々、

面白い物語は何かをコツコツと

勉強しているのですが

この前、

倉本聰さんの著書「脚本力」を読んでいたところ

 

 

著書の中で「この人の演技は凄かった」と

思った方の名を挙げられていたのですが

そのお方とは「大滝秀治」さんでした。

 

無知で恥ずかしい限りですが、

存じ上げなかったので

サブスクのdTVで

お名前ハッシュタグ検索したら

「男はつらいよ」シリーズで

いくつかお名前を発見。

 

そういえば、男はつらいよって

よくある

「名前は知っているけど、観たことない」

シリーズだよなぁということで

これを機に一気観することにしました。

 

そしたら

 

 





ドはまり

 

しました(笑)

※ベタ展開ww

 

ということで

全編みて感じた感想を書きたいと思います!

 

 

「男はつらいよ」シリーズとは?

ネタバレありの概要をサラっと書くと、

元々はドラマが始まりだったけど、

映画は1969年から1995年(平成7年)まで

計48作続いたという

ご長寿映画シリーズです。

(その後続編含めて計50作)

 

 

あらすじは、

テキ屋稼業(人出の多いところで品物を売る)を

生業とする“フーテンの寅”こと車 寅次郎が、

ふらっと故郷の柴又に戻ってきては

何かと大騒動を起こす人情喜劇で、

毎回旅先で出会った「マドンナ」に惚れつつも

失恋するか身を引くかして、

成就しないというオチが定番の物語

 

寅次郎の人情喜劇を

日本各地の美しい風景を背景に描いた映画です。

 

第1作は、

テキ屋稼業で日本全国を渡り歩く

渡世人となった寅次郎(渥美清さん)が

家出から20年後に突然、

異母妹さくら(倍賞千恵子さん)と

叔父夫婦が住む、

故郷の東京都葛飾区

柴又・柴又帝釈天の門前にある

御食事処・草団子屋「本家とらや老舗」に

戻ってくるところから始まります。

 ※モデルとなった柴又に実在する高木屋老舗さん


ココが凄い「男はつらいよ」感想レポ 

 

第1作目が1969年ということで

今から約50年以上前の映画ですよ、、!

ひえ〜〜〜〜!!!( ゚д゚)

 

なので初期作品を観ると

かなり今の時代との違いを感じますが

これが逆に令和のいま拝見すると

一周回って

 


めっっちゃ新鮮、、!

 

 

あと全然知らなかったんですけど

炭治郎と禰豆子もビックリな

寅さんと妹さくらの

兄妹の絆物語でもあるんですね

知らなかったなぁ、、!

 

オープニングの歌に

「妹よ」って歌詞があって

妹さくらに向けた歌でもあって、

そうなんだぁああ!?と。

全然知りませんでした。

 

 

評価・推しポイントはココ! 

 

①全員の演技が上手すぎて名優カタログ一覧状態

「男はつらいよ」

渥美さんは言わずもがなですが

レギュラー陣はもちろんのこと、

ゲストもチョイ役の方も

キャスト全員が

演技派の方ばかりなので、

惹き込まれる演技力には脱帽です。

 

なんだろ、めちゃくちゃ自然なんですよね

映画を観ているはずなんだけど、

ほんとに日常会話を覗き見している感覚

 

自然であるがために、

血が通った温かさを感じます。

ゲストも吉永小百合さんをはじめ

往年の名優オールスター状態で本当に豪華。

 

ちなみに先の倉本さんが

絶賛していた大滝秀治さんは

チョイ役でシリーズいくつかに

出演されてます。

確かに凄い個性というか

印象に残るキャラ性でした、、!

 

個人的には、

おばちゃん役の三崎千恵子さんの

演技が好きでした。

もう顔と声、細かい所作に

懐の深さと

人柄の良さが滲み出てるのよ。

 

普通の日常を演出するという、

これは地味でありながら

難しいことを実現している名演技ですわ、、。

 

 

 

②強烈で印象に残るキャラクター性

決して善人とはいえない

寅さんのキャラクター性

自分勝手で、粗暴、子供っぽいところがある彼。

 

これだけだと視聴者に

すっごいイライラされて(笑)

嫌われそうですが

そこに憎めない演技を

加味した渥美さんが凄いんだわ。

 

嫌われない親しみやすさというのか?

そのバランスが秀逸

同じ葛飾区が舞台の

こち亀の両津勘吉的な

人情と幼稚さを兼ね備えたキャラクター性

 

あとは、寅さんの早口の口上


何を仰っているのかハッキリ分かる

文字通り

舌を巻くほどの活舌の良さ。

圧巻ですので是非聴いてみてください。

 

他にも毎度のゲストのキャストさんたちも

キャラが凄く凝っている。

 

「男はつらいよ」は

ストーリーは、毎度同じ定型なんですよね。

寅さんが旅先で誰かと出会って、色々あって

最後に別れるという。

 

だからこそ飽きさせないためには

出会う人たちの

キャラクター性が何よりも大事

 

そこを突き詰めているので、

個性ある登場人物とはどんな人か?

それを知るには

本当に最適な映画だと思います。

 

リリーとか田所先生とか、

ほんっと凄い強烈なキャラですよ。

リアリティからかけ離れ過ぎず、でも

めっちゃ濃いキャラクターという

その配分の絶妙さよ!

 

➂日本全国の古き良き街並みと風景を堪能できる

Wikipedia(ウィキペディア)先生の

男はつらいよの説明には

「画面に映し出される日本各地の懐かしい風景が、

シリーズの魅力の一つでもある」

と書かれてますが、本当にそう。

 

「男はつらいよ」は

映画の舞台は毎度変わるのがお約束で

今から30年以上前の日本各地の

街並みがそこにあります。

 

北は北海道の網走や知床から

南は沖縄から奄美大島まで

そこに生きていた人々の当時の光景が

容易に想像できるリアルな映像。

 

今の時代において

もはや資料映像並みの貴重さなのでは?


因みに後述しますが、

一番すげー!と思った景色は

葛飾立志篇のラストの富士山かなぁ。

凄く綺麗で日本らしい絵面。

 

「男はつらいよ」を観ていると

つまらない在宅勤務を卒業して(笑)

ノマドワーカーになって

寅さんみたいに日本全国旅したくなります。

 

ほんと、日本って

素敵な国だなとあらためて思いました。

 

 

④昔ながらの丁寧な台詞回しがヤミツキ

「男はつらいよ」の

初期作品(特に70年代頃)に顕著なのですが

女性陣の台詞が

「しますでしょう?」

「いけませんわね」「お入りになって」

「さようでございますか」

「~でございますわね」

とか。

今はもう日常でほとんど聞かない

めっちゃ丁寧な口調なんですよね。

 

これがなんか個人的にめっちゃ好きで

ずっと聞いていたくなるぐらいの

謎の心地よさ(笑)

※さようですか、は

今も私自身

仕事とかで言ってるかもだけど。

 

劇中、

女工さんとか言葉が出てくる時代ですよ。

ホントこの時代の日本の女性は

御淑やかというか

御上品な方が多かったのねと

何となく時代背景も感じたり。

 

そんな中で

砕けた口調のリリー(浅丘ルリ子さん)は

めっちゃ異質なキャラクターで

余計に彼女のキャラ性が際立ってました。


ホントこのお上品な台詞回し、

めっちゃ新鮮で好きだなぁ!

 

 

 

⑤長編シリーズならではの時の流れ

第1作は1969年

渥美清さん最後の出演作は第48作の1995年

ということで、

26年という長い歳月が流れています。

老舗の団子屋「本家とらや老舗」も

40作以降は「本家くるま菓子舗」と

時代に合わせて名前と業態を

ちょっと変えて営業しています。

いやぁ、、30年近く経てば

そりゃ皆変わりますよね

 

今の時代、サブスクで

長編シリーズを一気に観ることができるので、

成長、別れと出会い、そして老いという

人生のハイライトを

ダイジェストで観ているかのよう。

 

「男はつらいよ」は人情喜劇ですが、

そこには一抹の哀愁も感じたりします。

 

※ちなみに48作の渥美さんは

病気をおして限界に近いなか

出演されていたという事で

確かに出番も少なく

元気もなさそうでありました。

それもまた人の一生を見ているかのよう、、。

 

“人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である”

これは、かの有名なチャップリンの大名言ですが

その喜劇を観た後には、

言語化しがたい哀愁も感じるなと

思いました。

 

これが我々人間の人生なんだなぁと。

深いです。ほんっと。

個人的好きなランキングベスト3は? 

 

前置きしておくと

50作ありますし

好きなシリーズはホント

人それぞれだと思います。マジで!!

 

ですが

あえて私個人のベストランキングをば!

あえてね!!

 

 

第3位

第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』

1973年

Yahoo映画評価レビュー:4.1点

 

 

 記念すべきマドンナ、

リリーさん(浅丘ルリ子氏)の

初登場作。

舞台は北海道の古き良き

網走なのも最高。

やっぱりリリーの初登場は

押さえておかないとですよね!

 

 

第2位

第48作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』

1995年

Yahoo映画評価レビュー:4.2点

 

渥美さんご出演最後の作品。

渥美さんの体調を考慮して、さくらの子供である

満男(吉岡秀隆氏)が主人公っぽいですが

数十年の時を得て

マドンナのリリーと

やり取りする寅さんが感慨深く最高です。

 

長いシリーズものは

始めと終わりの作品観ると、

当然ですが、皆さんお年を召してらして

ほんっと

人生とは斯くも尊いと考えさせられます。

ちなみに阪神淡路大震災の頃で

その時代背景も密に描写されています。

 

 

第1位

第1作『男はつらいよ』

1969年

Yahoo映画評価レビュー:4.2点

 

 

やっぱり第1作かなぁ。

今から50年以上前という事で

物凄く時代を感じますが「人情喜劇」とは

まさにこれだ!を言わしめる作品。

 

そしてなにより

倍賞千恵子さんがめちゃくちゃお美しい。

清らかな心とは何ぞやを存在感だけで

体現してらっしゃる。

 

 

 

番外編

第16作『男はつらいよ 葛飾立志篇』

1975年 

Yahoo映画評価レビュー:3.4点

 

番外で好きな作品も語っておきます。

まず冒頭の寅さんの夢である

「西部劇」パロディが凝ってて好き(笑)

倍賞さん歌がメッチャうめぇw

 

そしてなによりも好きなのは

大学の偉い先生である

田所先生(小林桂樹氏)のキャラ性


チェーンスモーカーというのを

この作品で初めて知りました。


つまりめっちゃ物凄い愛煙家なのですが

寅さんを以てして

「相当変わってるね こちら」と言わしめた

あの団子を食べる演出と

小林桂樹さんの演技が凄い。

思い付いた人天才よ。


「タバコ食って団子吸っちゃうぞ」は名言。

 

映画の感想レビュー観たら

私と同じように

あのチェーンスモーカーの場面が

すげぇ!って書いてる人たくさんで

それぐらい強烈な印象を与える演技。


あの動作だけで

「この人は頑固で変わり者である」

示しているんですよね。

いやぁ、強烈なインパクトですごいなと。

 

まぁ、今の時代

あの愛煙描写はもはや

クレーム不可避のNGシーンかもですが。

時代だねぇ。

 

あとラストが物凄く爽やかな締めなのも

個人的に好きでした。

富士山がめっちゃ綺麗で凄いなって思ったら、

ロケ地は静岡県の沼津だそう。

最高に日本らしく

映えるラストシーンです。

 

 

というわけで!!!

 

「男はつらいよ」について

まぁあああた凝りもせず

ものすげぇ長文で感想レビューを

書いてしまいましたが(笑)

 

古き良き日本人の根底にある

人情を感じることができる喜劇で

素晴らしい作品という感想です。


「男はつらいよ」

是非ご覧になってみてください。

Bye!!



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