名歌手、オペレッタを歌う |  ヒマジンノ国

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エリザベート・シュワルツコップによる、「ウィーン・オペレッタを歌う」(1957)。
 
SAX2283。
 
 
20世紀の名ソプラノの1人、エリザベート・シュワルツコップによるオペレッタの名曲集です。
 
彼女の夫が旧EMIのプロデューサー、ウォルター・レッグであったせいか、シュワルツコップは非常にレコードの多い歌手となっています。その中でもこのアルバムは「最後の4つの歌」同様、彼女の代表盤となっているようです。
 
シュワルツコップは独墺系の作品を歌う名歌手で、品の良さ、格調の高さ、声の美しさなどを備え、レコードに残る大指揮者との録音は数知れず、非常に有名な存在です。EMI(HMV,あるいはコロンビア)の録音を聴いている人ならば、否が応でも、どこかの録音で聴いている人だと思います。
 
戦中のナチスとの関わり合いの汚名を除けば、これだけ恵まれている人も中々いないかと思います。歌に宿る、品格と愛らしい雰囲気(ソプラノ・リリコ)、大人の雰囲気がある、理知的な美貌など、オペラ歌手として、とても恵まれていると思います。
 
 
↑、エリザベート・シュワルツコップ(1915-2006)20世紀、ドイツ・リートの第一人者といって良いのかもしれません。またレコード黎明期の名プロデューサー、ウォルター・レッグ(1906-1979)の妻でもありました。
 
オペラが素晴らしいのはもちろんですが(「ばらの騎士」や「フィガロの結婚など」)、オットー・アッカーマンとのコンビで数多くの軽歌劇(オペレッタ)も録音しており、こちらも美しいです。
 
 
↑、青銀(ターコイズブルー・レーベルとも)のレーベルによる、コロンビアのアナログ・オリジナル盤です。このシリーズは透明感と奥ゆかしさを備えた音が出ます。また、音の輪郭も必要ならキリっと際立たたせ、高音部の響きは、脂ののった美しさが出ます。シュワルツコップの、このアルバムは比較的よくレコード店でみます。だからあんまり人気がないのかと思っていましたが、聴いてみると非常に良かったです。とろけるような美しさがあると思います。多分、数多くプレスされたせいで、市場に出回るのも多いのでしょう。歌っているのはホイベルガーのオペレッタからです。これもオペレッタの名手といわれた指揮者、オットー・アッカーマンとのコンビです。
 
 
↑、過去記事です、R・シュトラウスの「最後の4つの歌」、その名盤といわれるシュワルツコップの録音です。ここでも書いていますが、有名なのはステレオのセルとの共演盤ですが、自分は旧盤を推します。ただし、これはアナログ・レコードで聴く、という条件付きですが・・・。
 
 
ヒルデ・ギューデンによる「オペレッタ・リサイタル」(1954)。
 
LXT5033。
 
 
ドイツにはシュワルツコップだけでなく、リーザ・デラ・カーザや、このヒルデ・ギューデンの様な名歌手が沢山いました。ギューデンは生粋のウィーンっ子で、シュワルツコップなどに比べると、気取ったところがなく、心から歌を楽しむ雰囲気があります。彼女もオペラだけでなく、多くのオペレッタを歌いました。
 
(オペレッタはオペラよりも軽いといわれる、歌劇です。レティターボがなく、通常のセリフと楽し気な歌から構成されことが普通です。喜劇が多いのも特徴で、これらが後に米国に渡り、ミュージカルとなりました。)
 
 
 
↑、J・シュトラウスの「ウィーン気質」から。ドイツのオペレッタはワルツが主流で、「ウィーン気質」は名手J・シュトラウスの最後のオペレッタです。本人は完成できずに他界しましたが、後に他の人たちがまとめました。J・シュトラウスの過去の作品(ワルツ)が多く引用されています。ここではちょっと編曲されれたものをギューデンが歌っています。「情熱にあふれるウィーンの血」と歌うワルツと、劇中の伯爵夫人の歌との混合です。ギューデンの歌は明朗で、屈託がないですね。
 
ウィーンの伝統 |  ヒマジンノ国 (ameblo.jp)
 
↑、過去記事です。レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」です。あんまり状態の良くないレコードを使っています。ギューデンがハンナ・グラヴァリを歌っています。