからなかったのかもしれないですね。まぁ仕方がない。ただ、鬼のように怖いバレエ・ミストレス(指導教官)が終盤でサマンサに言うセリフが印象に残りました。
人は、自分の外側に目を向けると、夢を見るの。そして自分の内側に目を向けると、覚醒するのよ
満足度☆☆

 

 

<参考>

左が本家『赤い靴』1948(昭和23)年の作品。右は2021年に制作されたリメイク版。




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ラ・バヤデール@新国立劇場バレエ団

 

GWに行われた新国立劇場バレエ団の公演。私は4/28に観ました。私は今回が初見です。

 

<あらすじ>

古代インド。王侯ラジャに使える戦士ソロルは、寺院の舞姫ニキヤと恋仲だが、寺院の大僧正ハイ・ブラーミンもニキヤに心を寄せている。ある日、王侯ラジャはソロルに対して、自分の娘である王女ガムザッティとの婚約を命じる。ソロルは王の命令に背くことが出来ず、ガムザッティとの婚約を受け入れてしまう。

婚約を祝う踊りのために宮殿に招かれたニキヤは「自分がソロルの恋人だ」と主張してガムザッティと小競り合いになる。悲しみをこらえて踊るニキヤに花束が届くが、それにはラジャとガムザッティが毒蛇を仕込ませていた。毒蛇に噛まれて苦しむニキヤにハイ・ブラーミンは「ソロルを諦めて俺と一緒になるなら、助けてやる」と薬を差し出すが、ニキヤはそれを断って息絶える。

後悔にさいなまれるソロルは阿片を吸って夢の世界をさまよい、ニキヤの亡霊を視るが手は届かない。やがてソロルとガムザッティの結婚式がハイ・ブラーミンの寺院で営まれるが、すべてを見ていた神の怒りによって神殿は崩壊し、みな下敷きになって死ぬ。

 

 

 

 

(画像は公式サイトから)


『ラ・バヤデール』2017年公演 (youtube.com)

 

↑私が観た新国立劇場バレエ団ではなく、東京バレエ団の映像です。

これも事前にネットであらすじを勉強して行きましたが、この公演では入場者全員に詳しい物語が載ったリーフレットが配られたので、席についてから開演までの間にじっくり読んでおくことが出来てとても助かりました。

私はソロルが後悔の念にさいなまれながら観る幻覚シーン、「影の王国」と呼ばれる場面が楽しみだったんですけど、やはり素晴らしかった! 今ちょっとタイトルを思い出せないのですが、前に観たバレエ映画の1シーンに出て来て「これは本物を観たい!」とずーっと思い続けていましたので、やっと願いが叶いました。

 

なお、新国立劇場バレエ団による『ラ・バヤデール』は、2021年に亡くなった牧阿佐美さんの演出・振り付けが土台になっているそうです。日本のバレエ界の重鎮だった牧阿佐美さんは、お母さんもダンサーで指導者だった橘秋子さん。橘秋子さんはエリアナ・パブロバの弟子だったので、今回の舞台は、遠く遡ればエリアナ・パブロバの教えがどこかに生きているんだな…と思うと、私には深い感慨がありました。

なお、牧阿佐美さんは日本のバレエ関係者としては初めて文化勲章を授与されていますが、それが本人に伝えられたのはご本人が亡くなる前日だったそうです。

 

バレエ界の巨星を悼む | マサミのブログ Road to 42.195km (ameblo.jp)

 

それと今回、観ていて「あっ」と思ったこと。女性ダンサーが「壺」を頭に載せて踊り、子どものダンサーが二人出て来て「お水をちょうだい」とおねだりする可愛い場面があるんですが、ここを見ていて私は、フォローさせて頂いている「ちみたん」さん主宰のバレエ団の発表会でも、同じように壺を頭に載せて踊る場面があったっけ…?と思ったのでした。記憶違いだったらごめんなさい。

 

 

バレエバレエバレエ

 

 

こんなふうに、相変わらずバレエには魅了されています。そうしたらなんと!6月には熊川哲也さんのKバレエが、7月には東京バレエ団が『ラ・バヤデール』をやるんですよ。しかも東京バレエ団の公演では、映画『ジゼル』で踊ったオリガ・スミルノワさんが躍るんです!わー。これはどちらも観たい! どうしますかねぇ…

 


 

バレエに興味のない方には「?」という内容だったと思いますが、長い長い記事、最後までお付き合いいただきありがとうございました。