抗生物質療法とは、細菌感染症の治療に用いられる薬物療法のことです。抗生物質は、細菌の細胞壁の合成を阻害したり、細菌の増殖を抑制したりする作用を持ちます。
抗生物質療法は、細菌感染症の治療において最も有効な方法のひとつです。適切な抗生物質を適切な量で、適切な期間服用することで、多くの細菌感染症を治癒することができます。
抗生物質療法の対象となる細菌感染症には、以下のようなものがあります。
肺炎
中耳炎
膀胱炎
腎盂腎炎
骨髄炎
髄膜炎
敗血症
セプシス
抗生物質療法は、以下の流れで行われるのが一般的です。
医師による診察と検査
抗生物質の選択
抗生物質の服用
治療経過の観察
医師による診察と検査
まず、医師は患者の症状や身体所見を診察し、必要に応じて検査を行います。検査には、血液検査、尿検査、痰検査、喀痰培養検査、尿培養検査、レントゲン検査、CT検査などがあります。検査の結果から、細菌感染症の原因菌が特定されれば、それに適した抗生物質が選択されます。
抗生物質の選択
抗生物質には、さまざまな種類があり、それぞれに得意とする細菌の種類が異なります。また、薬剤耐性菌の問題もあるため、医師は患者の症状や検査結果、過去の抗菌薬の使用歴などを考慮して、最適な抗生物質を選択します。
抗生物質の服用
抗生物質は、医師の指示に従って、正しく服用することが重要です。抗生物質は、決められた量と回数を、決められた期間服用することで効果を発揮します。また、症状が軽快したからといって、途中で服用をやめてしまうと、細菌が完全に死滅しないために、再発や重症化のリスクが高まります。
治療経過の観察
抗生物質の服用中は、医師の指示に従って、定期的に受診して、治療経過を観察します。治療が効果的であるかどうか、副作用がないかなどを医師に確認しましょう。
抗生物質療法は、細菌感染症の治療において非常に有効な方法ですが、以下のような注意点もあります。
抗生物質は、ウイルス感染症には効果がありません。
抗生物質は、適切な量と回数を、決められた期間服用することが重要です。
抗生物質を不必要に使用すると、薬剤耐性菌の出現につながります。
抗生物質療法を受ける際には、これらの注意点を理解した上で、医師の指示に従って正しく服用するようにしましょう。
抗生物質療法の副作用
抗生物質は、一般的に副作用が少ない薬ですが、まれに以下の副作用が起こることがあります。
下痢
吐き気
嘔吐
腹痛
発疹
肝機能障害
腎機能障害
血液障害
これらの副作用が現れた場合は、すぐに医師または薬剤師に相談しましょう。
抗生物質の適正使用
抗生物質の適正使用は、薬剤耐性菌の出現を予防するためにも重要です。抗生物質は、以下の場合に使用しましょう。
細菌感染症が疑われる場合
細菌感染症が確定した場合
抗生物質は、以下の場合に使用しないでください。
ウイルス感染症の場合
細菌感染症が疑われない場合
細菌感染症が確定していない場合
また、抗生物質は、医師の指示に従って、正しく服用しましょう。