猫が行方不明 《スペシャル・プライス》 Blu-ray
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パリに住む若い女性の行方不明になった飼い猫をめぐる下町人情あふれる愉快な探索劇を描いたコメディです。主演はギャランス・クラヴェル、共演はジヌディーヌ・スアレム、ルネ・ル・カルム、オリヴィエ・ピィ、ロマン・デュリス、エステル・ラリヴァズ他。第46回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、セドリック・クラピッシュ監督の出世作となった作品です。
ただただ苦痛なだけの映画でした…。
「パリの下町を舞台にした人情喜劇」は好みだし、ストーリーそのものは悪くない。
が、当時はこれで問題なかったのかもしれませんが、今の感覚で観ると、登場人物のキャラクター造形、特に男たちが猛烈にうざくて吐き気がするキャラクターばかりで、その嫌悪感が耐えられないレベルのせいで、ストーリーが全く頭に入って来なかったのです…。
そういった男たちが登場するたびに視聴を断念したくなり、本当に「頑張って」最後まで観たのですが、結局、苦痛な不快感しか残りませんでした…。
観たことを後悔しましたし、もう二度と観ることはないと思います。
舞台上で大けがをした若きダンサーがリハビリに励む中で第二の人生へ向けて新たに歩み出す姿を描いたドラマ映画です。主演はマリオン・バルボー、共演はホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、スエイラ・ヤクーブ、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル他。
コンテンポラリーダンスって、踊ってる人たちは本当に楽しそうだし、きっと素晴らしいものなんだろうなということはわかったものの、自分には良さがわからないということを再確認しただけの映画でした。もちろん、映画としての出来が悪いわけではなく、単純に「自分とは波長が全く合わなかった」というだけです。
ダンス経験があるとか、ダンス経験者としての視点からダンスを観るのが好きとか、そういう人だと、この映画の良さもわかるんだろうなぁとか思ったり。
そんなわけで、映画そのものには全く惹かれなかったのですが、脇役で出演していたピオ・マルマイが、役作りかはわかりませんが、かなり増量していて、ちょっとドゥニ・メノーシェっぽくなっていたのが印象的でした (^^)
娘を誘拐された刑事が娘を捜す中で見舞われる奇妙な体験を描いた異色のアクションスリラーです。主演はベン・アフレック、共演はアリシー・ブラガ、J・D・パルド、ジェフ・フェイヒー、ジャッキー・アール・ヘイリー、ウィリアム・フィクトナー他。
設定もストーリーもかなり好み。
なので、それなりに楽しめることは楽しめたのですが、この題材で長編映画にするのは無理がある…。
「世にも奇妙な物語」の1編のような20分から30分程度の短編にまとめれば「大傑作」になったと思うのですが、長編にしたために間伸びした馬鹿馬鹿しい間抜けな話に見えちゃうのです。
アンソロジーの1編にするとか、もうちょっと題材にあった尺にして欲しかったなぁ…。それが本当に残念。
元検事正を父親に持つ検事候補生の女性の封印された過去が明らかになっていくさまを描いたサスペンスドラマ全6話です。主演はマドレーヌ・マーティン、共演はペルニラ・アウグスト、ヨハン・ウルヴェソン、アウグスト・ヴィトゲンシュタイン、スサンヌ・ロイター、モア・ガンメル、フレドリク・ハルグレン他。
主人公の自由すぎる行動は現実味が全くないですが、それでも話としては面白かったし、続編があれば観ようとは思います。
また、よくある「暴走しがちな熱血刑事」を若い男性ではなく、中堅の女性に設定しているのも![]()
ただ、主人公の過去だとか、特殊な「能力」だとか、ストーリーも含めて、あまりに劇画チックだったなぁ…。もっと言うと「厨二病」っぽい。
こういう設定やストーリーは、漫画やアニメならさほど気にならないのですが、実写だとどうしても嘘っぽく見えちゃう。
続編があるなら、もうちょっとリアリティを追求して欲しいかな…。
感謝祭発祥の地、マサチューセッツ州の小さな町プリマスを舞台に巻き起こる恐怖の連続殺人を描いたスラッシャーホラーです。出演はパトリック・デンプシー、ネル・ヴェルラック、ジーナ・ガーション、リック・ホフマン、ジェイレン・トーマス・ブルックス他。
1970年代から1980年代に場末の映画館で上映されたB級映画2本立てを再現したアンソロジー映画「グラインドハウス」('07) に、その時点では存在しなかった架空の映画「感謝祭」の予告編を作って参加したイーライ・ロス監督が、それから16年の歳月を経て制作した「本編」となる本作。
いけ好かない若者たちが次々と殺されていくという定番のスラッシャーホラーと思いきや、いろいろと捻りがあって、なかなかに楽しめました (^^)v
ただ、本格的な「スラッシャーホラー」なので当然ではあるのですが、かなりグロテスクな描写が多いので、それはあらかじめ「覚悟」しておく必要はあります (^^)
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ソウルの狎鴎亭で生まれ育ったお調子者の男性と医師免許停止中の天才美容外科医がひと旗揚げようと奮闘するさまを描いた美容業界コメディです。主演はマ・ドンソクさん、チョン・ギョンホさん、共演はオ・ナラさん、チェ・ビョンモさん、オ・ヨンソさん他。
マ・ドンソクのアイドル映画。
マ・ドンソクさん本人がプロデューサーを務めているだけあって、彼の魅力を活かしまくっているし、彼のファンを喜ばせるための映画としては充分な出来。
でも本当にそれだけで話がちっとも面白くない…。
確かにマ・ドンソクさんのコメディ俳優としてのうまさは充分すぎるほどに堪能できましたけど、もうちょっと何とかならなかったのかなぁ…。
残念。
実話をもとに、2007年のアフガニスタンでタリバンに拉致された韓国人23人の救出任務に挑んだ2人の男たちを描いたサスペンス映画です。主演はファン・ジョンミンさん、ヒョンビンさん、共演はカン・ギヨンさん、パク・ヒョンスさん、アン・チャンファンさん他。
→ 輝国山人の韓国映画「極限境界線 -救出までの18日間-」
→ Wikipedia「2007年ターリバーン韓国人拉致事件」
事件の性質上、公になっていないことは多くあるはずで、その中でメディアが報道した内容を「事実」と仮定して映画化した作品。当然ながら、いろいろと割り引いて観るべきではあります。
とにかく、純粋に1本の娯楽映画として観れば、2大スター共演の豪華さ、ヨルダンで撮影された映像の迫力と美しさなど、楽しめることは楽しめます。
ただ、事件の発端が「バカなキリスト教徒たちの愚かな布教活動だった」という事実がどうしても頭から離れず、米国が通常行なうように「人質救出に動いているフリだけして見捨てる」べきとしか思えないので、観ていて全然ハラハラもドキドキもしないし、物語に全く入り込めなかったのです。
韓国でも、彼らの無責任な行動に対しては相当に批判があったらしく、こんな「クズの愚か者」のために命懸けで働かなければならない公務員の皆さんが気の毒でなりませんでした。
脚本家で作家のエマニュエル・ベルンエイムが自らの実体験を綴った回想録を原作とし、安楽死を決断した老父と、それを知って苦悩する娘を描いたドラマ映画です。主演はソフィー・マルソー、共演はアンドレ・デュソリエ、ジェラルディーヌ・ペラス、シャーロット・ランプリング、ハンナ・シグラ他。
一貫して主人公である娘の視点で描かれ、物語的ドラマティックさを極力排することでドキュメンタリー映画のような趣に。実話に基づいているのですから、こういった見せ方は当然とも言えますが、尊厳死の良し悪しを論ずるのではなく、観ている側に「あなたならどうする?」と疑問を投げかけるだけの冷静な描き方はバランスが取れていると思います。
また、主人公の父親のすっとぼけたキャラクターのおかげで深刻なテーマであるにもかかわらず、ユーモアを交えて軽やかに描き、観やすくしているのも![]()
ただ、その冷静かつ軽やかな描き方のせいもあってか、物足りなさがあったことは否めず。尊厳死を題材にした作品はこれまでにも多くあり、その描き方を含めて新鮮味をあまり感じられなかったのです。
また、主人公である娘が父親を愛しているのは間違いないですが、その一方で、わがままな父親に精神的な虐待を受けていた少女期の回想シーンを挟み込むことで、父親への複雑な感情を描きながらも、そこには深く踏み込まずに一歩引いた描き方をしている意図はわかるのですが、どうしても生煮え感があって観終わった後にすっきりしないのです。
それでも、父親の「元カレ」の面倒臭いキャラクターはいいアクセントになっていましたし、それをわかりやすい「イケメン」ではなく、インパクトのあるルックスの個性派俳優のグレゴリー・ガドゥボワに演じさせるセンスは![]()
物足りなさはありましたが、一見の価値はあると思います。
1930年代のパリを舞台に起きたスキャンダラスな殺人事件の犯人をめぐる騒動を描いたミステリコメディです。主演はナディア・テレスキウィッツ、共演はレベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ他。
面白かった (^O^)
はっきり言ってしまうと、ストーリー展開にはかなり無理があり、「何故そうなる?」と突っ込みたくなることの連続。でも、主演の若手女優2人を脇で支える名優たちの軽妙かつ巧みな演技のおかげで「ま、そういうこともあるかもね」と思わされてしまうのです (^^)
とにかく、真面目に観てはダメ。
昔ながらのドタバタコメディを気楽な気持ちで楽しめばいいのです (^^)v
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ラップ好きの青年が、運命の出会いをきっかけにオペラ歌手の道を目指すことになるさまを描いたドラマ映画です。主演はMB14、ミシェール・ラロック、共演はロベルト・アラーニャ、ギヨーム・デュエム、ステファーヌ・ドゥバク他。
基本的な設定を読んだだけで結末まで見えてしまうほど定番、というかかなり陳腐な内容。
が、オペラという極めてヨーロッパ的な題材にもかかわらず、とても「日本」を感じる映画でした。
主人公が寿司のデリバリーのバイトをしている設定だとか、地下格闘技選手の兄が逮捕された際のエピソードにも日本が登場するという直接的な表現もありますが、それ以上に、ストーリーの構成や登場人物たちのキャラクター造形などが日本の漫画っぽく感じてしまったんです。
例えば、最初はいけ好かない奴に見えていた人物が、実はめちゃめちゃ「いい奴」だったとか、弟を心の底から愛している父親代わりの兄だとか、日本の漫画やアニメなら定番中の定番のキャラクター造形。そして「泣かせどころ」もとても日本の漫画っぽい。
もちろん、この程度なら日本に限らず、世界中どこにでもあると言えなくもないんですけど、この映画と全く同じ内容の漫画が既にありそうに思えて仕方なかったんです。
フランスは、日本の漫画が世界中で日本の次に売れている国で、日本の漫画の影響を受けているクリエイターが多いのは当然なので、驚くほどのことではないとは思いますけどね。
とにかく、陳腐な内容ではありますが、日本人には馴染みやすいストーリーであることは確かだと思います。