「心の病」の脳科学
今日の新聞をみたら売れているみたいですね。この本、凄くいいですよ。薬物療法を受けている人にはお薦めです。
例えば、ロナセン、ジプレキサとかは、モノアミン(神経伝達物質のバランス)に作用します。ロナセンなら、ドーパミンレセプターをブロックすることで前シナプスから送られるドーパミンの伝達を抑えています。似たような名前のドーパミントランスポーターでは、前シナプスから送られたドーパミンがドーパミンレセプターにくっつかない場合小胞体に回収されますがそれを妨げることでドーパミンを増やします。
薬物療法を服用しているならその薬がどのように脳に作用しているか理解すると感覚的にドーパミン多いなあ、少ないなあってわかるんです。わたしの子どもは理解しているんです。その知識は、悪化の予防になるんです。
息子が絵を描いているとき悪化する前に妄想的になります。そして、そのときは炎症しているんです。多分、セロトニン、ドーパミンが増えているんです。でもここでブレーキをかけないとどんどん悪化して俺天才という妄想になり、気持ちがよくて寝ないで絵を描いてしまうんです。それが続くと、今度うつ状態になります。
しかし、今は、妄想が酷くなる前に、これ以上続けると脳が炎症して妄想的になるって学習しているからやめるんです。
気持ち的には続けたいけど、知識があるからやめられるんです。
知識は感情をコントロールするのに凄く役に立ちます。
わたし場合、乳がんですが感情のコントロールって凄く大切です。感情のままに治療の選択をするとろくなことになりません。
最近、ツイッター始めたんですが、病気の経過が良い人って知識があってそれを実践する自制心があるんです。
例えば、運動が良いとわかっていてもどういうメカニズムで再発の予防になるのか知っているのと知らないのとでは行動が違ってきます。何となく、良いと感じている人は、誘惑に負けてしまうんです。
身体がだるいから、眠いから、めんどくさいからって楽なほうに行ってしまうんですね。
また、お酒がよくないとわかっていても飲んでしまいますよね。
乳がんの場合、アルコールがエストロゲンを増やし、閉経も遅れるなんて知っていたら、少しは控えるよね。だってタモキシフェン飲んでも効果がないでしょ。
運動すると、マイオカインがでて、それが抗がん作用があるって知っていたら頑張れるでしょ。
知識があると、沢山ある選択の中でもよい行動に繋がると思うんです。
ネットの情報に踊らされず、良い情報に繋がってほしいなあ。