相続事例③相続時精算課税制度は状況により適用しよう
孫への適用拡大で制度をフル活用!
75歳になるAさんは、25歳になる孫Cさんの事が心配でしょうがないとの事。
Aさんの法定相続人である長男Bさんは、すでに退職し、年金を受給している事から心配無用。しかし、孫Cさんは、物心ついたときから経済は不景気。
やっとの思いで就職が決まりましたが、何年勤めても昇給がなく、蓄えも乏しい。さらに、蓄えが少ない事から結婚をためらっている。
そんなとき、税制改正により、相続時精算課税制度が孫へも適用拡大されたことを知り、Aさんは活用を考えました。
非課税枠いっぱいの2,500万円を贈与しても、Aさんの生活に支障がないからです。
まとまったお金が孫に渡れば、孫は結婚に踏み出せ、家族計画やマイホーム購入も視野に入れるなど人生に展望が見えるからです。
このように、適用拡大をきっかけにに相続時精算課税制度を活用する人が相次いでいます。
賃貸アパートの贈与で所得も移転
自宅の敷地に、年間家賃収入が350万円入る賃貸アパートを所有するDさん。定年後に備え建てたものの、企業年金が手厚く十分に生活できるので、早々に長男に贈与をすることにしました。
ここで利用したのが相続時精算課税制度。
アパートの固定資産評価額は3,500万円だが、相続税評価額を計算する際に、借家人のいる建物の評価は借家権割合の30%が軽減されるため、2,450万円に評価され、非課税枠2,500万円を下回り、仮納税をする必要もなく贈与を行えた。
なによりも大助かりなのは、今後、長男に毎年350万円の収入が発生すること。
節税の観点からもその効果は絶大で、長男へアパートを贈与しなかったら、60歳半ばのDさんが、あと20年生きるとしても単純計算で家賃収入だけでも数千万円の財産が増加、相続税の負担が増します。
また、Dさんが毎年支払う所得税や住民税、健康保険料の負担も軽減されます。
このスキームはローンが残っていると原則利用はできません。また、賃料利回りや他の相続財産の内容により、お得かどうかも変わってくるため、どちらにしても、事前に専門家へご相談ください。
協会けんぽの被扶養者資格の再確認
先日、協会けんぽは平成25年度被扶養者資格の再確認に関する結果を公表しました。発表によると、被扶養者資格の再確認を行った結果、被扶養者から除外した人は、約7万人(平成25年10月末現在)にのぼり、高齢者医療制度への負担軽減額は32億円程度の削減が見込まれるとのことです。
被扶養者から除外した理由は、「就職したが削除する届出を年金事務所へ提出していなかった。」というものが大半であったとのことです。なお、収入超過によるケースも見受けられたとのことです。
協会けんぽでは、届出について、就職や一定の収入を超えた場合など、被扶養者の条件に該当しなくなったときにすみやかに「健康保険被扶養者(異動)届」を提出するよう改めて呼びかけています。
なお、来年度(平成26年度)についても今年度と同様に5月から7月の期間で実施することが予定されています。