続・奥様はベトナム人 -11ページ目

続・奥様はベトナム人

ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

 

 

【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 2 章 送り出し機関の選び方と見るべきポイント

 

(4)教師 

 前述の通り、送り出し機関に勤務する教師のうち 8~9 割は元実習生であります。残りは、留学生かベトナムで日本語を学んだ大学生等です。8 割は N3、1.5 割が N2、絶滅危惧種並みの N1になっております。 

 

 介護を扱う送り出し機関の場合、N2 以上の比率は高いです。介護クラスだけを専属で見る N2 以上の教師もいます。 又、送り出し機関の日本語教師は離職率が非常に高い傾向にあります。

 

 1~2 年以上同じ送り出し機関で働いている教師の率は恐らく 50%を切ります。特定技能ができ、技能実習 3 号もあることから、元実習生の教師にとっては、日本へ戻るまでの腰掛扱いであることが最たる原因です。女性教師の場合、結婚・出産による産休も多く、そのまま退職の流れになることも多いです。

 

 そのため、担任がコロコロ代わることもしばしばです。教師の能力を把握するには、まずは JLPT、日本渡航の有無、実際の会話が主たる手段です。

 日本語教育に力を入れている送り出し機関は、ベトナム現地で長年日本語を教えている学校から先生をヘッドハンティングしています。お金がかかりますが。

 

(5)実習生 

 送り出し機関を問わず、実習生自身は目がキラキラしており、日本で稼ぐことを夢見ている人材が多いです。個々の人材自体は決して悪くなく、磨けば光る原石の状態であります。送り出し機関次第では、ただの石にも、宝石にもなることができます。

 

 視察時に実習生と会話する時間があると思われますが、会話する際、一度で聞き取れることはあまりありません。注目すべきは「日本語がわからないときに何ができる」かであります。

 

 大抵の場合、「すみません、もう一度(ゆっくり)お願いします。」というフレーズをどこの送り出し機関でも教えていますが、実際に自身がそれを使うタイミングに直面したときに使えるかどうかで送り出し機関の教育の本質が見えます。

 

 ベトナム人の悪い癖(=日本人が嫌いな癖)に、「笑って誤魔化す」「相手の目を見られない」があります。日本人に慣れていない為、目を合わせられず、下を向いて黙ってしまう実習生は多いです。入国後の現場でのトラブルを未然に防ぐ為にもこれを矯正できているかを確認するのは非常に重要であります。

 

(6)コンプライアンス 

① 出国費用と借金

 監理団体であれば、実習生派遣のルールとして、手数料上限が 3,600USD であることは知っていなければなりません(2022年にて手数料に関してはルールが変更されています)。他国のことだからと我関せずであるならば、技能実習制度に関わるべきではありません。何故なら、送り出し機関がこれを守っているか否かが、日本側に非常に大きく影響するからです。

 

 技能実習制度に関わるもの全てが忌避するのが「失踪」であります。その原因は様々ありますが、最も大きなものが「借金の返済」であります。「この給料では返済できない」「返済できても貯金できない」→「じゃあ、も っと給料がいいところに…。」と失踪に繋がっていきます。 

 

 最低賃金で雇用できてしまいますが、地方の低い最低賃金で借金が 100 万円 オーバーであれば、当然、失踪リスクは高まります。いくら懇切丁寧に面倒を見ても、起こってしまいます。優先順位に差はあれど、「お金を稼ぐこと」が実習生の命題であるからです。

 

 つまり、実習実施者にとっては、法的に一切非がないにも関わらず、出国前の借金が原因で失踪という被害を被ることになります。入国前の段階で詳細の費用や借金を確認、把握できるのは監理団体が最も可能な立場にいます。例えば、入国前に送り出し機関と協定を結ぶ条件として、費用明細を出させ、入国後に実習生に聞き取りを行い、聞いていた内容と違った場合、契約を解消・見直す等、縛りを付けることも可能であります。

 

 但し、費用・借金確認時に気を付けるべきことは、

「送り出し機関の徴収金額≠借金額」

ではありません。送り出し機関に支払う費用が 60 万円であっても、既にあった借金の返済の為、家具・家電購入の為、募集ブローカーへの謝礼、私的な理由による借金を含めた結果が 100 万円という例も少なくありません。 報道されている実習生の 100~150 万円という借金も全てが全て送り出し機関が徴収しているわけではないことを知っておいてください。 

 

 しかし、それでも、送り出し機関に支払う費用が低いに超したことはありません。そもそも、法定金額がある以上、高い・安いを論じることすらおかしく、本来はどこの送り出し機関も同額であるはずです。 

 

 ベトナム人の営業マンが Facebook 等で「出国費用が安くても入国後のフォローが雑では意味がない」「高くても駐在を置いて、フォローが厚いほうが良い」というてんで的外れな発言をしていますが、本来、入国後のフォローは監理団体の義務であり、送り出し機関が強制されるものではありません。日本各地に駐在を置くのも当然無料ではありません。人件費に加えて住居費も送り出し機関が負担することが多いですが、その原資がどこなのかよく考えてください。実習生に対する費用設定が高くなければ、元が取れるはずもないでしょう。

 

 入国後の送り出し機関のフォローは義務ではない。あくまで、善意。 

 

 多くのベトナム人営業マンが勘違いしている原因は監理団体にあります。長年に渡って、監理団体が契約・求人を餌に当たり前のように駐在を要求し、当たり前のように巡回を要求してきた結果が、「駐在が多ければ契約を取れる」「フォローが厚ければ求人が取れる」という実習生の費用問題を置き去りにした勘違いであります。

 

大切なことなので、もう一度。

 

「入国後のフォローは監理団体の仕事。送り出し機関はあくまで善意。」 

 

 もちろん、送り出し機関も入国後の実習生のフォローすること自体は決してやぶさかではありません。問題は、それが当たり前ではないということを監理団体が理解することです。そもそも法令を遵守していない送り出し機関を選んでも、何かあったときの責任は監理団体にあります。

 

 OTIT の監査でも、特定の送り出し機関と協定を結んでいると、協定書はもちろん、管理費の送金明細、渡航時の航空券・宿泊施設の領収書等を重点的にチェックされています。

 

 監理団体は送り出し機関のコンプライアンスの程度がいかに自身、及び、実習実施者に大きな影響を及ぼすのかをしっかり頭に入れておき、常々忘れることのないようにしてください。 

 実習実施者にも同じことが言え、コンプライアンスを徹底している送り出し機関を選んでいるのかどうか監理団体をしっかり選別することが非常に重要であります。

 

 また、アテンドを行う送り出し機関の通訳には要注意です。お迎えなどの連絡などで LINE の交換も行うケースも多いと思いますが、送り出し機関を通さず、勝手に個人で連絡をしてくる場合、後々送り出し機関から独立してプローカーを考えている輩が多いです。夜の遊びや愛人を囲っている場合、それをネタにして送り出し機関の変更を迫ることもあります。

 

 更に、自ら送り出し機関のライセンスを借りて、斡旋を行う者も多く、こういう輩とは基本付き合わない方がいいです。余計にかかった費用はすべて実習生の負担に変わります。それがわからない痛い日本人は多いです。 

 

② 前職要件

 技能実習制度は、原則、母国で就いていた仕事と同種のものを日本で実習し、帰国後、復職し、技術移転と母国の発展に寄与するというものであります。しかし、当然ながら日本で希望する職種の就労・実務経験がない人材が実習を希望することがあります。パンドラの箱化しているやり方以外に、王道として以下のようなやり方があります。 

 

 

前職要件(省令第 10 条第2項第3号ホについて)

 https://www.otit.go.jp/files/user/docs/291218-05.pdf

 

 前職のない介護はもちろんのこと、特に製造業系の溶接・機械加工・金属プレス等では、送り出し機関が提携先の大学・短大・専門学校において、必要時間の講習を行います。1 つの実習実施者で数が見込める場合、その 1 社用の専門コースを作り、その企業の OB を講師として送り込み、コースの修了者を面接・採用というカスタマイズも行っています。日本でもコンプライアンスの徹底が叫ばれて久しく、大手実習実施者を中心にこの手法を選択することが今後更に拡大をしていく可能性があります。 

 

(7)募集能力 

 そもそも、ベトナムの募集の仕組みとは?大きく、以下の 2 種に分けられます。

 

・ 自社:自社の募集部を持ち、Facebook・Zalo 等の SNS、各地の高校・専門学校等の教育機関への

営業活動、又は既に在籍・入国済の実習生の紹介が挙げられます。

 

・ 外部委託(俗に言う募集ブローカーの使用):どこか特定の送り出し機関に属することなく、フリ ーランスで人材募集を行っている人間に委託します。

 収入は、採用面接合格後に紹介した人材からもらう謝礼金、及び、当該人材が出国時に送り出し機関から支払われる謝礼金の 2 つ。それぞれ 500USD~1,500USD が相場です。

 

 募集が困難な不人気職種については、候補者を面接に参加させただけで送り出し機関から謝礼として 2~5万円程度がもらえることもあります。実習生の出国費用を増やす主原因が、この謝礼金ですが、個々の金銭のやり取りの域を出ない為、法的に取り締まることは不可能であり、これに頼る送り出し機関も多く、仕組みとして出来上がってしまっている為、撲滅も非常に困難であります。

 

 但し、送り出し機関の中には、募集ブローカーと人材の直接のやり取りを禁止し、出国後に経理を介して渡すのみと制限・管理している送り出し機関も存在します。

 

 それから、先にも述べましたが、ベトナムでは人気・不人気職種というものが存在します。募集にかかる期間も 2 週間~2 か月以上と幅広いです。

 一方、人気職種の場合、既に送り出し機関で勉強しながら求人を待っている人材もいる為、2 週間以内に採用面接を実施することも可能です。

 

 不人気職種、特に縫製については、ベトナムで 3 倍を集めることは 300%不可能であり、万が一集まっても、30 歳過ぎか経験がない 18 歳という非常に両極端。建設についても鳶職は同様の状態。こうした現状を正直に報告・相談できる送り出し機関は信用できます。

 

決して、「できる。大丈夫」 と安請負する送り出し機関を安易に選ばないようにしてください。 

 

(8)在日ベトナム人の営業は受けてはいけない

 実習生の借金が大きくなる原因の一つが在日ベトナム人の営業であります。送り出し機関の営業を行い、監理団体や企業へ取り入り、実習生を使ってもらうように仕向けます。中には堂々とハニートラップをかける猛者もいます。このベトナム人たちは決して監理団体や実習実施者からは金銭を取りません。その代わり、紹介した送り出し機関や実習生から直接取ります。金額は 5~15 万円/人です。

 

 コンプライアンスを重視している会社なら、間違ってもこういう連中から実習生を受け入れてはいけません。

 

(9)在日日本人の自称駐在員 

 複数の送り出し機関と契約し、複数の名刺を使い分けている者が多く、固定給+出来高(実習生1人採用につき〇〇円)、出来高のみの単なるブローカーであることが多いです。出来高ばかりを求めるので、アフタフォローは雑なことが多く、信用に足りません。

 

 日本人でもベトナム人でも誰かの紹介(営業)に考え無しに乗っかるのではなく、送り出し機関を自分の目で見て、見極めることをオススメします。上記のような人間は耳ざわりのいい言葉しか言わず、リスクについての説明を避ける傾向が強く、受け入れてから、「こんなはずじゃなかった」となる例が非常に多いので、要注意です。

 

(実例)

 5 社の送り出し機関の名刺を使い分け、全社から毎月固定給+管理費総取り+出来高ボーナス 1,500USD/人というとんでもない契約をしています。当然送り出し機関は目減りする利益を実習生の出国費用に丸乗せになり、借金は 100万円 over が当たり前になっています。

 

(10)こんな日本人に気をつけて in Vietnam(実在) 

 ベトナムには様々な人種の日本人が揃っています。中でも言ってることと、やってることが違う二枚舌パタ ーンには要注意です。「紹介」を餌に近寄ってくる日本人はほぼブローカーであると判断してかまいません。

 

(実例 1)

 《いい送り出し機関紹介します!》という個人・会社があります。表では、「実習生の為に!」「実習生の借金問題は送り出し機関が悪である!」「監理団体は悪質なところばかりである!」と綺麗ごとを並べておきながら、裏では、監理団体と成約できたらいくら、実習生が採用されたら・出国したらいくらという設定をしています。

 

(実例 2)

 

  2019 年 6 月に上記内容を Twitter に投稿し、瞬く間にベトナム語に翻訳され、現地ニュースも巻き込み大炎上しました。問題はここではなく、彼の事業内容です。「CBM ASIA」で、技能実習・特定技能向けのグローバル人材 IT プラットフォームを立ち上げ、マッチングサイトのようで、謳い文句は美辞麗句が並んでいますが、その実態は下の写真です。載せるだけで金、視察だけで金、契約するだけで金、採用するだけで金。金金金のブローカー業です。申し訳程度に「実習生から取ってはいけません」と書いてあるが、知っていたら悪質そのものです。知っていなくても、そんなもの偽の領収書と口裏合わせでどうにもなってしまうため、言ってることと実態は真逆へ転じます。炎上して、自主的国外退去になった模様ですが。

 

ブローカー業料金表 

 

 何度も申し上げるが、入国後の講習施設等を除き、原則、技能実習制度に送り出し機関・監理団体・実習実施者・実習生以外の登場人物は不要です。こうした比較サイト・紹介サイトが多いですが、自分で探す・選ぶという最も重要な過程を他人任せ・責任を丸投げしますと、後でもっと痛い目に遭います。ここで発生する余分な費用がどこに転嫁され、その結果起こりうるリスクが想像できれば、こうした業者は自然と存在価値・意義は消えます。この制度に関係する者は当事者意識を必ず持たなければなりません。 

 

(11)送り出し機関の処分(取消・停止)に要注意 

(送り出し機関の停止・取消について )

 2021 年 6 月 18 日以降、非常に話題に挙がっている送り出し機関の停止・取消。まず、以下の 5 社については、失踪の発生が著しいとの理由で、日本側主導で停止となったと言われています。 

 既に当該送り出し機関からの「半年後に再開しますから、大丈夫です!」「系列の送り出し機関と契約してください!」等々の連絡が取引先の監理団体に入っていることでしょう。 

 

停止となったのは以下の 5 社(2021 年 8 月 18 日以降) 

①HOA BINH IMPORT-EXPORT JOINT STOCK COMPANY(HOGAMEX:認定送出機関 リストNo.11) 

②Thai Nguyen Import Export Joint Stock Company(Batimex:認定送出機 関リスト No.77)

③MH Vietnam Investment Promotion Joint Stock Company(MH VIET NAM., JSC:認定送出機関リストNo.99) 

④    International ITC Joint Stock Company(ITC:認定送出機関リスト No.132)

⑤    Song Hong International Human Resource and Trading Joint Stock Company(SONG HONG HR.,JSC:認定送出機関リスト No.141) 

*⑤については、令和 3 年 4 月 23 日 14 時以降、既に利用不可。

外国人技能実習機構 【失踪者の発生が著しい送出機関に対する措置について(周知)】 

https://www.otit.go.jp/files/user/210618-101.pdf 

 

 特に、先に述べた系列の送り出し機関への移行はよく考えてほしいと思います。 

 送り出し機関〇〇の系列会社、グループ会社ということで、既に OTIT から目を付けられている可能性は低くありません。 5 社の発表の後、次はベトナム側から 8 社の処分をベトナム側(DOLAB)が発表しました。 うち 4 者は取消、残り 4 者は再申請というものです。処分の理由については、公式な発表はありません。 

 

取消 

1.    Viet Nhat HR(Công ty cổ phần liên kết nhân lực Việt Nhật)

2.    JV-system(Công ty cổ phần Thương mại và Đầu tư JV-System)

3.    Hutraserco(Công ty cổ phần Hữu Nghị Bắc Giang)

4.    Transmeco(Công ty cổ phần Vật tư thiết bị giao thông

 

再申請

5.    Saigon Inserco(Công ty TNHH Dịch vụ Quốc tế Sài Gòn)

6.    Alsimexco.,SJC(Công ty cổ phần cung ứng và xuất nhập khẩu lao động Hàng không)

7.    Cienco No1(Tổng công ty xây dựng công trình giao thông 1)

8.    Vinalines(Tổng công ty Hàng hải Vinalines)

 

DOLAB(海外労働管理局)

【Các doanh nghiệp đưa ra khoi khỏi danh sách phái cử TTS kỹ năng sang Nhật Bả(認定送り出し機関リストからの除外について)】

http://www.dolab.gov.vn/New/View2.aspx?Key=6568

 

 8 社の中にも、既に新たな社名でライセンスを取っているところ、前取締役が逮捕されているところなど、いわくつきのところが多いです。

 

 はじめの 5 社にしても、次の 8 社にしても、最初の送り出し機関選びという入り口を間違えますと、必要のないストレスがかかり、時間や労力を後始末に割かれることになります。送り出し機関は決して、監理団体にとっての YES マンではなく、二人三脚で実習制度に取り組む対等なパートナーであるという認識が不可欠です。そして、「この 13 社と契約したことがある監理団体」というだけで、その他多くの送り出し機関から、「あの送り出し機関と付き合ってた監理団体でし?」と色眼鏡で見られているという恥ずかしい事態に気づくべきです。キックバック等、ワガママ三昧でもしていたのだろうという印象しか与えません。

 

 お金や酒池肉林に釣られて、自ら泥沼にはまっていくという愚かな選択をしないようにしてください。 

 

 なお、2023年2月現在、再び大量の送出し機関ライセンス停止がDOLABから発表されました。すでに老舗の送出し機関では、新しいライセンスを取り直しており、古い送出し機関のライセンスを削除しました。また保証金の積み増しがあり、それができない送出し機関はライセンスの無期限停止を通達されています。コロナ禍で2年以上実習生が送り出せなかった2019年以降にライセンスを取った送出し機関の中では、この積み増しができないため、ライセンス停止になったところもあります。(弊社もそうですが)今のところ、保証金の積み増しができれば、ライセンスが復活するようです。

 

⇒ 送り出し機関の選び方と見るべきポイント ④ へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 2 章 送り出し機関の選び方と見るべきポイント

 

(3)教育内容

 

(チェックポイント)

・日本人教師の有無及び率←この「率」は非常に大切です。

 

「日本人=日本語を教えられる」では絶対にありません!

 

 日本人がいればいいというものではありません。ベトナムで日本人が日本語教師をしている場合は、いろいろと事情がある者が多いです。外国に来て、日本人が 1 番できることとなりましたら、日本語を教えることであります。しかし、日本語をきちんと教えるのであれば、専門的な訓練を受ける必要が必ずあります。日本語教師は日本人なら誰でもできるものではなく、専門職であります。

 

 日本語教師の資格も持たず、観光ビザの更新更新で送り出し機関に勤務している 50 代~は非常に多いです。「日本人のいる送り出し機関」という客寄せパンダ化していることが常態化しています。 

 そして、無資格者を雇用している時点で、送り出し機関の教育に対する意識が垣間見えます。 送り出し機関が「日本人教師が日本語を教えています」と言うのでしたら、その日本人教師の授業を確認することをおすすめします。そして、その授業を評価するためにも、先に述べた教育に明るい者の同行が必要なのであります。 

 

 今回の新型コロナウイルス感染に伴う日本の入国制限による送り出し機関の開店休業・経営悪化のため、解雇されたなんちゃって日本人教師は多いです。人件費は高く、コロナ禍で客寄せも機能しないため、至極当然のことであります。

 

 有資格・無資格問わず、日本人教師がいる場合、学生数に対する日本人教師の率を確認するといいでしょう。例えば、500 名のセンターに日本人教師が 2 名と 200 名のセンターに 2 名とでは大きく意味が違います。ほぼ全ての送り出し機関で日本人教師は特定のクラスを担当するのではなく、コマ代わりで全てのクラスを行ったり来たりします。 

 

 その為、日本人教師の率が低ければ、出国までに日本人が教える回数も少なくなります。目安としては、実習生100~150 名に対して日本人教師 1 名が望ましいです。1 クラスが 20 名未満の場合、4 コマ/日すると、毎日、或いは、1 回/2 日は各クラスを回ることが可能です。

 

・会話/聴解練習 

 実習生にとって入国後、最も必要な能力が日本語でのコミュニケーション能力であります。コミュニケーション能力に必要な技能は当然ながら「話す・聞く」。多くの送り出し機関で使用している教材は「みんなの日本語」という日本での普及率が最も高いものであります。

 

 但し、これは「文法積み上げ式」と呼ばれる型の教材で、会話・聴解に重きを置いたものではありません。どちらかと言えば、大学生・留学生等、教育に時間をかけられる人材向けの教材であります。使用自体はベトナムに主教材になりうる教材が少ないため、致し方ない面もありますが、残念ながら、実習生に必要な「話す・聞く」の練習は不足していると言わざるをえません。

 

 そのため、送り出し機関がその不足に対して、「補う為に何をしているのか」が非常に重要になります。送り出し機関によっては独自にテキストや教材を作っていることもありますので、目的・経緯・内容は要確認です。当たり前ですが、先に述べた「日本人が教えています」だけでは不十分です。ベトナム人教師が教えている時間のほうが圧倒的に長いのですから、基本的に、日本語の話す・聞く・書く・読むの四技能を「如何にベトナム人教師が高めているか⁇」を確認することです。送り出し機関における 99%の日本人教師の役目は「ブラッシ ュアップ」であることが多いです。基礎を教えるのはあくまでベトナム人教師です。 

 

・案内された以外の教室を抜き打ちチェック 

 送り出し機関の視察時に教室に案内されることが多いですが、送り出し機関主導で案内されたクラスは学力の高い・会話できる実習生を集めていることが往々にしてあります。もしくは他の送り出し機関の生徒を借りている場合も多いです。いわゆる「サクラ」であります。又、クラスの前方に学力の高い実習生が固まって座っていることも多いです。その為、その受動的に案内されたクラスのみを見て、判断することは非常に危険であると言えます。許可を得た上で無作為に適当なクラスに入り、指名して日本語でやり取りするほうが望ましいです。かかった費用等も直接実習生に聞くのがいいです。又、出国前のクラスのほうが望ましいです。(実習生は出国にかかる手数料を 2 回に分けて支払うことが多いです。面接合格後と在留資格認定証明交付後になります。出国が近い実習生は既に全額支払い終わっているため、総額がわかりやすいです。質問は自前の通訳で行った方がよろしいかと思います。送り出し機関の人間を介しても本当の答えは返ってきません。)

 

普段から問題のない送り出し機関では、いつでもどこでも見学が可能です。

 

・日本語以外(ルール・マナー等) 

 送り出し機関曰く「5S 徹底」「ルール・マナー教えます!」ですが、ベトナムにいる日本へ行く前の実習生が 5S を理解することはまずありません。理解し、やっているのではなく、「やらされているだけ」の場合がほとんどです。そもそも日本人も 5S 言えますか?

 

 これは悪質な監理団体にも言えますが、自分がルールを守っていないにも関わらず、実習生に「ルールを守りましょう」と教える姿は中々シュールです。

 

 日本の法令、失踪防止、キャリアプラン教育等、手法は送り出し機関によって、多岐に渡ります。 

 

スリッパの脱ぎっぱなし。基本的なところにボロがでることも多いです。

 

 入国後のトラブル・失踪の原因を何だと捉え、それを防止するには何をすべきなのかを常に考え、実習生に還元しているのかを確認してください。「失踪=ダメ」なのは当たり前です。それを口で言うだけでは伝わらないですし、意味もありません。

 

 「失踪=ダメだと説明しています」と答える送り出し機関には、「じゃあ、どうやって?」と具体的に聞いてみてください。どうしてダメなのか、失踪させない為にはどうするのか、どうすれば理論的に理解させることができるのかを常に考えているかどうか。どこの送り出し機関も当然ダメといいます。その「ダメ」で失踪しないなら、失踪者は 0 であるはずです。

 

 実習生向けに失踪対策等の各種講習などを実施している送り出し機関もあるので、資料を見せてもらうのもアリです。

 

・軍隊形式は是か非?

 某実習実施者のところに軍隊形式でしっかり教育を受けた技能実習生が入りました。

 

 毎朝ラジオ体操を全員で行い、同じ制服を着て、軍隊形式で授業を行う厳しい送り出し機関です。そこで教育を受けた実習生が日本に行き、早速、配属先の会社で大きな声で挨拶をしました。すると怪訝そうな表情をする日本人同僚たち。けだるそうに一言「朝からうるせぇなあ~」。

 

 日本人は礼儀正しいと教わっていた実習生からすれば、意外な反応に目を白黒させ、困惑の表情を浮かべました。仕事を上がるときも「お先に失礼します!」といっても、日本人従業員からは挨拶なし。この実習生、次第に声が小さくなり、そのうちまともに挨拶をしなくなりました。

 

 会社から態度が悪いという連絡を受け、その実習生のところへ駆けつけた監理団体の職員と通訳。どうして挨拶しないのかと訊ねると、「日本人が挨拶しないからやめた…」とのこと。いつしか日本人同僚たちと同じような態度に変わってしまっておりました。

 

 軍隊形式を賞賛する実習実施者の社長の方々は多いですが、翻って、自社にいる日本人従業員の教育はきちんとしていない場合が多いです。自社でできないことを送り出し機関や実習生に求めるのはナンセンスです。理想を実習生にだけ求めてはいませんか?日本人従業員には実習生のいい見本・手本であってほしいと思います。

 

・面接前教育を行っているかどうか

 送り出し機関によっては、事前に実習生候補者を入校させ、面接前に 1~2 ヶ月の教育を行うところもあります。面接のときに既に片言の日本語が話せることもあります。教育施設での生活・学習態度を見ることができる為、面接の前の段階で、態度の悪い候補者を面接から外すことができるなど、メリットが多いです。但し、こうした面接前教育(〇か月単位)を実施できるのは人気職種だけの場合が多いことを念頭に置いてください。建設業・縫製等は面接前教育どころか、2 倍も危うく、下手すれば、申し込みがあまりにギリギリで自己紹介すらできない場合もあります。

 

 この面接前(=合格前)の教育に費用が発生するかどうかは送り出し機関次第です。延々合格するまで、学費も寮費も水道光熱費も取らず、食費のみ実費というところもあれば、合格・未合格関係なく費用が発生する送り出し機関もあり、千差万別であります。当然ながら、費用がかからなければ、面接前にそれだけ長く勉強しようという候補者も増え、送り出し機関としても、その候補者の人となりを見極めやすくなります。

 

 面接合格前に費用が発生している場合、実習生本人の立場で考えると、費用的にも時間的にも負担が大きいですが、一方、面接前教育の代わりに一次選抜時に、1 週間の泊まり込みで無料の日本語教育を実施し、スクリーニングをする送り出し機関もあります。泊まり込みの合宿生活の中から、候補者の学習・生活の姿勢を厳しく審査し、人材の選抜を実施します。

 

 なお、コロナ禍後では、事前教育をしていても、ある程度日本語が出来た段階で他の送り出し機関で面接合格してしまい、タダで教育してしまったというケースも多く発生しています。

 

〇ある送り出し機関の実例 その 1

①    募集

 一般的にブローカーと呼ばれる者も使いますが、候補者との直接の金銭授受を禁止です。ブローカー側に誓約書があります。

 

②    入校

 申し込み時にも募集部社員より、ブローカーとの金銭授受禁止を念押しします。申し込み用紙の記入を行い、視力・色盲・刺青のチェックをします。刺青アリは原則入校不可です。

 

③    面接前教育

 自己紹介・挨拶を覚えることがメインです。担任教師・管理人・寮長から学習態度・生活態度を随時ヒアリングします。難ありの人材は指導・注意後、改善が見られない場合、退校させます。

 

④    企業説明会

 面接候補者に対して、送り出し機関側からは、実習制度・費用詳細・支払い時期の説明を行います。実習実施者については、求人内容・作業内容・勤務地・先輩の有無等の説明を行います。スマホによる撮影・録音可です。説明会終了後、その場で家族に連絡させ、最終の意志確認を実施します。

 

⑤    面接前講習

 技能実習制度について、意識・心構え、将来について、どんな人間が合格できるか等の説明を行います。

 

⑥    面接練習

 100%日本人が実施します。自己紹介・挨拶・お辞儀の角度・立ち方・視線・座り方・入退室の仕方、受け答えの仕方等の練習を行います。

 

⑦    採用面接

 一切の忖度なく実施します。

(入校から採用面接迄の間に学習・生活態度、学力の極端な低さ等問題があった場合、倍率 3 倍を切ったとしても採用面接に参加させることはありません。)

 

〇ある送り出し機関の実例 その2

 監理団体から事前に面接が入ると思われる時期について報告をもらい、面接前 1~2 ヶ月前から日本語教育をスタートします。すでに日本に入国している実習生らの紹介も受け、10~20 名の候補者を常に確保しておきます。

 

 監理団体から会社のヒアリングシートが届くと、その面接に参加希望のある候補者をリストアップし、仕事の内容、給料などを誤解のないように説明します。

 

 面接前に簡単な練習を行います。日本語で自分をアピールできるように、拙い日本語を使ってどうして日本に行きたいかの動機の確認を行います。

 

 面接前に日本の高校生が就職試験で使う SPI 試験を引用し、ベトナム語に翻訳したものを計算力テスト、理解力テストとして使います。また補数計算も行い、頭の回転力を事前に把握します。

 

 面接はグループ面接が主であり、1 グループ 3~4 名、ほぼ 1 時間半から 2 時間かけてじっくり選び出します。会社がそれぞれ独自の面接方法がある場合はそちらを優先します。そうではない場合は監理団体、及び、送り出し機関が主体となり、面接を行います。

 

「ここまでしっかり面接を行うのですか?」と言われるケースがたびたびあります。

 

 初めての面接で合格するケースはあまりなく、2~3 回目での合格が多いです。もちろん面接終了後、不合格者に対するフォローアップも行います。何がダメだったのか、どうすれば合格できるか、それを次回の面接までに直すように指導します。

 

 面接時に『みんなの日本語』10 課~20 課まで勉強している候補者が多いので、合格後 N4 レベルになるように日本語教育をしっかり行います。NAT-TEST N4 合格後、入国する実習生も少なくありません。1 日の勉強時間は、クラス授業・自習の合計で 10~12 時間程度です。生活態度は常に確認し、合格後、態度が悪くなったり、規則を守らない実習生は、在留資格認定が下りていたしても、躊躇なくキャンセルします。日本に入国後に問題が発生すると、対応が大変な為、疑問を感じる実習生が出た場合、監理団体、及び、実習実施者の確認を取って、入替を実施することもあります。

 

⇒ 送り出し機関の選び方と見るべきポイント ③ へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 2 章 送り出し機関の選び方と見るべきポイント

 

(1)経営陣 

 まず、監理団体、或いは実習実施者が送り出し機関と出会うにあたり、一担当者(営業マン)と繋がることが多いです。そして、その営業マンがどれだけ良心的でいい人間であっても、送り出し機関も含め、ベトナムの企業はワンマンであることが多く、契約前に一営業マンを介す必要性はあまりありません。トップの判断で黒が白にもなる為、振り回されることを避ける為にも、可能な限り、トップとやり取りするほうがいいと思われます。

(ただし、良い悪いを抜きに、社長が新規のお取引先との面会はしない送り出しも当然あります。)

 

 最も見るべきポイントは「できない」「大丈夫じゃない」と言えるかどうか、実習生をどのように考えているのか。実習生の費用については、トップに聞いたところで、「3,600USD しか取ってない」としか答えない為、無意味です。(法定手数料 3,600USD、学費 590 万 VND(約 3 万円)の徴収が認められている。寮費・食費・光熱費等の実費については、特に定め無しがありません。ココも、もちろん送り出し先によって違う場合もあります。正直に答えるところもあります。但し、2023年現在、手数料の徴収方法は変更になりました。)

 

 例えば、建設の鳶職ができるかと聞かれ、何の前提条件もなく「できる」と即答するようなトップであれば、付き合いを見直した方がいいです。その他の不人気職種でも、給与等の条件を送り出し機関側から要求できないようであれば、付き合いは見直した方がいいです。

 

 縫製であれば、3 倍は厳しいので、2 倍でもいいですか?10 万円では厳しいので、12 万円にしてもらえませんか?など、極論、求人を断れるどうかです?←「No」と言えるかどうかは非常に大きなポイントになります。 

 多くの送り出し機関は求人を取ることに必死になっている為、自ら求人を断れるかどうかが見極めやすいポイントであります。

 

 

(技能実習制度・経営のビジョンも持っているかどうかも見極めのポイント)

 規模は年間何人を目指すのか、何故その人数なのか、教育をどのように考えているか、その答えに対して具体的に何をしているのか、とにかく拡大路線なのか、目の届く人数だけでいいのか、それだけでも実習生に対する考え方がわかります。

 会社の事業規模によっても、可能・不可能の範囲が広い為、自身がどういった関係を作りたい、どういった対応を求めるのか、基準・モノサシをきちんと持っておくことをお勧めします。

 完全に仕組みが出来上がっている大手の送り出し機関の場合、融通・小回りはあまり効かず、「型」ができあがっている為、個々の監理団体向けにカスタマイズできず、ある程度は、送り出し機関のやり方に合わせる必要があります。 

 逆に、長年のノウハウを良い意味で蓄積、組み上げている先では、事業開始間もない送り出しより、人材のスクリーニングや教育方法が確立している先もあります。 

 但し、もちろん、ただ送り出す人数が多いだけで、ロクな教育もせず回しているだけの送り出し機関もあります。

 

 反対に小さい企業であれば、仕組みが出来上がっていない分、小規模な送り出し機関であれば、痒い所に手が届く小回りの効く対応ができる可能性は高いですが、お互いに世話を焼いたり焼かれたりと二人三脚で進んでいく必要があります。

 

 送り出し機関において、名ばかりの代表者も多いので、実質的経営者が誰なのかは把握しておくことが必要です。それから名義借りで実際は直接送り出すことができないところも多いです。そういう事情をきちんと最初から確認しておいてください。外国人技能実習機構のホームページに認定送り出し機関の情報は載っています。

 

 名義借りの場合、その分、借りている大元に費用を支払っています。出国時に 500USD/人という契約を見たことがあります。当然ですが、この費用は実習生の出国費用に上乗せされる為、実習生の余計な費用が増えることになります。又、複数のライセンスを借りて運営しているところもあります。これはリスクヘッジの為で、一方に何かあった場合、トカゲの尻尾切りのように切り捨て、もう一方で運営を続ける為であります。下記の写真のように来客に合わせて看板を張り替えたり、技能実習生の制服を着替えさせたりとしょうもないことをやっているところもあります。実習生を見ても、無駄に大声で騒いだり、上半身裸で歩き回り、タバコをポイ捨てする等、教育の欠片も感じられません。こうしたライセンス借りのところは、事業に対して責任感が稀薄で、技能実習生を金づるにしか見ていない場合が多いので、要注意です。

 

(上)B 社看板 (下)H 社の看板

 

 来客に合わせて看板の張替を行っています。2021 年 6 月現在、上の送り出し機関は DOLAB より罰金の行政処分で、下の送り出し機関は 6 か月間の停止処分です。借りる側も貸す側もモラルが非常に薄く、2 つ借りて2 つともしょうもないという嘘のような本当の話です。業界関係者ならご存じのTMSグループの関連企業です。

 

(2)施設 

 視察時・面接時にレッドカーペット&実習生の大歓迎に気分よくなってる日本人の皆々様。

 

 内情を知らずに手厚く出迎えられれば、誰だって悪い気はしません。そして、このパフォーマンスに気をよくする経営者は多いですが、よくよく考えてみていただきたいと思います。

 

 当然ですが、実習生は、顔も名前も知らないお世話になるかどうかわからない日本人の為に、毎回、彼らが本来すべき日本語の勉強の手を 30 分から1 時間止められています。自社に受け入れた後のことを本当に考えているならば、「お出迎え要らないから、漢字の 1 つでも 2 つでも覚えさせて」と言える人であって欲しいと思います。 又、視察時・面接時は送り出し機関も気合を入れて清掃し、見せられないところには案内しません。見栄えのいいところだけ見て、のせられないように注意が必要です。

 

・事務所と教職員室

 送出し機関は「5S を徹底しています」と言いますが、スタッフができていなかったら、口だけの営業トークと受け取って良いと思います。(当社も口酸っぱく注意していますが、なかなか整理整頓ができないベトナム人スタッフは多いです 汗)

 

・トイレ等の水回り

 トイレ内のごみ箱、水アカがそのままである場合が少なくありません。来客に合わせて水を撒いただけの為、水浸しであることも多いです。普段からやっていない為、ボロが出ます。(当社は来客用と生徒用のトイレは分けてあります。送出し機関に来て初めて水洗のトイレを見る実習生も多いので、掃除の仕方を知らず、汚す子も多いです。)

 

・ゴミ箱

 そもそもベトナムでゴミの分別は行っておりません。ですから、送出し機関で分別を教えていると言っても、それは日本から来訪する方々へのパフォーマンスであります。ゴミ箱にも「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」等と書いてありますが、蓋を開けたら、ぐちゃぐちゃということもよくあります。都道府県どころか市町村単位で異なる分別方法を実習生ごとに教えるのは不可能であります。入国してきた実習生が「分ける」意識があれば御の字と思ってください。過度な期待はしないように、来日してから改めてしっかり分別を教えてください。

 

 

・掲示物

 日本についての様々な注意・情報が張り出してありますが、教室で実習生に内容について聞いてみましょう。(実習生に質問をする場合、自前の通訳を介すことが望ましいと思います。これは如何なる場面でも同じことが言えます。送出し機関の通訳・教師を介すと都合の悪い答えを隠す場合が非常に多いです。面接でも実習生の答えを脚色・隠蔽が日常茶飯事であります。)

 

 見たことも読んだこともない、単なる客向けアピールであることが多いです。

 

・教室

 最も大切なことはクラスの人数です。20 名未満が望ましいです。

 

 ベトナムの一般的な送出し機関に勤めるベトナム人教師の能力で 20 名以上の実習生を見切ることは不可能であります。20 名を超える場合、惰性で教科書を教えるだけとなり、日本語能力には全く期待できません。

 

 できる実習生のみが上手になり、落ちこぼれを引き上げることができません。採用する実習実施者にとってはできる実習生にあたるかどうかは運次第となります。又、何名であってもなぜその人数に区切っているのかの根拠を確認するといいと思います。

 

 先の掲示物と同じく、教室内にも様々なものがありす。漢字、交通標識、「注意」「禁止」等の工場内掲示等がありますが、読めるかどうか、意味がわかるかどうか実習生に聞いてみると良いです。貼ってあるだけかどうかがわかります。

 

・寮

 正直、どこも作りは同じです。二段ベッドが並んでいる部屋が一般的で、来客時には気合入れて清掃させる為、大抵綺麗に仕上がっています。ここが綺麗でもあまり意味はありませんので、良い管理をしていると勘違いしないようにしてください。

 

 

 また、寮にエアコンを設置してあるかどうか確認してください。実習生を大切にしている送り出し機関なら、エアコンを設置してあります。

 

・その他

 可能なら、案内されないところに案内するよう希望を出すことも良いと思います。例えば、屋上です。イベント会場や物干し場になっている送り出し機関が多いので。本来案内コースに入っていないところこそ、通常の状態が見られます。

 

(3)教育内容

 教育内容の確認にあたっては、「日本語教育に明るい者」有資格の日本語教師が望ましいです。或いは、自前で講習施設を持っている監理団体であれば、施設長も可です。) を同行することが望ましいと思います。日本語能力に重きを置く監理団体であれば、同行は必須です。「厳しくやってますね~」という薄っぺらいコメントで終わらないようにしてください。文法を教えるのはベトナム人教師です。会話を教えるのは日本人教師です。実のところ、ベトナム人教師の質がその送り出し機関の日本語教育能力を示すものだと認識しておいた方がいいと思います。 

 

(チェックポイント)

・進度

 残念ながら、工夫もなく、教科書をダラダラ教えるだけの送り出し機関が多いです。「3 か月で N5、6 か月でN4」と答える送り出し機関が多いと思われますが、これは「終了」であり、「修了」ではないことを理解してください。教科書を教えるだけなら、3 か月で可能ですが、学んだことを実際に使えるかどうかは別です。教師の能力に関わらず、頭のいい学生のみが 3 か月で「修了」できます。 

 

 学生に一日何時間勉強しているか、聞いてみてください。もし 6 ヶ月で N4 を標榜しているのなら、一日最低10 時間以上の勉強をしているはずです。 

 

・教師の能力(JLPT/実際の会話)

 JLPT の「N」は実際の能力に比例しないものの、指標の一つではあります。又、単純に N3 より N2 の方が、人件費が高いので、教師に占める N2 保有者の率を見ることで、本気度を測ることも可能です。特に介護の実習生を受け入れる場合、N4・N3 合格を目指す為、N3 の教師では当然力不足であります。

 

 但し、送り出し機関によっては、教師の能力を把握した上で、モニター授業等を実施することで、教師の能力に左右されないようにしていることもある為、「教師の能力不足に対する対策」は要確認です。送り出し機関は基本的に「当社の教育は素晴らしい!」と自信満々に答えますが、結果が伴っている送り出し機関は恐らく両手で数えて余る程度です。「素晴らしい」のであれば、何がどう素晴らしいのか、具体的に聞いてみるのがいいでしょう。間違っても「経験豊富」「情熱・やる気に溢れた教師陣」とかいうテンプレを鵜呑みにしないようにしてください。

 

 

モニター授業用の Power Point 資料

 

 又、実際に教師と話をしてみてください。ほぼ、全ての送り出し機関で実習生上がりの者を教師として雇用しています。単に「元実習生だから」「N3 があるから」というだけの場合が多いです。教師と会話することで、ボロが出ることも少なくありません。教室で学生に質問しながら、教師の態度をチェックするといいと思います。

 

 

 

⇒ 送り出し機関の選び方と見るべきポイント ② へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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