2022年の東京ヤクルトスワローズを振り返る | まぶたはともだち

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最近はプロ野球もお熱です。

 

※2021年ポストシーズン編はこちら

 

開幕前に、Numberでこのような特集が組まれました。

26年ぶりとなる、ヤクルト特集号。

これを観たときは嫌なフラグにしか思えなかったのですが……

 

 

 

 

いや~今年も最高の結果でしたね!

セ・リーグは混戦だが巨人が一歩リード、パ・リーグはロッテがぶっちぎって優勝するという予想だったのですが、すがすがしいくらい外れました。

 

振り返ってみれば、2015年や2021年は全くのノーマーク(というか最下位確実)のなか終盤まで3位につけて、残り20試合切ってから突然先頭に立って何食わぬ顔で逃げ切るまあまあセコい勝ち方でした。

その点今年かなり注目されながら6月に入って独走、途中DeNAからの猛追を受けながらも逃げ切ったわけで、また違った味わいのある喜びがあります。

 

やはり開幕戦で阪神から7点差をひっくり返して3タテでスタート切ったのが大きかったと思います。

ヤクルトはあそこでいけるって思ったし、逆に阪神は浮き足立ってしまった、というのは否定できないでしょう。

 

今年もスタメンを見ていきましょう。

かなり流動的だったので80打席以上の選手と川端だけ抜粋しました。

 

ショート以外不動だった昨シーズンとは異なり、三遊間以外はコロコロ打順やポジションを入れ替えながらの苦しいシーズンとなりました。優勝したけど本当に苦しかった。

 

見ての通り、不動の四番・村上があまりに突出していたので、彼については別記しようと思います。

となるとやはり語らざるを得ないのはショートの長岡でしょう。内山、濵田など高卒の若手が続々と台頭しつつありますが、彼の存在は別格。

優勝直後のフジテレビONEの特番では、野手だとだれが成長しましたか?という質問に中村悠平が「長岡」と即答していました。

 

昨年は西浦(30)と元山(23)が熾烈なポジション争いを繰り広げていたわけですが、まさかの二人とも開幕2軍。

名将・高津監督といえど流石にこの抜擢はおかしいんじゃないかと思っていましたが、開幕戦でまさかの4安打。

広角に打てる村上とは対照的に、細っこい身体でガンガン引っ張って長打を量産する様にはセンスを感じました。

 

 

守備範囲も広く、決して下手ではない西浦や元山が見劣りするレベル。本当にドラフト5位?同じく高卒ドラフト5位から球界屈指の名ショートに成り上がった中島裕之みたいになって欲しいところです。

 

 

あと山崎晃太朗の成長も印象深いです。

 

 

 

上田w

 

長所は足だけ、打てない守れない身体能力だけで野球やってる奴だと思っていたのですが、今年はいい印象しかありません。

彼の勝負強いバッティング、ここぞという場面でのダイビングキャッチに何度助けられたことか。

村上が絡まない試合のベストゲームを選ぶならば、多分1位が開幕戦、2位が山崎が北山から逆転サヨナラ3ランを放った日本ハム戦、3位が大勢から逆転タイムリーを放った巨人戦でしょう。

 

 

 

 

ちなみに1月地点ではこんなインタビュー記事がありました。

 

 

そうそう、最悪ゴロで走者を進めればいいって場面で平気で三振してましたからね。

シーズン通して離脱しなかった野手は村上、オスナ、山崎の三人だけだったので、貴重な存在でした。

 

 

そしてキャプテン・山田哲人の涙を語らずにはいられません。

 

交流戦優勝&14カード連続勝ち越し&7月2日に史上最速のマジック点灯を決めたときは、2位に13.5ゲーム差をつけていました。

はっきり言ってこの地点で自分は120%優勝できると思ってました。

 

 

ところが直後、30人近い離脱者が出て楽勝ムードは暗転。

2週間後、オールスターの頃には全員戻ってきましたがなかなか調子が戻らず、村上におんぶにだっこの状態。

8月に入るとDeNAが本拠地17連勝&16勝3敗と猛チャージをかけてきて、8月26日の直接対決を迎えた地点ではわずか4ゲーム差にまで肉薄されていました。

 

 

もはやベイスターズファンの9割は史上最大の逆転優勝を確実視し、ヤクルトファンも半分くらいはあきらめてるんじゃないかという状況でした。

 

このとき特に槍玉にあげられていたのが山田。

1番、2番、6番など楽な打順に変えても全く打てない上に、打席で不自然に手が震え、スイングにも力がなく、三振したあとも目がうつろで心ここにあらず……と素人目にも明らかにやばい状態。

 

そんな中、高津監督は思い切った手に出ました。

8月26日の天王山、直近6試合で21打数1安打、12三振の山田を3番に戻すのです。

結果は13打数6安打1ホーマーと大活躍。チームも3タテを見事に決めて追いすがるDeNAを追い落としたのでした。

 

優勝後の村上の手記で、ボクたちの不安は杞憂でなかったことを知ります。 

 

>>だから、哲さんの涙は絶対に忘れません。6連敗となった8月11日の広島戦後、選手だけでマツダスタジアムのブルペンに集まりました。選手の輪の前で哲さんが目に涙をためて「助けてください」と頭を下げました。あんな表情で、あんなことを言う姿は初めて見ました。

>>当時の哲さんはたしかに調子が良くなかった。でも、全員の前で頭を下げるのは簡単なことではありません。いろんな感情が巡りました。僕だって打てない時がある。どんな時も主将としてチームの中心で責任を背負う哲さんの存在は本当に偉大です。

>>僕だって助けてほしいときがある。「哲さん、助けてよ」。心から叫びたいときが絶対に来る。だから「哲さん、そのときは頼みますよ」と心の中でつぶやきました。口にはしません。言わずとも気持ちは伝わっているはずだから。助けたいし、助けてほしい。心からそう思いあえるこのチームで絶対に優勝したい。哲さんの涙で「チームスワローズ」が一致団結したと思います。

 

「助けてください」だと……

 

当たり前だ!!!!(ルフィ)

 

 

優勝するチームには、やはり相応の逆境が降りかかってきて、それを乗り越える過程が必ず存在するんだなって思いました。

 

 

どうしよう、既にすごい文字数になってしまいました。

投手陣も去年2軍で防御率6点台だった木澤が覚醒したとか、田口の20球とか色々あったのですが、この辺にしておきます。

(奥川が結局戻ってこないとは……)

 

 

※村神イキリ編はこちら

 

※ポストシーズン編はこちら

 

 

※翌年はこちら