サパトス(フラメンコシューズ)の選び方と各メーカーの特徴 | フラメンコダンサー松本真理子のブログ

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松本真理子@Mariフラメンコ教室ですおとめ座

 

フラメンコ舞踊にとってZapatos(サパトス)は、踊り手の命みたいなもの。

 

 「弘法筆を選ばず」ということわざがありますが、天才ダンサーならともかく

ダンサーの命ともいえるサパトス選びは慎重にしなくてはいけませんので、

そのポイントと、各メーカーの特徴を解説します。 

 

このサパトスで踊りやすさと音の質が変わりますから、

自分の足にぴったり合い相性のよいものを妥協することなく探してください。  

靴裏の釘について

サパトスの特徴として、靴裏に釘がうっています。

 

 

この釘の音でフラメンコ独特の足の音を鳴らします。

 

日本には、初心者用に釘がないタイプも売っていますが、それは習う場所の床に傷をつけないよう配慮されたもののようです。 

 

私の最初のサパトス1足目は、ゴムベルトの釘なしでした。

 

 そのサパトスでマドリッドのアモール・デ・ディオスのレッスンに行ったら、足の音の違いにすぐ気づいたマエストロ(師)達に、釘なしはダメ!すぐに釘ありを買いなさい! と怒られ、サパトスを買いに行ったのを今でも鮮明に覚えています。 

 

そう、釘なしはフラメンコ独特の足音がきちんとだせません。 

 

ただ日本のスタジオによっては床に傷がつくからという理由で釘なしタイプを指定される教室もあるかもしれませんから、それは自分が所属する先生の指示に従ってくださいね。  

 

サパトスのデザイン

サパトスのデザインは、メーカーによってシンプルなものから個性的なものまで豊富にあります。

 

 

 

よく使われるタイプが、足の甲が皮紐タイプになっているものです。

  

 

 一番安いサパトスは足の甲がゴムタイプのものですが、これはゴムがのびると使えなくなるので寿命が短く、予算許すなら足の甲が革紐タイプをお勧めします。 

 

革紐タイプは、使い方と手入れによっては10年くらい使え、シンプルで飽きがこないので練習生からプロまで愛用されています。

 

 2足目以上買える方は、衣裳の色にあわて購入してください。例えば赤の衣装を買ったなら、赤のサパトスを買いましょう。  

 

サパトスの皮について

サパトスの表面は皮でできています。 

表皮と裏皮があり、表皮は丈夫で長持ちするので、最初は表皮がいいでしょう。

  

裏皮は華やかな色がだせるので舞台映えしますが、皮が柔らかいのですぐのび、長持ちしません。 

メリットは、すぐ足にフィットすることです。  

 

 

サパトスのかかとの高さ

かかとの高さは、低め(約3cm)、標準(約5~6cm)、高め(約7~8cm)の3種類があります。

最初は標準をおすすめします。 

 

低めは足の負担が軽いので、楽です。

過去に足首を捻挫して足の調子が悪い人は低めがお勧めです。

 

 

 

私はこの標準の約5cmを愛用しています。 

 

高めは足の音がだしやすくエレガントに見えますが、疲れやすく下半身が不安定になるので、個人的にはおすすめできません。 

 

サパトスのグレード

サパトスには、ノーマル、セミプロ、プロフェッショナルと3タイプのグレードがあり、素材や生産方法など違い、値段も違います。 

 

ノーマルやセミプロタイプは靴底が合皮でヒール部分はプラスティック(メーカーによって少し異なります)、

プロフェッショナルタイプは本革の2重底で手縫いでヒールの素材が天然木など、品質が違います。

 

  

 

習い始めの入門生は長く続くか不安でしょうから最初はノーマルタイプで十分です。 

 

上達にしたがいサパトスもグレードアップしてください。 

 

プロフェッショナルタイプはつくりが違うので安定感、音質が違います。  

 

サパトスのサイズの選び方

「ゆるめのものを買った方がいいですか?」 

こんな質問を不思議なくらい受けますが、サパトスは革製品のため履いているうちに伸びてきます。 

 

ですからゆるいサパトスを買うと 日に日にゆるくなってタコンが打てなくなります。

 

上矢印この写真のようにかかとに隙間があるのはNGです。

これではタコンという足技がきちんとできません。  

 

上矢印サパトスは、必ずかかとにぴったりあっているサイズを購入しましょう。  

 

 

もしかかとにフィットして痛いと感じるならシュ―ツリー(シューキーパー)で伸ばしてください。

足が幅広の人も、このシュ―ツリーを使って横幅を広げることが出来ます。  

 

  

もしサパトスが伸びてきてゆるいと感じたら、対応策として靴底シートをいれたり、スポンジをいれて調整してください。  

 

サパトスの寿命はどれくらいか

「サパトスは何年くらい使えますか?」これもよく聞かれる質問ですが、これは個人差があるので断言は出来ません。 

 

毎日何時間も使えば1年くらいでダメになるものもあれば、手入れをきちんとして使えば 10年以上使えるものもあります。

 

  

手入れとは、使い終わってシュ―ツリー(シューキーパー)をいれ、

レッスンから帰宅後、きちんと袋から出してサパトスの通気をよくします。

 

サパトスは革ですから湿ったまま袋にいれっぱなしは悪臭の元になりますし長持ちしません。

(ただし、屋外に放置はしないように)

 

 もしシューキーパーをいれずに持ち帰っても、

自宅で通気をよくしてからシューツリー(シューキーパー)をいれてサパトスの形を整えましょう。 

 

日常の癖で、足の片側に重心がのりサパトスの形が少しずつ歪んできますから、

このシューツリーで歪んできた形を整えたり、新品の硬いところを伸ばしたりします。 

 

新しいサパトスを履いてどこかがあたって痛い場合、シューツリーで伸ばすと驚くくらい楽に履けるようになります。

 

ただし伸ばしすぎると元に戻らないので、少しずつ試しながら伸ばしてくださいね。 

 

足底裏のゴムも、すり減ってきたらすぐ修理してください。

 

マメにメンテナンスをすると長く使うことが出来ます。  

 

サパトスの各メーカーについて

日本でサパトスを扱っているショップは、イベリアショップ(東京)、チャコット(東京、大阪、福岡)、セノビ―ジャ東京本店などです。

 

サパトスのメーカーはたくさんあり、代表的なメーカー ガジャルド、メンケス、セノビ―ジャ、アルテフィル、コラルのサパトスについて解説します。

 

この他にもメーカーはあり、どのメーカーがいいのかは個人の好みによります。

 

購入前の参考にしてください。 

 

日本人は足の形がスペイン人と違うので、ヨーロッパサイズに気を付けてください。

 

メーカーによって、例えば36でもサイズが若干違います。

幅広タイプを希望する人は、必ず幅広タイプか確認しましょう。  

 

ガジャルド Gallardo

Gallardo(ガジャルド)はスペインで一番人気の老舗で、

スペイン国立バレエ団ダンサーの多くもこのガジャルドを愛用していて、

サパトスの重さ、安定感、音の質、全てのバランスが良く

足のサイズにあわせて細かくオーダーが出来る上、

何よりもアフターサービスが他メーカーに比べるといいのが特徴です。

 

 スペインのプロダンサー(バイラオール)は 好みのサパトスメーカーが決まっていて、

ガジャルド以外のサパトスはサパトスじゃない!

なんて人もいるくらい、好きな人は崇拝するくらいガジャルド派です。

 

  

この紐タイプのサパトスは、マントンで踊る時に重宝します。

 

足にぴったりフィットすると片足での安定感が違い、ラティゴなどの難しい技もきれいな音をだせます。 

 

ガジャルドのサパトスは、足のフィット感がよくて重すぎず軽すぎずかつ踊っている時の安定感がありまた足の音質もとてもいいです。 

 

ガジャルド本店(マドリッド)の奥は工房になっていて、

サパトスを使っている内に気になる箇所があると職人さんが丁寧に修理してくれます。

 

(日本にいるとこの修理が難しいのでアフターサービスのメリットはあまりありません。) 

 

日本では、チャコット店で販売しています。

 

是非店頭で試し履きをしてから購入してください。  

 

 

メンケス Menkes

Menkes(メンケス)も人気のある老舗メーカーで、多くのプロが愛用していて、私もその一人です。

  

 

メンケスのサパトスは少し重く、表革サパトスはガジャルドより革が少し固めです。

 

つくりがかなり丈夫でかたいため長持ちし、何よりも音の質の幅が違います。 

 

ただし頑丈なため、最初はタコンがあがりずらいので、筋力のない初心者が履くと足は打ちにくいかもしれません。 

 

逆に足を鍛えるには、こういう重めで頑丈なサパトスで練習した方がいいと私は感じているので

そういう意味でメンケスは外せません。 

 

一度メンケスの当たりのサパトスに出会った為、15足以上買いましたが、

中には残念ながらハズレのサパトスもありました。

 

当たりのサパトスとは、足のフィット感が素晴らしくかつ

足の音質もクリアで片足になったときの足の安定感がとてもいいんです。 

 

ハズレとは、オーダーしたサパトスでしたが片足ブエルタの時に安定しないので全然履いていません。

試着できないオーダーサパトスはこういうことが時々あります。 

 

日本では、恵比寿のイベリアショップで販売しています。  

 

セノビ―ジャ Senovilla

Senovilla(セノビ―ジャ)は、個性的なデザインが多く、大好きな人は何足も持っているようです。

 

 一時期すごくサパトスの質が良かったらしく、

スペインの数人のバイラオーラ(ダンサー)から勧められて買いましたが、

私が買った時期から質が下がったとかで周囲が言うほど「これだ!」という感じはありませんでした。

 

悪いわけではありませんが

私は練習用で使っています。

 

セノビ―ジャは東京本店があるので試し履きができます。

 

オーダーもできるらしいので一度足を運んでみてください。  

 

 

アルテフィル  ArteFyL

ArteFyL(アルテフィル)も、個性的なデザインが多く、

私はここのサパトスを2足持っていますが足の音質が気に入っています。

 

  

ここのデザインは個性的なものが多くそれが人気のようです。

 

たまたまなのか、ここのサパトスの安定感はそれほどないと感じました。

 

ハズレというほどではありませんでしたが。 

 

アルテフィルのマドリッド本店は、下が工房になっているので

試し履きをしてサイズ感が合わない時はきちんとその場で直してもらえるのでいいです。 

 

このアルテフィルは、日本の店頭では扱いがないようです。  

 

コラル  Coral

Coral(コラル)は2足買いましたが、足底の厚さが薄くて音の質に重さが感じられない為、

私は本番用には使えず練習用に使っていました。 

 

つくりが薄いのに、意外と長持ちしました。

 

他メーカーのサパトスに比べて値段が安いので練習生が最初に買うにはいいと思います。 

 

東京のイベリアショップで扱いがあったように記憶していますが、

現在も扱っているかは不明なので気になる方は確認してください。   

 

 

 

この他に、べゴーニャ・セルべラなど他メーカーもありますが 

使ったことがないのでコメントは控えますね。

 

私の個人的なお勧めは、ガジャルドとメンケスです。

 

試し履きができてフィット感がよければ、このメーカーなら安心です。

 

どのメーカーでもサパトスには当たり外れ、

相性のあうものあわないものがあり必ず試し履きして購入することをお勧めします。 

 

履いて練習している内に足に馴染んでくることがあり、

良いサパトスに出会えたらそれは本番用に置いておいて、

普段の練習は古いサパトスなどでしてくださいラブラブ

 

(松本真理子フラメンコ専門ブログからの引っ越し記事です)

 

 

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