Chez Nous  -45ページ目

最期のときまで

そのころ、ある女性に病院の待合室でお会いしました。
その方はわんちゃんを3度亡くした経験があるそうです。
彼女に
「わんちゃんの前で悲しい顔をしないでね。悲しい顔をしたり、泣いたら、わんちゃんはあきらめてしまうから・・・」

と言われました。私たちはその言葉をしっかりと受け止めました。
どこへ向かうかわからなかった今までと違い、ある目的地にむけて歩きだしました。

ロッキーの最期のときまで。

Chez Nous

次の日、ロッキーを連れて公園で一日を過ごしました。そんな日々が何日か続きました。その日の経験は、以前に何度も旅行やキャンプをした時よりも、素晴らしいひとときでした。

ちょうどゴールデンウィークのころです。

緑の美しい季節に、病気になってしまったロッキーを哀れに思ったこともありましたが、ロッキーは間違いなく、この美しい季節を心に刻んだことでしょう。

そのことを、今、とても嬉しく思います。
Chez Nous

その日のロッキーのうれしそうな顔を忘れることはありません。

ブログのTOPでご紹介しているビデオは、そんな日にとったビデオや写真を編集したものです。

その後、調子の良い日、良くない日、多少アップダウンがありましたが、動物病院からのお薬を飲ませながら、比較的穏やかな日々が続きました。

表向き穏やかとは言っても、心の中で不安な気持ちが渦巻いていました。

・・・最期のときはどんなかんじなのだろう・・・
・・・どんどんつらくなるロッキーをみていられるだろうか・・・
・・・ロッキーを亡くしたら、私たちは耐えられるのだろうか・・・

ある時Milが

「僕は、ロッキーのこと、準備ができているって言ったけど・・・やっぱりまだできてない・・・」
と言いました。そんな葛藤と戦いながらの日々だったかと思います。

ロッキーが助からないとわかった頃、先生に安楽死のお話を受けました。
日本人には受け入れにくいかもしれないけれど、アメリカなどでは一般的に行われていると言います。

でも私達は結局、決断しませんでした。できなかった。のです。

検査ができなかったあの日から約3週間。

ロッキーの最後のときがやってきました。その瞬間はとても静かでした。

















犬を飼う方たちへ~ロッキーの病気4

2週間たっても、抗生剤は効きません。
先生と相談の上、全身麻酔での検査をすることにしたのです。
骨盤の影(かたまり)に針を刺して、組織をとる検査です

朝、車でロッキーを病院まで送りとどけました。途中、
来年、ロッキーと何をしようか、何度もロッキーに話しかけました。
来年も再来年も一緒に生きてほしかった・・・

その日はMilも家にいてくれました。あずけてから数時間。
全身麻酔がかけられる時間の直前、電話が鳴りました。
ドクターからでした。

「術前にいくつか検査をしました。もう一度X線もとってみました。2週間前に整形外科で取ったものと比較すると、リンパ節がすごくはれている・・・こんなに早く変化がみられるということは・・・もう・・・全身に転移していてもおかしくない。
どうしますか?検査をしてもあまり意味がないと思います。念のため、麻酔なしで針を刺す検査してみましょう・・でも一週間後の検査結果がでるまで、もつかどうか・・・」

「・・・・じゃ全身麻酔の検査は・・・中止してください・・・」
そう言うしかありませんでした。


Milにそう伝えると・・・so sad...so sad.独り言のようにつぶやきながら、
右に左にしばらく歩いたあと、言いました。

「今すぐロッキーを迎えに行こう」

迎えにいくと、ロッキーがびっこを引きながら、Milのところへまっすぐ走っていきました。ロッキー。


「足を切ってもだめでしょうか?」
「切るとしたら骨盤からです」

それはかわいそう・・・・
「かわいそうだと思いますよ」
「抗がん剤は?」
「抗がん剤を使いますか?」

「抗がん剤を使っても治らないのですよね」
「延命するだけです。それに本人は苦しむかもしれない。それに莫大な費用がかかります」
・・・
その時、混乱する気持ちと、やっぱり・・・という気持ち。


Milを見ました。どうする・・・?
首を横に振りました。そうよね。彼は私と同じ気持ちなのだ・・・

だんだんわたしの心が静かになっていくのを感じました。

ロッキーの死を受け入れるしかないのだ。

「そのかわり、痛み止めをください。苦しまないようにしてあげたいんです」
「わかりました。それも効かなくなったら、モルヒネをつかいましょう」



つづく~





犬を飼う方たちへ~ロッキーの病気3

ロッキーはこの頃、まだ元気がありました。痛みも次第に落ち着きました。
Milがだっこして公園まで連れて行くと、急に元気になり、遠くまで歩いていこうとしていたのです。歩く早さもいつもと同じで結構早いペース。
「まだまだ~こっちこっち~」

途中で疲れた顔になるので、Milが抱っこをして帰ることもしばしば。
この頃、私が、病気のことで心が一杯だったのに対して、Milはロッキーの気力が萎えないように、精一杯楽しいことをさせようとしていたのだと思います

次第に、抱っこしてお散歩に行くというのが、普通になって、
「お散歩行く?」

というとおしりをMilのほうへ向けて、抱っこして~という姿勢をとるようになりました。
友達とのバーベキューにも一緒に連れて行き、たくさんの人にかわいがってもらいました。ロッキーもみんなにエネルギーをもらったのか、その日、とても楽しそうだった。と言っていました。
多摩川で、カートに乗せたわんちゃんに会い、
「ロッキーも歩けなくなっても、ああいう風にして、きっと楽しく生きていけるよ」
Milは帰ってきて、そう私に話していたことを思い出します。


検査で、前立腺からの感染症の疑いという診断で、4月9日、抗生剤の注射をうちました。2週間効果のある抗生剤。
同時に、血液と、尿を培養することに・・・菌がでるようなら、違う抗生剤にかえる・・・菌がでなければ、抗生剤がきいているか、全く違う病気。(つまり、骨盤に写った影が腫瘍という可能性が・・・)
先生から
抗生剤が効いて、どんどん症状がよくなってくるようだったら、去勢手術をしてしまいましょう。そうすれば、長く生きられるから」

・・・今年のはじめから、しつこい血尿に悩まされたのですが、それも前立腺のばい菌のいたずらだったかもしれない・・・

私は、やっと治療の方向性が見えたことや、薬が効いてよくなるような気になって、
喜びで一杯になりました。

先生は
「でも、まだ喜ばないでください。喜ぶのは早いですよ」
と・・・

そして、その言葉は現実になってしまったのです・・・




犬を飼う方たちへ~ロッキーの病気2

その頃、私達はロッキーが命にかかわる病気に侵され始めているということを思いもしませんでした。

そのうちに、ロッキーは寝返りを打っても、ウォーン!と叫び声をあげるほど、痛がるようになり、

4月はじめ、Milが病院Aからデータをもらいに行き、悩んだ挙句、神奈川県で有名な大きな病院に連れて行くことにしました。

連れていくときには、車の後部座席にクッションを一杯ひき、ロッキーが痛くないように固定させ、私はロッキーのとなりに座りました。

そこの先生に診せると、ロッキーの体をあちこちさわり、
犬は人間に比べて痛みを感じないものなんです。でもこの痛みはかなりのものですね。
といわれ、その痛みがどこからきているのか、再びX線を取りました。

すると、骨盤の中に小さな影が映ったのです

その小さな影がなにであるのか・・・悪いものか、問題ない種類のものか・・その時点ではわかりませんでした。
椎間板ヘルニアの兆候もありましたが、ドクターによると、そんなにひどいものではないから、それでこの痛みがでるとは考えにくい。

その日の診察で、私達が持っていった、病院Aのデータは、全く使い物になりませんでした。肝心な箇所が写っていませんでした。

次の日、その先生の紹介で、整形外科を受診。
CTはとらず、エコーとX線をとってもらいました。

X線に写ったのは、肥大した前立腺でした。
肥大した前立腺の中にはばい菌の塊が、ところどころにできていました。
「もしかしたら、この菌が骨盤あたりに作用して、痛いのかもしれない・・・」
という診断でした。

ロッキーは去勢手術を受けていなかったのです。

前回指摘された、肺の影ですが、これはバリウムの影でした

数年前におなかを壊してある動物病院にかかったとき、バリウムを飲まされ、一部が肺に入ってしまったものだろうと・・・


肺は問題ない。足の痛みはきっと、抗生剤で治るだろう・・・・
Chez Nous


私達は、安心しきって家に帰りました。

早速前日診てもらった大きな病院で、抗生剤をもらおう・・・そうしたら前のように元気になるよ・・・


つづく~





犬を飼う方たちへ~ロッキーの病気1

夢のほとり さんとの、何度かのやり取りの中で、私たちがロッキーの病気について書く意味を考えなおしてみました。

いろいろなブログを拝見させていただくにつれ、病気の犬たちによりそって、愛情をそそいでいる方達がいらっしゃるということに、大きな感動を覚えました。

ブログを読んでくださる皆様、あなたにとって、ペットが癒しとしての存在なら、少しだけ考えていただけたら・・・・そのペットが病気になったときのこと・・・

家族として、長く一緒にに暮らした犬や病気のことは、実際に病の自分の犬に付き添って、看取ったものにしかわからない。そのつらい内容をあえて公開することが日本ではまだ一般的ではないので、人々になかなか知られることがない。と言う夢のほとりさんのお言葉。

ロッキーの病気が、同じ症状をもつ、わんちゃんのヒントになるのはもちろんのこと、動物と一緒に人生の一部をともにする意味をわかっていただけたらと思いました。


2009年3月24日、ロッキーがお散歩の時に、うしろ足を片足あげて歩くことに気がつきました。
足を引っ張ったり、曲げたりしましたが、痛がりません。
足のうらを触ってみましたがこちらもなんの反応もなし。
・・・足のうらにとげでも刺さったのかな・・・

などと軽い気持ちで,ちかくの動物病院へ行きました。仮に病院とします。
今まで行ったことのない獣医さんでしたが、新しいところを探そうと思っていたところだったというタイミングだったこともあり、その病院に足を踏み入れました。

みなさんは、どういう基準で動物病院を選んでいますか?
この地域には星の数ほどの動物病院があります。
私たちは、納得のいく主治医をもちたい。という思いがありましたが、なかなか納得できる獣医さんにめぐり合うことができないでいました。

毎回、ちゃんと犬を触って、犬とも飼い主である私たちともコミュニケーションをとりながら、体の具合を細かく診てくださる先生。
「もう年だからね~」のような言葉で片付けず、飼い主の気持ちに寄り添ってくださる先生。

私たちはこんな条件を望んでいました。


で、”じゃ、この機会に・・・”と軽い気持ちで、動物病院Aでロッキーを診てもらうことにしたわけです。

まずはX線と触診で、「これは足の痛みではなく麻痺と思う。椎間板ヘルニアでしょう」と診断されました。
問題なのは、肺に影が見えるということでした。(のちに別の病院で、この影は問題がないとわかる・・・)これは詳しく検査をしたほうがよいということで、CTがとれる病院へ行くことを勧められました。
椎間板ヘルニアは、お薬(ステロイド)をしばらく飲んで、様子をみましょうということになりました。

この時点で、ロッキーは心臓が悪いことがわかっていたので、全身麻酔で、肺の影の検査をすることに大きな不安があったのと、検査はとても高額で10万単位のお金がかかるということに、二の足を踏む気持ちでした。

階段をいつも駆け上がっているロッキーが、いきなり肺が悪いと言われて、
内心、”そこまでする必要があるのかな?”
と疑問にも思いました。
躊躇していると、血液をとって、腫瘍マーカーを調べるという方法もある。と提案されました。
ビックリマークじゃそれをやってもらおうじゃないの!と腫瘍マーカーを調べていただくことにして、その日は家に帰りましたが、その日の診察代だけで4万円近い金額。
ちょっと驚きでした。

ロッキーの足はお薬で治るのだとう。と安心し、肺に影があると言われたことに頭がいっぱいでした。

悩んだ挙句、ロッキーが生まれたときから8年ほど、お世話になっていた動物病院に電話をし、肺の影についてお話をしました。
「古い病巣が影となって、映ることもある。1ヶ月後にもう一度X線をとって、大きくなってなければ、そのままなにもする必要はないのでは?腫瘍マーカーはそんなに信頼できるものではないんですよ」
という返事をいただきました。

腫瘍マーカーの結果は陰性
結果を知ったあとに、
「腫瘍マーカーだけで安心はできないから、やはりくわしく調べたほうがいいですよ」
と言われました。
それに、お薬が効くと思っていた足は、上げたまま。治る様子をみせません。

私たちはその時、何を信じればよいのかわからない混乱状態になってしまいました。

つづく~