主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
九条一郎さん：長男で次郎の兄 35歳
九条 次郎：次男で香織の夫 33歳
九条京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん：長男一郎の婚約者 36歳
地域で有名な病院のご令嬢。妊娠中に一郎の不倫も発覚。
麗子さんの父：小田切病院の総院長
美和：一郎の不倫相手、看護師と曲者の資格を持つ。
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。曲者。
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ついに九条のお店にも
入り込んできた美和。
一人でランチを食べ
一郎の母であり、
女将である克子を褒め称える。
一郎はそのことを
麗子に報告したかったが
半端にお昼からLINEで伝えても
いらぬ心配をさせると思った。
まぁそんな配慮
今更だとは思うけれど。
そしてその夜
克子から手渡されたのは
美和から預かっていたという
１通の手紙。
克子
「…その女性、
一郎とどういう知り合いなの？」
人のことに
口を挟みたがる性分の克子が
こんな出来事を
放っておけるはずがない。
一郎
「どういうって…
ただの友達だよ。」
克子
「それなら電話とかメールとか
色々手段はあるじゃない。
今時手紙なんて。」
意外と鋭いことを言う。
克子
「それで、なんて書いてあるのよ。」
一郎
「なんでそんなことまで聞くんだよ。」
いや、話せ。
明日も来るって言ってるのに、
ここで克子に隠す意味もメリットも
あるわけがない。
けれど一郎は
そこでは封を開けなかった。
早々に九条のお店を出て、
自宅に向かう。
なんなら一郎が
この店から出てきたところを
突撃してくることも出来るわけだが
美和はそう言ったことはせず
あえて克子の顔を見て手紙を渡す。
一郎は身震いした。
◆
一郎
「ただいま…」
家に帰るまで、
一郎は手紙を読まなかった。
中に何が書いていても
もう麗子さんに
隠し事をするわけにはいかず
店を出てからすぐ麗子さんに
（今日、ランチの時間に
彼女が手紙を持って
九条のお店にきました。
お会計の時に母さんに
直接手渡したらしく
中身はまだ読んでいません。
家に帰ったら
麗子の目の前で読みます。）
そう送った。
麗子さんは、
リビングで待っていた。
その間に
私と香織のグループLINEにも
その知らせが送られてきていた。
麗子さん
「…ひとまず、
色々考えても仕方ないから
書いてあることを読んで。」
麗子さんがそう言うと
一郎は手紙の封を開けた。
一郎
「…じゃあ、読むよ。
（お久しぶりです。
先日、奥様の
お父様にお会いしました。
院長は一郎さんのことには
全く興味がないご様子でしたが
一郎さんの方は奥様に
洗脳されているのでは
ないですか。）」
麗子さん
「は？」
手紙の途中だが麗子さんは、
ついつい突っ込まずには
いられなかった。
麗子さん
「…あ、いや、
あまりにも下らなくて…
最後まで聞く。」
一郎
「あぁ…うん
（私は一郎さんに
ご自身を取り戻していただきたいです。
私ならもっと一郎さんのことを
理解してあげられます。）
…って、書いてある。」
…この女は、
何かの病気でしょうか。
それとも、演技なのでしょうか。
宇宙人すぎるこの手紙の内容に
麗子さんは怒りも悲しみも
湧き上がらなかった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」