息子はADHDです。
視覚優位で頭の中の映像も写真のように記憶します。この記憶力がよいためトラウマにもなりやすいです。
強迫神経症的なところがあり手洗いがやめられません。しかし、この拘りは絵を描くと素晴らしいものになります。神は細部に宿るという言葉がありますが、細部の拘りがあるないで心に響くかそうでないかぐらい違うんです。たくさんの情報があるなかで無名の息子の絵がミュージシャン、映画のアートディレクター、ファッションデザイナーの目にとまるのは拘りがあるからだと思います。
脳の神経回路が定型発達と違うため同じことを同じ方法ですると上手くできません。また何度も訓練しても苦手なことはできません。努力しても出来ない自分を責め自尊心も失います。
発達障害という言葉は嫌で、わたし自身は、子どもの脳がマイノリティなため社会に適応するのが難しいと思っています。定型発達より劣っているとは思いません。優れている部分もたくさんあります。
発達障害があると、思春期、青年期の脳の構造が変わる時期、困難です。この時期に高校の進学、大学進学、社会人と大きな変化があり、ここで病気を発症させてドロップアウトすると支援もなく大変です。才能があっても埋もれたままの方もたくさんいると思います。
薬物療法は精神疾患の悪化には役に立ちますが、良い面も失われます。慢性的に大量の薬を飲むことで失われるものがたくさんあります。コントロールする方法を試行錯誤すべきです。脳科学を学ぶことは脳を発達させるうえで重要です。腸内細菌の構成を変えることも悪化を予防すると思います。でもそこに気がついている医師、家族は少ないのではないかと思います。もっと子どもの可能性を信じて希望を持ってほしいと思います。薬物療法以外に出来ることはたくさんあるんです。薬だけに頼ってしまうとなかなか減らすことが出来ません。効果が薄れるものもあると思うんです。
病気が軽くなれば潜在的には素晴らしい力があるんです。それは、根気よく、粘り強く見守らないといけませんが才能はあると思うんです。
息子の才能を信じて支援して10年経ち、それなりに結果も出せたけど、まだ自立は出来ていません。でも信じて希望を持つことは大切だと思います。