抗生物質は、細菌の細胞壁や細胞膜を破壊したり、細菌の増殖を阻害したりすることで、細菌感染症を治療する薬です。抗生物質には、大きく分けて以下の7つの種類があります。
ペニシリン系
ペニシリン系は、細菌の細胞壁を破壊することで抗菌作用を発揮します。最も古くから使用されている抗生物質の一種で、グラム陽性菌に有効です。
セフェム系
セフェム系も、細胞壁を破壊することで抗菌作用を発揮します。ペニシリン系に耐性を持つ菌にも有効なため、幅広い菌種に使用できます。
マクロライド系
マクロライド系は、細菌の蛋白質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。グラム陽性菌、グラム陰性菌の両方に有効です。
ニューキノロン系
ニューキノロン系は、細菌のDNA合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。グラム陰性菌に有効です。
カルバペネム系
カルバペネム系は、細菌の細胞壁を破壊することで抗菌作用を発揮します。最も強力な抗生物質の一種で、グラム陽性菌、グラム陰性菌の両方に有効です。
テトラサイクリン系
テトラサイクリン系は、細菌の蛋白質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。グラム陽性菌、グラム陰性菌の両方に有効です。
アミノグリコシド系
アミノグリコシド系は、細菌の蛋白質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。グラム陰性菌に有効です。
この他にも、抗生物質はさまざまな種類が開発されています。抗生物質は適切に使用しないと耐性菌の発生につながるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
なお、抗生物質は細菌感染症にしか効果がなく、ウイルス感染症には効果がありません。風邪などのウイルス感染症に対して抗生物質を使用することは、耐性菌の発生を促進するだけでなく、副作用のリスクを高めるため、避けるべきです。