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JR九州と水戸岡鋭治さんのタッグがまた、実現しましたね!
そして今度の車両は「或る列車」だそうです。


再び車両デザインを担われたのは、他ならぬ「ななつ星」をデザインされた水戸岡鋭治さん。
今回は幻の豪華列車「或る列車」を再現し、ななつ星譲りの煌びやかなデコレーションが目を惹きますね。
移動の「観光化」を推進するには、箱と中身。
ななつ星の成功体験を水平展開する。
今回のコンセプトは「ARU」。
これらは今の九州が国内ばかりか海外からの観光客へのアピールを明確に打ち出し、
九州という地方から直接海外へ観光地としての認知を推進する姿勢と受け取れる。
各地方がなかなか振興事業を打ち出せない中で、
自分たちの地の利を最大限活かす努力を、
地元のインフラ企業が積極的に行っている所に、
やはり地域ブランド化へのカギが見え隠れする。
「或る列車」のコンセプトが如実にそれを表していないだろうか。
東京・南青山に店を構える"sustainablity&gastronomy"をコンセプトとする
「NARISAWA」のシェフである成澤由浩氏。
土や水といった、自然界のマテリアルを食すものに感じさせる、
自然保護を意識した料理メニューが現代のecologicalな食文化にマッチする。
もちろん食材は九州の地物を使用し、地産地消も忘れない。
基本プラン料金は一人 20,000円~(二人席を二人でご利用の場合。 2015/7/18時点)。
基本プランは「大分駅→日田駅」「佐世保→長崎駅」など
運行区間の片道JR、スイーツコース、ドリンク代等含む。
個室の利用も別プランとして用意され、別途料金が必要とのこと。
この辺りも観光コースを複数用意し、様々な利用客シーンに幅を持たせている。
あとはこの料金に見合うだけの価値があるかどうかは、
利用した方々の口コミを待つこととしたい。
全国グルメ列車ガイド (NEKO MOOK)
ネコ・パブリッシング
1,404円
Amazon.co.jp
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創業期からジョン・スカリーCEO時代以降に、
主に製品のデザインと開発に関わった人物たちの中で、
この「ジョナサン・アイブ」に登場するキャストは以下のとおり。
ジョナサン・アイブらIDgのデザイン作業は、
スケッチ→模型→製造の一方向へ進むものではない。(ストリンガー氏は語る)
ボタンのデザインに50種類の模型を作成し、
細いエッジの仕様を見て、突き出し、柄、形、素材、
サイズのディテールを熟考する。
ディテール作りは継続的なデザイン工程の一部で、
すぐに模型を作ったり、
エンジニアリングやオペレーションと協力したりすることもある。
PowerBookのステンレス製電源ボタンはサプライヤーに、
12個の微妙に異なるサンプルを作らせていた。
Infinite Loop 2というビルに移転後、
大型の工作機械とプロトタイプ制作装置が設置された。
ジョニーのオフィスにある大のお気に入りの椅子は、
イギリス家具メーカー、ヒル製のスポルトで、
フレッド・スコットが1979年にデザインしたもので、
革とアルミニウム製である。
ジョニーの部屋の外に4つの展示用テーブルがあり、
MacBook、iPad、iPhoneといった製品ごとにセグメント分けされていて、
試作品には黒い布がかかっている。
スケッチブックはイギリスのデーラー・ラウニ社製のカシェットが人気。
以下にデザイン工程で主に使用されるソフトウェアと機材を記す。
キャンディー販売機(ストリンガー)+卵型(サツガー)+プラスチック(ジョナサン)+半透明(メンバーの誰か)
スティーブ・ジョブズはボンダイブルーを気に入り、筐体にハンドルを付けることに同意した。
レガシーフリー(USBのみサポート)
製造技術(工作機械、射出成型の規格)の革新
LGの専用工場(筐体全般)とシンガポール工場(マザーボード)
デザインサンプル→CADと金型で調整→ジョニー達がサンドペーパーでバリ取り
革命的製品開発→新バージョンの展開とアップグレード(間髪入れず)
iMacは5年で10色を32モデル作り続けた。
ANPP(Apple New Products Process)の立ち上げ。
→企画~アフターサービスまで詳細に手続きが書かれた膨大な規約。
サプライチェーンから店舗、下請け含め数百社。塗装からネジ、半導体に至るまで。
→組織的な記録作りが際立った特徴(サリー・グリスデール)
→コンカレント・エンジニアリングと4分野の製品群への集中。
iMacのlaptopをブレインストーミングでアイデア出し。
「フォーカスグループはやらない。明日の可能性に触れる機会のない人たちに、
未来のデザインについて聞くこと自体が的外れだよ」 by ジョナサン・アイブ
ハンドルはマグネシウムの芯にサーリン(ゴルフボールに使われる耐衝撃素材)
ラッチレスで完全に閉まるクラムシェル型。
弾力素材、ポータブル、ラッチレスが際立った特徴。
FireWireの初搭載でWiFiを内臓(してネットワークカードとベースステーションと接続)する
ホームネットワークにイノベーションを起こした。
デュアルUSB「アイス」はマグネシウムフレームにポリカーボネートを組み合わせ、
HDDを含む重要部品周りは自動車エンジンのようにラバー素材の緩衝材で耐衝撃性能を与えた。
損傷しやすいボタンやラッチは廃止、表面素材によって密閉され、
スリープ状態は表示が内側から外へ透けて見える工夫がされた
家庭用は多色プラスチックからモノトーンのポリカーボネートへ、
プロ用はアルミニウムを使用するデザインへ、それぞれ転換した時期を迎えた。
サンフランシスコの倉庫に特別スタジオを準備して、
数万ドル相当のコンピュータを設置。
筐体は整形チタニウムで仕切りにプラスチックを使用し、
複雑な内部枠組みと強化プレートで強度を出していた。
チタニウムは加工前は美しいが指紋や傷が付きやすく、
塗装も剥げやすい。
蓋を閉めるとき内側からラッチで受け止める仕掛けが特徴。
蓋が閉まりかける寸前に、魔法のようにラッチが飛び出す。
ボディ下方の小さな磁石が、蓋側の細い隙間からラッチを引き寄せる。
高級なステンレススチールのボタンを押すと蓋が少し浮き上がり、
その下に指を差し込んで開く。
磁石を応用する製品はここから始まった。
iPadはマグネットのスマートカバーの開閉で起動とスリープを行き来した。
下部だけが透ける8インチの立方体で浮き上がって見える外観を備え、
冷却ファンがなく、下部の通気孔から内部へ空気を流して、
天板の排気口から排出する静かな空冷機構を実現していた。
電源入切はタッチセンサで行い、透明ケースの表面に印刷された。
→静電式タッチスクリーン技術の利用の先駆け。
標準的な金型を使った射出成型ではなく、
プラスチック素材の機械加工に踏み込み、
ネジ穴や通気孔は精密機械で加工するという、
精密加工技術を確立する。
後々のアルミニウム一枚板からiPadなどの製品開発に貢献し、
大量生産手法の根本的な転換点を迎えた。
東芝が自身で開発した直径1.8インチのHDD
(5G、1000曲分)の使い途をルビンシュタインへ相談したことで、
クリスマスまでに生産することを条件にiPodへ採用。
社外のデザイン会社にいたトニー・ファデルが、
携帯電話の部品を利用した模型を作成してジョブズへプレゼンし、
フィル・シラーが市場調査で得たスクロールホイールを組み合わせるよう、
ジョブズからファデルへ打診。
スクリーンはソニー、ステレオD/Aはウルフソン・マイクロエレクトロニクス、
FireWireはテキサス・インスツルメンツ、フラッシュメモリはシャープ、
電源管理と充電チップはリニア・テクノロジー、
MP3デコーダとコントローラチップはポータルプレイヤーからそれぞれ調達。
ティム・ワスコとジェフ・ロビンがiTunesのUserInterfaceを設計。
バッテリー交換要否の独自調査で不要と判断した結果、
筐体を2枚のパーツ(ステンレススチールとアクリル正面部)で構成できると分かり、
パーツが少ないことが製造精度の誤差を減らし、内部ラッチで自然に繋がる、
繋ぎ目のない精緻なデザインが実現した。
ジョナサンは最初か白とステンレスによる究極のシンプルさ(色だけでなく)で、
中立的で断然ニュートラルなものを目指した。
ヘッドホンのカラーも純粋な白ではなく、
ムーングレーとシーシェルグレー(とサツガー氏が語る)で塗装された。
純粋な白での塗装をジョブズが拒絶していたため。
筐体の白いプラスチックの表面にはパースペックス(アクリル樹脂)が重ねられ、
透明の層を作り上げ、後光が差すように見える効果を生んだ(とジョニー氏は語る)。
パッケージは運送会社ではなく顧客を向いてデザインされた。
コンテナ運送用とリテール用でそれぞれ個別にデザインされた。
最初にiPodはジャーナリストに「Idiots Price Our Devices」と揶揄された。
人間に似せた形の首長デザインをジョブズが親しみやすさを理由に選ぶ。
スクリーンの背面にクランプを付け、
バネ入りケーブルに関節をまとめる方式を開発。
クランプを締めるとケーブルが張り関節が固定され、
クランプを緩めるとケーブルも緩み関節が動く。
しかしIDEOにより2本の電気スタンド用のアームで固定する方式を提案され、
その後にジョブズとサツガーに1本で十分で見栄えも良いとダメ押しされた。
ステンレスアームは内部の高圧バネのお蔭でスクリーンの重みを完璧に調整でき、
1本の指でスクリーンを調整できた。
スクリーンのベゼルも調整時に押すことで液晶画面が滲むことを避ける為、
iPodで採用したパースペックスによる強度アップと後光効果を与えて解決した。
スクロールホイールは4つボタンを内蔵したものが考案される。
(ジョブズは初代で思いつかなかったことに後悔した)
ジョニーのクルマ好きが奏功し、
Aston Martin DB9のアルミニウムボディにヒントを得て、
iPod miniのアルミニウムボディを考案する。
筐体をアルミニウムシートを正方形に押し出し、
表面に強度と仕上げの処理を施した後に、
それを陽極酸化加工する。
これがキッカケでメタルシートの製造を、
フォックスコムなどのサプライヤーに誘いかけて実現した。
プラスチックからアルミニウムの筐体へ移行を模索したが、
押し出しではなくロールフォーミングで筐体をC型に成形した。
(開いている側にはドアが付く)
マザーボードを含む内部部品までデザインしたのはこの機種が初めてだった。
冷却ファン容器やプレナムも作った。
内部へアクセスするドアのラッチは、
内部についた上下一対の細長いデッドボルトに連結するラッチをデザインした。
内側のラッチが起動すると、蓋を留めている上下のデッドボルトがスライドする。
(自動車のボンネットラッチから着想)
ダンカンが持ち込んだマルチタッチディスプレイが発端で最初はタブレットだったが、
iOS担当のスコットがちょっとしたスクロール式の電話帳を作り、
これがiPhoneを開発する突破口となった。
最初はiPodベースとマルチタッチベースの2つのプロジェクトでコンペし、
利便性の理由(小さな画面とクリックホイール)からマルチタッチの採用が決まる。
ジョニーは「魔法のような」「驚きのある」セレブな、
インフィニティプールを思わせるディスプレイを作ろうとした。
ストリンガーのエクストルードデザインのメタルが主張し過ぎるとジョブズが指摘し、
リチャードのサンドイッチデザインを採用するも大きさと厚みの削減に苦しむ。
最後はどちらも破棄され、過去に破棄されたデザインの中に、
全面スクリーンでホームボタンだけがついたものを見つけ採用する。
iPhone4ではついにサンドイッチデザイン(2枚ガラスで挟み、
周囲をメタルでぐるりと巻き覆う)を実現する。
マルチタッチ方式に抵抗膜方式ではなく、
スクロールホイールやトラックパッドなどに使ってきた静電気容量方式を採用、
台湾で斬新かつ応用範囲の広い技術でPOSディスプレイを開発していたメーカーTPKから調達。
プロトタイプ時のディスプレイはプラスチック製だったものを、
ガラスメーカーのコーニング社が開発していたゴリラガラス
(高熱で溶解されたカリウム塩にガラスを浸し、
小さなナトリウムイオンが消えて溶解内の大きなカリウムイオンに置き換わり、
冷却後に大きなカリウムイオンが圧縮されることで、
1インチ10万ポンドの圧力に耐える強化ガラス)へ置き換えた。
iPhone3Gと同じ背面素材(ポリカーボネートとABS樹脂を混ぜた
強化プラスチック)の採用を目指したが、
射出成形時の縮みと歪みがiPhoneよりはるかに大きく製造が難しいため、
アルミニウムでの成形に戻り、補強のためプラスチックより厚みがあり、
丸みもジョニーが望んだほどには付かずかさばったが、
潔いミニマリズムデザインとして完成した。
従来の複数の薄いメタルシートを重ねる手法とは真逆の、
厚みのある一枚のアルミニウム板から削り出して筐体を成形する。
アルミニウムはリサイクル効率が高く、
不純物を取り除いた余りの材料を再利用している。
ロボット制御により、1キロを超える高純度の硬質アルミニウム板から、
たった100グラムちょっとの精緻なフレームが生み出される。
ユニボディを支えるのは部品点数の削減努力による、
接合点数の少なさ。初代iPhoneでは30箇所あった接合点が、
ユニボディのものではたった5箇所まで減っている。
2005年のiPhone開発時から時計メーカーを研究し、
非常に高度な製造水準、精密な機械加工部品の使用が重要な発見。
(金属の加工、仕上げ、組立ての研究)
ユニボディはアルミブロックをCNCマシンのレーザードリルで切り出し、
作業の目印が付けられ、不要な部分の大半がここで大まかに切削される。
次に最終形に向けてキートップと入力ポート部分の切り出し、
ネジ穴の穿孔、内部ストラットとリブの成形を行い、
その後にレーザードリルでインジケーターライト用の穴を開ける。
極度に小さな穴のため、表面からは気が付かず、
光を当てると浮かび上がるほどの精度で開けられる。
またスピーカーグリルや他の小さな穴もレーザードリルで開けられ、
シリアル番号にその他情報のエッチングからiPodの背面の刻印までも行う。
CNCマシンのプログラミング変更で設定を幾らでも変えられる。
切削の後で筐体をCNC研磨機に送って表面を整形して均一化し、
表面にセラミック、シリカ、ガラス、またはメタルなどの乾いた粒子を、
高圧で筐体表面に吹き付け、マットな質感を出す。
その後に仕様によって、陽極酸化、クリアコート、鏡面などで仕上げを施す。
鉄のカーテンと呼ばれるほどの、IDgに対するセキュリティ体制。
研究部門はなく、いくつかの部門内でそれぞれ研究開発が行われる
16人のデザイナーによる製品・製造工程の改善(Samsungは1000人規模)
AppleのIDデザイナーは「存在しないものを想像し、それに命を与えること」で、
それは製品に触れて感じる経験を想像すること(とクリストファー・ストリンガー氏が語る)
デザイナーの多くは数十年間共に働き、強い絆で結ばれる。
製品デザインは独りで行うことはなく、製品ごとにリードデザイナーがつき、
一人か二人がサポートに回る。
デザイン工程が守られるように毎週ミーティングが行われ、
週に2、3回はチーム全員でキッチンテーブルを囲み、
ブレインストーミングを行う(参加義務があり、3時間ほどで開催) 。
ジョニーはすべてのセッションに参加した。
みなでスケッチし持ち寄って発想は徹底的に叩かれ、
吟味されて初めて模型が作られる。
ブレインストーミング後に全員のスケッチがリードデザイナーに渡される。
プロトタイプは社外のファンシーモデルズに依頼し、
自社のCNCでは初期模型やプラスチックの型、
小さなアルミ部品などに使われる。
iPodでは筐体内部の溶接線も含めて一台ずつ手磨きされたことからも、
材料への要求が高く完成度へのこだわりが強い。
ジョブズがiPodをプレゼンする際に「Appleの最先端技術、伝統の使いやすさ、
見事なデザインがひとつになっている」と語る。
| 商品名 | 商品写真 |
|---|---|
| ジョナサン・アイブ |
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こんにちは。
前回は「不動産力を磨く」の書評にて、
不動産業界の改革を消費者側が起こすために必要な、
消費者側が知るべきリテラシーについて書きました。
今回の書評は逆に、不動産仲介業者が行う改革にフォーカスした、
本書を読破することでソニーの本気度とそのビジネスモデルについて、
自分なりの考察してみました。
本書から得られたこととして、
ソニー不動産が従来の不動産仲介・管理会社とは異なる、
未開拓な不動産市場(ブランドは高く、コストは低い)を開拓したこと。
そしてそれを実現するためにITを駆使して売却・購入仲介、
プロパティマネジメント事業を統合した情報ストックシステムを構築したこと。
その結果、業務仕分けと効率化で顧客満足に直結する事業に特化し、
手間が「掛かった分だけ」手数料を請求するビジネスモデルを開発。
これがソニー不動産のコアバリューとなっていることが理解できた。
このモデルは今後ソニー銀行やソニー生命などの他の事業との連携も考えられ、
ソニーの金融業の将来性が高まるものと期待されるとともに、
不動産市場の特に中古住宅流通革命の代表的な成功モデルになるだろう。
これが不動産業界全体へ波及することで国が推進する制度・インフラ改革が、
促進されることを切に願う。
本書の概説は書籍の目次以降をご覧頂きたいと思います。
今回もまた長くなりますのでお時間が許されれば、
最後までお付き合いください。
ソニーといえばエレクトロニクス。
誰もがそのようにイメージするはずの家電メーカーが、
金融商品を取り扱い始めたのは1981年のソニー生命から。
その後にソニー銀行、ソニー損保と気がつけば3社に。
ソニーの話題はAppleやSamsungなどの世界的なメーカーと、
メディアでは常に比較されるほど何かと注目されているが、
その裏で2013年から準備し2014年より不動産事業を立ち上げ、
その4ヶ月後には他者の査定額よりも400万円も高く、
東京中野区の築10年経たマンションの住戸売却を成約し、
いちやく不動産業界で注目を浴びている。
この章では、
ソニーがこれまで築き挙げた金融事業に共通する、
サービスの差別化や独自のビジネスモデルに触れ、
その根幹を成す基本理念が「合理・フェア」であると、
著者は自分が経験したソニー生命の営業モデルを、
回想しつつ語っていた。
->書籍の目次へ戻る
ソニー不動産の創業社長の西山和良氏が、
自らの不動産投資での消費者体験で感じた違和感、
従来の慣習に起因する不動産取引の不透明性を払拭し、
徹底的に顧客利益を追求するビジネスモデルを考案、
ソニー社内で異例のスピード承認を果たすまでを、
回想的にまとめあげた体験談が描かれている。
->書籍の目次へ戻る
ソニー不動産の不動産業界での立ち位置が、
いかなるものかをこの章で説明するために、
不動産取引が抱える仕組み上の課題を、
大きく以下の3つに焦点を当てている。
建物の資産価値が構造上の寿命ではなく、
1998年から2003年で解体された、
住宅の平均築年数(22年)というから、
税制の耐用年数としたこの数値が現実離れしている。
不動産流通機構が仲介業者へ開示している、
レインズと呼ぶ不動産データベースを閲覧できるため、
消費者では知り得ない物件価値情報を握っている。
これが取引を常に主導できる立場(情報の非対称性)を生む。
売り手と買い手のどちらも仲介した場合について、
同一手数料を両方から得られる宅建業法があるため、
他の仲介業者から情報を隠蔽し利益をせしめようとする。
前章で挙げられた課題に対して、
「公平・合理・高品質」の3つのキーワードにより、
ソニー不動産は不動産流通革命を起こそうとしている。
それはすべて顧客体験の追求にフォーカスしていると言える。
以下は本章で書かれたキーワードごとの施策を要約した。
これらがソニー不動産を支えるビジネスモデルとなっている。
仲介側が両手仲介によって売却・買取手数料の両取りのために、
消費者同士が仲介業者の都合で取引を迫られることを防ぎ、
結果として消費者最優先の取引の公平性を確保する。
従来は宅建業法で規定の上限額を手数料として請求されていたが、
本来なら取引で発生した業務に応じた金額とするのがあるべき姿とし、
間接業務のルーチン業務と顧客価値創造業務とを区別した上で、
取引内容を決定する各パラメータによって手数料割引を導入し、
手数料の内訳を合理化する。
宅建業法改正の歴史が消費者の満足という視点に立っておらず、
紛争解決のための規定のみであるため不動産業者に優位を下支えし、
敷金・礼金や修繕費を借り手に強要する低いリテラシーの温床になっており、
ソニー不動産は利益最優先の従来の商慣習に切り込み、
自社のエージェントの評価査定基準に利益と同等に顧客満足度を導入し、
顧客へのアンケート結果をその査定に応用する独自の取り組みを採用。
同時に毎夕で集会を行い顧客満足度向上の取り組みをエージェント自ら、
持ち回りで報告するという業務アプローチを採用することで、
エージェントのモチベーションとリテラシー向上を図っている。
ソニー不動産という新たな会社が設立できた背景として、
西山氏の「不動産流通を革新して日本を良くしたい」という志を支柱に、
不動産市場の変革の機運(宅建士制度や情報ストックシステムなど)と、
ソニーというブランド力により増幅される期待感の相乗効果が、
不動産業界では異質の存在となるソニー不動産に人が集まる魅力を発する。
不動産業界に居て商慣習の中で顧客満足を追求できないと、
半ば諦めかけていた優秀な人材を惹きつけ革新への希望を与えたことで、
立ち上げ時の人材公募では予想に反して1000人規模の応募があったという。
そして何より西山氏を支える風戸氏(不動産仲介透明化フォーラム 元経営者)や、
不動産業界で25年のキャリアと人材育成のスペシャリストである島津氏が、
西山氏の志と熱意に共鳴し執行役員として支えたこと。
これらは全てソニーというブランド力と、
顧客満足度日本一を目指すという明確なビジョンによるものと、
筆者はこの章で結んでいる。
->書籍の目次へ戻る
ソニー不動産のビジネスモデルについて掘り下げて書かれている。
売却仲介・購入仲介・プロパティマネジメント(以下PM)事業が、
ビジネスの柱となっており、売却とPM、購入とPMでの協業も生まれる。
各事業領域でそれぞれ「高く」売れる仕組みに触れており、
他の仲介業者との差別化が垣間見える。
売却・購入仲介事業ではITでの情報武装と割引手数料制で顧客利益最大化を最優先する。
ITを駆使して独自の情報ストックシステムを構築し、
レインズや市場売買情報、リフォームによる再販業者の動向を網羅し、
地図上へ表示することで消費者自身が希望の住環境・価格によって、
物件を自ら選べることで情報の公平性と取引スピードを加速する。
PM事業では管理費の適正化と住環境維持で資産価値最大化を最優先する。
またPM事業は売却物件および顧客の購入物件の維持管理も請負い、
ワンストップで不動産流通サービスを提供していくという。
どの事業もITによって構築するストック情報と取引業務システムにより、
すべての領域を統合した情報網を独自構築することで他者と差別化し、
オペレーションのスピードと質の最大化で関節業務の効率化を徹底し、
顧客満足度に特化した手間(規模・築年数・期間)が掛かった分だけ、
顧客から手数料を頂くという取引の合理化がコアバリューとなる。
このようにサービスの合理・透明化に徹底した顧客満足主義を貫き、
人に感動を与えることを至上命題としてきたソニーというブランドが、
信頼感と期待感として競争上の大きな武器になる。
これはブランドも手数料も高い大手仲介会社とも、
ブランドも手数料も低い中小の仲介会社とも異なる、
ホワイトスペースと呼ぶ未開拓の不動産仲介市場を開拓したことになる。
まさにソニー不動産はブルーオーシャン戦略を地で行くメーカーとなった。
先の章でも触れたことも踏まえて、
ソニー不動産が異例のスピードで立ち上がった背景をここで纏めている。
それは西山氏が備えていた起業家精神と不動産業界を革新するという志があり、
社内でベンチャー支援機構を創設した(ソニー銀行を設立した)執行役員の十時氏が相談を受け、
十時氏と西山氏から説明を受けた平井CEOがその事業構想にソニーのDNAを見出し、
西山氏が築いた人脈を活用することで成し遂げた結果であること。
そして世間の不動産業界への不満が起爆剤となり、
ソニー不動産が広く認知される後押しとなり、それは紛れもなく、
「顧客第一主義」と「ソニーブランド」が成し遂げたことだと、
納得させられた。
->書籍の目次へ戻る
西山氏によるソニー不動産の立ち上げを決意した背景について、
ソニーのDNAが人を感動させることにあることを、
平井CEO直下の業務改善部署時代に共感し、
自らの不動産取引体験の中でもっていた違和感や不満の解消し、
消費者に寄り添ったサービスによって感動させると確信し、
不動産仲介透明化フォーラムの風戸氏との出会いをきっかけに、
アクションが実現していく過程と当時の想いとともに綴っている。
最後は情熱とプランと覚悟さえあればソニーという看板が使えることが、
ソニーの強みとも答えている。
->書籍の目次へ戻る
西山氏がソニー不動産立ち上げ時に十時氏へ相談を持ちかけた当時、
十時氏も社内ベンチャー育成支援を立ち上げた矢先だったこともあり、
十時氏は西山氏に過去のソニー銀行立ち上げ時の経験を語りつつ、
事業計画書を作成させたことについて、当時の想いを綴っている。
十時氏のソニー銀行立ち上げ当時の苦労や難題についても触れており、
ソニー不動産の立ち上げとは異なる難しさを読み取れる。
最後にハードルを超えることがソニーのDNAで、
それは社員が持つ自己実現への渇望と不安が源泉とも話している。
->書籍の目次へ戻る
過去、ソニーがデジタル事業領域へ経営資源集中を打ち出した際に、
実は出井CEOによりソニー生命の分離が検討されていたことや、
十時氏が立ち上げたソニー銀行も迷走時期があったことが綴られ、
誰がやり遂げるかが不明確で曖昧だったと十時氏は語る。
そしてソニー銀行を立ち上げた十時氏が得たのは全ては人ということ。
ソニーのチャレンジ精神と情熱を持つ起業家志向の人材の育成により、
第2・第3の西山氏が輩出され、ソニーの発展に寄与すると結んでいる。
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| 商品名 | 商品写真 |
|---|---|
| ソニーはなぜ不動産業を始めたのか? |
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【更新履歴】
2015/06/07 読了し、投稿も完成しました。
2015/06/06 第4章のII、IIIを追記しました。
2015/06/03 第3章と第4章のIを追記しました。
本書とは、不動産投資を検討するに当たって、
現在の不動産市場の課題とこれからの姿を掴むためでした。
読み終えた私個人の総括としては、
金融資産として捉えるならリートを長期運用すること、
賃貸経営事業として捉えるなら実物不動産に人生を賭ける。
こんなところでした。
よくちまたにサラリーマンでも片手に・・・といった、
心地よい安楽なキャッチタイトルの書籍もありますが、
それらがいかに出版サイドの販促に縛られているか、
ということを改めて知ることができました。
詰まる所は地道に金融アナリストの指南書を読み込み理論武装し、
成功例・失敗例がそれぞれ真摯に書かれた書籍で仮説思考を繰り返す。
その結果として自分が資産運用なのか賃貸経営なのか、
それとも節税対策が目的なのかをはっきりさせる必要がある、
ということを学ぶにいたりました。
有意義かつ現実的な書籍で、巻末には5人のアナリストが紹介した、
印象に残った本として15冊がリストアップされています。
こちらも参考になるかと思います。
機会があればまた投稿しようかと思います。
最後に本書のAmazonへのリンクを添付しておりますので、
ご興味をお持ちになりましたら是非手にとってご覧ください。
1990年代後半から起きてきた不動産のマーケット構造の変化を、
著者は「地殻変動」と称し、人口減、グローバル化、エネルギー問題など、
これまで身の回りで起きた生活環境変化に目を向けることで、
不動産業者のみならず我々消費者(客)も「不動産力」を身につけて、
売り手市場で顧客満足度が存在しない不動産マーケットにおいて、
適正な商品・サービス評価を市場原理に取り込むことによって、
さらに多様な商品やサービスの流通と適正な競争を促し、
不動産マーケットの成長を促したいという著者の想いが綴られている。
->書籍の目次へ戻る
この章では以下6つの豊かさの指標を用いて、
1章で綴った不動産市場の成長分野を細分化し、
それぞれの現状と期待する姿を描いている。
この3章では不動産業界で環境変化(地殻変動と筆者は呼ぶ)が起き、
現代の経済環境が変化(少子高齢化、地価下落、低所得水準など)した結果、
高度成長期に高らかに謳われた戸建至上の価値観が崩壊してもなお、
新築戸建にすがる行政に不動産業界と我々消費者の姿を描きながら、
現代の消費者において不動産力を身につけるor養うためのキーワードを、
以下3つの観点で説明している。
マスコミやネットで情報を発信している側(情報発信元)は、
大抵の場合に情報提供者の恣意的な意図が織り込まれるため、
提示される情報の見せ方やデータの根拠などに注意を払わないと、
情報提供元に振り回される恐れがあることを解いている。
高度成長期に見られた投資目的の物件探しにおいては、
現物(物件や立地環境)を確認もせずに住宅購入する者がいたり、
それで損失を被ることが多々見受けられた過去の経験から、
住宅購入は物件だけにフォーカスせず周囲の住環境にも目を向け、
公共へのアクセスといった利便性など地形上の価値についても、
消費者側での調査が必要になることを解いている。
突っ込みとは嫌がらせではなく消費者側の純粋な疑問であり、
不動産業者から提示される情報に対して疑問を持ち、
自分たちが提示された物件へ求めることについて率直に、
不動産業者へ投げかけるべきと解いている。
不動産業者の方が知識が豊富であることに遠慮せず、
自らのわがままをぶつけてみようと言っている。
この節では住まいに関する質問に対して筆者が、
市場に流通する物件の状況を回答している。
質問の数は戸建orマンションや新築or中古or賃貸借、
マンションの構造、間取り、管理、リノベーションに関するもの、
そして複数世帯住居からシェアハウスまでの13個にのぼり、
それぞれ個別に不動産業者への質問例まで記載されており、
現在の住宅市場において現役世代のアクティブな住居環境から、
老年期における終の住処を見つけるためのノウハウが、
丁寧に説明されている。
前半は新築戸建やマンションの購入検討時における注意事項を、
主に取り上げており、単純な経済的損得で選ぶべきではなく、
特に新築戸建は地価下落損失分は暮らしの豊かさへ還元されたと、
柔軟に受け止められるかどうかを問われる。
中盤からは賃貸の物件品質の著しい向上について、
その背景に従来は相続税対策だった土地活用が大きく変化し、
人口減や供給過剰による住人獲得競争で物件品質の向上が目覚しく、
もはや戸建と遜色ないことを解説していた。
特に災害時の備蓄や非常用トイレの設置など生活継続計画(LCP)を立て、
これに対応する賃貸物件が増えていることは東日本大震災の教訓が、
実際に生かされた好例である。
終盤では中古物件市場について、
リフォーム・リノベーションによるバリュエーションアップを計ることで、
物件の資産価値を修繕・改良し住環境を再生させることで、
新築購入に比べて大幅な低コストで住宅購入が可能になるケースも紹介。
また複数世帯住居の選び方において近年流行している賃貸用途については、
戸建では土地の売却可能性の考慮が必要だったり買い手が付きにくいなど、
リスクが高いことを筆者は指摘しつつ、近年現れてきた多世帯連結可能で、
売却時には独立の区分住居として売却可能なマンションの紹介も。
ペットOKやリフォームOK(原状回復不要)などの賃貸物件も登場し、
貸し手市場から借り手市場へ移行する中で多様で柔軟な物件の登場にも触れている。
そして介護サービス付き住宅や老人介護施設への移住といった方法以外に、
予めバリアフリーや介助機能を備えた戸建やマンションに入居することで、
終の住処で安心して生涯を終えられる環境も現れている現状を紹介している。
現在に世帯構成が変わり新たな住まいを模索する方には、
まさにうってつけの内容となっている。
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この説では前半は住まい編と同じく日本の地価の上昇について触れ、
経済の成熟化に伴う地価下落局面ではインフレヘッジ機能は存在せず、
高度成長期で起きた用地の供給不足により牽引された地価上昇は、
用地供給過剰の現代では収益性とビル経営状態が物件価値を決定すると説く。
そして話は企業が地方から大都市圏への移動と集中が相次ぎ、
地方だけが取り残されるという状況が深刻化する中で徳島県を例に、
IT企業のサテライトオフィス誘致により街を復興した事例の紹介や、
また地方の観光資産を最大限に活用・PRにより旅行者を受け入れ、
滞在者や宿泊者のための居住施設をリフォーム・リノベーションし、
空き物件を再利用することも可能であると謳っている。
そして次に企業の本社・事業所は自社ビルor賃貸かという話題に移り、
事業継続計画(BCP)の基盤となる防災・震災対応可能な物件の必要性、
財務諸表上(資産種別の計上・償却、景気動向との連動性など)の計上の相違、
構造、設備の経年劣化への対応、共益費込み賃借料の不透明性、
運営管理費用の有無など所有or賃貸それぞれのメリット・デメリットを挙げて、
最新の判断材料を提示してくれている。
またオフィス内の行き過ぎた空間マネジメント(フリーアドレスデスクや、
ストレスを感じやすい距離間のデスク構成)が社員の生産性を低下させ、
適切な空調管理を施せば社員の生産性があがるという話題は、
オフィス内ばかりで業務を行う私には説得力がある。
最後は今話題のダイバーシティ経営についても触れており、
女性や高齢者、身体の不自由な方から外国人といった多様な人間が、
不自由なく利用できる利便性の高いオフィスが注目をされており、
保育施設を構えるビルや異業種間の交流が円滑なシェアオフィスを紹介し、
企業が不動産運営(ファシリティマネジメント)を求められるとを指摘している。
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投資観点で株式・債券・不動産株・実物不動産取引と不動産投資信託(リート)を比較し、
リートがどのようなメリット(流動性)とデメリット(景気連動)を持つかを解説しつつ、
消費者の購入マインドにも触れ、投資目的をしっかり持つことを注意喚起している。
また実物不動産がオープンな市場時価ではなくクローズドな独自の市場を形成し、
初心者や不動産業者以外の人間が情報を得るのが非常に難しいことを指摘しており、
実物の海外不動産投資についても業者でさえ現地情報を得難いなどといった要因で、
一般人にはハードルが高いことを注意している。
それに対してリートが日本株に非常に近いリスク商品であることや、
株式と債券の中間にあるミドルリスク・ミドルリターンとして安定性があり、
実物不動産投資は管理費用や空室対策など支出も多く収益が上がりにくいことから、
不動産投資はリートが堅いことを説明しています。
不動産会社が最近始めた私募リートは公開市場リートほど高くはないが、
換金流動性がありかつ実物不動産への投資に近い(時価総額を基準に収益分配)とし、
公的年金機構(確定拠出年金など)も株式・債券の代替として検討していることも、
紹介している。
ヘルスケア不動産(有料の介護施設)へ投資するヘルスケアリートについても、
日本では2014年11月5日から日本ヘルスケア投資法人がすでに上場しているが、
アメリカではすでにヘルスケアリート市場が形成され、
2013年度時点で役7.6兆円規模で取引されている。
ここ日本でもサービスが始まったばかりで運営の継続性やサービスの優位性を、
判断できるほどの実績がなく介護保険収入に依存していることもあり、
将来性においてやや不透明であるため投資を早まることはないと綴っている。
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不動産投資本の選び方について5人のアナリストの談義し、
次のような意見にだいたい集約されている。
| 商品名 | 商品写真 |
|---|---|
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不動産力を磨く Q&Aで"手ごわい客"になる知識を身に付ける |
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