『イデオン』、44周年。 | 有栖川まおの愛が止まらないR

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「有栖川まお」のガンダムで倉木麻衣な日々の出来事を綴ったブログです。

 『伝説巨神イデオン』の放送が開始されてから、本日で丁度44年となります。

 ホントは、この記事は4年前40周年の時に書くべきだったのですが、私とした事が、すっかり忘れてました(汗)。だからって、よりによって「44周年」とは、チョ~縁起悪ィ~(苦笑)。

 例によってテレ東系列局いまだに存在しない仙台では、後に∀ガンダムを放送…しなかった仙台放送で、日曜11:00~の遅れネットで放送されていました。

 

 外宇宙に進出した地球人と、異星人バッフ・クランとの不幸なファーストコンタクトとその両者の衝突破滅を描いた本作は、「皆殺しの富野」の真骨頂と呼べる作品でした。

 元々は、日本サンライズとトミーとの、イデオンのTOYを売る為の合同企画だったのですが、

その監督を引き受ける事になった富野氏は、デザイン集団「サブマリン」によるこのイデオンのデザインを見るなり、いきなり

と言い出しました。「そうでなければ、あんな酷いデザイン、誰が使います?」とも語ってました。富野氏にとっては、このイデオンのあまりにも玩具然としたデザインは、「異星人の遺跡」とでも解釈しなければ、到底使えやしないデザインだったのです。『ガンダム』のヒットもあってか、トミー側としても「TOYが売れるのなら」と、ある程度自由にやらせてもらったのでしょう。自由奔放にも程があると思いますが…。

 『ガンダム』とは正反対に、当時の富野氏の本音であったであろう「人は分かり合えない」というテーマを全面的に押し出し、イデオンの動力源「無限力」でもあり、第六文明人の意志の集合体でもある「イデ」の導きにより、地球人とバッフ・クランとの壮絶な殲滅戦となった本作は、『ガンダム』と同じ全43話を予定していたのが、第39話の終盤で「その瞬間であった。イデの発動が起こったのは…」との塩沢兼人氏のナレーションと共に打ち切られてしまいました。本放送時の『ガンダム』と同様、その作品内容とのギャップにより、TOYが売れなかったのです

 

 しかし、後に『ガンダム』の大ヒットを受けたアニメブームに便乗した形で、この『イデオン』も同様にTV版フィルムを再編集した『接触篇』と、「イデの発動」を全面新規作画で描いた『発動篇』の2篇から成る劇場版が制作される事になりました。

実は、めぐりあい宇宙において、スタッフのお遊びにより、GMの頭部が一コマだけイデオンになってたりして、本編に先駆けて銀幕デビューを果たしていたのです(笑)。

 その公開に先駆けて、この『イデオン』のイベントを「現在の日本で最高水準のアニメ作品」という路線で打つ予定だったのですが、同じ富野作品であるザブングルの第1話のオンエアを見たスタッフから「その謳い文句は『イデオン』には使えない」という話が出た為に、ファンの協力で話題作りをするイベントと割り切った路線へと変更する事になり、「明るいイデオン」と称して、

ダイターン3』を元ネタとした

アジバ3』などというセルフパロディ作品が制作されたりしました。

 しかし、先述のイデオンのデザインと同様、本編の凄惨な描写とのギャップもあってか、この「明るいイデオン」のイベントは、富野氏が目論んでいたような『ガンダム』程のヒットには結び付きませんでした。『アニメック』の編集長だった小牧雅伸氏も「今考えても無理のある企画だった」と振り返っています…。

 それにしても、この時↑の奇面組は、『発動篇』を観て気が触れてしまったとしか思えません(笑)。

 

 一方、その徹底したハードな描写は、庵野秀明氏福井晴敏氏といった後のクリエイターに与えた影響はだったようで、庵野氏は後に『エヴァンゲリオン』を手掛ける事になって、アニメ業界全体に悪影響を及ぼし(ヲイ)、エッセイ『四十の魂』において「この30年、『伝説巨神イデオン』を超える作品にはついに出会えなかった」とまで述べていた福井氏による『ガンダムUC』では、ユニコーンガンダムの操縦システムに、イデオンと同じ「インテンション・オートマチック・システム」を用いたり、『逆シャア』で用いられたサイコ・フレームに『イデオン』の第六文明人の意志が宿ったイデオナイトと同様の力を見出し、続編のガンダムNTでは、その効果音をイデオンソードのそれと全く同じ物とする等、多分に『イデオン』の要素が採り入れられました。まさか、長谷川裕一氏の『逆襲のギガンティス』まで「肯定」して採り入れようというワケではありますまいが…。

 

 プラモデルの方は、『ガンダム』の版権を得られなかったアオシマにより、ガンプラに対抗すべく、ほぼ全種類のメカがキット化されました。しかし、そのイデプラの売れ行きは、イデオンのデザインが先述の通りあまりにも玩具然としている事や、バッフ・クランの重機動メカのデザインが富野氏のラフデザインの段階から奇抜極まる物であった為か、あまり芳しい物では無かったようで、駿●屋では、現在でも時折「無限在庫」と称して放出されています…。

 劇場版公開に合わせて、バッフ・クランの最終兵器であるガンド・ロワのキット化も予定されていましたが、↑見ての通り、巨大なゲジゲジを連想させるキモいデザインな事もあってか、さすがに出ませんでした…。まあ、『ガンダム』で言ったら、ソーラ・レイをキット化するようなモノですしねぇ。

 実は、ガンプラブーム当時、私も母にガンプラを買ってきてもらおうと思ったのですが、例によって売り切れで、その代わりに買ってきてもらったのが「機動合体イデオン」でした。

このキット、後に中古店やイベントでちょくちょく見かける事があったのですが、当時のトラウマもあって、再購入に踏み切れていません(汗)。

 あと、ロッグ・マックの外殻が、カプールをフルスクラッチする際に重宝されていたようで、MG・HJ両誌の作例で流用されていました。あと、『センチネル』ではガザEのバインダーにも。ただ、アオシマのキットの材質は、ガンプラのそれに比べれば、硬くて加工し辛いそうで…。