「業務日誌をつける効用、4つ」 ハーバード・ビジネス・レビュー・ブログより
業務日誌を毎日書くというのは、制度的な運用をしていないかぎり、なかなかできないのですが、私の経験からもきちんとそれをつける工夫をしている組織の方が成果を上げている印象があります。
実際に海外の現地法人の経営をやっていたときも、部下の中でまとめて沢山書くタイプと、毎日一定量を書くタイプがいましたが、やはりきちんと毎日書く人間の方が、早めに修正も出来るし上司の支援も得られるというメリットもあり成績は良かったです。
というようなことを思い出させてくれたHBRのブログを紹介したいと思います。
(引用ここから)
毎日10分の日記をつければ、人は成長する http://www.dhbr.net/articles/-/1882
2013年06月11日
テレサ・アマビール,スティーブン・クレイマー
日記をつける目的のひとつは、自分の生きた証を残すことだろう。しかしこの習慣には、ほかにも多くのメリットがあるという。日記がいかに仕事のパフォーマンスを向上させ、心理的・身体的なメリットをもたらすか、実証的な研究結果をまじえ紹介する。
質問:オプラ・ウィンフリー(全米で人気のテレビ番組司会者)と、第二次世界大戦の将軍ジョージ・S・パットンの共通点は何か。
答え:熱心に日記をつけている。
先日オプラは、日誌の一部を一般に公開し、読者にも日誌をつけることを勧めた。ジョン・アダムズからアンディ・ウォーホールまで、日々の生活の記録を克明にしたためていた歴史上の著名人は多い。自分の歴史を残すためというのは当然、日誌をつける大きな目的だろう。しかし生きた証が残るという以外に、日記をつけることのメリットはあるだろうか。
もちろんある。業務日誌をつけるべき理由として、特に次の4点が挙げられる――(1)焦点が明らかになる、(2)忍耐力が向上する、(3)計画性が向上する、(4)個人的成長が促される。
筆者(アマビール)の教え子だったサラ・カウスは最近、こんなふうに書いている。彼女が受講していたMBAコースの「創造性のマネジメント」のクラスでは、日誌をつけることが義務づけられていた。その後、彼女がコンサルタントから起業家へとキャリアを歩んでいくなかで、この習慣が計り知れないほど役に立ったという(サラの会社S'wellは、断熱と保温に優れたユニークな水筒を製造・販売している)。最初、サラは日誌をつけることに異を唱えていた。
「当時、MBAの学生として多忙だった私には、日誌をつけることが面倒で時間のムダに思えた。必要なのは自分の気づきや感情を書き記すことではなく、勉強やネットワークづくりだ――そう思っていたのだ。ところが、アマビール教授の課題を通して、これまでにない日誌のつけ方を知った。それは、私生活にも仕事にも役立つことになったのだ」
サラは最初の3つのメリットについて、次のように説明している。
「仕事に関する日誌をつけることで、自分の長所は何か、そして最も喜びを感じられる活動は何か、という点に“焦点”が当たる。意外なことに、私のこれまでのキャリアにおけるハイライトのいくつかは、とても地味な仕事でもたらされた。華々しい仕事でなくても、自分が最も夢中になれて、最も活躍できる仕事は何かということを、日誌は教えてくれたのだ。
また、日誌をつけることで“忍耐力”と“計画性”が向上した。たとえわずかな前進しかできなくても――時に遠回りしたり、後退したりもするけれど――日誌は進むべき道を示してくれる中立的な審判者(そして静かなるチアリーダー)となる。さらなる進歩の余地は常にあるのだろうが、それよりも私にとって、目標に近づいているということを知ることのほうが大切だ。過去を振り返ることで、この1年間でどれだけ前進できたかを常に把握できる。そして大きな困難も、後から考えると小さな障害物にすぎなかったと思えるようになる。新たな困難が現れた時、日誌を見ることで大いなる忍耐力を発揮でき、対処法がわかるのだ。多忙な毎日を送る起業家になった今でも、私はその日の進捗、願望、そして次の達成へ向けた計画を日誌に書き込まずに1日を終えることは考えられない」
日々の経験を内省して書き記すことの価値は、研究によって実証されている。心理学者ジェームズ・ペネベイカーらの実験によれば、トラウマやストレスを感じた出来事を書き表すことは、身体の免疫機能を高め健康を促進する。さらには、大学生活への適応力、自分は幸福であるという感覚、そして解雇の後に再就職先をより早期に見つける能力が高まるという。筆者らは、職場での出来事が人々とそのパフォーマンスに及ぼす影響を調査した。その過程で、複雑なプロジェクトに従事する200人以上の知識労働者に、プロジェクトの期間を通して日誌を毎日提出してもらった。この実験から驚くべき発見が得られたが(詳細はHBR誌2011年5月号の論文"The Power of Small Wins"および新刊The Progress Principleで報告されている。論文邦訳は本誌2012年2月号「進捗の法則」)、調査の参加者たちにもまた、自身に関する思いがけない発見がもたらされた。
日誌をつける第4のメリット――“個人的成長”は、おそらく最も重要であろう。参加者たちは、毎日10分もかからない業務日誌を規則正しくつけることにより、プロフェッショナルとしての自身に対する新たな視点を持ち、改善すべき点を把握することができた。ある参加者は業務日誌を振り返り、次のように述べた。「自分のコメントには悲観的な内容ものがありましたが、今にして思えば、それは不適切でした。いまでは、もっと楽観的な心構えでプロジェクトに臨むようにしています」。また別の参加者は、調査の終了を前に次のように述べた。
「もう終わってしまうのが残念でなりません。その日の出来事をじっくり内省する、よい機会でした。この毎日の習慣によって、もっとチームと積極的に交流を図り、モチベーションを引き出すべきだと気づくことができました。自分を成長させてもらい、心から感謝しています」
日誌をつける価値がわかったので、筆者らもそれを始めたところだ。しかしこれを、毎日の習慣とするのは実に大変なことでもある。進捗については別の機会に報告するとして、今のところは、業務日誌を続けることで得た読者の経験に耳を傾けたいと思う。もし意見やアドバイスがあれば、ぜひお寄せいただきたい。
HBR.ORG原文:Four Reasons to Keep a Work Deary April 27, 2011
(引用ここまで)
現在も進行中の日誌の効果確認ですが、私も改めて自分の行動を日誌に残す形で業務推進を図りたいと思いました。
私もその効用を確認できたら、皆さんにシェアさせていただきます。
ではまた。
実際に海外の現地法人の経営をやっていたときも、部下の中でまとめて沢山書くタイプと、毎日一定量を書くタイプがいましたが、やはりきちんと毎日書く人間の方が、早めに修正も出来るし上司の支援も得られるというメリットもあり成績は良かったです。
というようなことを思い出させてくれたHBRのブログを紹介したいと思います。
(引用ここから)
毎日10分の日記をつければ、人は成長する http://www.dhbr.net/articles/-/1882
2013年06月11日
テレサ・アマビール,スティーブン・クレイマー
日記をつける目的のひとつは、自分の生きた証を残すことだろう。しかしこの習慣には、ほかにも多くのメリットがあるという。日記がいかに仕事のパフォーマンスを向上させ、心理的・身体的なメリットをもたらすか、実証的な研究結果をまじえ紹介する。
質問:オプラ・ウィンフリー(全米で人気のテレビ番組司会者)と、第二次世界大戦の将軍ジョージ・S・パットンの共通点は何か。
答え:熱心に日記をつけている。
先日オプラは、日誌の一部を一般に公開し、読者にも日誌をつけることを勧めた。ジョン・アダムズからアンディ・ウォーホールまで、日々の生活の記録を克明にしたためていた歴史上の著名人は多い。自分の歴史を残すためというのは当然、日誌をつける大きな目的だろう。しかし生きた証が残るという以外に、日記をつけることのメリットはあるだろうか。
もちろんある。業務日誌をつけるべき理由として、特に次の4点が挙げられる――(1)焦点が明らかになる、(2)忍耐力が向上する、(3)計画性が向上する、(4)個人的成長が促される。
筆者(アマビール)の教え子だったサラ・カウスは最近、こんなふうに書いている。彼女が受講していたMBAコースの「創造性のマネジメント」のクラスでは、日誌をつけることが義務づけられていた。その後、彼女がコンサルタントから起業家へとキャリアを歩んでいくなかで、この習慣が計り知れないほど役に立ったという(サラの会社S'wellは、断熱と保温に優れたユニークな水筒を製造・販売している)。最初、サラは日誌をつけることに異を唱えていた。
「当時、MBAの学生として多忙だった私には、日誌をつけることが面倒で時間のムダに思えた。必要なのは自分の気づきや感情を書き記すことではなく、勉強やネットワークづくりだ――そう思っていたのだ。ところが、アマビール教授の課題を通して、これまでにない日誌のつけ方を知った。それは、私生活にも仕事にも役立つことになったのだ」
サラは最初の3つのメリットについて、次のように説明している。
「仕事に関する日誌をつけることで、自分の長所は何か、そして最も喜びを感じられる活動は何か、という点に“焦点”が当たる。意外なことに、私のこれまでのキャリアにおけるハイライトのいくつかは、とても地味な仕事でもたらされた。華々しい仕事でなくても、自分が最も夢中になれて、最も活躍できる仕事は何かということを、日誌は教えてくれたのだ。
また、日誌をつけることで“忍耐力”と“計画性”が向上した。たとえわずかな前進しかできなくても――時に遠回りしたり、後退したりもするけれど――日誌は進むべき道を示してくれる中立的な審判者(そして静かなるチアリーダー)となる。さらなる進歩の余地は常にあるのだろうが、それよりも私にとって、目標に近づいているということを知ることのほうが大切だ。過去を振り返ることで、この1年間でどれだけ前進できたかを常に把握できる。そして大きな困難も、後から考えると小さな障害物にすぎなかったと思えるようになる。新たな困難が現れた時、日誌を見ることで大いなる忍耐力を発揮でき、対処法がわかるのだ。多忙な毎日を送る起業家になった今でも、私はその日の進捗、願望、そして次の達成へ向けた計画を日誌に書き込まずに1日を終えることは考えられない」
日々の経験を内省して書き記すことの価値は、研究によって実証されている。心理学者ジェームズ・ペネベイカーらの実験によれば、トラウマやストレスを感じた出来事を書き表すことは、身体の免疫機能を高め健康を促進する。さらには、大学生活への適応力、自分は幸福であるという感覚、そして解雇の後に再就職先をより早期に見つける能力が高まるという。筆者らは、職場での出来事が人々とそのパフォーマンスに及ぼす影響を調査した。その過程で、複雑なプロジェクトに従事する200人以上の知識労働者に、プロジェクトの期間を通して日誌を毎日提出してもらった。この実験から驚くべき発見が得られたが(詳細はHBR誌2011年5月号の論文"The Power of Small Wins"および新刊The Progress Principleで報告されている。論文邦訳は本誌2012年2月号「進捗の法則」)、調査の参加者たちにもまた、自身に関する思いがけない発見がもたらされた。
日誌をつける第4のメリット――“個人的成長”は、おそらく最も重要であろう。参加者たちは、毎日10分もかからない業務日誌を規則正しくつけることにより、プロフェッショナルとしての自身に対する新たな視点を持ち、改善すべき点を把握することができた。ある参加者は業務日誌を振り返り、次のように述べた。「自分のコメントには悲観的な内容ものがありましたが、今にして思えば、それは不適切でした。いまでは、もっと楽観的な心構えでプロジェクトに臨むようにしています」。また別の参加者は、調査の終了を前に次のように述べた。
「もう終わってしまうのが残念でなりません。その日の出来事をじっくり内省する、よい機会でした。この毎日の習慣によって、もっとチームと積極的に交流を図り、モチベーションを引き出すべきだと気づくことができました。自分を成長させてもらい、心から感謝しています」
日誌をつける価値がわかったので、筆者らもそれを始めたところだ。しかしこれを、毎日の習慣とするのは実に大変なことでもある。進捗については別の機会に報告するとして、今のところは、業務日誌を続けることで得た読者の経験に耳を傾けたいと思う。もし意見やアドバイスがあれば、ぜひお寄せいただきたい。
HBR.ORG原文:Four Reasons to Keep a Work Deary April 27, 2011
(引用ここまで)
現在も進行中の日誌の効果確認ですが、私も改めて自分の行動を日誌に残す形で業務推進を図りたいと思いました。
私もその効用を確認できたら、皆さんにシェアさせていただきます。
ではまた。