西から太陽 -5ページ目

転機はいつ?

東京にいると予期せぬ魔物に出くわすような事態に陥る事がある。本気でだ。


どん底まで突き落とされ這い上がる気力さえ残っていないような時に私は夢を見る。




彼に電話をする。

最悪な状況を伝えると、まず笑い飛ばしてから私の症状の重さを窺う。いつもより酷いと判断した場合は現実的な話を突き付ける。彼の前では自力で上がるところを見せなければいけない。私は頑張ってみせる。しかし話してるうちに泣けてくる。泣きながら私は聞いてみる。「私が近くにいると迷惑?」冗談めかした口調で「いるくらい好きにすれば別にかまへんでー」とかわされる。私は食い下がり「距離があったから軽減できた(甘え)事が近くにいるとより迷惑をかける事になるかもしれへんねんで。それでもいいん?」おそらく困り果てた彼は慰め含め、


「帰ってくればいいんじゃない!」




東京で何もかも失いそうな時、想いは彼との未来に委ねられる。

しかし一方で距離が保っている夢でしかないのかもと、それすら不安が私を覆い、この寒さが突き刺さってしょうがない。




あの冬の頃

週の3日程、学校帰りに制服のまま稽古場へ通った。

秋が深まり底冷えのする冬が来るころ私は既に恋をしていた。


いつ?あの時?この瞬間などと…


落ちた瞬間を全く覚えていないと言う事は、一つ一つ同じ空間で過ごす時間や、そこで動く彼の動き、肉体、低い話し声、高い笑い声などが私の五感の中に沁み込んだ、全て自然の流れだったのだろう。



私はふにゃふにゃしていた。不器用で鈍臭い女子高生だった。着ている制服のせいでたいして年の変わらない彼からは余計に子供に映っていた。



その後数年に渡り、私は「おこちゃま」とからかわれつづける事となる。

東京

2008年12月、私は東京にいる。

彼からの距離どのくらい?


何も考えずに勢いで飛び出してきてもうすぐ10年。


彼が生きているという事が東京での私を支え、想いは15年経った今も色褪せず温められる。



今年の東京タワー見せたかったな。