こないだの日曜日、7/12のレポートです。
早起きして、京浜急行の金沢八景駅からシーサイドラインに乗り換えて…

「八景島」駅で降りて八景島シーパラダイスのほうへ…

シーパラダイスへ渡る橋の上から、陸のほうを見るとこんな感じ↑ 朝8時半頃ですが、もうSUPの人が何人か出ています。

同じ橋の上から、逆に海のほうを見るとこんな感じ↑。橋を渡って八景島に入って…

シーパラのジェットコースターの横を通りすぎてどんどん進むと、島のいちばん奥にあるのが…

「八景島マリーナ」です。運営しているのは「一般社団法人 横浜港振興協会八景島事務所」という団体。

マリーナ全景はこんなふう↑。向こうに、いま通って来たシーパラダイスのジェットコースターが見えています。



こんなふうに、ここは近郊の大学のヨット部の活動拠点になっているマリーナです。横浜国大、横浜市立大、学習院大、成蹊大、獨協大、関東学院大などが艇庫を構えています。

ここは成蹊大学のヨット部の艇庫。こういう艇庫がいくつも並んでいます。

この日もいくつかの大学のヨット部が練習に来ていました。ヨット部=体育会なので、みんな「レースで勝つ」ことが目的です。乗る艇も470とかスナイプとか、いわゆる「レース艇」ばかり。上の写真はずらりと整列したスナイプ級。
さて、私がここに来た理由は何かと言うと…

これなんです。八景島マリーナで行われているヨットスクールを受講するためにやってきたのでした。
何度もご紹介してきましたように、私は社会人2年目の1981(昭和56)年、友人を誘って3人でお金を出し合い、小さなディンギーを買ってヨットを始めました。
そして3年前の2023年に引退するまで、途中何回かのブランクはあったものの、40年以上にわたってヨットを楽しんできたのでした。
長く続けてきたヨットを引退したのは、体力の限界…具体的に言うと「沈(転覆)したフネを自分で起こせなくなった」のが理由でした。
出帆したもののトラブルで帰れなくなる「遭難」は何度か経験して、その都度、幸いにも大事故にならず済んで来たのですが、さすがに年齢も60代後半になり、そろそろ潮時かなと。ずっと一緒にやってきた仲間との別れはつらかったですが、彼らはまだヨットに乗り続けています。
そんなふうに引退はしましたが、でもやっぱり、私は海が恋しかった。砂浜に立って海を見て潮風に吹かれているだけではどうしても我慢できませんでした。もう一度、海に出たい。海の上で波に揺られ、風を感じたい。自分でヨットを操船して、自分の思うままに海の上を移動したい。
そんな気持ちが高じていたところ、こういうヨットスクールが地元にあることに気がついたのでした。
スクールですからインストラクターが同乗するし、周りには僚艇もレスキュー艇もいるので、安全面では安心です。何より、私はキャリアだけは長いけれど、ちゃんと乗り方を教わったことはないに等しいのでした。
私はレースに出て周りのフネと争うよりかは、友人を誘って海に出て気持ち良く走って、風がなければ浜辺でBBQや花火を楽しんで…みたいな、チャラチャラした「お遊びヨット」の世界で生きて来ましたから、最低限のルール的なこと以外は学ばないでも済んでしまったんです。
でもこの際、ちゃんと先生について「正しいヨットの乗り方」を学んでみるのもいいかも?と思い、受講を決めたのでした。
(以下、文中に「ヨット用語」がたくさん出て来ますが、あえて解説はしないでおきますね。ご理解ください)
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八景島マリーナのヨットスクールは、ヨット未体験の人向けの「無料体験コース」と、小中学生向けの「ジュニア特別コース」、そして私のような、ある程度の経験者を対象とした「技術習得コース」に分かれます。
私が参加した「技術習得コース」は、9時半~16時頃までの1日。午前と午後に1時間半ぐらい海に出ます。フネには原則として受講生2名とインストラクター1名が乗る。

初めての参加者は、まずミーティングルームで「ヨットの構造」や「ヨットが風で進む仕組み」「海の上の基本的なルール」などについて学びます。私のような経験者はパス。

これは初心者が学ぶロープワークの様子。不器用な私はロープの取り扱いはとても下手で、今でも恥ずかしいです。

初めての方はそのあと、このように↑陸に固定されているフネの上で、基本的な動きを学びます。そしていよいよ出艇。
私はNさんという方とペアを組むことになりました。インストラクターはS先生。乗るフネはHAYAMA16という、ディンギーにしては大型の艇です。大きいので安定しているし、フネの中での人の移動もしやすい。

あいにくの曇り空。風も弱くてヨット的には残念なコンディションですが、とにかく出発! この黄色いフネはアクタスという艇で、無料体験コースの人がインストラクターと乗っています。

前を行くのは、私と同じ「技術習得コース」の1号艇。

この日は「技術習得コース」に3艇が出艇しました。みんな同じコースを走るのでなく、インストラクターの指示によってそれぞれ独自の動きをします。乗っている受講生のキャリアや力量がフネごとに違いますからね。
私が乗った2号艇の様子は…

なんかイイ感じでしょう? 赤いライフジャケットの男性がインストラクターで、黄色いライフジャケットの方が私と同じ受講生…のように見えるかもしれませんが、逆なんです。女性のほうが先生。横浜市立大学ヨット部のOBの方なのでした。
私は、ヨット部は典型的な体育会というイメージがあって、コワモテのインストラクターだったらどうしようと思っていたのですが、分かりやすく、優しく丁寧に教えてくれたので助かりましたよ~。
あくまでもヨットスクールですから、何よりも安全第一で真剣な時間。本当ならこんなふうにフネの上で写真を撮るなんてNGかもしれません。
でもこの日は風が弱くて波もうねりも無く余裕があったので、S先生に許可をもらって何枚か写真を撮ったのでした。

これはS先生が「シーパラダイスをバックにして撮りましょう!」と言って私を撮ってくれたもの。ノリの良い先生で良かった。

風速はマックス吹いても3ḿぐらいだったでしょうか。かなり物足りないですが、久しぶりの私にはちょうど良かったかも。
最初から最後まで、ヒールをつぶすためにハイクアウトする場面はありませんでした。

向こうの三角屋根は、八景島シーパラダイスの水族館です。午前と午後、昼休みをはさんで2回のセーリングは、私とNさんが交互に舵を持ち、いろいろと指導を受けて無事に終了しました。
海の上では、S先生から「次はこうしましょう」「次はこうしましょう」という指示が次々に出ます。
「今はアビームなので、ラフィングしてクローズドホールドに持っていきましょう」とか、「ここからベアリングして、ランニングに移ります。ジャイブしないように気をつけて」などと言われるのですが、なにしろ「誰かに指図されてヨットを走らせる」ということが40年以上も皆無だったワタクシ。言われたことをいちいち頭の中で変換して「えー、では風上にのぼりまーす!」とか「じゃぁ、風下へ落としまーす!」などと自分の言葉で言いなおして、フネに乗っている全員の気持ちを一つにしてから舵を動かすようにしました。そうでないと自分が安心できないから。
私にとっては、久しぶりである以上に、この日が「シーズン最初のセーリング」だったので、なおさら頭の中が忙しかった。
いままで自分の好き勝手に乗って来た中でも「その年のシーズン初日」はあくまでも様子見がメインで、無理せず、風や波の中で何をどうすればフネがどう動くか、その感覚を取り戻すことに時間を使いました。
それが、この日はシーズン初日なのにいきなり「はい、ラフィングしてクローズドに」「テルテルを良く見て」「タックの時の体重移動は…」「ティラーエクステンションとメインシートの持ち替えは…」と、矢継ぎ早やの指示が飛ぶし、あちこちに設置されたマークを回航したり。
しかもこの海面って、漁船が行ったり来たりするし、シーパラダイスの遊覧船も通るし、大学のヨット部も練習してるし、お金持ちが乗るクルーザーも来るし、常に緊張して周りを見ていないと危険なんです。
まぁその辺は、今までヨットを楽しんでいた太平洋側の「秋谷海岸」という場所で慣れてはいましたけれど。
いろいろ教わった中で強く印象に残ったこと。
●方向転換する時は、方向転換した後にフネを向ける目標(岬とか、灯台とか、遠くに停泊している大型船など)を先に決めてからタック/ジャイブすること。回りすぎて風が逃げてスピードが落ちてしまい、そこからまたやり直すのは下手。
●スキッパーは、舵を持っている手とメインシートを持っている手を常に「近づけて」いること。
●タックの際は回る外側に体重をかけてヒールを作ってやる。
●タックの時、スキッパーはいきなり立ち上がらない。まず座ったままティラーを押す。ブームが返るのに合わせて立ち上がり、エクステンションは手の中で滑らせて手元まで持って来る。方向が換わる直前、ティラーを持つ手(持ち帰る直前)は大きく外へ伸ばす。(先生のお手本動画を撮っておくべきでした!)
いろんなことを指摘されたので、フネの上では頭がパンクしそうになってアタフタ…でした。忘れないように記録しておきます。
どの指摘事項もなかなかスンナリ再現できませんでしたが、午後の終わり頃になってようやく「あ、こういうことかな?」と、何かを掴みかけたような気持ちにはなれました。
それにしても、どの項目も40年以上もヨットに乗って来て、初めて知ることばかり。ヨットに詳しい方には「今ごろかよ!」と言われるでしょうね。お恥ずかしい現実ですが、認めるしかないです

1日の「技術習得コース」を終えて。左からインストラクターのS先生、受講生のNさん、私。このあとはセールを降ろすなどフネを片付けて(陸置きです)、シャワーを浴び、15分ほどの反省会をして終了。
これで、横浜市民なら1万円です。市民でない人は1万2千円。私にとっては、ヨットに乗るという楽しみと、正しい知識を得るという学習の両方があって1万円は安いな!と感じます。
とは言え、疲れました。身体より頭が疲れた感じ。とても久しぶりの感覚です。脳味噌が超高速で働いたんでしょうね。

八景島マリーナを出たのは午後4時ごろ。1日を海の上で過ごし、シャワーを浴びて潮風に吹かれながら帰路を歩く…このけだるい感じ、めっちゃ久しぶりで思い出しました。楽しい!
今シーズンはあと3回、このヨットスクールを予約してあります。インストラクターが同乗する技術習得コースで、ある程度大丈夫と判断されると(沈起こし訓練もあるらしい)、シーホッパーやレーザーなどの一人乗りの艇で単独行動することも許されるそうです。いつか、そこまで、行けるかな?
お正月のブログ記事に、今年のテーマは『RE:TURN』(還る/戻る)と書きました。その時から「今年は海へ還る」というのが大きなテーマだったんです。
また昔のようにずっとヨットに乗り続けようとは思っていませんが、一時的にせよ、また海に出られたのはとても嬉しい出来事でした。「ああ、やっぱりここが俺の居場所だよね」と、つくづく思った次第です。
そしてRE:TURNは実はもう一つ、予定しています。それも、もう直前に迫ってきているんです。「海」のほかにもう一つ、私は何に還るのか?レポートをお楽しみに!
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。次回のヨット記事はもっと青い空がバーッと広がって、皆さんに海からの風が届くような記事をお届けできたらいいなと思っております。