ヒジキには無機ヒ素が含まれているので食べない方がよい、と前回の記事(ヒジキを食べるなら1週間に1回まで)でお伝えしました。

 

ヒジキを食べなくても困ることはありません

 

栄養素は他の食品から摂ることができます。

 

 

ヒジキに多く含まれる栄養素は、鉄・マグネシウム・食物繊維です。


鉄の含有量は、ゆでたもの100gあたり0.3mgです。

月経のある成人女性の1日の鉄摂取推奨量は10.5mgです。

 

ヒジキを少し食べたくらいでは、ぜんぜん足りません

 

鉄の多い食品として知られていますが、実はそれほど多くはないのです。

 

以前は鉄釜で炊いていたので、鉄の含有量が多くなっていました。

 

しかし、現在は衛生面を考えてステンレス釜が使われていて、鉄含有量が少なくなっています。

しかも、含まれる鉄は吸収率の低い非ヘム鉄です。

鉄にはへム鉄と非ヘム鉄があります。

 

吸収率が高いのはヘム鉄の方で、10~20%ていど吸収されます。

 

それに対して非ヘム鉄は、わずか3~5%ていどしか吸収されません。


鉄を多く含む食品は次のものです。

 

100g当たりの鉄含有量は

 

 

アサリ水煮缶:30mg

 

豚レバー:13mg

 

かつお:1.9mg

 


マグネシウムは体内の300種類以上の酵素の働きにかかわっています。

 

便に水分を引き込んで柔らかくし、便通を促す働きも期待できます。


マグネシウムの含有量は、ゆでたヒキジ100gあたり37mgです。

マグネシウムを多く含む食品は、海藻やナッツ・種子です。

 

 

100gあたりのマグネシウム含有量は

 

 

あおさ:3200mg

 

あおのり:1400mg

 

ごま:370mg

 

 

ヒジキも海藻ですが、他の海藻と比べてそれほど多くはないのです。

 

 

 

食物繊維には腸を刺激して便通を促す、腸内細菌のエサになる、糖や脂肪の吸収を穏やかにするなどの働きがあります。

 

食物繊維含有量は、ゆでたヒジキ100gあたり3.7gです。

 

食物繊維は、野菜、海藻、きのこ、豆類など、さまざまな植物性食品に含まれています

 

動物性食品では、カニやエビなどの殻にキチン・キトサンが含まれています。

 

ヒジキを食べなくても摂取できます。

 

食物繊維の1日の摂取目標量は、成人男性20g以上、成人女性18g以上です。

 

ヒジキを食べただけでは足りません。

 

いろいろな食品を食べることで、目標量を達成できます。

 

このように、ヒジキに多いとされている栄養素は他の食品から摂ることができます

 

ある栄養素がヒジキに特別に多く含まれているわけではないのです。

 

無機ヒ素のことを考えるなら、わざわざヒジキを食べる必要はありません。