続・奥様はベトナム人 -10ページ目

続・奥様はベトナム人

ベトナム人の妻と協力しながら、外国人技能実習生や特定技能などの外国人労働者受入に関して、監理団体や送出し機関、それから技人国などの情報を提供していきます。

 

 

【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 5 章 入国前講習中に日本側がすべきこと

 

(1)月次報告書の確認 

 

 恐らくほとんどの送り出し機関は月 1 回、監理団体に日本語講習の報告書を送っていると思います。内容は様々で、一概には言えませんが、基本的に日本語能力・生活態度がどうかについて書かれているものが多いと思います。

 

月次報告書サンプル①

 

 報告書には当然フォーマットがなく、送り出し機関によって、十人十色です。書いてある内容はどこの送り出し機関を取っても、ほぼ同じです。内容の濃い・薄いは置いておいて、さすがに報告書を全く提出しない送り出し機関というのは聞いたことがありません。

 作る側としても、監理団体によって、かなり反応がまちまちで、返信すらもなく一切反応を示さない監理団体、一人一人(特に能力が低めの実習生)について、こと細かに質問・要望を投げてくる監理団体と幅が広いです。

 まともに取り組んでいる送り出し機関であれば、日本語・態度等が明らかにやばい・日本での 3 年間耐えられない実習生がいた場合、報告書には当然記載し、個別で連絡もあげています。

 実習実施者とキャンセル・代替の話をしたくないが為に、内々に片付けようとすると入国後にとんでもない問題が発生する可能性もあるので、報告書の内容は流し読みでも一通り目を通すことをオススメします。

 但し、鵜呑みにはせず、気になる点があれば、送り出し機関に確認するようにしてください。ここでも、送り出し機関が教育に力を入れているのか、いい加減なのかで見方が変わってきます。

 

月次報告書サンプル②

 

 そして、月次報告書にありがちなことが「内容の改竄」であります。

 先に述べた通り、募集者が実習生から合格の謝礼としてお金を受け取っている場合、日本へ行ってもらわなければ、面倒なことになります。日本へ行けるからと謝礼を払っているわけだから当然でありますが、 その為、特に営業部から報告書が送られてくる場合は要注意です。営業部のスタッフ(通訳も含む)自身が募集した実習生の報告書を「良い内容」に改竄している場合があります。教育部から直接送られる報告書に関しては、まだ信用できますが、ルール違反・日本語能力については、多少の脚色があることを念頭に置いておかねばなりません。 

 理由は単純明快です。日本語能力が低い、生活態度が悪いを理由に日本側からキャンセルされないように、且つ、出国後に送り出し機関からの謝礼をもらう為であります(営業部とはいえ、歩合制のところが多いので、このようなケースが起こります)。 

 もし、送り出し機関側から、「日本へ行かせられない人材がいる」と申し出があれば、信用に足る送り出し機関であると思っていただいてもよろしいかと思います。。自らの収入を減らしてまでも、「行かせられない」という判断ができるからです。送り出し機関によっては、在留資格認定証明書交付後でもキャンセルの申し出をする場合があります。それだけ送り出す人材に関して責任があるという意思表示でもあります。 

 

(2)実習実施者が求めること(専門用語/技術訓練 etc)

 

 基本的に専門用語の学習を断る送り出し機関は存在しません。専門用語・安全教育は実施したほうが望ましいですが、技術訓練については、物理的・金銭的に不可能な場合があり、又、日本語教育の時間を削られることになることも頭に入れておかねばならないと思います。

 又、費用についても、高くなる場合、費用負担について、送り出し機関側から打診があるだろうが、日本側から申し出るほうが望ましいと思います。何故なら、かかり過ぎる費用は実習生に転嫁される可能性があります。

 

 それから、

「ベトナムで変なクセが付いているより、日本で 0 から教えたほうがいい。」

「日本で 0 から教えるから、健康に気をつけて、まずは日本語だけ頑張って。」

という声も実際にあります。

 道具一つとっても日本と違う可能性もあり、やり方も日本とは異なる場合が多く、安全教育等は可能だが、実技訓練の必要性は「?」が付きます。

 

(3)入国前に日本語のチェックってできるの? 

 

 できるし、やるべきです。 

 Skype でも LINE でも可能です。 

 教育に真面目に取り組んでいる送り出し機関であれば、むしろ歓迎したいです。反対に、ろくに熱を入れずに惰性で教育しているところは、戦々恐々となるでしょう。

 

 前述の通り、報告書は信用できない場合が多いため、定期的に監理団体自身で、あるいは入国前等に実習実施者が確認するほうがいいと思います。監理団体であれば、数か月に一度は渡越予定があるでしょうから、お姉ちゃんと遊んでる暇があったら、自身の監理団体で採用した実習生と時間を取って会話してみれば良いと思います。(ちなみに私が顧問をしているアゼリア協同組合は、理事長を含め、熱心に入国前の日本語教育をチェックしています。おかげさまで私が見えないところも厳しく指摘していただけるので、ありがたく思っております。)

 

 もし、渡越予定が空く場合、オンラインで会話をすれば良いです。Skype でも Zoom でも LINE でも何でもあります。日本国内での通常業務に加えて、入国前講習中の実習生の日本語チェックは時間を取られてしんどいかもしれませんが、入国後にいきなり日本語がチンプンカンプンな人材が来るよりも、心の準備もでき、時間があれば、日本語を矯正もできるなら、時間を割く価値はあるのではないでしょうか?

 監理団体にとっても、実習実施者にとっても、3 年間、面倒を見続けねばならない人材であります。能力の確認をしておくのは必須だと思われます。 

 

 

⇒ 第6章  入国後の実習生のトリセツ ~信頼関係を築く為に~  へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 4 章 採用面接について

 

(1)面接当日の面接前に(求人票のチェック/自前通訳/ミスマッチ防止) 

 

 送り出し機関によって、面接前の候補者に対する説明は相当なバラツキがあります。職種名と給料しか知らない、作業内容もわからない、自分が行く都道府県も知らない場合も少なくありません。給料についても、額面のみで、各種控除等も説明しない場合、地方で給与が低い場合、勝手に残業モリモリすることも普通にあります。こうしたことを確認しないまま、合格し、入国してしまうと、「聞いていた話と違う」と、とんでもない問題に発展することや失踪に繋がることもあります。

 

 その為、自前の通訳を介し、実際に候補者を前にして、求人内容の確認をすることを強く強くオススメします。監理団体であれば、通訳の 1 名ぐらいは雇用していると思いますが、名前だけ借りて、実際には、アルバイト等の非常勤でどうにか回している場合、同行は不可能でしょう。であるなら、現地で送り出し機関に全く縁もゆかりもない通訳を手配することも可能であります。拘束時間によりますが N2 で 5,000~10,000 円/日で十分依頼できます。その後の起こりうるリスクを考えれば、安いものであります。 (あくまで信頼関係、人間関係ができるまでの対応ともいえます。心配な場合は毎回、自前の通訳を同行させてください。関係性ができた後も、たまには牽制効果も含め、同席させるといいと思います。ちなみに、全く問題のない送り出し機関では、自前通訳は一切意味をなしません。)

 

 では、ここまで何回も何回も述べた「(面接時における)自前通訳の意味」を詳しく説明します。 

視察時と同じく、面接中は基本的に送り出し機関にとって不利になる通訳をしません、或いは、日本人ウケのいい答えへの脚色、嘘が横行しています。 

 又、自前通訳を準備しないことによる最大の懸念は「合格の口利き」である。某送り出し機関の通訳で、この口利きでマンションなど財産を築いた人もいます。 

 

 どういうことでしょうか?先の募集ブローカーのところで述べた通り、募集してきた人材が合格すると、人材から500~1,000USD の謝礼が入ることになります。では、この募集ブローカーが送り出し機関内で力のあるスタッフ、或いは、面接に同席する通訳であった場合に何が起こるでしょうか?

 

 少しでも想像力豊かな方であれば、おわかりでしょう。

 

 その力のあるスタッフや通訳が「金を払えば、合格させてやる」となれば、人材は 99%支払います。そして、その通訳は顧客に対して、あることないこと含めて全力でオススメします。そこに当該候補者が良いか悪いかは一切関係がありません。

 

 また、監理団体・実習実施者も「送り出し機関が薦めるなら」と合格させることが非常に多いです。後で、「そっちが薦めたでしょ」と言い訳もできるとなれば、乗っかるのが得策との無意識での判断かもしれませんが。その為、自前通訳を準備した上、明確なモノサシを持った上で、採用面接に臨むことをオススメします。

 

 まともな送り出し機関は、誰か特定の一人を推薦することは絶対にありません。アドバイスを求められた場合にのみ、客観的な判断材料のみ助言します。 

 

 この件に関しても在日ベトナム人ブローカーがまずいのはわかると思います。彼らはお金のみしか関心がありません。強く人材を薦める場合は間違いなく裏でお金をもらっております。

 

(2)履歴書の見るべきポイント

 

 面接は時間をかけても一向に問題がない(送り出し機関は早ければ早いほどいいと考えるが、実習生を採用してくれる顧客である以上、文句は一切言わない)ため、納得いくまで何時間でも質問をすることをオススメします。又、履歴書の見方も、実習実施者のモノサシ次第で、大きく変わります。

 

例)

【既婚者】

〇世帯持ちなら家族の為に一生懸命働くだろう。

×子どもが恋しく、ホームシックになりやすいだろう。

 

【転職回数】

〇高い給料を求めるハングリーさがある。

×こらえ性がない、ストレス耐性ない?

 

【中退】理由次第

〇貧しくて勉強が続けられなかったなら、ハングリーさがあるだろう。

×勉強に付いて行けなかったのか?学力は大丈夫か?

 

 いずれの考え方も間違っているとは言えませんので、完全に感性次第であります。また、履歴書に書いてないことがあります。

 

例えば、「笑顔」

 工場のライン作業で、笑顔が可愛い、愛嬌のある人材が欲しいという場合も当然あります。その為、実習実施者によっては本当に顔だけ選び、面接自体が 1 時間で終わることもあります。これも実習実施者が自身のモノサシで選んでいる以上、間違いとは言えません。

 基本的に、履歴書には候補者を悪く言う事は書かれていないのが当然であり、自然です。大事だと思うポイントは、その場で確認し、履歴書に書かれていることをきっかけにして、書かれていない、書けない部分を面接で聞き出すことが大事です。

 

(3)面接で確認すべきこと

 

 まず、いかなる質問においても、「本音」を答えることを徹底させてください。面接者の本音を引き出すには、男性 1 時間、女性 30 分はかかると考えておいた方がいいと思います。

 

 例えば、「どうして日本へ行きたいのか?」という質問に対して、

「日本人のやり方を学びたい」

「日本の技術を学びたい」

「日本の文化を~」

等の回答が多いが、ありえません。

 直近の目的は「金を稼ぎたい」一択であります。掘るべきはここからです。「なぜ稼ぎたいのか」「稼いで何をするのか」「その後何をするのか」を聞くことで、より深いところの目的がわかってきます。

 

「帰国後何をしたいのか」という質問に対して、

「日系企業で働きたい」

「自分の店を開きたい」

が 99%です。

 嘘ではありませんが、もっと掘ってみると良いと思います。

 

「日系企業はどこにあるの?名前は?」「そこでどんな仕事したいの?」「何の店?どこで?」「経営の経験がある?」「うまくいかなかったらどうする?」等を聞くことで、候補者の青写真を描く力、将来をどれだけ考えているかわかります。

 

 本音を答えさせることで、短い面接ながら、人間性が見えてきます。

 

 また、保険をかけておく意味で、

「両親の賛成」

「家族内の病人の有無」

を確認しておくと良いと思います。

 

 「両親の賛成」は、合格後に「家族の反対」という理由でのキャンセルの可能性と送り出し機関の言い訳を潰せます。「家族内の病人の有無」は、途中帰国、一時帰国の可能性の有無を把握しておく為です。もちろん3 年あるので、絶対とは言えませんが、今、高齢者・病人がいるかいないかだけでも大分安心感が違ってきます。

 

 また「どこからいくらお金を用意するのか」と「いくら稼ぎたいのか?」も聞いておいた方が良いと思います。これは送り出し機関 の手数料が実際いくらぐらいなのか、それからその他での借金等があるのかないのかの確認に使えます。稼ぎに関してもブローカーから過大な金額が稼げると聞いていないかどうかも確認もできます。

 

 そして「喫煙の有無」も確認しておくべきでしょう。そもそも 20 歳以上なの?ベトナムでは飲酒・喫煙共に 18 歳からであり、仮に 18 歳の喫煙者が入国し、20 歳までの 2 年弱を禁煙できるのかどうか?更に、建設は喫煙率が高いとは言え、大きな建設現場では喫煙ルールが非常に厳しく、問題を起こすだけで、現場から会社ごと締め出されるリスクもあります。又、小規模な現場であっても、ポイ捨て等に対して、周囲・地域の目は厳しく、クレームが入る可能性もあります。それが未成年であれば、更に大きな問題にもなりかねません。入国前の教育、入国後の講習、配属後に継続して注意しておくことも可能なため、喫煙の有無の把握は必要です。

 

 反対に聞く意味のない質問。「日本で何年働きたいか」というものです。

明日の一万円より今日の 100 円という短期思考のベトナム人に、3 年後、5 年後のことを聞いても意味がありません。いくらでも変わってしまうし、面接で客ウケのため、とりあえず、「5 年」「5 年以上」と答える候補者もいます。長く働いていてもらえるに超したことがないという実習実施者の気持ちも理解できますか、そもそも延長は労使の合意で行われます。5 年以上働いてもらいたいのなら、5 年以上働いてもらえる会社でなるべきでしょう。

 

(4)合格者に対して 

 

 まず、半ば習慣化している「補欠」について。これを取る必要は正直全くありません。補欠者は次の面接も受けるため、キープしておくことができません。 

 ある送り出し機関では、補欠合格者は 1 ヶ月待機となり他の面接に絶対に参加させないルールを徹底しています。その約束を守らなければ、そもそも補欠の意味がありません。万が一のときには次点となる補欠者が繰り上げ合格となります。リスクヘッジとして、面接時の印象が残っているうちに補欠合格者の選定をおすすめしている送り出し機関もあります。

 何故?送り出し機関は合格者に何かあった時の為にキープしておくと言いますが、人材の視点に立ってみましょう。合格もしてない、合格者に何もなければ、日本にも行けない状態をすんなり受け入れますか? 

 答えは 100%否です。万が一、合格者に何かあれば、その補欠指定された人材に連絡し、空いていれば来ますし、他所で合格してしまっていれば、適当な理由を付けて、日本側に新たな候補者を紹介するだけであります。

 さて、合格者に対して伝えておくべきこととは一体何でしょうか?このタイミングの合格した候補者は浮かれまく っている場合が非常に多いです。人によっては、嬉し涙を流しているものもいるでしょう。泣くほど喜んでもらえるなら選んでよかったと採用側も一安心する一コマであります。

 それから、面接前の企業説明はガチガチで頭に入っていない可能性もあるため、再度、企業・業務説明をするのも良いと思います。少々リラックスした雰囲気の中、合格者からの質問時間を取るのも良いです。面接中には聞けなかった心配・不安がある可能性もあります。

 但し、ここで浮かれっぱなしになっても困ります。ここから、約半年間、複雑怪奇な日本語学習、味気のない集団生活が始まります。事前講習期間中、実習実施者によっては、実技訓練、専門用語の学習などを依頼するところもあるでしょう。気を引き締めてもらう為にも、発破をかけておくといいと思います。

 

「今日の合格は内定であり、日本行きが確定したわけではない。」

「日本語の成績が悪ければ、日本行きはなくなる」

「生活態度も含めて、出国させるかどうか決める」

 

 嘘か真か軽めの脅しのようなものがあっても悪くありません。

 

 実習実施者によっては、入国後 1.5 年以内に N3、N3 に合格したら時給+100 円等の取り組みをしていることもあるため、こうした実習生にとって、ニンジンになりうる内容を説明しておくのも良いと思います。

 また、その場で雇用契約書にサインさせる監理団体もあるかと思いますが、その場合、控除金額については、事細かに説明し、フル出勤で残業がない場合の手取り金額をしっかり理解させてください。残業については、確定できるものではないので、繁忙期の説明程度に留めておくのが良いと思います。

 

 例えば、「去年 1~4 月は残業が日に 2 時間ぐらいはあった」等と去年の実績でも伝えてしまうと、自分らの 1~4 月になかった場合にトラブルになりえます。日本人では「去年あったからと言って今年あるとは限らない」と気の利いた解釈もできますが、実習生に限っては、「去年あったなら今年もある」と都合のいいように解釈をします。

 コロナのように予測もできない事態が突如発生しうるので、不確実なことは言わないようにすることです。適当な説明だけでサインを取るようなことはしないようにしてください。

 

(5)家庭訪問の是非

 家庭訪問については賛否両論がありますので、両方の意見を載せておきます。それぞれの考え方でどちらにするか決めてもらえればと思います。

 

<家庭訪問賛成意見>

 家庭訪問は必要です。但し、送り出し機関から車で 1~2 時間の範囲で、遠いところは Skype による挨拶とします。失踪防止に有効であるとともに、特に新規でベトナム人実習生を受け入れる企業の社長や関係者に実習生の実家を見せることは、途上国の現状を見せる意味においても重要です。実習生に対する意識が相当変わります。また、親を味方につけることも必要かつ重要です。

 

<家庭訪問不要意見>

 どうしてもご家族に会いたいのであれば、監理団体・実習実施者のフライトスケジュール次第だが、翌日が空いているなら、ご家族に送り出し機関まで来てもらうといいと思います。もしくは、〇期生採用時に先輩のご家族にご子息が頑張っている様子を動画等に収めて見せてあげるなり、持って行ってあげるなりしたほうが何倍も良いのではと感じます。

 

〈家族会〉 

 採用面接翌日等に、ハノイならハノイ、ホーチミンならホーチミン、送り出し機関に合格者の家族に来てもらうやり方です。実習実施者が合格者の家族に対して、企業説明などを行う顔見せ会になります。家庭訪問同様に、「3年間面倒見るので、ご安心ください」を伝える場でもあります。

 

 入国後の対応についてもそうですが、一期生だけ手厚くなり、それ以降が徐々に疎かになっていく傾向が強くなりがちですが、家庭訪問も含めて、続けられないのであれば、はじめからすべきではないと思います。

 

 

⇒ 第5章  入国前講習中に日本側がすべきこと  へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【お断り】

 現在連載しているブログ記事は、コロナ禍のときに業界関係者と一緒に作り上げたベトナム送出し機関の状況についての小冊子から取り上げたものです。かなり良い出来なのですが、あまりにも内情を赤裸々に書いてしまったものですから、業界関係者の立場から公開せずにしておりました。このままお蔵入りしてしまうのももったいないので、私の責任にてブログに公開することにしました。文面は私の方で多少直しながら、連載していきますので、よろしくお願い致します。

 

 

第 3 章 協定書締結について

 

(1)管理費の下限について(介護含む) 

 

介護以外の職種:5,000 円以上

介護:10,000 円以上

 裏で、覚書でこれを下回る取り決めをしている場合も多々ありますが、OTIT の監査も厳しくなっている為、やらないことをオススメします。

 

(2)覚書

 送り出し機関業界で一般的に言われる覚書は協定書の内容を修正する為のものです。この覚書自体、本来あってはならないものですが。

 よくある内容としては…

 

〇管理費

(協定書)10,000 円→(覚書)5,000 円

 

〇航空券

(協定書)往復日本側負担→(覚書)入国時送り出し機関負担(送り出し機関と記載しますが、実際に払うのは実習生です。無駄な負担が増加することになります。)

 

〇事前講習委託費

(協定書)15,000 円(ベトナムのルールとして、事前講習委託費は 15,000 円/人と定められています。)→(覚書)無料

 

〇キックバック

(協定書)記載無し→(覚書)1 名入国 1,000USDなど

(キックバックは一律の場合と職種によって異なる場合の 2 種類あります。)

 

〇渡航費・ホテル代

(協定書)記載無し→(覚書)面接渡航時、監理団体職員分は送り出し機関負担

(OTIT の監査時に渡航時の領収書を確認されることが増えています。渡航後に一切費用がかかっていなければ、当然突っ込まれることになるので注意です。 )

(ホテル代のみ送り出し機関が負担したり、航空券も負担する場合等もあります。採用面接渡航時の領収書もOTIT の監査でチェックされますので、要注意です。)

 

〇失踪時の賠償

(協定書)記載無し→(覚書)1 名失踪 15万円など

(失踪の賠償金は 3 年間一律の場合と1 年目 20 万円、2 年目 15 万円、3 年目 10 万円のように差をつける場合の 2 種類があります。)

 

 上記は漏れなく全て違法でありますが、非常に多くの送り出し機関・監理団体間で結ばれています。某送り出し機関の社長からの情報によりますと、90%以上の送り出し機関がこの違法な覚書を交わしているとのことです。(2017年現在)

 

 また、全ての安売り・値引きの最終的な負担をするのは実習生であることを肝に銘じるようにお願いします。送り出し機関の社長が身銭を切って、負担することはありえません。監理団体が安く買い叩けば、叩くほど、実習生の負担へと上乗せされていきます。回り回って、失踪等のトラブルに繋がり、自分のクビを絞めることになることにいい加減気づいたほうが良いと思います。

 

 赤信号みんなで渡れば怖くないは通じません。90%がやってるなら自分も…等と愚かなことを考えないようにしてください。決して、送り出し機関が儲かるためではなく、技能実習生への出国費用増大・借金増大のリスク防止のため、且つ、監理団体や実習実施者側のリスク排除のため、そしてお互いに事業を安定的に継続するためにお願いします。

 

(3)やっていいこと、悪いこと(実例) 

 

《やっていいこと》

 やっていいことは法定通り、若しくはそれ以上支払うことです。

 

〇講習委託費 15,000 円/人→50,000 円/人→但し、機構の監査で指摘を受ける可能性あります。

とにかく、いい人材、日本語のできる人材を求めるが故の対応です。

 

〇管理費 5,000 円→10,000 円

入国後に月 1 オンラインでメンタルフォローを送り出し機関に依頼する場合など。

 

《悪いこと》

 法定以下の値引き・無料、キックバック、失踪時賠償金等、全て違法です。

 

●    管理費 5,000 円→3,000 円(愛知県の監理団体)

●    キックバック 名目の入国後のレクリエーション費 100,000 円/人(岡山県の監理団体)

●    ホテル代 3 名採用時、監理団体 1 名分のホテル代を送り出し機関負担(大阪府の監理団体)

●    航空券片道送り出し機関負担(大阪府/静岡県/東京都の監理団体)

●    失踪賠償金 失踪時一律 15 万円賠償(三重県の監理団体)など

 

 キックバックは監理団体側から持ち掛ける場合と、送り出し機関側から持ち掛ける場合の 2 種類があります。前者の場合は、「面接が欲しけりゃ金を出せ」という強請るもしくは集りです。後者の場合、金をせびる監理団体が多いため、送り出し機関側も、求人は金で買えるという認識をしたが故の話です。送り出し機関の営業には「いくらまでならキックバックしてもいい・持ち掛けてもいい」という営業資料が存在します。危機管理もクソもありません。その資料をそのまま監理団体に送ってくる頭の弱い送り出し機関も存在します。当然ですが、そんなレベルの低い送り出し機関と付き合うことのないようにしてください。そのキックバックの原資がどこから出ているのか少し考えれば猿でも分かります。わざわざ入国後の失踪等のトラブルのリスクを上げにいかないようにしてください。

 

 以下の画像の1 社目は、現役認定送り出し機関 A の監理団体向けの営業資料であります。実習生 1 人につき150,000 円というキックバックの記載が確認できます。コンプラの欠片も、危機管理の欠片もない内容が並んでいます。

 

 2 社目は既に取り消された送り出し機関。航空券・宿泊代負担、失踪の賠償の記載あります。

 

 3 社目は 1 社目と同じく現役認定送り出し機関 B の失踪の賠償金記載資料です。

 

 こうした話に乗ることのないよう、自制心をしっかり持ち、リスクをきちんと考えるようにしてください。また、自身の監理団体が違法な契約をしていなくても、OTIT からは怪しまれ、監査時に厳しいチェックを受けること間違いありません。OTIT から「新規で受け入れしないように!」なんて注意・指導の可能性もあります。

 

 更に大規模面接を餌に調子に乗って高額なキックバック、管理費の未払い等のわがままを尽くしていた監理団体がありましたが、送り出し機関も腹に据えかね、各種証拠を OTIT に送付したというとんでもない話もあります。送り出し機関との関係性を勘違いすると、痛い目に遭うことを努々忘れないようにしてください。

 

赤枠:キックバックの記載。当然、違法行為。

 

 

OTIT が重点監査する項目のうちの 1 つ。渡航時の費用精算(領収書の有無) 

大阪のせこい監理団体は送り出し機関に払ってもいない宿泊代の領収書を切らせていました。

 

失踪原因は多岐に渡り、日本側にもかなりの原因がある場合も多いです。

 送り出し機関が賠償するのは意味不明です。

 

 

 

(4)求人を出すにあたり(給料はなんぼ?人材要件はどこまでできる?)

 

〇 採用面接希望日・配属希望日から逆算したスケジューリング 

 人気職種と不人気職種、求人要項次第で募集にかかる期間が大きく変わります。人気職種であれば、採用人数次第ですが、最速 2 週間前でも対応可能です。不人気職種は 1 か月~2 か月、場合によって、不可能な場合もある為、事前に送り出し機関に相談するようにしてください。

  

〇 給与 

 前述の通り、高いに超したことはありませんが、手取り 12 万円以上が望ましいです。(2023年現在手取り額はもう少し上がっております。)農業等、月々の収入に波がある場合、年間の収入をきちんと提示することが必要です。残業については、約束できないのであれば、変に記載しないほうが望ましいですが、残業がないと嫌がる実習生も多いです。(基本的には固定給ないし、月額最低手取り額を明示し保証することが必要です。) 

 

〇 年齢 

 基本的に実習実施者の希望に沿うことになりますが、不人気職種、特に建設・縫製の場合、年齢が高かったり、偏ったりすることがあることを事前に承知しておいてください。不人気職種と言われるものほど、要望は通りにくくなります。但し、それも待遇次第で変わります。

 

〇 学歴 

 送り出し機関では基本的に高卒を募集することが多いが、建設・縫製等には学歴を問わない・問えない場合も多いです。反対に、専門卒・短大卒等、高いほうに希望を出すことも可能ですが、3 倍を切ったり、そもそも断られる可能性もある為、要相談です。(2023年現在、募集人員の3倍は集まりません。せいぜい1.5〜2倍程度の人数がやっとです。) 

 高学歴者を技能実習にて受入したい場合、学歴を消し、その間を対象職種への在籍期間を詐称する場合も多いので、その場合、後に本人が大卒の学歴を利用して技人国などでの再来日を希望する場合は、その選択肢を消してしまうことになりかねないので要注意です。

 

〇 経験(職歴) 

 熟練度次第です。かじったことがある、数年程度の経験がある程度であれば、可能ですが、基本的に日本で教えるスタンスで採用にあたるほうがいいと思います。日本語ができれば、入国後に教えた方がよほどいいです。なぜならば、日本の常識(現実)とベトナムの常識(現実)は、驚くほどに違いがありますので、いっそのこと何色にも染ま ってない人材の方が後々良い場合があります。 

 例えば、ベトナムにおける自動車整備はまだまだこれからで、専門学校・短大等での専攻も決して多くはありません。経験者を希望しても 1 倍集まるかどうかです。バイク修理・機械いじり経験者程度の縛りまでしか対応が難しいです。送り出し機関によっては、自前で自動車整備の訓練をしているところがありますが、他の職種にも言えるように、変な癖がつくより、学習意欲が高ければ、来てから覚えてくれればいいというスタンスのほうが現実的です。 

 即戦力レベルを求める場合は、そもそも実習生を雇用すること自体が間違っています。技術移転が目的の制度である以上、あくまで「人材育成」が基本であります。わかりやすいところで、1~5 年程度のベトナムでの建設業験従事経験がある人材は割と集まります。 

 但し、それはベトナムの基準であり、ベトナムのやり方での話であります。裸足にサンダルで現場に出入りし、安全帯も何もない木の足場等、日本ではありえない現場も経験にカウントされます。「外で肉体労働したことがある」程度に下げて判断する必要があります。安全衛生の意識はかなり薄いです。 

 余談ながら、ベトナムでは熱中症がありません。どうしてかというと、暑ければ休むからです。作業着を脱いで作業をしますし、日本のように無理はしません。東南アジアは変にトロピカルなイメージが先行し、暑さに強いと思われていますが、その逆で暑いときは休んでいますので、日本の建設現場のような環境はあり得ません。(その為、屋外作業時は体調管理に注意することが必要です。) 

 経験者=日本で使える経験者とは違います。なまじ経験があると、自己流でやられる可能性もあります。自動車整備の場合、ベトナムでの整備技術では日本の車検は通りません。入国までに専門用語をきちんと日本語で覚えてもらう方がいいと思います。

 

〇 利き手 

 指定可能です。求人を出す前に実習実施者に利き手の希望を必ず確認することです。利き手については幼児期に直されることもあるので、箸は左、通常は右という候補者もいるため、面接で詳しく確認した方がいいと思います。 

 

〇 視力・色盲・体臭

 ある程度の指定は可能です。最近の若いベトナム人は視力が低いことがままあります(1.0 以下)。視力に対するこだわりの有無、眼鏡着用の可否、コンタクト使用の可否、又、色盲の可否を確認することが必要です。面接時に検査をするのが望ましいです。但し、色盲については日本では差別にあたるため、検査には十分注意が必要であります。 

 又、合格から入国までの間に視力が落ちることも割とありますので、送り出し機関が実施する在留資格認定証明書交付後の健康診断の結果には目を通しておくほうが良いと思います。 

 送り出し機関から自発的に申告があるのは B 型肝炎等の大きな問題のみで、視力はスルーされることが多いです。 

 とび職等、高所作業につき、視力にこだわりがある実習実施者も存在する為、入国前の健康診断の結果を日本側から見せるように積極的に要望することをオススメします。

 また共同生活等があるため、体臭持ちは後々のことを考えて考慮する必要があります。もし体臭持ちの子が送り出し機関にいるのが確認出来た場合、事前にワキガの手術を勧めて、面接時に不利にならないようにした方が良いと思います。

 入国後、健康面でトラブルになると、途中帰国云々に繋がり、非常に問題が複雑化するので、要注意です。

 

〇 試験 

 実技試験の指定も可能です。但し、実技試験を希望する場合、求人を出す時点で送り出し機関と相談してください。実技試験の内容によっては、ベトナムでは準備できない、仮にできても、非常に費用がかかる場合があるためです。基本的に大抵の場合は送り出し機関が実技試験にかかる費用は負担しますが、それも常識の範囲内に限ります。高すぎる費用はそのまま実習生に転嫁される可能性もあるため、折半など負担を分けるほうがいいと思います。 

 また、専門的な素材などの場合、可能であれば、日本から持ち込むことが望ましいです。体力試験も可能ですが、正直、同世代の日本人よりも間違いなく体力はあります(笑)

 

〇 タトゥー・刺青 

 送り出し機関はそもそもタトゥーのある人材を入校させることはあまりなく、面接前に素っ裸にして確認しているところもあります。あまりにも募集が厳しい場合のみ、監理団体に相談することはありますが、タトゥーがある人材が面接が参加することはほぼないです。(2023年現在、求人がかなり厳しい状況となっていますので、不人気職種ほどタトゥーの入っている子がいるようになりました。) 

 タトゥーが入っている人材は、クラブなどに出入りしていることも多く、クスリをやっているケースが多いです。基本採用してはならず、面接にも入れないほうが無難です。 

 

監理団体が最も注意すべきこととは、求人の要項をコロコロ変更したり、追加したりしないことです。ドタキャンも含みます。

 

 何故なら、募集は送り出し機関の信用に直結するからです。送り出し機関は監理団体の求人を受け取ったあと、募集を始め、面接に参加すべく、徐々に候補者がド田舎から送り出し機関に集まってきます。 にも関わらず、集まった後に、「〇〇歳は、やっぱりダメ」「左利きはダメ」「視力低いのはダメ」等と二転三転したらどうなりますか?候補者の中で、不信感が芽生え、特定の送り出し機関に不信を抱けば、二度とそこで面接に参加しなくなる可能性もあります。

 

 また、日本以上に SNS 社会であるため、情報の拡散は驚くほど速いです。期せずして悪評が広まってしまった場合、会社として立ち行かなくなってしまうほどであります。ベトナムだからではなく、ビジネスのマナーであり、常識であります。後出しジャンケンほど、迷惑なものはありません。

 

 監理団体にしても、求人内容や条件がコロコロ変わる実習実施者を信用などできるわけがないのではありませんか?送り出し機関にとってもまるっきり同じことが言えます。

 

 なお、求人の段階からミスマッチを防ぐため、監理団体でヒアリングシートを用意する場合があります。そのヒアリングシートは給料条件や面接内容、その他人物要望などを記載して、事前に送り出し機関に送り、求人をかけます。 このように求人条件をきちんとしているところは、良い人材を集めることができます。

 

⇒ 第4章 採用面接について へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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