西ベンガル州料理 バングラデシュ料理 何が違うのか?
インド・西ベンガル州からバングラデシュにまたがる
ベンガル地方で食べられている「ベンガル料理」。
西ベンガル州の料理もバングラデシュ料理も
東京でしか味わったことがないのですが、
町屋のプージャーのベンガル料理と
(西ベンガル州ヒンドゥのベンガル料理)
新大久保のサルシーナなどの料理は
(バングラデシュのベンガル料理)
似ているようで、ちょっと違うんですよね。
どこが、どう違うのかな?と
Google先生に聞いてみると
ディープなインド料理情報を発信し続ける
東京マサラ部の情報が日本語でヒット!
素晴らしいですね!!
気になっていたことは概ね知ることが出来たものの
自分なりにもう少し知りたくなったので
英語で検索してみると
興味深い情報にいろいろリーチできることに!!
以下、抜粋し、翻訳したものをまとめていたいと思います。
全てリンク先も載せているので
英語が得意な方は自分で訳してみましょう。
南アジア料理は例外だらけなので
「○○料理は○○なんだ!」とは言い切れませんが
情報の1つとして、ぜひ参考にしてみてください。
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まずはザックリとした
西ベンガル料理とバングラデシュ料理の違いについて。
文化と料理
ゴティ(Ghoti)とバンガル(Bangal)は、ベンガル人の 2 つの異なるコミュニティを表すために使われる用語です。ゴティは西ベンガル出身の家族を持つベンガル人であり、バンガルは東ベンガル(現在のバングラデシュ)出身の家族を持つベンガル人です。これらの用語は、2つのグループ間の文化的および言語的違いを強調しています。
バングラデシュと西ベンガルの料理は共通の伝統を共有していますが、さまざまな社会的、政治的、歴史的、地理的、文化的要因により、異なる進化を遂げてきました。どちらの地域も魚、米、お菓子を愛する一方で、料理の習慣の微妙な違いはベンガル料理の多様性を反映しています。
東ベンガルの料理の味は大胆で力強いのに対し、西ベンガルではスパイスがよりバランスよく使われています。西ベンガルの料理は甘みが強く、東ベンガルの料理はより辛いです。
東ベンガルの料理にもムガル帝国の影響が強く見られます。多くの料理にカシューナッツペーストなどの材料が使われており、グレービーソースが濃厚でリッチになります。イードのお祝いにはビリヤニやケバブなどの特別な料理が登場します。もう 1 つの違いは、国境を越えた両コミュニティで愛されているキールまたはパエシュ(payesh)の調理方法です。西ベンガルではこの料理はミルクと砂糖で作られますが、バングラデシュ版ではココナッツミルクとヴァミセリが使われます。
※補足情報。調べてみると牛乳とライスで作るバングラデシュのpayeshも普通にあるようです。一部地域はそうなのかもしれませんが、バングラデシュ版はココナッツミルクとヴァミセリが正解というわけではないっぽいです。
類似点と相違点
ベンガルは肥沃な土地と豊富な水路で知られ、伝統的に米と魚を主食としてきました。これらの要素が両方の料理の根幹を成しています。スパイスは両方の料理で重要な役割を果たしています。よく使われるスパイスには、マスタードシード、ターメリック、クミン、コリアンダー、チリなどがあります。料理にマスタードオイルを使うのも共通の特徴で、ベンガル料理を特徴づける独特の風味を生み出しています。
どちらの料理でも、スパイスを油で加熱して風味を引き出すテンパリング(phoronと呼ばれる)の技法が広く使われています。煮込む、蒸し煮するなどのスロークッキングも一般的です。
地域によって違いはあるものの、東ベンガルと西ベンガルの両方で人気のある料理がいくつかあります。
淡水魚とスパイスのブレンドで作る定番料理のマチェル・ジョール(魚カレー)、レンズ豆で作るシンプルな料理でスパイスで味付けされ、ライスと一緒に出されるダル、そして、お祭りや特別な行事の際によく作られる、米粉で作る伝統的な甘いまたは塩味のクレープであるピタ(Pitha)です。
東ベンガルと西ベンガルの地理的および気候的違いは、それぞれの料理に大きな影響を与えています。東ベンガルには淡水魚が豊富に生息し、稲作に適した肥沃な土壌があります。バングラデシュのヒルサは国境の両側で、そして世界中に定住しているベンガル人コミュニティの間で崇拝されています。対照的に、変化に富んだ地形を持つ西ベンガルは、やや涼しい気候で、淡水魚と海水魚の両方を手に入れることができます。
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続いての記事は
バングラデシュ出身の女性が語る
西ベンガル料理とバングラデシュ料理の違いについて。
https://zeezest.com/food/difference-between-bengali-and-bangladeshi-cuisine-zee-zest-390
今日私たちが知っているベンガル料理は、バングラデシュも考慮すると、明らかに多様です。インドのベンガル料理と現代のバングラデシュ料理の違いは、後者がイスラム教の影響を強く受けている点です。魚とミシュティ(甘いお菓子)に対する共通の好みは今でも残っていますが、レシピは異なります。
カレーの調理法
西ベンガル州とバングラデシュには数え切れないほどの川が蛇行して流れているため、さまざまな形や大きさの淡水魚を食べることは珍しいことではありません。ただし、その調理法は大きく異なります。
アフロズさんは、インド・ベンガル料理の日常的な魚カレーは繊細さで知られているが、バングラデシュの同じ料理は濃厚でスパイシーな味わいになっていると教えてくれました。「魚カレーだけでなく、シャーク(サグまたは葉野菜)も最初に湯がいてから、タマネギ、ニンニク、青唐辛子と一緒にタルカに入れます。ダルを作るときも同様のアプローチがとられます」と彼女は明かし、魚カレーは一般的にセミドライスタイル(ブナ)で調理され、西ベンガルのように水っぽくないと付け加えました。
ベンガル湾に近いため、インド側のベンガルではそうではないが、シーフードが頻繁に食卓に並びます。ボンベイダック/Loitteは人気の食材だとアフロズさんは言います。インド料理に欠かせないポピーシードなどの材料は、グレービーソースのとろみ付け以外では彼女の国(バングラデシュ)ではほとんど使われません。自家製のガラムマサラは、シナモン、カルダモン、ベイリーフをブレンドしたものになります。クローブはほとんど使われませんが、お祝い料理にはより濃厚なブレンドが使われます。
バングラデシュのボルタ
アフロズさんは、バングラデシュ料理のユニークなコンセプトであるボルタについても語ります。ボルタとは、材料を煮たり、燻製にしたり、ローストしたり、湯通ししたり、焼いたりした後、炒めた生姜とニンニク、生のタマネギ、唐辛子、マスタードオイルと混ぜる調理法のことです。これらの工程を経た後は、それ以上の調理は行いません。
「ボルタはどんなものでも作れるので、食品の無駄をなくすのが目的です」とアフロズさんは語り、ナッツ、果物、野菜、魚、肉、卵、レバー、皮、魚の頭や尾から作るボルタは、それ自体がどれもごちそうだと付け加えました。
ヒルサが大好物
どのジャンルの料理にも人気料理というものがありますが、国境を隔てた両岸で人々を結びつけているのは、ベンガル人全員が愛する魚、ヒルサ(イリシュ)に対する共通の関心でしょう。ヒルサは海に生息し、産卵のために上流へ遡上するニシンの一種です。
ヒルサ(イリシュ)はその豊かな風味と食感により、国境だけでなく、階級や宗教の壁も超えて人気を博しています。法外な値段で知られていますが、8月下旬から9月にかけて価格が大幅に下がり、非常に手頃な価格になります。
ヒルサはベンガル人にとって思い入れの強い魚ですが、調理法となると意見が分かれます。インド系ベンガル人は、ニゲラシードとナスを使ったシンプルなカレーや、玉ねぎとニンニク抜きのマスタードペーストで蒸した料理で(どこでも食べられるbhapa ilish)、ヒルサの独特の風味を味わっていますが、バングラデシュではレシピが大きく異なるのです。
「故郷(バングラデシュ)では、タマネギとニンニクなしでイリシュを調理することは考えられません。西ベンガルでは、それはほとんど冒涜行為とみなされています!」とアフロズさんは力を込めて言います。この魚の多用途性は、いくつかの興味深いレシピでそれ自体を物語っていると彼女は言います。例えば、haate-maakha ilisher jhaal(haateは手、maakhaは塗りつけるという意味)と呼ばれる素朴なスロークッキングレシピでは、魚をタマネギとニンニクの汁でこすりつけ、次に生のタマネギ、青唐辛子、ターメリックを加えて、すべてをゆっくりと調理するのです。
彼女はまた、魚の鱗をカリカリになるまで浅く揚げ、それをペースト状にすりつぶし、生の玉ねぎと揚げた赤唐辛子を混ぜる「aash bhorta」というボルタのレシピについても教えてくれました。
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Q&AサイトのQuora(クォーラ)に
興味深い内容があったので載せてみます。
西ベンガルとバングラデシュのベンガル料理には違いがありますか?
Avimanyu Kishwarさん(シンガポール在住)のアンサー
料理について尋ねると、それらは非常に似ています。ベンガルの両側には似たような料理があり、似たような名前があります。しかし、材料と調理法は大きく異なります。西ベンガルとバングラデシュの間だけでなく、バングラデシュ自体でも異なります。
私はバングラデシュ出身で、両親はNoakhali(南海岸地域)とNetrokona(北中部)出身という幸運に恵まれました。妻の両親はKhulna(南西部)出身で、(インド・西ベンガル州の)コルカタとシリグリには親戚がたくさんいます。そのため、これらの地域の食べ物については多少の知識があると言えます。
ルーツは同じでも、文化的な影響は様々であり、それが料理にも影響を与えていることを忘れてはなりません。バングラデシュ料理はムガル帝国の影響を受けていますが、西ベンガルはより伝統的なヒンドゥ教の伝統を守っています。地理的な違いも、使用される食材の面で大きな役割を果たしています。
私がコルカタで食べたもの(ゴティ料理を専門とするBhajahari Mannaなどのレストランで、気を悪くしないでください)は、すべての料理に砂糖が加えられているため、料理はほとんどが甘いものでした。Poshto(ポピーシード)はコルカタでとても好まれているようです。伝統的なヒンドゥ教の料理の多くはニンニクをまったく使わないため、ニンニクは控えめに使われています。
一方、イスラム教の影響で、バングラデシュ人は何にでもニンニクとタマネギを入れるのが大好きです。バングラデシュ人はより多様な魚を食べます。これには干し魚や発酵魚も含まれますが、その臭いはコルカタの住民なら誰でも家から追い出すほどです。また、より辛いものが多いこともよくあります。バングラデシュの沿岸地域では、料理にココナッツを多く使います。
西ベンガルのベンガル人はバングラデシュ人(バンガルと呼ばれる)に対して鋭い差別意識を持っており、バングラデシュ料理は標準以下だと考えています。これは私が長年読んできた文献や私の知り合いからの意見ですが、もちろん例外もあります。
私はベンガル全土で食べられるさまざまな料理を味わえたことを本当に幸運に思いますし、どれも大好きです。しかし、私はいつでもバングラデシュ料理が西ベンガル料理に勝ると断言します。
Aniruddha Banerjeeさん(インド・バンガロール在住)さんのアンサー
過去 30 年間だけでも多くの料理交流(特に YouTube のレシピ)が行われてきたことを考慮すると、ゴティ料理(西ベンガル)とバンガル料理(バングラデシュ)の間に大きな違いはありません。
ただし、2 つの主要なもの以外です。
・ゴティ料理では、塩味の料理に小さじ1~3杯の砂糖が使われます。レシピに砂糖が使われていない場合は、バングラデシュのルーツを持つ人、またはインド国外で幼少期を過ごした人が作ったものでなければなりません。
・バンガル料理には、風味豊かな料理に付け合わせとして生のマスタードオイルをたっぷりと使う必要があります
初心者にとっては、その効果は異なります。
砂糖が料理を完成させていますが、後味に甘さを感じます。外国人は好きではありません。テネシー州、チリ、アフガニスタンなどからの観光客のほとんどが、これを「奇妙な味の北インド料理」と呼びます。これはそれ自体が奇妙です。なぜなら、西ベンガルのレストランのほとんどが、バングラデシュ出身の人たちによって経営されているからです。
生のマスタードオイルは、イタリア人がエキストラバージンオリーブオイルを少し加えるのと似ていますが、類似点はそれだけです。エキストラバージンオリーブオイルは料理をまろやかにしますが、生のマスタードオイルはマイク・タイソンがあなたの鼻を殴るようなもの(ワサビのように副鼻腔に作用する)です。
私は刺身や寿司にワサビを添えるのが大好きなのですが、ベンガル料理店では注文を取る人に必ず「生のマスタードオイルの付け合わせは控えてください」と事前に伝えなければなりません。たいていの場合、信じられないという表情で見つめられます。
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最後はバングラデシュ料理店でよく見かけるおかず
「ボルタ」についての記事。
https://www.whetstonemagazine.com/south-asia-journal/bhortas-are-anything-but-basic
バングラデシュ人にボルタについて尋ねれば、きっとその美味しさを熱弁するでしょう。母親や祖母のレシピを思い出し、懐かしさにボルタの盛り合わせが並ぶテーブルに(あなたも!)夢中になるかもしれません。この料理の基本は単純明快です。材料を 1 つ選びます。シンプルなものなら、さらに高め、濃厚なものなら、極限まで高めます。バングラデシュ人の間で広く人気のある素朴な料理であるボルタは、bataやsatniとも呼ばれ、 野菜、魚介類、ひょうたん、肉などを混ぜてタマネギ、時にはニンニクと混ぜ、マスタード オイルを塗ったマッシュとして最もよく説明されます。
~中略~
ヒンドゥ教徒とイスラム教徒の両方のコミュニティがボルタを作りますが、ヒンドゥ教徒の伝統的なベンガル料理のレシピは使用する材料に違いがあり、イスラム教徒の調理では当たり前のタマネギやニンニクを省くことがよくあります。また、ヒンドゥ教徒の家庭ではあまり作られない傾向があります。
(インド西ベンガル州の)コルカタと(バングラデシュの)ダッカを行き来しながら暮らし、働く食通でブランド コンサルタントのKaniska Chakrabortyは、あらゆる種類のボルタを味わってきました。彼はこう言います。「ダッカにいるときは、ヒルサとビリヤニ以外のものも考えてみてください。誤解しないでください。この 2 つもおいしいです。しかし、ダッカ滞在中に私に最も大きな影響を与えた食べ物は、本当にさまざまなボルタです。ボルタは社会の境界線が曖昧になる場所です。実業家から貧しい人力車引きまで、誰もがボルタが大好きです。」
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料理に砂糖を入れ、
ポピーシードを多用するのは西ベンガル。
ボルタはバングラデシュで、より好まれていて
料理の重要なポジションに。
シュッキボルタのような発酵魚の強烈なニオイは
西ベンガルの人は好きではないetc.
面白いなあ!!
だいぶ色々とスッキリしたので
さらにベンガル料理を楽しむことが出来そうです。
スパイシ~~♪♪♪
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