こんにちは。
桜の花がきれいですね、3月ももうすぐ終わるので早いものです。
平成3年のお話ですが、借地権付建物が競売されて買主さんが買受代金を納付し、裁判所から売却許可決定が出されたにもかかわらず、実は地代の不払いによって借地権が消滅しており、借地権の購入が無効になったことから買主さんが国に対して「何で事前に借地契約が消滅していることを教えてくれなかったんだよ!」と損害賠償請求したという事例があります。
この建物が建っている底地の地主さんは、競売手続きの前に借地人さん(競売を申し立てられた債務者の方)が地代を支払わなくなったことから、建物の収去、土地の明け渡しを裁判所に申し立てて確定判決も出ていたとのことで、本来なら裁判所がその旨を債権者の方々に事前に通知していれば買主さんもこんなトラブルに巻き込まれずにすんだと思うのですが、判決は執行裁判所の通知義務について否定するものでした。
個人的にはこの競売の買主さんの気持ちが大変理解できますが、裁判所の見解は競売手続きにおいて借地権付建物を買おうとする人は、すべて自己責任で借地権の有無、内容を調べなさいよというドライなものです。
現在では金融機関などの債権者は、債務者が借地権付建物を担保にする場合には、地主さんから抵当権設定承諾書を頂くことを条件にすることで、地代の支払いがなくなった場合には債権者が代わりに支払いますという流れが一般的になってきましたが、地主さんによっては設定承諾してくれない場合もあります。
競売手続きの申立てを行う債権者、借地権付建物の買受人はもちろんですが、一般的な借地権売買においても、売主さんが地代を滞納しているという事実が判明した場合には、もしかしたら地主さんから借地契約の解除を求められている可能性があるかもしれませんので注意しましょう。
伊藤
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