この度の能登地震においての復興ができるだけ早く進み、被害に遭われた方が元の暮らしを取り戻すことに向けて少しずつでも前に進んでいけるように心からお祈り申し上げます。
私たちが大規模自然火災にあって、買ったばかりの家を全焼してから、もう丸2年が過ぎました。現在は家の再建を果たして新しい家に戻った人、再建中の人、これから再建をする人、土地を売りに出している人とみな様々なステージに居ます。私の家のあった地区に関して言えば、再建が終わった人が30%、再建中の人が60%、土地を売りに出している人とこれから再建をする人が合わせて残りの10%のような状態です。私たちはこれから再建がスタートするので、最後の10%の中にいます。2年経ってもこの状態です。元の生活に戻るのは本当に長い道のりが必要です。でも、諦めずに前を向いて少しずつでも歩いて行けば、生活を立て直すことはできると信じています。時々心を休めて、折れずにしなやかに一歩ずつ進んで行くことが大切です。
タイトルの有難かった寄付の話について、アメリカの良いシステムが日本で被災された方への支援の参考になると良いなという願いを込めて書いていきます。
・現金の寄付
クラウドファウンディングのシステムを通して友人、知人、匿名の方、見ず知らずの方からも直接寄付を頂きました。日本からも沢山頂きました。アメリカの凄いところは、見ず知らずの人にも困っている人には手を差し伸べてくれるところです。直接、現金や小切手でくださった方々もいました。
また、ボルダー郡と、赤十字からもすぐに現金(小切手)の寄付を受取りました。赤十字からは半年後に追加で寄付も頂き、とても有難かったです。
・ギフトカードの寄付
娘の通っている学校のPTAから大量のギフトカードを受取りました。スーパー、量販店、アマゾンや地元のレストランなど、すぐに必要な物を買い揃えること、ホテル暮らしの間の食事に使用が出来てとても助かり有難かったです。同じように、地元の慈善団体からも沢山のギフトカードを頂きました。これも当面の食材や食事、必需品を買うのにとても役立ちました。
・物資の寄付
娘の通う学校から、学校に通うのに必要なバックパックや文具品を提供して頂きました。学校を通してCrocs からサンダルの無料提供を受けました。これは被災した子供達だけでなく、ボルダー郡全部の学校の子供達と職員の皆様に対して提供されたと記憶しています。
各企業や地元の商店から、無料ショッピング(お店に行って、企業や商店が用意してくれた寄付品から好きな品物を選んで持ち帰れる。日にち限定)を受けとても助かりました。これには型落ちした製品や許容できる範囲の不良品なども含まれていましたが、どれも十分に機能するものであり、各企業の可能な限り助けるという姿勢を受取れ、本当に有難かったです。日本の企業のMont‐bellを始め、FJALLRAVEN、patagonia などのアウトドアブランドから冬もの衣料をはじめとする品物の提供を受けました。但し、先着順の為、品物がなくなれば終わりなので、いかに素早く情報を仕入れるかがポイントでした。
地域住民からの寄付品の無料ショッピングもありました。大きなイベントスペースに地元の人(企業からの小規模な寄付も含む)からの寄付品を集めて、何回でも好きな物を選び持ち帰れる場所がすぐに立ち上がりました。わざわざ新しい物を買って寄付してくださる方もいて、何て優しいのだろうと感動しました。もちろん使い古しの物やクローゼットの奥に長い間眠っていた物も含まれますが、自分で見て持ち帰れるので問題はなかったです。ただ、捨てるのは気が引けるけど、自分では使用したくない物(つまりボロボロや少し壊れている)も寄付される為、そのスペースを運用してくださっているボランティアの方々が仕分けに多大な時間を費やさなければならないという問題もありました。
こんな感じで生活に必要な物は1、2カ月ほどで大体揃ったように記憶しています。
それ以外にも地元のレストランから食事の無料提供もありました。上限金額は決まっていましたが、メニューから好きな物を選ぶことができとても有難かったし、避難生活中のホッとできるひと時でもありました。
また、寄付の話からは少しそれますが、日本との違いについて驚いたのは避難所や仮設住宅はなく、仮の住居(アパートや一戸建てのレンタル)が見つかるまでは、皆ホテルやAirbnb、知人宅に滞在していました。ホテルやAirbnb の滞在費用は保険会社が負担してくれました。仮の住居の家賃についても保険会社が負担してくれています。但し、仮の住居に対する補償は保険会社の規定により違いはありますが、現在のところ、大体2年半まで延長されているようです。保険に入っていなかった人は政府が運営するFEMA(Federal Emergency Management Agency)アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁が支援の受け皿になっているようです。(というのは、この支援を受けてる人が周りにいないため。)
今回のことで非常に強く感じたのは、困っている人がいれば全力で助けるというアメリカ人の底力です。これには沢山の愛を感じ、頑張ろうという気力を沢山貰ったので今でも感謝に尽きません。
以上、長くなりましたが、私が受けた寄付についての話です。この情報が地震や災害に遭われた方を助けるのに少しでも役に立てばと願っています。