映画『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』

『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』

(上映中~:J-MAXシアターとやま、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡、イオンシネマとなみ)

公式サイト:https://www.spider-verse.jp/

 

アニメ映画スパイダーマン スパイダーバースの続編です。

6月16日公開で、まだ字幕版を上映している劇場もありますし、

私、基本的に外国映画は字幕版で観たい派なんですが、

本作に関しては日本語吹き替え版が観やすくて良いと思ってます。

というのも、映像が斬新すぎて字幕を追ってられないのですよ。

前作では昔風のアメコミの絵が最新技術で動いている印象でしたが、

本作ではその映像がさらに進化して、斬新の頂点にいる感じです。

 

ちなみに、声優マニアさんたちにはたまらない配役だそうですが、

私はその辺は分かってません。ただ、全員、プロの声優さんです。

今の私は声優至上主義ではないですが、

やはり、声の演技としてのバランスの良さみたいなものは感じます。

 

『スパイダーマン』、本当に何作というか、何種類作るつもりなんですかね。

ザ・フラッシュの感想でマーベルよりDCを観ていると書きましたが、

マーベルのキャラクターでも、こと『スパイダーマン』に関しては、

ドビー・マグワイヤ主演版以降、全て劇場で鑑賞してきました。

アベンジャー臭にまみれた実写版の最新シリーズは、

2作目までは面白くなかったですが、3作目で大興奮ししております。

 

で、アニメ版パート2となる本作。

最近はマルチバースが流行ってますが、これに関しても本作が頂点かも。

いろんな時代の中に、いろんなスパイダーマンがいるのは面白いです。

で、前作はそこを楽しむのがメインだったんですが、

本作では前作以上に数多くのスパイダーマンが登場するだけでなく、

『スパイダーマン』の本質でもある「犠牲」と「苦悩」が描かれていきます。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

それぞれの時代の中で、それぞれのスパイダーマンが苦悩している。

ピーター・パーカーは自分の行動がもとでベンおじさんが亡くなり、

彼に与えられた言葉「大いなる力には責任が・・・」を背負って生きています。

グウェン・ステイシーも前作でピーターを失ったことを告白しています。

本作では序盤でその顛末が描かれていました。

そして、一人で戦うことの孤独を吐露しています。

 

ところが、アニメ版シリーズの主人公マイルス・モラレスは事情が違います。

前作でアーロンおじさんが亡くなりますが、彼はヴィランでした。

今作ではスパイダーマンとしての能力も上がっていて、

ブルックリンの警察署の副署長である父に正体は知られていないものの、

今は協力して町の治安に努めて結果を残し、

そして、高校生ということもあって、ちょっと調子に乗っています。

キャラクターとしてはトム・ホランドのピーターに近いものがあります。

 

そんなマイルスのもとにグウェンがやってきました。

グウェン・ステイシー、前作よりも可愛く見えました。

ちょっと強引ですが、目鼻立ちだけなら小芝風花ちゃん風にも見えます。

そもそも、私の好みでいえば、実写版でもグウェンの方がMJより可愛い。

再会を喜ぶマイルスでしたが、グウェンには目的がありました。

ギリギリのところで保たれているバース、時空のゆがみを正すこと。

その為にスパイダーマンたちがマルチバースの中心に集結していて、

グウェンもそのメンバーのうちの一人になっていました。

 

それを知り、当然自分も仲間に加われるはずと思っていたマイルスでしたが、

リーダーであるミゲルは頑なにマイルスを拒絶します。

マイルスは他のスパイダーマンが通ってきた道を知らないから。

愛する人を失ってもなお、自己を犠牲にして世界を救う。

これぞスパイダーマンの生きる道。

実際、実写版でも元祖はもちろん、アメイジングにもそれがあり、

最新シリーズの彼にはなかったのが私の不満要素ではありました。

 

マイルスは近い未来、もうすぐ警察署長になる父が、

ヴィランによって殺されてしまうことを知り助けたいと考えますが、

それこそが本来あるべきバースをゆがめることになるとミゲルは言います。

ミゲルが力説しているときのバックの映像にレジェンドのシーンが!

新しい『スパイダーマン』ですが、過去作のリスペクトも忘れていません。

 

もう一つ、驚くべき事実がマイルスにはありました。

彼は本来、スパイダーマンになるべき人物ではなかったというのです。

これに関してはここでは割愛しますが、

前作でやたらとクモの数字が目立つと思ったら、そういうことだったのか。

でも、となると、そもそもマイルスの運命とは何だったのか・・・。

 

なので、マイルスは「運命は受け入れるのではなく、自分で変えていくもの」

と考え行動しようとしますが、ミゲルや他のスパイダーマンは阻止したい。

で、マイルス対スパイダーマン軍団の戦いが始まるという。

どの時代のスパイダーマンも戦いながら饒舌ですよね。

その辺りもバトルの映像と併せて楽しく観られる要素になっています。

そして、大人数の組織の中には、必ず一匹狼的存在もいて、

スパイダー・パンクやインディアみたいなキャラには憧れちゃいます。

 

そんなこんなで、あっという間に140分が終わっていきました。

ダレたわけではないけれど、なかなかマルチバースの中心にいかないな。

お~!ついに来たか、マイルス対スパイダーマン軍団!

え?これって・・・、これからまたヤマ場で、これ、話は終わるの・・・?

あっ、やっと出てきたよ、モノクロのスパイダーマン♪

とか思っていたら、エンディングでまさかの「つづく」の三文字が!

私、2部作になってるって知らずに観ていました。

いや~、早く続編が観たいなぁ。もう4年後とか嫌ですからね!