Railway Gazette Internationalの2021年6月16日記事「Paris – Edinburgh route proposed under French start-up Midnight Trains’ hotel train plan」の情報をブログ筆者によってまとめたものです。

 

元記事はこちらから

 

 

 


 

ここのところ、欧州の夜行列車関連の記事がタイムライン上で多数見かけるようになりました。

 

 

 

 

上記3件とも、今回記事に取り上げられた、フランスのスタートアップ企業、ミッドナイト・トレイン(Midnight Trains)社による新ルート運行に関する記事となります。

 

 

このミッドナイト・トレイン社は、クラウドファンディング会社KissKissBankBankを設立したアドリアン・オーモンとロマン・パイエが、SNCF、タリス、アコーホテルズなどの鉄道会社やホスピタリティ業界で働いていた様々なエグゼクティブとともに設立した企業。

 

6月16日に発表したプレミアム寝台列車ネットワークの提案の中で、パリを拠点とし、ローマ、ハンブルク、ポルト、ウィーン、ブダペストなどを経由する路線を提案していますが、最も目を引くのがパリ - エジンバラ間のサービスです。

 

■レールの上のホテル が目指すサービス

ミッドナイトトレインは、快適さを重視し、既存の多くの夜行列車よりも明らかに高級なサービスを提供することを宣言しています。

特に、プライバシーが重視し、オープンスペースの座席やクシェットはなく、寝台は個人またはグループでの旅行者にのみ提供されるサービスを目指すとのこと。すべての列車にバーとレストランを設置し、上質な季節の料理と、高級ワインやカクテルを含む飲み物を提供するとのことで、これを聞いて私は、クルーズトレインの「オリエント急行」の普及版なのかなとイメージします。

なお、サービス開始時期は2024年を考えている、ということです。

 

魅力的な車内サービスに引けを取らないほど注目されるのはイギリス(パリ - エジンバラ間)への夜行列車の運行計画です。

 

■対英国サービスに待ち構える難題

そんな華やかな計画の背後には、渡英する夜行列車に待ち構える難題が多数あるようで、記事ではそこも指摘しています。

・厳しい英仏海峡トンネルの安全要件

・英仏トンネル線の高額な線路使用料金

・英国政府が主張する大陸からの国際列車への要求事項(車両、イミグレーションなど)

上記をクリアーにできる実現的な方法は今のところ不明。前途多難だ、とまとめています。

 

すでに難題と「決めつけ」ているのもの、過去にドイツ鉄道が辛酸を嘗めた経験があるため。

かつて、フランクフルト・アム・マインからロンドンへの都市間旅客輸送サービスを数年かけて開始しましたが、英国の国境管理の複雑さが大きな障害となり、いまだに実現していません。

 

とはいえ、すでに素敵なサイトが開設させており、イギリス方面への運行はNGであっても、他のスタートアップ各社同様に近日中にはさらなる情報が配信されることでしょう。

 

 

今回は、以上となります。

 

参考資料:European Rail Timetable 2021 Summer Edition