「蜘蛛のサマンサ②」

気付いた時はあたしは一人で旅に出ていたんだ。
ここであの人と会うまではずっと独りぼっちだったのさ。
糸にぶらさがり風にまかせてここにきたのは春の事だった。
あの頃は眩しい光の中気持ち良く獲物も取れて楽しかった。
あたしの貼った罠をあの人は綺麗だねって誉めてくれたのさ。
優しい言葉もたくさんかけてくれた。
あたしたちは愛し合うようになった。
だけど急にどうしようもなく食べたいと思ってしまったんだ。
体の小さいあの人は容易くあたしに捕まりあたしは美味しく戴いたのさ。
あたしには子供が出来ていたんだ。
愛の為に命を捨てるなんて誰にでも出来ないだろ?
あたしの旦那は格好いいだろ?
(〃∇〃)
「蜘蛛のサマンサ①」

あたしはサマンサ。
もうおばさんさ。
寒いのは苦手だから、ベンチの裏や下水の側溝の蓋の裏に隠れて、落ち葉にいるダニなんかを狙っているのさ。
でも、あれはお腹が一杯にならないからねぇ~。
早く春が来るのを待つしかないんだよ。
旦那を食べたのはいつのことだったかねぇ~。
子供たちを旅立たせてから一体どの位立つのかねぇ~?
「バスケと俺⑤」

春に引退をする為、アルバムの部活の集合写真を撮った。
初めてユニフォームを渡された。
正直嬉しかった。
仲間達と同じユニフォームで笑う俺。
格好よく映ってるといいんだが。
そして迎えた最後の試合。
俺はやはり出られなかったんだ…orz…。
そして秋になった。
最後の体育祭。
俺は1000㍍のクラス代表になった。
部活の練習で毎日走らされたから苦手ではなかった。
だから俺は塾がない夜に走る練習を再開する事にした。
俺の家の目の前には米軍の通信基地があり、その周りを走ると距離は約5㎞ある。
自主練には丁度いい。
俺は頑張った。
トップは取れなかったがまぁ上位にはなれた。
後は高校入試。
塾でも頑張っていた。
推薦は無理だった。
後は本番のテストのみ。
結果は合格!
バスケの名門ではないが、バスケ部がある。
また頑張るつもりだ。
「バスケと俺④」

ボールには毎日のように触れていたから、自分でも友達以上の存在に少しはなれたかなって思う。
夏や冬が過ぎた頃には、体も絞られ、筋肉も付いてきたんだ。
背も伸びているし。
今年はもう3年になる。
受験だから、勉強にも力を入れなきゃな。
秋の新人戦では選手にもなれなかった…。
今年こそユニフォームを着て試合に出たい。





