実際、今年の秋は時折一気にひんやりした風が吹いて季節が進むものの、全体的にはちょっと足取りはゆっくり。比較的暖かな日が多かった印象があります。11月のうちの出動であるにもかかわらず、12月に入ってからの投稿…と、遅れに遅れておりますが、その12月に入って、ようやく「本格的に寒くなってきたな…」という感じでしょうか。
さて、前々回の稿の林ももこさんに続いて、この方もワンマンには初参戦になります。
ということで10月の“宇宙船”搭乗以来のmarinaさんであります。
当日記では、意外なほどに“お笑い系”のお題で登場されることが多かったりしますが、基本的にはクールビューティーという印象のこの方。初回登場までさかのぼってみると、7年近く前のこちらのステージになっておりました。。
(2015年1月30日@渋谷)
https:/
はい、前稿で登場されたyucatさんのご本名名義、加藤有加利さんとの共演回。そんなわけで、こういうところにもあったRYTHEMつながり。はたして、そのRYTHEMもことし再始動していますから、7年たっての初のワンマン参戦というのも、やはり必然といったところです。
11月23日は「勤労感謝の日」の祝日。吉祥寺まで出動すると、飛び石連休の最終日らしく賑やかな雰囲気。その一角にたたずむStar Pines Cafeがこの日の会場。地下のシックな空間に下りていくと、幾分ゆったり目に配置された座席に、今や遅しと登場を待ち構える聴衆がたくさん。後方からでも遮るものがほとんどなくステージまで見渡せる状態ではありますが、やはり高揚感が感じられる、開演前のひとときです。
この日は、marinaさんご本人を入れて4人編成のステージ。ご自身はギターを抱えて弾き語るのがセオリーですが、そこにピアノ(山本佳祐さん)、ヴァイオリン(松本有希子さん)、チェロ(飯島奏人さん)が加わるアコースティックな世界です。一応、ピアノの脇にささやかにパーカッションはあるものの、穏やかな雰囲気に包まれる場内。例年のワンマンとは少し趣向を変えられたそうで、コロナ禍で失いがちな“うるおい”を意識されているのかもしれません。
ほぼ定刻にスタートすると、2~3曲演奏されるごとにMCという名のひと休みが入るスタイル。疾走感というよりは、一つ一つの曲をかみしめながら進んでいく感じです。それはバラード曲だけでなく、わりと最初の方に組み込まれた「ねがいごと」や、クラップが入る「砂時計」や「eden」のような場内の一体感を高めていくような曲でも同様。
5年ほど前に、同じStar Pines Cafeでワンマンライブをされたことがあるそうですが、その時を「がむしゃら」、そして今回を「At Home」と形容されていらっしゃいました。なるほどなぁ。。聴いている側と演者さんとの認識がぴたりと一致する感覚が、大変に心地よい感じがします。
サポート陣も、marinaさんのステージではおなじみの方…という感じですので、それもリラックスムードを高めるのに一役買っています。決してウケを狙っているわけではないはずですが、メンバー紹介やら、サポート陣に話題を振ると、どことなくの雰囲気が出てくるのが、何よりの証拠。うたのパフォーマンスは、marinaさんご本人だけでなく、ヴァイオリンの松本さんの分も飛び出し、山本さんからはやっぱりグルメネタや体形ネタが登場。当日記初登場から7年近くになったmarinaさんは、ずっとずっとやわらかな雰囲気も感じさせ、サポート陣と一緒に、この日のステージをより一層楽しんでいる様子がよくわかるのでした。
そして、誰もが翻弄されたコロナ禍。直接伝えるということがはばかられる時期が相当長かったわけですが、そういう状況下で生まれたうたが「見上げた空に」。伝わったのかどうなのか、解りづらいからこそ、大事にしたい感覚といえるでしょう。
途中のMCの中には、「心を込めて届けます」といったくだりもありました。リアルなステージがほぼ回復してきたとはいえ、コロナ禍を経た現在では、ほぼ例外なく「配信」とのハイブリッドで開催されるわけで。どういう形であっても“つながること”の必然を意識する感覚が、やはりそこここににじみ出ています。
アンコールに登場した、クリスマス時期ならではという「Gift」を含めて、全部でセットは14曲。リラックスムードで楽しむひとときは、本当にあっという間に終わる感じでした。引き出し幅の広さも実感するステージに、これまでは少々ご無沙汰気味ではあったけれど、「なんかいいな…」と思うところをたくさん発見。生業のもろもろも考慮しつつ、年明けの参戦をひとつ入れることにしました。
なんだか楽しみ。こんな感覚をはばからずに持ち続けられたらいいな…と思うのでありました。
ありがとうございましたぁ。