薬剤師の安美です。
いぼ痔(痔核)は、
肛門が腫れて出血したり、痔核が外に出た状態。
いぼ痔の飲み薬があるって知っていますか?
しかも、処方せんが必要な医療用と全く同じ、
成分と同量含む市販薬もあるんです。
それは、市販薬のヘモリンド舌下錠。
小林製薬より販売されています。
詳しくご紹介したいと思います。
■ヘモリンド舌下錠とは?
いぼ痔の市販の飲み薬、ヘモリンドの有効成分は
静脈血管叢エキス。
「静脈血管叢エキスってなに?」って思いませんか?
動物の血管のたんぱく質を分解したもの。
はたらきについては、
小林製薬HPがわかりやすいので、引用しますね。
・血管循環機能調節:拡張した血管の弾力を高め、(痔の)原因であるうっ血を改善。
・抗浮腫(むくみ):いぼ痔の腫れを改善。
・線維素溶解:うっ血を起こした箇所で固まった血を溶かし、(大きくなってしまった)いぼを柔らかくする。
・組織修復、抗炎症:組織を修復し、出血を抑える。炎症を抑え、かゆみ・痛みなどの症状を改善。
小林製薬HPより一部引用
つまり、いぼ痔のうっ血(血液が溜まった状態)を、
血流をよくしたり、血液の塊を溶かしたりして改善し、
いぼ痔を小さくしたり、腫れや痛みなどを和らげるというわけです。
ただし、ヘモリンド舌下錠は切れ痔には効果が認められていません。
(小林製薬HPに明確に記載されています)
あくまでもヘモリンドはいぼ痔の薬です。
市販薬のヘモリンドのおすすめポイントは、
医療用のヘモリンガル舌下錠と同じ成分量を含むこと!
(ほぼ同じ)
舌下錠(舌の下で溶かして服用する)という点も同じです。
舌下錠の特徴としては、
服用してから効くまでの時間が早いことがありますが、
(小腸や肝臓などで分解や代謝を受けずに効果がでる)
ヘモリンドの場合、
有効成分が胃酸で分解されてしまうため、
それを避けるために舌下錠としていると考えられます。
ヘモリンド舌下錠は味がなく、
全て溶けるまで、5~10分かかるとされています。
噛み砕いたり、飲み込んだりすると、
効果が低減するので注意が必要です。
空腹時(食後2時間以上たってから)というのもポイントですね!
また、痔の症状(タイミング)によって
ヘモリンドの飲み方(用法用量)が変わるという特徴があります。
次の量を空腹時に舌下間で服用してください
急性症:1回2錠 1日4回
一般症状:1回1錠 1日3回
慢性症:第1日に1回2錠 1日4回,第2日に1回2錠 1日3回,第3日以降1回1~2錠 1日3回
※慢性症の方は第3日以降、状態をみながら1回1錠に減量してください
●15歳未満は服用しないこと
ヘモリンド添付文書より引用
ひどい時には病院を受診すると思うので、
使うとしたら、一般症状か慢性症の時でしょう。
一般症状は急性症(痛みなどのピーク)は過ぎたけど、排便時など痛みや違和感が続く状態。
慢性症は長期間、排便時の痛みや出血が続いている状態になります。
医療用のヘモリンガル舌下錠の用量用法は、
「1回1錠を1日3回舌下間で服用」とあるので、
一般症状の飲み方がおすすめです。
「いぼ痔が肛門の外に出てきている状態」
「出血量が多い」
「痛みがひどい」
という時は、重症の可能性が高いので、病院を受診しましょう。
■まとめ:市販薬ヘモリンド舌下錠の飲み方のポイント■
・舌下錠なので、舌の下に入れて溶かしてのむ
(噛んだり、そのまま飲み込んだりしない)
・空腹時(食後2時間以上たってから)に服用する
・1日何錠のむか迷ったときは、
一般症状の「1回1錠を1日3回舌下間で服用」で服用する
(医療用のヘモリンガル舌下錠と同じ飲み方)
痔の飲み薬については、こちらのブログ記事にも書いています。
参考にしてくださいね!