何色の空の白い雲 -6ページ目

お話『カール』

カールは彼女が落とした星屑を集めて生きています。


カールは、いつも笑っている彼女が大好きなのです。



今夜もカールは星屑を集めます。


その輝きを眺めながら、カールは彼女の笑顔を思い浮かべるのです。



笑顔のかけらは、見渡す限り広がっています。


だから、たくさん集められます。

でも、全部は集めきれません。

それだけの量を入れられる袋は持っていませんし、
時間もありません。夜が明けてしまいますから。


今夜は満月なので、星屑たちも生き生きと輝いているようです。

次々と袋の星屑が増えるにつれ、カールの背中も明るくなっていきます。




月の光が届かない路地裏に入った時、何かがつま先に当たりました。


星屑でした。


カールが星屑を見落とすのは初めてです。



この星屑は、確かに輝いてはいますが、いつもの眩しさはありません。

どこか柔らかな光で包まれているようです。



カールは不思議に思って、他の星屑と比べてみました。


背負っていた大きな袋の口を、両手で丁寧に開いてみます。


するとどうでしょう。


星屑はそれぞれ全く違った表情をしているではありませんか。

カールは暖かい眩しさの中、じっと目を凝らします。



光の一つ一つは、色も違えば、形も違います。
くすんでいるものもあれば、尖っているものもあるようです。



そのいくつかをそっと掴んでみましたが、中にはすごく小さく、今にも割れてしまいそうなものもありました。



その小さな光を両手に包み、いつもの笑顔を思い描きました。





一粒の光が流れ、新たな明かりが灯りました。

鳥かご

昨日、ペットショップの前を通ったので、鳥のコーナーに立ち寄ってみました。


鳥コーナーといっても、籠にインコ類が入れられているのと、隅に全く関係のない生物が置いてあるだけですが、


数日前に『バーディ』という映画を観ていたのもあり、自由で優雅…平和の空間に浸るようなつもりで近付いて行きました。



そこには5、6個の籠があり、それぞれつがいで仲良く飛び回っています。
時より特有のあの鳴き声を響かせながら。



コーナーは一つの部屋になっており、
出口は今踏みいれた入り口だけです。



数歩進んだ中央で、正面のセキセイインコを眺めたところ、背筋がゾッとする感覚に襲われました。


これがほんとの鳥肌でしょうか☆


滅多にない、恐怖による鳥肌です。




先程までの可愛らしいあの鳴き声が、今では鼓膜に鋭く突き刺さってきます。
インコの声量をなめてはいけません。



絶え間ない羽ばたき音からは、接近してくるかのような錯覚を感じ、

羽の精密なつくりを想像すると身震いがします。
ちょっとグロテスクじゃないですか?
動きも虫と似ていますし。



そんな生物が、今にも籠から飛び出して、こちらに飛び込んできそうなのです。

それが僕の四方を囲んでいるのです。




そんな不安の中にいると、硝子で囲まれたこの部屋も一つの籠に感じてくるものです。



部屋の隅のウーパールーパーが、一匹死んで浮かんでいました。





入ってきた入り口からその部屋をあとにしても、背中の違和感はすぐには消えませんでした…





やっぱりインコたちに、あの籠は小さすぎるのかな…


そんな繰り返された物思いに耽ながら、


紙屑を天井目掛けて放り投げてみた。




やっぱり届かなかった。

Don't 三猿(見ざる聞かざる言わざる)

今日から授業が再開する大学もあるそうです。
といっても、すぐにシルバーウィークとやらが始まりますが…



社会的にある程度の自由が与えられる大学生になると、
それぞれの違いというものが、目に見えてきますよね。


同じ大学生であっても、かつての中、高校生活にあったようなルーティーンも多様になっていますし。


ただどうしても、この大まかな差異を、悲しいかな…上下、優劣で捉えざる得ませんよね。

そして、下層に見えてしまう人の生活パターンは大体察しがつきます。
会話においての返答、反応も然り…

音楽や映画や本の趣味も…

好きな異性のタイプも…

メール時に使う絵文字や、夜景好きであることも

別れ際に「おつかれ」って言いたがるところも…

…も。



彼らは、その偏見に気付いておらず、気付こうともしません。


そして言うのです。


「今は今しかないんだから」



昨日まで遊んだ彼らは、今日から授業をこなしに行きます。


数年後、彼らは働きに行くのでしょう。





連休に向けて、DVDを大量にレンタルしようかな…


価格破壊中のGEOへ★