あと10日なんですね…今年も。
「士」と「師」の語感について思う。

晩節を汚さないように、とのアドバイス
【晩節を汚す】 ばん-せつ-を-けが-す
それまでの人生で高い評価を得てきたにも関わらず、後にそれまでの評価を覆すような振る舞いをし、名誉を失うこと。
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猪瀬東京都知事は前知事の石原慎太郎氏から、「晩節を汚さないように」と引導を渡されたらしい。
親分肌と兄貴分。似ているようで似て非なり。石原氏はやはり親分肌なのだろう。では猪瀬知事は兄貴分かというと、これもまたなんだか違う気がする。
百条委員会は結局開かずに終わるようだ。ということは、ただ単に猪瀬知事を引き摺り下ろすためだけに、マスコミと都議会はタッグを組んで猪瀬知事を虐めていただけなのか。
面倒見がよく人から頼られる様を親分肌という。そして、親しくも敬うべき関係にある様を兄貴分という。猪瀬知事から頼られた石原氏は、猪瀬氏からすれば親分肌の人に見えたのだろう。確かに副知事として石原氏に使えていた頃は、自分を後任候補としてグイグイ道を開き導いてくれた。しかし……。
他に頼れる人はいなかったのだろうか。
妻を亡くし、親分にも捨てられ……。
同じ男として、今の猪瀬氏の孤独を思うと、無理と分かっていながらも一緒に酒でも酌み交わしたくなる。
今回の騒動は、なんだか、とても、切ないというか……辛いですね。
中村信仁
読書のすすめ~「寅さんに学ぶ日本人の生き方」
吉田兼好は『徒然草』第七十九段に「何事も深く立ち入らず、よくは知らない風にしているのがよいのだ。自分が良く知っていることに対しては、いつも慎重で、問われない限りは黙っているのが立派なことなのだ」というようなことを書いているらしい……。
―らしい―と書いたのは、私はそれを読んだことがないからで、そしてこれから紹介する本の著者も自著の中で徒然草のこの一文を引用しておきながら、自分でも(……らしい)と書いている。
引用の意図は、日本人と欧米人の文化的思考と価値観の違いを説明したかったからに違いない。日本では「沈黙は金」と評価されるが、欧米での沈黙は、意見を持たない「愚鈍な人」と思われてしまう。
しかし、作者は云う。
日本人は寅さんのように生きる、考える、行動する、それができれば人生の達人だと。フーテンになれというのではない。寅さんのような考え方が素晴らしいと。
「アメリカ人はよう、お互いの気持ちを察し合うことなんて苦手なんだって。はっきり口に出して言わなきゃあ納得しないんだって。俺たちみたいによぉ、思いを目に秘めて、すっと立ち去る、そんな芸当はとてもできやしねえんだ」※第24作 寅次郎春の夢より
しかし、この本は寅さんを通じて色々なことを、色々な角度から検証し生き方を教えてくれる素敵な本です。志賀直哉の『小僧の神様』(岩波文庫)を引用し、分をきまえて生きることの格好良さを、また、寅さんの中に見つけて紹介する。そうかと思えば武士道を論じた『葉隠』を通して紹介してみたり、内村鑑三著の『代表的日本人』(岩波文庫)へと話が発展したりする。
私は思わず『小僧の神様』や『代表的日本人』を購入し読んでしまったほど、積極的に日本人として生きることの素晴らしさをユーモラスに分かり易く、時には鋭い口調でずばずば書き記しています。
子供の頃から寅さんが好きだった私だから言うわけではないが、寅さんの台詞は(渥美清演じる寅さんのキャラクターを抜きにしても)実に哲学的であり、男の生きざまをありありと見せつけられることが多い。
この年末年始、どうでしょう?
年越し蕎麦からお雑煮までの時間を、この本を抱いて過ごしてみては……。粋な男が少なすぎる昨今、みんなで粋にいきやせんか !?
著者はこう云っています。
「寅さんの言葉に耳を傾けることは、我々を、金銭的、物質的豊かさ一辺倒の「幸福論」から解放する道でもある。我々が物慾を超越した「低く暮らし、高く思う」簡素な生活、真の知的生き方の素晴らしさを教わる道である」と。
書名/寅さんに学ぶ日本人の生き方
著者/志村史夫
出版/扶桑社
価格/1,470円(税込)
お求めは、この手の本ならお手のものだぜっ !! という清水店長のお店「読書のすすめ」 に、そして、関西方面の方は、ぜひ、こんぶ店長がいるJR伊丹駅前にあるブックランドフレンズ へ !!
しかし、世の中には、話題にならない良書が多すぎます。
中村信仁
友のありがたみを旅先で感じます。

