「ELYAS -ザ・ボディガード-」('24)
元特殊部隊員のボディーガードがVIPの娘である13歳の少女を守るために戦う姿を描いたノンストップアクションです。主演はロシュディ・ゼム、共演はジャンヌ・ミシェル、レティシア・エイドゥ他。
どこを取っても薄味で、明日にも内容は完全に忘れちゃいそうですが、主演のロシュディ・ゼムの説得力で、一応「観られる」レベルにはなっていますし、時間つぶしには悪くないです。
が、それ以上のものではないです。
「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」('23)
16世紀半ばのチューダー朝の英国を舞台に、暴君として悪名高いヘンリー8世の6番目にして最後の妻キャサリン・パーが自らの生き残りを懸けて戦うさまを描いた歴史ドラマ映画です。主演はアリシア・ヴィカンダー、共演はジュード・ロウ、サム・ライリー、エディ・マーサン、サイモン・ラッセル・ビール他。
→ Wikipedia「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」
ヘンリー8世関連の映画は好きなのでちょっと期待していたのですが、期待値が高過ぎたのか、肩透かしを食らった気分。
キャサリン・パーの生涯ではなく、彼女の「生き残りを懸けた戦い」に焦点を当てるアイデア自体は悪くないんですが、散々引っ張っておいての呆気ない結末に「これまでの視聴時間を返せ」と言いたくなる人は少なくないんじゃないかと思います。
どうせ史実を無視して脚色しまくりなんですから、もっと映画としての面白さを追求しても良かったと思うんですよ。
とにかく、キャサリン・パーを描くなら、彼女の教養の高さ、そこにヘンリー8世が惹かれたことや、庶子の身分に落とされていた2人の王女を呼び戻して王位継承権保持者の地位に戻すことに尽力したこと、国王代理の摂政として活躍したことなど、彼女の「功績」に焦点を当てた方が良かったんじゃないかと思います。
「キング・オブ・エスケープ」('09)
43歳のゲイの中年男性と16歳の少女の逃避行を描いたドラマコメディ映画です。主演はリュドヴィック・ベルティロ、共演はアフシア・エルジ、ピエール・ロール、リュック・パラン、フランソワ・クラヴィエ、パスカル・オベール、ジャン・トスカン、ジョルジュ・ヴォール他。
ものすごく変な映画。
なので「バカバカしい」「くだらない」「つまらない」と思う人も多いはず。
でも、めちゃめちゃ面白かった (^O^)
とにかく主人公をはじめ、登場人物たちが揃って「自由」。
「何でそうなる?」と思いつつも、「何でもありだな」と笑っちゃう (^^)
真面目に観たらダメな映画 (^^)v
「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」('22)
1978年に起きた、イタリアの元首相アルド・モーロの誘拐事件を多角的な視点から6部構成で映画化したサスペンス映画です。主演はファブリツィオ・ジフーニ、共演はマルゲリータ・ブイ、トニ・セルヴィッロ、ファウスト・ルッソ・アレジ、ダニエーラ・マッラ他。
観応えがありました。
映画の中でも明記されているように、事件を客観的に描いたものではなく、再構築・再解釈した作品なので、この映画の内容をそのまま事実と受け取るべきでないことは確かです。
その一方で、同じ題材を「夜よ、こんにちは」('03) から約20年ぶりに再び映像化したマルコ・ベロッキオ監督が、この事件をどのように捉えているかがよく分かります。
当時から噂されている政敵による陰謀説は否定しつつも、結果的に当時の政府に「見捨てられた」ことを強調しているのは印象的。しかも、それをアルド・モーロ本人を含めた5人の人物の視点から描いているのも![]()
ただ、最初から最後まで気になったのは、アルド・モーロと近しかった当時の内務大臣フランチェスコ・コッシーガを演じたファウスト・ルッソ・アレジ。本作の演技でダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞にノミネートされるなど、高く評価されているようですが、その不自然過ぎるメイクにしろ、演劇調の大仰な芝居にしろ、「悪人ではないが情緒不安定で無能」という役柄の表現とは言え、違和感は拭えず。彼が登場するたびにシラけてしまいました。
「ポライト・ソサエティ」('23)
ロンドンに暮らすパキスタン系イギリス人の女子高校生が、大富豪の御曹司との見合い結婚を決めた姉を翻意させようと大暴走するさまを描いたアクションコメディです。主演はプリヤ・カンサラ、共演はリトゥ・アリヤ、ニムラ・ブチャ、アクシャイ・カンナ、セラフィーナ・ベー、エラ・ブルコレリ、ショナ・ババエミ他。
あまり期待していなかったせいか、意外に楽しめました (^^)v
中盤までは主人公の幼稚すぎる言動にドン引きしてしまって視聴自体が苦痛でしたが、その後の荒唐無稽な展開が![]()
イギリス映画とインド映画のいいとこ取りのような世界観も新鮮で![]()
華やかな衣装も印象的な娯楽映画でした (^^)
「アンデッド/愛しき者の不在」('24)
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説を原作とし、ノルウェーのオスロを舞台に、怪奇現象によって死の世界からよみがえった者たちと、その不在を悲しんでいた家族との不気味な再会劇を描いたホラー映画です。主演はレナーテ・レインスヴェ、共演はビヨーン・スンクェスト、ベンテ・ボアシュム、オルガ・ダマーニ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー他。
いわゆる「ゾンビもの」ですが、そんな手垢のつきまくった題材も、描き方を変えるだけで、全く違った趣になる、そんなチャレンジをした物語という感じ。
単なるホラー映画ではなく、観る者に「もしあなたの亡くなった愛する人が死体のまま蘇ったら、どうするか?」と問いかけてくる、異色の人間ドラマでした。
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「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」('21)
名物編集長の急死によって廃刊が決まった人気雑誌の最終号に載る記事を紹介する体裁で、4つの挿話がオムニバス形式で展開する、ウェス・アンダーソン監督による群像喜劇です。出演はベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、ティルダ・スウィントン、ティモシー・シャラメ、レア・セドゥ、フランシス・マクドーマンド、リナ・クードリ、シアーシャ・ローナン、マチュー・アマルリック、ビル・マーレイ他。
→ Wikipedia「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」
ウェス・アンダーソン監督作品は自分にとって「アリ」と「ナシ」が作品によって大きく分かれるんですが、これは「アリ」。
いつものウェス・アンダーソン監督作品らしいパステル調の色彩も好みだし、派手なアクションシーンなど、一部をアニメーションで表現するのも面白い。
オムニバス形式なのも、ウェス・アンダーソン監督作品には合っていますし。
ただ、これもいつもながら、ストーリー自体は面白いんだか面白くないんだかよく分からない微妙な感じで、それもまたウェス・アンダーソン監督作品の魅力ではあるんですが、このノリにはちょっと飽きたかな…。フランス人俳優のセリフはフランス語、それ以外の俳優は英語、それなのに登場人物たちが普通に会話している変なところは悪くなかったですけど…。
とは言いつつも、端役に至るまで有名俳優を起用している無駄に豪華なキャスティングは
なので、それだけでも観る価値はあるかもしれません。
「ぼくとパパ、約束の週末」('23)
実話をもとに、自閉症の息子と週末ごとにサッカーの試合を観戦することを約束した父親を描いたドイツのドラマ映画です。主演はフロリアン・ダーヴィト・フィッツ、共演はセシリオ・アンドレセン、アイリン・テツェル、ヨアヒム・クロール、ペトラ・マリー・カミーン他。
実話をもとに、自閉症への理解を広く啓発する物語として、シビアに、しかし同時にユーモアも交えて描いた「いい映画」なんでしょう。
が、自閉症にもいろいろなレベルがあることは充分に分かった上で言うと、少なくともこの映画で描かれている少年のレベルでは、たとえそれが先天的な障害によるものであっても、社会として受け入れられるレベルではないです。感情を抑えられずに他人に理不尽な暴言を吐くだけでなく、暴力を振るって怪我をさせるなど、障害を理由に許されていいわけがありません。
とにかく、僕にはこの少年が恐ろしいモンスターにしか見えず、この映画によって、むしろ自閉症に対する恐怖心を増大させられただけでした。
「左きゝの拳銃」('58)
西部開拓史上にその名をはせた実在のアウトロー、ビリー・ザ・キッドを描いた伝記西部劇です。主演はポール・ニューマン、共演はリタ・ミラン、ジョン・デナー、ハード・ハットフィールド他。
21歳で射殺されたビリー・ザ・キッドを30歳をとっくに過ぎていたポール・ニューマンが演じている時点で、もはや史実など無視しているのは分かっていましたが、本当に「おおまかな流れ」だけを追ってるだけのダイジェスト版って感じ。
実際には3年以上にわたる期間の話のはずなのに、時間の流れが全く分からないなど、とにかく雑な作り。
ビリー・ザ・キッドを英雄的に描くわけでも、かと言って悪党として描くわけでもなく、リアルな生身の人間として描こうとしたのかもしれませんが、あまりにも史実を無視して単純化しているせいで、ワケのわからない話になってる。
大スター、ポール・ニューマンが主演している以外に観るべきところの全くない、駄作中の駄作でした。









