急な事ですが、6月半ばからエジプトに行きます。
三週間、修行の旅です。

その旅立ち前に、ライブとレクチャーが続きます。
そのなかからいくつかご紹介。
タイミングの合う方、旅立ち前に会いにきて下さいませ。

流れ星
6月7日、驢馬駱駝のバータイムにお邪魔しての投げ銭ライブ、もう7回目になります。今回は5月の頭にこの世を去った大スター、ワルダへの追悼をこめたプログラムを組みました。
$KyokoOikawa.violin.com

$KyokoOikawa.violin.com
tsukinosabaku lounge vol.7

Start:1st 21:00/2nd 22:00
※バーは19:00から営業しています。
No Charge(投げ銭制)

R.I.P. WARDA

tsukinosabaku:及川景子(Violin)/平井ペタシ陽一(Percussion)/Tanishq(Oriental Bellydance)

流れ星
6月9日は大阪で、アラブ音楽WS「ムハンマド・アブドゥルワッハーブ編」です。
20世紀エジプトにおけるアラブ音楽の黄金時代を代表する作曲家、アブドゥルワッハーブ。
彼の作曲したベリーダンスで使われるAzizaやZeinaは、最初どのようなシーンで踊られたのでしょうか?おなじみの曲を別の角度から聞いてみたりしながら、一曲短い歌を取り上げて歌詞を読んでみようと思います。
@アラモ BAR LATINO ALAMO(サズカフェの上)
大阪市中央区東心斎橋1-12-33
時間19:30~21:30
料金3000円
持参品 筆記用具
予約・お問い合わせshyokran@yahoo.co.jpまで

流れ星
そして翌6月10日、関西と東京の演奏者が集うユニット「セントヒトヨ」による生演奏で、アブドゥルワッハーブの曲を全プログラム通して楽しんでいただきます。
その幅広い作風、千変万化のアブドゥルワッハーブ節を堪能してください。
演奏中はMCの時間も限られていますし、いろいろごちゃごちゃ話すより音楽を聞いてほしい!と思うので、プログラムの裏側を知りたい!という方はレクチャーに続けてのご参加もお勧めします。前日のレクチャーではプログラムの中の一曲の歌詞を読みます。

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千と一夜ライブ「アブドゥルワッハーブ祭り!」
@アルディエンテ
大阪市淀川区十三東3丁目28-16 Kimura Bld. B1F

OPEN 18時半  START 19時
チャージ 2800円+1ドリンクオーダー
ミュージック/セントヒトヨ(秦進一、加藤吉樹、サンペー、アブダッラー、及川景子)
予約・お問い合わせはshyokran@yahoo.co.jpもしくは080-4399-9888まで

流れ星
他にも9日来阪前には別のアンサンブルでアラブ音楽演奏(メッセージボード参照
こんな感じでアラブどっぷりの一週間のあとは、
エジプトにいく前日になぜかトルコのライブ(笑)


皆様のご来場を心からお待ちしております!
友人が5月の頭にこの世を去りました。
昨年後半からあう約束が叶わぬまま連絡が途絶え、
4月末なぜか何かにつけて彼女の事が脳裏に去来して、
メールしようと思っていた矢先に、彼女の妹さんから訃報が入りました。
死はいつも突然で、静かに凄惨な痕を残していきます。
それは痛みなのかもしれず、悲しみなのかもしれず、
壮絶にそれらを伴いながらも、しかし、
命の息吹が、残されたものの胸に刻み付けていくものほど、
真に美しいものを、私はあまり知りません。

世に言う5月病の季節でもあります。
木の芽時ともいいます。
多忙な時期にその訃報が重なったこともあるのか、
ふと動くのをやめると、
(たとえばぽっかりあいた電車の中の時間や、仕事を終えてくたびれ果てて帰ってパソコンの前にすわった時…)
感情の欠片を感じる余力もない無感動な中で、
決壊が切れたように勝手に目の蛇口が開く、
ここ数日そんな毎日でした。
精神よりさきに肉体が、
なにかを垂れ流せずにはおれない事を私に訴えるようでした。

最近では久しぶりな程厭世的になり、
いらだち、近視眼的になり、
くだらない事ばかり考えていた気がします。
しかしながら、世話になりっぱなしのまま、
自分の作品をCDにして聞かせるという約束も守れないまま、
連絡すら満足にとれない私のように不出来な友人の立場では、
そんなふうにこのまま悲しみに浸るという事は過分に贅沢な事であり、
何もできなかった、何もしなかった自分の愚かさを埋めるために悲しもうとしているだけで、
単なる自己満足、
でしかない、

そんな風は思うものの、
ブツッと途中で途切れたまま続ける事のできない会話が、
私の中で吹き荒れていました。

今日別の友人と、全く関係のない話を沢山しました。
美しい、という元型的発動について。
宇宙という究極の破壊と究極の再生、そしてその向こうにあるものについて。
哀愁について。

話しているうちに、私は自分がなんで音楽なんぞをやっていたのか、
ちょっと忘れていた、という事を思い出しました。
私にとって、音楽は、深く深く、奥底ですべて繋がっている世界に潜っていくための道筋。
もしかしたらこのブツッと途切れた会話を唯一続ける方法なのでした。

話しかけても、答えは永遠に返ってこないかもしれません。
でも、私の中での会話は続きます。
言いそこなった沢山のことを、まだ話し続ける場所があったのだから、
私は感傷に浸っておらず話しかけなければいけなかったのでした。

そして、それは、彼女へだけではなく、
あらゆる全てに対して、片時も休む事なく、続けなければならない会話だったのでした。

音楽とはそういうものでした。

できる事をできる限り。
空いたアナは塞がりませんが、ソレもまたよし。彼女の美しい軌跡の一部を頂いた訳ですから、
それを心のタトゥーにして、できる事をやり続けます。

ミチヨさん、音の中で、夢の中で、また会えますように。


=====


追記
そんないろんな話をした後ろで流れていたのはEnta Omri。
友人に貸すために持ってきていたのを、お店の人が聞いてみたいというのでたまたまの流れでした。
明日から二日間、連続でこの曲を演奏します。
私にとって原点回帰、かならずここに返ってくる曲の一つです。









アブダッラーマッキーの対話がきっかけで動き始めたBaladi Progression
$KyokoOikawa.violin.com-BaladiProgression-1
第一回の演奏の旅が無事終了しました。

そこにいる人に会いにいく。それがどんなmovementになるのか、感じにいく。
長い視野で続けて行こう、というのも、話していた事かな。
自分にできる事を携えて関わってみる、というだけの、単純な一歩ですが、
終わってみると、あちこちからいろいろな方からのお気持ちを預かり、届け、またもらって帰ってきたような、そういう流れを感じた旅になりました。

Baladi、バラディは「祖国、故郷、お国の」そんな意味。
具体的な「母国」という意味もあるけれど、心の帰っていく場所の事だと私は思う。
もう一つ、踊りではエジプトでの「お国の」リズムを指してこういう風に呼ぶことがあって、
それと同じようにその人その人に心が辿り着くリズムがあってもいいんじゃないかなと私は思っていて、
今回はそのタイトルのパワーが形にしてくれたものが大きかった。
これに先駆けて、マッキーは故郷の九州で、アブダッラーと私は遠征した大阪で、
この企画への募金を募って、
どちらからも沢山の寄付を頂きました。
お金だけではなくて、そのお金を出して「行っておいでー!」と送り出してくれた皆の心が何よりも推進力になって、私達のこぎ出した舟はグーンと進む事ができた。
その心の数々を携えて、アブダッラー、マッキー、テディさん、そして私は車に乗って一路東北道をひた走り現地入り。
今度は宮城で、それを迎え入れるべく動いてくれていた人たちの心が待っていた。
今回おどってくれたmikoちゃんは、
$KyokoOikawa.violin.com-120429_みこ
仙台の彼女のダンスの仲間や石巻の高野さんをはじめとする宮城の地元のすばらしいお友達を紹介してくれました。
KyokoOikawa.violin.com-120429_全員
写真は石巻でタイバンしたMCのKENYAさん、DJ、HiroSticKさん、ラ・ストラーダの店長さんやママ、そして受付を手伝ってくれた皆さんやお客様。中には、仙台でのワークショップライブから連荘して下さった皆さんも多数!(仙台でのワークショップの写真、もしかしてとりわすれたかも…orz)

現地であった彼らや、まるで見事なタイミングで一致した桜の満開が、
$KyokoOikawa.violin.com
託してもらった心達を「よくきたねー!」と迎えてくれました。

28日に仙台でアラブ音楽のワークショップとミニライブ、そして翌29日には石巻ラ・ストラーダでライブ&セッション。
石巻では、高野さんに案内してもらって、石巻のあちこちを見てきました。
$KyokoOikawa.violin.com-120429_日和山公園
桜の向こうは、ニュースでも何度となく流れた石巻の津波の映像の現場です。
まだまだ更地と、瓦礫が延々と続いています。
でもそれを縁取る桜の下では、地元の人々が花見!ブルーシートはお花見の場所取りです!

駅の付近の町並み、シャッターのおりたお店が多かったのですが、
ふと道に目をむければ
もともとアニメの街という事で、キャラ立ちが半端ない方々多数…静かーに街にとけ込んでいました。

街角で椅子に座っていた素敵なお人↓
$KyokoOikawa.violin.com-120429_洒落た人
ラ・ストラーダの楽屋の壁の、ド迫力なお人↓
$KyokoOikawa.violin.com-120429_ラ・ストラーダ楽屋
(ほんとはもっとオリジナルの色々があるのですが…興奮して見て回っていて取り損ねました。)

そしてちらほら開いているお店等も気になるところばかり、素敵な街でした。
ラ・ストラーダ
$KyokoOikawa.violin.com-120429_ラ・ストラーダ
の隣のイタリアンのお店も美味しそうだったなー…私達はライブ終演後、品切れ続出という事でお食事できなかったのですが、あそこは美味そうだった。上の写真のオレンジ色のがそのお店の入り口です。ラ・ストラーダにあがる階段の向って右手。

それから高野さんの発案で、BaladiProgressiveのTシャツを!現地のシルクスクリーンのお店の松川さんが、発注から数日間というのに、当日まで頑張って刷り上げてくれたのです。かっこいいよ!
$KyokoOikawa.violin.com


石巻のライブも終わって、深夜に到着した宿は、日本三景の一つ、松島のお膝元、「霊泉亭」。
しぶーい趣のある宿に、やはりここでも桜が文字通り花を添えてくれました。
出発前に宿の方が言うには、これだけの古木が、こんなに花を咲かせたのは数年ぶりとの事です。
花達も、今年咲かせて人々を喜ばせずしていつ咲くものか、と気を入れてくれたのでしょうか。
写真の後ろが霊泉亭、向って右側が桜です。もっとアップの写真もあるのですが、
サイズが大きすぎて載せられないみたい。うむむ。
$KyokoOikawa.violin.com-120430_霊泉院前

演奏隊はもらった心を乗っけて、行った先でそれを音楽と一緒に手渡して、
そしてまたそこから心をたくさん寄せてもらって帰ってきました。
こうやって音の旅で人々の心をあちこちに連れて行けるというのは、ありがたくも新しい発見でした。
託して下さった全ての人に感謝。
皆さん、頂いたものまた届けにいきますね!