この『清水次郎長傳』で、仇討ちを伴う大きな喧嘩が、三つ御座います。先ずは、保下田ノ久六への恨みと、糟糠の妻・初代お蝶が亡くなる『亀崎の代官斬り!!』

次に、森ノ石松の『金比羅代参』から始まる長いお噺で、「悪い奴等は都鳥!!」の都鳥三兄弟が仇役で、河豚に当たる噺から追分三五郎が大活躍の仇討ちです。

そして、最後が、この安濃徳・安濃徳次郎と神戸ノ長吉の争いから始まる『荒神山』の一件、吉良ノ仁吉の仇討ちになるのですが、この最後の喧嘩は安濃徳を許してしまう清水次郎長。

と、言うのも、神戸ノ長吉と言う担いだ神輿が甘かった!いや、ヘボだった。その辺りは、次回に成るらしいが、今回は、吉良ノ仁吉の最後です。


1.仁吉の最期

マクラで、ベラルーシの陸上女子選手が、東京五輪期間中に、ポーランド へ亡命した話題を例に出して、自分も亡命したい!と、言い出す愛山先生。

何んの話かと思ったら、日本講談協会から、講談協会への亡命を希望すると、言い出すのです。結構、シリアスな話題なのか?と、思ったら。。。

トム&ジェリーのTシャツを、阿久鯉先生に、笑い飛ばされた事で、落ち込んだダケでした。ただ、しみじみした口調で、行く行くは琴調先生が会長となり、釈界!協会統一を成し遂げて欲しいと言っておられました。

そして、愛山先生自身は、土方歳三贔屓だから、副長!が宜いと言って、同じ新撰組なら土方歳三!と、言う小金井芦州先生の話題になり、

芦州先生が、犬猿の仲と言われた二代目神田山陽先生は、新撰組で例えると?と、水を向けられて、『伊東甲子太郎』だと言ったとか。

しかし、どうやら愛山先生は、シンガーソング・ライターの『伊東歌詞太郎』はご存知ない様子で、この二代目山陽、伊東甲子太郎が受けないのが、やや不満の様子でした、

ただ今時の連中は、『いとう・かしたろう』と言われたら、新撰組の伊東甲子太郎ではなく、アーティストで狐の面を付けた伊東歌詞太郎だと思います。


さて、本編の『仁吉の最期』ですが、実に素晴らしい!展開で、僅か三十分足らずで、私が三代目伯山の速記本から起こした話を、いやはや、省略することなく、


◇仲人現る!

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12675075305.html

◇掛け合い決裂!

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12675447279.html

◇思わぬ伏兵!

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676044137.html

◇鼠一匹

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676187066.html

◇小政の掛け合い

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676287500.html

◇大政鬼神と化す

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676409060.html

◇仁吉の最期

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676459605.html

◇仁吉の本葬

https://ameblo.jp/mars9241/entry-12676677453.html


実に八話分を一話に凝縮されていて、感動的な三十分でした。何んでしょう、大政が槍を奪う展開と、仁吉が湿気た短筒で失敗る場面が無かったぐらいで、跡は全部登場人物まで、丸々同じだったのに、予習して行った私は驚きました。



2.河村瑞賢

マクラで、次回102324日2ndDaysの会が決まったと言う噺(瞬殺で完売)と、年末に義士傳、正月には仕立屋銀次をやると予告されました。

愛山先生は、まだ予告段階だから期待し過ぎないようにと言っておられましたが、『義士傳』『仕立屋銀次』は、見逃せない!!

本編の『河村瑞賢』は、初めて聴いたお噺でした。上方から江戸へ出て来た河村瑞賢が、商才を発揮する噺なんですが、実に、左甚五郎の噺に似ています。

似ていると言うより、講釈のフォーマットは、『三井の大黒』みたいな感じの物語です。