活動経緯の紹介 その2
前回の「活動経緯の紹介その1」では、旧万世橋駅遺構に対する興味を持った所以を申し上げました。今回は、「神田学会」という団体の存在を知り、JR東の建築計画についてのご相談に伺った場面をご紹介いたします。
まずは、神田学会HP上の連絡ツールにて、ご連絡をとりましたが、うまく送信できず、仕方がないので10月1日、電話にてアポを取り、直接神田学会事務局に伺い、自分の考えるところを事務局の方に説明いたしました。この「神田学会」というところは約30年にわたり発展してきた学会であり、また、その運営趣旨の中に「神田のまちづくりの現状、問題点、未来構想についてディスカッションを重ねている」とあったため、当該地が将来に資する形で地域に提供されるよう、地域住民の希望を述べる場として学会HP上にささやかでも場所の提供をいただきたいとの申し入れでした。
私は、実は人に向かって話をすることが大変苦手で、ゼミや講義内での発表が逃げ出したくなるほど嫌いです。パニック的に支離滅裂であったであろう当方の話を、事務局の方は一生懸命聞いてくださった上で、学会理事長・副理事長に相談内容を伝え検討結果を知らせましょうとのお返事をいただきました。
結局のところ、10月20日に下記のようなご回答をいただきました。
「○神田学会は、以前より神田の住民・企業・教育機関・区等、様々な立場の方たちと共に学ぶということを大切に、常にニュートラルな在り方を選択している。
○交通博物館跡地利用に関しても、様々な立場の方々の事情・ご意見があるなかで、神田学会としてどちらか特定の立場に立つということはできない。
よって、中野が希望するような協力は難しい。
※まずは、千代田区役所の景観担当に尋ねてみるというのも方法ではないか。そういった相談に対応していくのが、区役所の役割といえるのではないかと。」
ごもっともなお返事です。そもそも、当方の申し入れ自体、かなりずうずうしいと我ながら思っていました。ただ、「たら・れば」の世界に可能性を残し、自分に言い訳するのも如何なものかと思いましたので。とはいえ、相手が望まない内容をお答え下さることは、それ自体がさぞかし気の重いお役目であったことと拝察します。また、事務局の方は、大変真摯に話を聞いて下さいましたので、「もっと、違う言い方があったのではないか?」などという未練が残る事もありませんでした。その意味でも、急に訪ねた、一個人の唐突な申し入れに対してご検討下さることに、また、お心遣いのお言葉も添えて頂き、結果はどうあれ、むしろ感謝を申し上げた次第です。のちに、恩田先生より神田学会主催の「神田駅の誕生と町並みの変遷」というお話がうかがえるとの情報をいただき、メンバーで参加した際にも、事務局の方が、次回の内容が私にとって興味深いであろうとわざわざアナウンスに来てくださいました。嬉しかったです。
ということで、大樹に寄ることが出来なくなり、路頭に迷った後のお話は「その3」でいたします。
余談ですが、飯田橋駅から院までの道のりにはお濠沿いを歩き、季節の景観を楽しみます。こんなことをかれこれ10年近くしていますが、数日前、とある方がすぐそこの水上のボートで羽を休めている結構大きな鳥の写真を撮っておられましたので、鳥の種類を尋ねましたら、「鵜」とのこと。前からいるそうですが、私はこの一週間で、濠端にいる白鷺、鵜を、初めてみました。いかに視野が狭かったかということですね。カナルカフェでは、今年もホタルが生まれたとの速報もあり、意外にも身近にある自然の豊かさに気付いた次第です。
ところで、昨日、神田須田町に近年出店された気になるお店のインタビューに行ってまいりました。『神田須田町をこのようにとらえてくださっていたのですか』という視点とともに、驚愕のお話の数々()をメンバーでお伝えしていきたいと思います。以上
文責 法政大学大学院 政策創造研究科 修士課程2年 中野
神田で散歩
木曜ですね!石川です。
昨日の夕刻に、同郷の友人と、
お茶の水から神保町へかけて散歩をしてきました。
明大通り沿いの楽器店街
↓
小川町のスポーツ用品店街
↓
神田神保町の古書店街
こんなわかりやすいコースです。
音楽・スポーツ・アートのテーマパークみたいでした!!
今回長く足を止めたのは、神保町にある浮世絵を専門に扱うお店や、
江戸時代の地図や文献を扱うお店でした。
ちょうど先月まで太田記念美術館でやっていた、
『広重「名所江戸百景」の世界』を見てきたこともあり、
浮世絵に描かれる江戸の風景には、うっとりしてしまいます。
こんな書物と美術品に囲まれていれば、
一生引きこもって暮らしていけるかもしれない、
って妄想してまたうっとりしてしまいました。
受講を終えて。
本日は、「神田学会」さんのお話との予告をいたしましたが、更新の後れた原因となった「比較自治行政研究」の受講を終えたこの機会に自分が考えたことを、今回申し述べたいと思います。
まず、申 龍徹先生の講義では、政治学と行政学の関係について、周辺要素などに言及しながら、現在に至る変遷をお話くださり、その状況を理解できました。
その後、受講生に(思いつきの?)課題を振られまして、そのお題に基づいて発表するという流れでした。「(思いつき)」と申しましたが、「先生の勝手な」という意味ではなく、受講者それぞれの論文テーマに即した自治行政に関係するお題ということで、自分の論文に、直接ページを埋めることができる内容になるかどうかはそれぞれの取り組み方によると思いますが、少なくとも、自分の研究内容に厚みを持たせることのできる課題だと思いました。もちろん、ほかの先生の講義でも、「自分の論文テーマに寄せて!」との但し書きがありましたが、そこに先ほど申し上げた「思いつき」が意味を持ちます。
というのは、自分で設定した課題の取り組みでは、自分の既知範囲での構成になりがちです。しかし、お題を設定されてしまいますと自由がききませんので、同じテーマの中にあっても今までまったく見てこなかった分野に目を向けざるを得ません。今回、私は児童虐待に関する自治行政比較というものでしたが、条例などを検討するにも、自分にとってどこの場所についても熟知していないことから、途方にくれ、どうせやるなら自分なりの分析をしてみて地域を選びたいと考え、その結果を先生にお見せして、指定地域の変更をしていただきました。
そのような分析にしても、これまで使うことのなかったエクセル使用やグラフ化など、四苦八苦しながら説得力のあるもの(らしく)を仕上げたり(その際、共同研究室でたまたまお隣に座ってしまった同期生Yさんに多大なご迷惑をおかけしながらも寛容に励ましのお言葉までいただきました。有難うございます!!)、地域の情報を集める努力により、さまざまなデータの存在を知ったり、というテーマ周辺のツールの発見がありました。
また、通常は行政という分野は武藤ゼミ・申ゼミ生が多いのですが、今回の受講生は7人ほどでしたが所属ゼミが4つに渡ったため、いろいろなテーマに即したお話をうかがうことができたのも、大変興味深いものでした。
その中でトータルして考えたのが、今希薄化しているといわれているソーシャルキャピタルの回帰を求めるならば、
『行政上コミュニティビジネスにとっての適正規模での自治社会の構成を描き、地域でコミュニティビジネスを支えて、その地の関係者が皆ステークホルダーであると同時に、相互関係の中で自らの正の存在価値を認識できるというソーシャルキャピタルによる心の豊かさの実現をすることで子どもを守る』
ということになります。そのコミュニティ内のみで解決できない問題については、ネットワークの力により相互協力体制を築く必要はあります。ここに比較という視点はありませんが、さまざま比較検討から導かれた望ましい要素のまとめとお考えください。根拠や定義を併記しない、無責任な記述ですが、紙幅の都合もありますので詳しくはいつかまとめられたらまとめたいものです
。
神田で考えるとどのようになるでしょう。現在、千代田ブランドを売れるだけ売ってしまえ!との意思の共有に見える千代田区政とデベロッパーの関係に対して、売り逃げすれば後、地域がどのような廃墟になろうとも関係ないデベロッパーと、文化的資源までもないかのような扱いをいとわない開発計画を相手に、これからも誇りを持って住み続けたい住人の願いをくむべきはずの議員は間違いなく存在します。しかし、そのような住民の声を代表する意見は、開発で何らかのメリットを得るのか、その他の議員の一団に声を消されているとの危惧もあります。議員はその地の将来を考えて住民のために働くはずなのに。はてさて、これからの神田にどのようなソーシャルキャピタルを描きましょうか。
最後に、申先生は、講義の全体を通して、私たちがどのようにすれば質の良い論文が作成できるかについて指導してくださいました。その方法論はさまざまな機会に伺うため、頭でっかちになるくらい「べきこと」は蓄積しましても、歌舞伎を知らない私が作法を聞いて舞台に立てるわけではないことと同様、どうすることがその具現なのか判断できない私のようなものにとっては、実践といえる申先生のお話は大変ありがたいものでした。
末筆ながら、申先生ならびに受講生の皆様には有益なお話を伺い、この場を借りて感謝申し上げます。
文責 政策創造研究科 修士課程2年 中野