▶︎18歳の時にアルバイトしていたお店でふと頭の中で描いたお話。28歳の誕生日の日に"10年経ってしまう。形にしてみたい。"と想い書き始めました。
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ウシガエルと病気と闘う女の子のお話。
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▶︎1話はこちら
自分は居酒屋さんのNO1メニューだと思っていた食用カエルのウシガエルくん。いざ自分が調理されるとなり、わくわくした嬉しい気持ちになっていました。しかし、女の子たちが先に調理をされた仲間たちを"気持ち悪い"と言っているのを聞いてしまいました。はじめて知った"悲しい気持ち"と共に店を飛び出しました。
▶︎2話はこちら
お腹を空かしたウシガエル君は、男の子たちが"美味しい"と食べていた、まあるい食べ物に嫉妬していました。そんな中、小さな女の子と出会いました。小さな女の子の優しさに、次第に嬉しい気持ちになりました。そして、女の子と一緒に、お家に向かいました。
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▶︎ウシガエルは、もうかえる。
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女の子とウシガエル君は、小さな家につきました。ドアからは小さなおばあさんが出てきました。
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「あら、りっちゃん。小さいカエル君を連れて、どうしたの?」
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小さな女の子の名前は"りっちゃん"なんだとウシガエル君は思いました。
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「ばあば、雪の中、カエル君が寒そうだったから一緒に帰ってきたの!お腹も空いているみたいなの!」
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「りっちゃんは優しいわね。寒いから鶏さんのシチュー作ったわよ。カエル君も一緒にどうぞ。」
ウシガエル君は、りっちゃんとばあばのことを"優しい"と思いました。さっきまでの、悲しい気持ちが"嬉しい"気持ちに変わっていきました。
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「りっちゃん、明日は病院の日だからたくさん食べてお代わりするのよ。」
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「わーい!ばあば、ありがとう!"いただきます"!」
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りっちゃんとウシガエル君とばあばは一緒にシチューを食べました。はじめてシチューを食べたウシガエル君は、その美味しさに驚きました。
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「ばあば!"ごちそうさま"!」
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りっちゃんは笑顔で手を合わせました。
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ウシガエル君には、"いただきます"も"ごちそうさま"も、なぜ手を合わせるかも、その時にはわかりませんでした。
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それからウシガエル君は、りっちゃんと暮らすことになりました。ウシガエル君は、毎日ばあばが作るお料理が楽しみでした。
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ある日、りっちゃんは、突然、お家からいなくなりました。
そういえば、お星もお月さまも眠るような真っ暗な深い時間、苦しそうに咳をしていたかもしれません。ごはんのお代わりも最近はしていませんでした。ウシガエル君は心配になりました。
ウシガエル君は、家を出るばあばの後ろをついていくことにしました。
▶︎続く