一勝九敗/柳井正 21177
★★★★★
四年ぶり、の柳井正さんの本。本書は五年ぶり。
グロービスのマーケティング・経営戦略基礎クラスでの推薦図書、
何が良いかなぁ、と思いつつ本書を手に取る。
失敗からの立ち直り
このように、九八年の原宿店オープンに漕ぎつける前は、
失敗の連続だった。
いずれにせよ 新しい事業は、
そもそも失敗することが多いのである。
やってみないと分からないことが多いからだ。
事業計画をきちっと作っても、
ほとんどそのとおりに進まないことのほうが多い。
しかし、この失敗を生かすも殺すも経営姿勢次第である。
失敗は誰にとっても嫌なものだ。
目の前につきつけられる結果から目を逸らし、
あるいは蓋をして葬り去りたい気持ちにもなるだろ う。
しかし、蓋をしたら最後、
必ず同じ種類の失敗を繰り返すことになる。
失敗は単なる傷ではない。
失敗には次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。
したがって、実行しながら考えて、修正していけばよい。
危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、
実行して失敗するのは、実行もせず、
分析ばかりしてグズグズしているよりよほどよい。
失敗の 経験は身につく学習効果として財産になる。
問題は、失敗と判断したときに「すぐに撤退」できるかどうかだ。
儲からないと判断したら、 その事業を継続すべきでないのは
誰にでも理解できるはず。
撤退もスピードが大事である。
短期間のうちに撤退後の方針を決め、人員の再配置を決める。
だらだらしていたらその分、損が膨らんでいくばかりだ。
失敗に学ぶことと、リカバリーのスピード。これが何より大切である。
客観的に思い返すと私も失敗の連続だったし、
いまもよく失敗しているがあまに氣にならないのは
合氣道のお陰かもしれない。
合氣道は師に何度も何度も投げられ続けないと上手にならない。
それが身体にも意識にも刷り込まれているから、
失敗があまり氣にならないのかもしれない。
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