お話『カール』 | 何色の空の白い雲

お話『カール』

カールは彼女が落とした星屑を集めて生きています。


カールは、いつも笑っている彼女が大好きなのです。



今夜もカールは星屑を集めます。


その輝きを眺めながら、カールは彼女の笑顔を思い浮かべるのです。



笑顔のかけらは、見渡す限り広がっています。


だから、たくさん集められます。

でも、全部は集めきれません。

それだけの量を入れられる袋は持っていませんし、
時間もありません。夜が明けてしまいますから。


今夜は満月なので、星屑たちも生き生きと輝いているようです。

次々と袋の星屑が増えるにつれ、カールの背中も明るくなっていきます。




月の光が届かない路地裏に入った時、何かがつま先に当たりました。


星屑でした。


カールが星屑を見落とすのは初めてです。



この星屑は、確かに輝いてはいますが、いつもの眩しさはありません。

どこか柔らかな光で包まれているようです。



カールは不思議に思って、他の星屑と比べてみました。


背負っていた大きな袋の口を、両手で丁寧に開いてみます。


するとどうでしょう。


星屑はそれぞれ全く違った表情をしているではありませんか。

カールは暖かい眩しさの中、じっと目を凝らします。



光の一つ一つは、色も違えば、形も違います。
くすんでいるものもあれば、尖っているものもあるようです。



そのいくつかをそっと掴んでみましたが、中にはすごく小さく、今にも割れてしまいそうなものもありました。



その小さな光を両手に包み、いつもの笑顔を思い描きました。





一粒の光が流れ、新たな明かりが灯りました。