▶︎18歳の時にアルバイトしていたお店でふと頭の中で描いたお話。28歳の誕生日の日に"10年経ってしまう。形にしてみたい。"と想い書き始めました。

ウシガエルと病気と闘う女の子のお話。

▶︎ウシガエルは、もうかえる。

▶︎1話はこちら

自分は居酒屋さんのNO1メニューだと思っていた食用カエルのウシガエルくん。いざ自分が調理されるとなり、わくわくした嬉しい気持ちになっていました。しかし、女の子たちが先に調理をされた仲間たちを"気持ち悪い"と言っているのを聞いてしまいました。はじめて知った"悲しい気持ち"と共に店を飛び出しました。

▶︎2話はこちら

お腹を空かしたウシガエル君は、男の子たちが"美味しい"と食べていた、まあるい食べ物に嫉妬していました。そんな中、小さな女の子と出会いました。小さな女の子の優しさに、次第に嬉しい気持ちになりました。そして、女の子と一緒に、お家に向かいました。

▶︎3話はこちら

ウシガエル君は、りっちゃんとばあばと一緒に"鶏さんのシチュー"を食べました。その美味しさに、ウシガエル君は驚きました。りっちゃんとばあばと暮らし始めたウシガエル君は、3人で食べるごはんが楽しみでした。しかし、ある日突然、りっちゃんは家からいなくなってしまいます。

▶︎4話はこちら

りっちゃんは、ようやく病院からお家に戻ってこれました。ウシガエル君は、久しぶりにりっちゃんと"鶏さんのシチュー"を食べることが出来て嬉しい気持ちになりました。しかし、りっちゃんは珍しく"鶏さんのシチュー"を残してしまい、ばあばと"鶏さん"に申し訳なさそうに謝っていました。ウシガエル君は"いただきます"と"ごちそうさま"の意味を初めて知りました。その夜、りっちゃんはお星様にお願い事をしていました...。

▶︎5話はこちら

ウシガエル君は、りっちゃんから「いずれみんなお星様になるんだよ」と教えてもらいました。様々な想いと共に静かな時が流れました。その夜、2人はあたたかい気持ちで眠りにつきました。そして、翌朝"誰か"の泣き声でウシガエル君は目覚めました。

▶︎6話はこちら

髪の毛が抜け落ちたりっちゃんは、ばあばからもらった黄色の帽子をかぶるようになりました。ウシガエル君は、りっちゃんを喜ばせたくて、必死に似合ってるよと伝えました。どんどん細く小さくなるりっちゃんとは反面に、外はキラキラが輝いていました。もうすぐクリスマスがくるそうです。りっちゃんは、ウシガエル君に、去年のクリスマスのお話をしました。

▶︎7話はこちら

ウシガエル君は、りっちゃんに去年のクリスマスの思い出を聞きました。病気で苦しむりっちゃんを喜ばせたい。クリスマスに笑顔をみたい。そして"とある決意"をして"とある場所"へ、ぴょんぴょん向いました。

ウシガエル君は、緑と赤とお星さまの色で輝く街を、必死にぴょんぴょんと走りました。

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途中、はじめて"りっちゃん"と出会った小さなお店を見つけました。

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「りっちゃん。僕は、りっちゃんを必ず幸せにする。僕は、笑顔でお食事するりっちゃんの笑顔を見たいんだ。」




「りっちゃん。僕が、僕の人生で、りっちゃんを笑顔にするんだ。」




「りっちゃん。居酒屋で僕の仲間たちが、笑われてる姿が悔しかったんだ。」




「僕はきっと居酒屋で出されていたら、笑われてたんだ。」



 

僕は、もう、それでもいい。みんなに笑われものにされてもいい。りっちゃんにさえ、伝わればいいんだ。



「りっちゃん、りっちゃんは、食べものさんに"いただきます" "ごちそうさま" "ありがとう"を言える心のある子なんだ。」




「りっちゃんの優しさ、サンタさんは見ているよ。だから、僕も頑張るから。」




「りっちゃん、生きて。生きてくれ。笑って、楽しく、今を生きてくれ。」


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ウシガエル君の目から、大きな涙が流れました。




悲しい涙ではありません。

りっちゃんへの"ありがとう"の涙でした。




ウシガエル君は、あることを決意しました。そして"あの"居酒屋に辿り着きました。

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▶︎続く